サマーリーグ⑥キングスはヤル気だ

ここまで24.0点、3P69%(笑)、4.0アシストしているデズモンド・ベインのエースっぷりをみたくてグリズリーズを選びました。しかし、ベインはお休み。そんなわけでキングス中心の話になります。

◎グリズリーズ

先に触れておきましょう。グリズリーズはシーズン同様にPGとセンターの絡み方崩していきます。戦術ベースを同じにして、使える戦力を探すスタイルです。それでいてロスターに「身体能力は抜群だ!」なんてタイプはいません。

戦術実行力が高く、判断力の高い選手を探す

こんなイメージです。何人かよい選手がいた反面で誰もが「大活躍はしない」というスタンス。しっかりと判断力を示せた選手が生き残るのでしょう。そして満遍なく活躍していたから「誰が良かった」が思いつかないな。

ハンドラーの役割、ビッグの役割が明確なので、それぞれが余計なプレーすることなく、適切なポジションバランスで攻めていました。なお、マグダーモッド弟がいますが、割良い感じのプレーをしていたよ。

ただ、チームとしてはウインガーは「パスを待っていれば良い」といえば良いのだけど、そんなことをしていたらプレーに参加せずに終わります。この力の入れ加減はとっても難しいチームだよね。

ベインやティルマンが休養なので、注目となったのはドラフト10位のザイアー・ウィリアムス。しかし3P6本外し、10点と結果を残せず。とにかくグリズリーズのプレースタイルに戸惑っていた空気です。

ということで、ここまでは「ボークナイトにしておけばよかった」くらいの出来です。もう少しレベルアップしてトレーニングキャンプで会いましょう。

◎キングスはヤル気だ

そのザイアー・ウィリアムスの前となる9位でダビオン・ミッチェルを指名したのがキングス。スターターにはもう1人39位指名のNeemias Quetaがいますが、どちらも22歳。去年の43位ラムジーはワン&ダンでしたが、キングスもサンズ同様に

ワン&ダンに期待するよりも、実力を示している選手を獲れ!

こんなスタンスになっています。なんせワン&ダンで成功しているのがフォックスしかおらず、ヒールド(ペリカンズからトレード)やハリバートンもワン&ダンではありません。バグリーやジャイルズの失敗から路線変更したのかな。

Q.ここまでで最も良いプレーをしているルーキーは誰ですか?

答えはダビオン・ミッチェルです。4年間大学で腕を磨いた選手は、ルーキーとは思えない落ち着きとゲームメイク能力でキングスをけん引しています。「10年目です」といわれても信じてしまいそうなほどの安定したプレーです。完成されたプレーの方が正しいかな。

1つのスキルの精度、どのスキルを活用するかの判断力、マークマンとの駆け引きetc

大それたスタッツは残さなくても圧倒的。間違いなく即戦力クラスじゃん。でもさ、フォックスとハリバートンがいるのにPGとってどうするんだよ!!!

キングスの問題はダビオンの活躍度ではなく、チームとして何がしたいのかわけがわからないことです。完全なるPGタイプを3人も連れて来てどうしていきたいのか。同じことをしているのがホーネッツのボレゴですが、ルーク・ウォルトンにそんなプランがあるとも思えないんだけどな。んー、でもアルビン・ジェントリーはペリカンズ時代にやってたか。

さて、キングスのサマーリーグは上記のメンバーにメトゥを加えて「若手たちの修業」に使っています。そして

シーズンでやりたい戦術を、そのまま試している

そんな感想を強く抱きました。だからキングスは本気でPGを3人並べる気持ちがあるのだと!もちろんコートにいるのは2人ずつであるけれど、ヤル気を感じた試合でした。

その中で気になったのがSFになるルイス・キングとAde Murkeyの2人。なおAde Murkeyだと思うけど、他の選手だったかもしれません。確か17番なんだけど、ボール持つ機会が少ないからなぁ。

キングは「シューター」と紹介されていましたが、いずれにしても「フォックスがPGの時にコーナーにいるハリバートン」っぽさがありました。両サイドから時にハイポストに出てきてパスの中継役をするし、そこそこプレーメイクに参加する。

