オリンピック 日本vsスロベニア

さて、ドンチッチの回が来ました。1人のスーパースターと仲間たちはアメリカよりもずっと効率的。ただし、それは「上手くいっている時」の話であり、歯車が崩れた時にどうするかは、それこそマブスがオフに求めている補強でもあるわけです。ドラギッチ兄がいたユーロとはちょっと違うぜ。

チェコ、ドイツ、イタリアにも共通するように最終予選を勝ち上がってきたチームの方が、初戦の状態はかなり良かった。一方でスペイン、アメリカ、フランスとなかなか苦しんでいる優勝候補。ドンチッチとスロベニアは決勝トーナメントに向けて、これらのチームを倒せるのかどうか、その真価が問われるかどうかはわからない日本戦です。

日本もホームという事もあって、気合の入ったディフェンスでチャンスを作ったスペイン戦でしたが、ルビオが出てくるとテンテコマイだったように、そこの小さな完成度の違いが大きく響く展開です。そこまでもっていけているってことでもある。だからスロベニアの完成度がさっくりと上回ってくるのか、抗うことが出来るのか。そんなところから始まるのでしょう。

まぁ勝負に関しては全てドンチッチ次第です。今日がアンタッチャブルな日ならノーチャンス、ダメダメなら勝てるチャンスは大きくなる。そこの振れ幅がどこにあるのかが、キーポイントです。オフェンスは頑張れる前提ね。

◎パーフェクト

今日は日本から。八村がステップバックミドルです。うーん、やっぱりゴール下に侵入できません。渡邊のドライブからギャビンへのパスは乱れ、ちょっとツラめ。初得点は同じく渡辺からギャビンの押し込み。次は八村がターンシュート。これは良さげかな。

ただ、日本はエアポケットみたいに「何をしたいのかわからないオフェンス」が登場します。八村がボール運びして田中がもらいにきたけどパスを出さず、馬場に渡してターンオーバー。チームとしてはちょっと厳しいのだけど、個人では八村がミドルレンジでフェイクし、スロベニアは飛ばずに距離を詰めたけどファールコール。ホームだよホーム。あと今日はコールが軽い。

ドンチッチには渡邊。オーソドックスなスタイルを選んできましたが、早速ギブ&ゴーでイージーに崩すドンチッチ。が、パスが悪くて通らず。その次はコーナー待機で空いたスペースにドラギッチのアシストからブラジッチがイージーレイアップ。次はドンチッチがシンプルにドラギッチ弟に打たせ、馬場がファールで3ショット。

ってことで試合序盤のドンチッチは「なんかディフェンスがプレスに出てきているから、スペーサーになるね」でした。日本はみんながドンチッチを見過ぎて、ワンパスからイージーに打っているスロベニア。ドンチッチはピック使って、インサイドにアシスト。イージーだな。

そしてドンチッチは同じ形からギャビン相手のステップバック。外れたけど、もう試合開始からパターンとしてはパーフェクト。馬場がついてきたら即座にポストアップしてファールドロー。マジでパーフェクトだな。同じ形からキックアウト3Pをアシスト。マジで完璧すぎるぜドンチッチ。それくらいイージーってことだな。

渡邊が来たら全部vsギャビン
馬場が来たらポストアップ
ヘルプが強そうならパス出してイージーシュート

なんというか、この凄さを「シュートもパスもドリブルも上手い」で片づけられると困るよね。今日のドンチッチがスゴイのは全部できる個人能力に加えて、「プレーチョイスが抜群」ってこと。逆に言えば一般層にはドンチッチの凄さが伝わりにくいかもしれません。

それでも日本は何とかオフェンスで対抗します。スロベニアはインサイドディフェンスに困り気味。インサイドっていうか「八村に引き出されると対応しきれない」ような雰囲気です。そのうえでラッキーな速攻も出て15-15の同点です。