基本はダビオンとラムジーのツーガードでオフェンスのほぼ全てを組み立てていくので、ラムジーをフォックスにしたら、そのままじゃん。だから本気で

PGダビオン
SGフォックス
SFハリバートン

これを考えているんじゃないかな。テレンス・デイビスも残したので、コンボガードさせるPGばかりを確保しています。もっとハリバートン任せでもいいんだけどなー。

マジでヤル気だぜキングス。そして主役となるダビオンとラムジーがそれぞれ19点。2人で3P7/11でした。何よりも3スティールずつを記録しており、史上最低だったらしいディフェンス面も

ガードのハイプレスでディフェンス改善を図る

こんな匂いがしていました。やる気だぜキングス。そのためのダビオンなのか。絵に描いた餅に過ぎないのか、予想外の戦術変更によってディフェンスのチームになれるのか。

・・・グリズリーズのハンドラーがボールを持ってダビオンに近づくと「デンジャラス」といってた解説も面白かったよ。

◎メトゥとケイタ

Quetaはケイタでいいのかな?

PGとセンターの合わせでプレーを構築していたグリズリーズに対して、基本はツーガードで構築していくのがキングス。もちろん、ビッグマンはスクリーンにはくるし、インサイドにダイブするけど、基本はガード陣が攻め切るスタンスでした。ダビオンもアシストは少ない。

そしてハイプレスを志向しているので、インサイドの2人もハードに動き、そこからのトランジションに参加する走力が求められます。なんだかメトゥ向きですが、ナイジェリア代表で3Pシューターとなっていたので、どうなんだか。それよりもケイタの順応性が目立っていました。

ホルムズのようなショートレンジはないけれど、動ける7フッターはフィジカルもあって非常に印象深かったです。1人でインサイドを任せられるし、能力でぶん殴るわけではなく、ボックスアウトしてガードにリバウンドを取らせるシーンもあったし、ハッスルプレーが良かった。

これトリスタン・トンプソンよりも、このバスケにフィットしそう。というか、3ガードだから、こういうタイプが欲しい。実はそれってバグリーでもあるんだけど、どうなるんだろうか?

ガード陣が点を取り、ハイプレスをしていくのは、攻守において常にどこかしらにスペースが生まれるという事。広いスペースを埋め切れるだけの身体能力とハードワークは3ガードとセットです。ホーネッツの場合はブリッジスとワシントンというウイングに任せることもしていた。

そんなわけで、サマーリーグのキングスは「PG3人も取ってどうするんだよ」というツッコミに対して「こういうバスケをするんだ」と強く反論しているようでもありました。

ただ、これってバグリーはともかく「ヒールドもバーンズもいらない」にも見えてしまいます。ヒールドはリバウンドの強さもあるので、シューター担当として使いどころはあるんだけど、バーンズの方はメトゥやケイタをやれといわれても苦しいだろうに。元ウォリアーズACのルーク・ウォルトンからすると「バーンズに相応しい役割」なのかもしれないけど。

メトゥの3Pが入る前提で言えば、このインサイドコンビは良かったです。でも普通のチームだったら使えない2人。そして理想を言っていくと、これまたアルビン・ジェントリーの話になって

ADとミロティッチorランドルのインサイドコンビ

これに近いんだろうな。でもトリスタンやケイタ、メトゥでこれを想定するのは無謀な気もするぜ。バーンズがミロティッチなのかな。そこまでペイント内で強く守れる印象はないぞ。

ペリカンズ:ロンド・ホリデー・ムーア・ミロティッチ・AD
キングス :ダビオン・フォックス・ハリバートン・バーンズ・ホルムズ

こんな感じかな。ヒールドがムーアの方がわかりやすいか。そして、ここまでくると「ホリデーが欲しいからダビオン・ミッチェルを指名した」ような気がしてくるね。実質的にはHCアルビン・ジェントリーなんじゃ。