田中・八村と3Pが続き、当たりまくっている日本。そして「八村がシューター化していていダメじゃん」はどうやらラマスの狙いっぽいです。スペイン戦と同じ形でオフボールムーブしての3Pが出ています。沖縄大会の時は「これのどこに八村を組み合わせるんだろう」って思っていたら、そのまんまシェーファーの位置にして、もっとシュートを打たせるって毛でした。シェーファーっていうか、もはや金丸状態。

さて、日本は馬場がファールトラブルで、その金丸を出します。つまりラマスは「いかん守れん。オフェンスで勝負するしかない」ということをハッキリさせました。ただドンチッチが渡邊相手にもポストアップして6点差になったところでタイムアウト。なお、その後フリースローは外してくれるドンチッチ。

日本は金丸を出したけど八村無双で勝負します。

じゃあ金丸じゃなくていいじゃん。

インサイドの八村ならいいけど、基本的にアウトサイド勝負だから、そこから金丸にパスでないでしょ。「3Pがオレの仕事だ」の金丸だけど、パスが来なければ単なる弱点。

ってことで無双が効いている時間は良かったけど、八村が打たないと決められず、終盤になって離されます。最後はドンチッチからコーナーに出しての3Pが外れたけど、

ドンチッチと八村が同じことしてどうするんだ

っていう1Qになりました。まだシューターに徹させた方がマシな気が。

◎インサイドで潰す

ドンチッチは下がらないけど、渡邊と八村も下がらない。

ここで登場した富樫がスロベニアのキックアウトパスに反応してカットします。そうそう。ローテディフェンスにはスピードのある選手だよね。インサイドばかり固めている日本だったので、油断したパスを出したプレペリッチ。ただドンチッチは富樫のスピードディフェンスに腕を引っかけてファールドローに成功。3Pドローにしたのにレフリーはスローイン指示で苦笑いのドンチッチ。

日本に比べて3Pが決まらないスロベニア。日本が決まりすぎなだけだけどさ。ただ、金丸は「打たなきゃ」って感じで酷いシュートを打ってしまった。一方で、決まらなかった3Pをやっとプレペリッチが決めると、続いて「金丸はちょろい」と踏んだムリッチがドンチッチを無視した1on1からプルアップ3Pをうってミス。今日は決まらんね。日本はラッキーだ。

で、決まらなくても必殺ファールドローで3ショットをゲットするドンチッチ。またvsギャビン。徹底したチョイス。今度は3本2本決めて11点差に。3本は決めないのがドンチッチらしさ。

比江島投入すると、ドライブからキックアウトで渡邊が3P。金丸の時にそれをやってあげればよかったけど、どうしても交代策としてPG+1人だから同時起用できない。

日本はインサイドのディフェンスは奮闘していて、これがビハインドを抑えており、そのうえでスロベニアの3Pが決まらなくてラッキー。ただ、ドンチッチを下げても変わらぬスロベニアオフェンスに苦戦。スロベニアもレフリーに苦戦し、ファールコールがないことに怒ってテクニカル。ホームコートアドバンテージだぜ。

そしてインサイドで詰まらせるとそこから馬場の速攻で5点差に縮める日本。「守れないからオフェンスだ」だけで頑張っていたけど、ドンチッチが下がるとディフェンスで取り返すことに成功しました。タイムアウトのスロベニアは再びドライブするも、インサイドを潰す日本。そして3Pは決まらないスロベニア。いい流れが来ている日本。やっぱりディフェンスからじゃん。

オフェンスは比江島。3Pにミドル。今日は本当にオフェンスがいいし、まぁスロベニアも守れないのはアルゼンチン戦でも出ていたしね。だから守り切れるかが大事だな。

しかし、ちょっと圧力に慣れてきたプレペリッチがドライブからトビーへのアリウープを通すと、3Pもヒットして再び点差を二桁に。びっくりすることに日本はプレペリッチへのマークが軽い。ここまで3P1/5で助かっているけど、ほぼフリーを作って打てている。