◎主役はガード

しかしADがいない以上はガードが大活躍する必要があるわけで、いかにもフォックスに頼るような構成に見えてきます。でも、予想外にダビオンがスコアリングガードしていたね。特にステップバック3Pが高確率で決まっており、イメージ外のプレーで役割を果たしています。

こんなに3Pで点を取りに行くイメージはなかったので、やってることがドノバンに似てきているんだよな。それはキングスがやりたいことに、ダビオン個人がアジャストしているようにも見えます。

ラムジーもダビオンも6-2しかないので、小さいコンビでしたが、しっかりとアウトサイドシュート中心にオフェンスにしていきました。いわゆる能力の高いタイプのガードが強引でも得点に行くわけですが、それにしては鮮やかだったキングス。

これだと一番イメージが違うのがハリバートンになるな。あと、やっぱりヒールドとバーンズよりもシアカムだな。うーん。

ダビオンとラムジーにはドライブ系統が少なく、そこがサイズのデメリットでもあります。フォックスとハリバートンなら、関係なく飛び込めるから、よりパターンは増えるかもしれません。

いずれにしても「ガードの得点力」はキーワードです。それをスコアリングよりもゲームメイクタイプのダビオンとハリバートンでやろうとしているのも面白いかも。これは「向いていない」といえばそれまでですが、3人のガードを並べるならば「適切な判断が出来る選手」であることの方が大切なはず。だから、これでいいんだと思うわけで。

サマーリーグはこれで3連勝。それくらい充実しているし、戦術的にも成立しているキングス。それはキングスとは思えないな。メンバーは変わっても、シーズンも同じスタイルで飛び込みそうなだけに、サマーリーグならではの「戦術が明確」なことを感じれるかな。

果たしてキングスはトレードを成立させることが出来るのか。ただ、そこに3人のPGは含まれずに進むのかもしれません。

・・・とかいっといて、シアカムのトレードにハリバートンをラプターズが求めれば、ドラギッチをマブスに送り込むのも現実的なんだよな・・・

サマーリーグ⑥キングスはヤル気だ” への2件のフィードバック

  1. まあヒールドを出すことを前提にドラフトしましたからね。昨シーズンの連勝中のフォックス、ハリバートン、ヒールド、ハリバン、ホームズをそのままヒールドとミッチェルを入れ換えた想定ですね。ハリバンは確かにきつそうだしそんな場面もあります。でも相手次第だったりもするんですよね、ホークス戦でコリンズに付いた時はメトゥより守れてたりもしました。オフェンスでは中の争いは厳しくなりますが。バグリーは走れてもほんとにそれだけなんですよね。余裕でディフェンスでマイナスですからね。もうあきらめてコーナースリー担当させたりしてますし。
    ま、仮にミッチェルをセカンドユニットにしても組み合わせはあるとしてもTD、モー、メトゥ、TTというメンバーですからまずまず守れるという目算は立つ。のかな?バグリーはオンボールディフェンスが壊滅的で、オフェンスではアシストが出来ないので正直1分たりとも使う必要が無いと個人的には思ってるんですが、どうなりますかね。ヒールドとバグリーでシアカムがベストですけど。残ったら残ったで使える感じがするのは結局ハリバートンとミッチェルが器用だからかなって思いますね。実際ハリバートンのオンコート時はヒールドは攻守で数字あがりますし。特にディフェンス。ま、このプレスも結局はフォックスのやる気次第ではありますが。DIFF%は1.5とかその辺だったのでまぁエースガードキャラとしてはそこまで悪くないので今のままでもある程度良くはなるとは思いますね。

  2. スーパーエースのベイン君を観て欲しかったのですが、休みでしたね(笑)
    いやーボールを待ってるだけというウイングの件は、ホントにそう思います。ウイングは絡み方難しそう。ザイアーウィリアムス君は、何したらいいんだろうか感が出まくってますねー
    タイラージェンキンスならもう少し活かしてくれるのかなー

    昨日はキングスのガードディフェンスに完敗でしたね。ガードが満足にボール持てないからハーフコート何も出来ませんでした!!キングスはみんなディフェンス意識高そうに見えましたし、新シーズンは飛躍するのか!?

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