日本も決まらない。スロベニアも決まらない。そんな感じになってきた2Q終盤。

ちょっと休んだ八村と、そこそこ休んだドンチッチが戻ってきます。で、八村がファールドロー。あかん。ホームコートにはアドバンテージがデカい。ただ、アドバンテージにしているのは実はドンチッチがファールドローしまくるからだったりする。バランスをとっているレフリー。

さて1Qにポストアップが成功したからか、渡邊相手に同じことをしたドンチッチをブロックします。この試合で初めての悪手を放ったドンチッチ。2Q終盤で初めては、それはそれでえぐいけどな。そして八村がドンチッチ相手のポストからターンシュートを決めます。それは良いプレーだ。ひたすらドンチッチを削るべし。

頭を冷やしたドンチッチは当然のようにスイッチ誘導でvsシェーファーにしてファールドロー。もう1つ同じくシェーファーにしてから、悪手のパスを出したんだけど、リバウンドをトビーが押し込んで前半は53-41。12点差でしたが、内容的には「守れない手法を取ったけど、オフェンスで頑張ったね」って感じでした。善戦は善戦。

〇3P
スロベニア 24%
日本    40%

これで12点差は苦しいし、オフェンスで頑張ったし。スロベニアは守れないし。ここまで戦えていることは高く評価できる一方で、スペイン戦と同じ匂いがするよね。八村が決めまくっているだけに、これを繰り返したところで

「勝ち越すイメージが沸かない」

っていう。延々と個人技を繰り返して勝つにはディフェンスの良いチームじゃないとムリ。でも、どう考えても守り切ることは不可能。あとは祈るしかない。そんな雰囲気が漂っていた前半でした。

◎ファールトラブル

後半もギャビンのスクリーンを使った八村のミドルから。ちょっとラマスは八村に頼りすぎ。ホーバスに怒られるぞ。さらに良い合わせでギャビンのゴール下になっても手間取ってブロックされたのとか、精度不足も怒られそう。ただ、八村は3Pが続くし、プレペリッチは決まらないし。流れは日本なんだよね。好調なのは日本、不調なのはスロベニア。

そしてドンチッチのプルアップ3Pも決まらない。ただ自由に打たせているから連打しているとブラジッチとドラギッチ弟が決めて点差は変わらん。日本はあまりに打たせるし、インサイドヘルプが厚いからドンチッチはドライブして、決めまくっているチャンチャーのワイドオープン3Pで16点差。

さらに日本はギャビンが肩を痛めてしまいます。ゴール下ばかりファイトしているからね。八村は外にいるし、延々とギャビンが頑張っていた。ヒューを使わないなら、公輔を残しておくべきだった。

そしてドンチッチに馬場がついたら、イージーにフィジってターンシュート。腰痛そうにしているのに関係ないな。

馬場がきたら100%ポストアップでフィジカル勝負

ドンチッチは特殊ではあるけど、ここはNBAだと当然でもあるんだよね。ちょっと減っては来たけど、相手の弱点は必ず使いましょう。ガードでもポストアップしましょう。ふぬぬ。Bリーグには伝わらないんだろうな。

日本は交代で出てきた比江島が頑張ります。オフェンスリバウンドに飛び込んでプットバック。それそれ。日本に存在していなかったガードのリバウンド。八村でビッグマン1人は外に引き出しているんだから、ガードも飛び込もうぜ。今度はシェーファーがリバウンドを取ると、ドンチッチが3つ目のファール。怒っているドンチッチ。ファールしているようには見えん。これでベンチへ。

ところが、ここでトビーに頑張られてしまった日本。オフェンスリバウンド時にファール。そしてセミトランジションでダンク。クラベルにやられまくったやつだ。そしてドラギッチ弟もカッティングからのゴール下で20点差。トビー1枚のビッグなんだけど、日本も八村が外に引き出されており、ゴール下にギャビンがいないからトビーに圧倒されました。だからせめてヒューを出せ!

八村はブロックに飛ぶんだけど、やっぱりちょっとずつ遅くってテンディングが多い。もう一歩シュートを遅くしていればブロックできるんだけど、スッと侵入されている。

八村をアウトサイドにつり出す
→ブロック間に合わない
→リバウンド弱体化

スロベニアの狙いが効きまくっているし、本当にこういうところが上手い。昨日のチェコもバルビンがゴベアを無効化していたもんな。

運動量が落ちている渡邊でしたが、スロベニアがスティールしかけたところで戻れないのだけど、富樫が上手くリカバリーしたことで、コーナーでワイドオープン3P。さらにコーナー待機で連続3P。これでなんとか食い下がります。だからハンドラー2枚でプレーメイクさせた方が良さげ。八村と渡邊の負担だけがデカい。

あと、またもスロベニアがテクニカル。レフリーにキレまくりのスロベニア。

さらに張本がスティールし八村のダンク。ドンチッチがいなくなると、直後はいいんだけど、時間が経つと苦しくなるスロベニア。日本もハーフコートは八村頼みなので、なんとかトランジションが欲しかったという3Qでした。80-64で16点差で終わった3Q。

この3Qはドンチッチがあまり出ていませんでしたが、ドンチッチがいるとワイドにパスがでて、いないと出てこない。だからベンチに下がった直後はインサイドが空いていたところを使ったスロベニアですが、時間が経つとインサイドを塞ぐ日本で守れ始めます。これは2Qも同じでした。わかりやすいな。ただギャビンがいないからリバウンドで負けまくり。

日本はゾーンしないね。マンツーでインサイドヘルプしまくって、ワイドに振られて打たれまくるわけです。でもドンチッチがいなければ大丈夫なんだとしたら、結局はルビオと似たような現象が起きているのか。

◎お疲れ

八村を引き出しても3Pミスが多いプレペリッチ。そのカウンターで八村から渡邊へのアリウープが決まります。これは後世に残るハイライトになりそう。そこでドンチッチ登場。

節政が「今日は渡邊選手が良く守ってドンチッチの3Pを止めています」と言ってるけど、実際には渡邊はスイッチ誘導されて守っていない。で、その直後にvs張本でステップバック3Pを決めるドンチッチ。嫌らしいな。

それでも八村が&ワンで食い下がります。八村が4Qでも得点しているのってレアな気が。しかもどんどんハンドラーをし始めています。スペイン戦とは違うぜ。どうしたハッチ。さらに渡邊も踏ん張りを見せ、トランジションに走ってレイアップ。

日本の方に意地が出ている4Q序盤。これはドンチッチがいても押し気味ですが、どうしてもリバウンドのポジショニング負けが多く、高さじゃなくてタイミングで負けてファールコールされています。人数が多いのに、隙間で先に飛ばれているし、ボックスアウトしない。でもスロベニアはとにかくシュートが決まらん。

引き続きミドルを決めていく八村。マジでラマスは酷いくらいに八村頼みに変えてきたな。それが成功しているのは八村が偉い。偉いけどラマスらしくはない。そして展開はしない。二桁点差がある中の試合終盤に向けて

確率の高い八村で行くか
展開して爆発する可能性があるハンドラーに切り替えるか

後者は少なくとも田中ではないよね。富樫の使い時です。まぁ田中で守り切りたいんだろうけど、実際に守れているというか、延々とシュートが決まらないスロベニア。残り5分でドンチッチが3Pを決めて21点差。

タイムアウトの日本はスモールにして馬場と比江島、田中を並べます。これで広くボールムーブするようになり、だけどワイドオープン3Pは決まらず。八村がドライブダンクに行くもミス。逆に動けなくなってきたディフェンスに穴が出来まくってワイドオープン3Pが決まり27点差でゲームオーバーでした。

これってさ、この試合をインサイド固めまくりのアウトサイド打たれまくり。点差が10点くらいでも勝てる気が全くしなかったわけですが

逃げ腰のディフェンス策でお茶を濁し、3P追いかけた4Qはボロクソにされた

という見方も出来るよね。つまりは「接戦には持ち込めるけど、勝ち目はない」みたいな。3P外れるのを祈るとはいえ、外れてもスロベニアがセーフティリードしていたしさ。うーん。うーん。うーん。世界との差は縮まったのか、お茶を濁したのか。

なお、事前の予想通り「じゃあ他の守り方が出来たのか?」と言われると出来ません。それが日本カルチャーだし、これに関してはラマスもトライしていたけど、全く修正できなかった。指導力不足といえばそれまで。Bリーグ問題の方が大きい気はする。

◎チーム八村

とはいえ、間違いないのは八村と渡邊の個人能力分だけは縮まっている事。この試合の主役はドンチッチじゃなくて八村でした。それくらい決めまくっていた。打ちまくっていたともいう。八村といえば「1Qだけスター」だったのですが、4Qまで打ち切れるってのは想像もしていないものでした。

だから八村は超がんばったぜ!そこに異論はない。

〇八村
36分40秒
34点
2P10/22
3P3/6
7リバウンド
3アシスト

しかし、これが「あまりにも突然」すぎるのが大問題でした。これって言い換えれば「シェーファーがハンドラーとしてアタックしまくる」なので、沖縄大会の内容とかガン無視。いくらなんでも振り切りすぎだろうよラマス。

個人的にラマスの評価は高いし、世界大会でここまで戦えるレベルまで引き上げたことはラマスの功績です。そこを差し置いて「交代策が悪い」とかいうのはナンセンス。

でも、今日の交代策は明らかに悪かったね。特に1Qの金丸投入は何の意味もなかった。だって八村がハンドラーしていてパスが出てくるわけないもん。コーナーに立っている金丸が切なそうだったぜ。だからとってもナンセンスなんだけど、それを生み出したのはラマスなのか、八村なのかはわからない。

ただ、そもそもが「八村、渡邊、馬場を長時間起用する」にしているので、金丸にパスを出してくれる選手は少ない。スペイン戦は馬場からパスが出たけど、今日はファールトラブルで下がっていたからパスを出す選手がいませんでした。本当は比江島と富樫(ベンドラメ)を並べれば話は違ったはず。

個人技に頼りすぎたラマス
合流が遅すぎた八村

こんなことが浮き彫りになったスロベニア戦でした。要するにアメリカみたいな八村でした。ドンチッチは最終予選に合流しているから馴染んでいるし、オリンピックで合流したガリナリはベンチスタートだもん。

〇得点
渡邊 17点
比江島 10点
富樫 8点

81点とったけど、そのうち4人で69点でした。しかもこのメンバー構成が問題で「全員が個人技担当じゃねーか」っていうスロベニア戦でした。八村のハンドラー化だけじゃなくて、そもそも個人技で何とかするようなチームに代わってしまった。さすがにベンドラメは可哀そうだ。ヒューを出せ。

だからスペイン戦の方がまだ良かった。なんでこうなったのかはよくわからんけど、少なくともラマスの交代策がこれを推し進めてしまった。だから、非常に印象の悪いラマスっていう試合でした。

逆に今日は選手の方は良かったよね。みんな頑張ったと思うぜ。渡邊は限界を超えていたと思うけど、それでも最後にさらに走り切った。意外とシェーファーなんかもリバウンドに絡んだし、まさかの比江島プットバックまでみれた。ただ、全ては

八村に託したパターンが多かったことでチームオフェンスにはなっていない

それ以上に酷かったのはディフェンス。リバウンドのところは人数は足りていて取れていないので選手が悪い。高さじゃないもん。「人数が多いのにボックスアウトしていない」が問題なので。パウエルがボックスアウトしてドンチッチがリバウンドを取るようなことが出来なかった。

ドンチッチへの対応は常時「マンツーマン、スイッチ、インサイドヘルプあり」だったので、そりゃあドンチッチにぶっ壊されるよ。ギャビンもシェーファーも張本も、頑張って止めに行ったけど、そういうことじゃないじゃん。事前の予想通り、延々とドンチッチはスイッチ誘導を繰り返してきたでしょ。そして馬場がきたらすかさずポストアップ。

ドンチッチがしてくることは誰でも予想可能な内容だった
ラマスはドンチッチにされるがままの対策を取った

ラマスが悪すぎたスロベニア戦だった!

多分、こんなにラマスを批判したことはなかったはず。あまりにも無策。あまりにも凡庸。そんな戦略を準備していました。これは正直「勝てるはずがない戦い」でした。酷いぜ。その中で選手は頑張ったと思ってはいる。

まぁラマスが「絶対に勝てないから、みっともない点差にならない戦い方をしよう」としたのであれば肯定されるのか。5%の勝機を求めて攻略を目指すか、100%勝てないけどリスクマネジメントするか。前者なら大敗してたし、後者を取って30点差の負け。そんな風にも捉えられるのでした。

〇ドンチッチ
25点
7リバウンド
7アシスト

プレータイムが25分46秒とアルゼンチン戦に比べて短かったこともあり、予想よりも低いスタッツでした。特にアシストがね。この守り方ならもっと稼ぐと思いましたが、3P外しすぎたスロベニア。最終的に40%になったけど、それは試合が決まってからだったし。

〇3P
チャンチャー 3/3
ドラギッチ  2/3
ブラジッチ  2/7
プレペリッチ 2/9

シュート担当が決まらなかったスロベニア。それでも116点まで積み上げたのでオフェンス力は高い。でも八村だけじゃなくて、そんなに1on1を守れていないので、ディフェンスはつらい。オフェンスで制して駆け上がることが出来るのかどうか。

〇OR
日本 9
スロベニア 17

ギャビンが離脱した事もあって、一気に苦しくなりましたが、逆に言えばスロベニアもこれをとれないと厳しかったし、3P多いから取れると思っている。そこが日本とちょっと違うな。ロングリバウンドが多いのでとれるんだよね。なお、ギャビンのファールトラブルもラマスが悪い。ドンチッチと戦わせたら、そりゃそうだ。

まあ日本も9本とったので悪くはない。でも八村は1本だけ。アウトサイドでハンドラーしているから、他の選手が合わせて飛び込めばもう少し改善はしそうです。だからもっと早く合流していれば、戦い方そのものが違ったと思うわけだ。突然これをやられてもなぁ。

さて、次回はアルゼンチン戦。一番勝てそうな相手だけに、ハッスルすればいけるのですが、八村と渡邊は疲弊していないかな。八村はさすがの能力で余裕をもって戦っていたけど、渡邊は限界ギリギリを引き出していた。3Qから足が止まり始めていたなぁ。

試合数の少ない国際試合だと、大きな差が見えないけど、82試合戦うシーズンで見ると八村の方がかなり上だなーということも実感させられた2試合目でした。つまり「疲弊が早すぎる」ので、事前の沖縄大会でハッスルしすぎです。なんで10人で戦ったんだよ。というオリンピック前の不満が噴出してくるのでした。本番で言い始めても意味はないし。

オリンピック 日本vsスロベニア” への13件のフィードバック

  1. 日本にはPGがいない。攻撃が停滞してる。この先もでてこない気がする。だから勝てない。

  2. 今日の試合を見てラス君が欲しくなりました。ハンドラーであり、インサイドをドライブで攻略でき、ディフェンスリバウンドが強く、トランジションに強いなど今の日本代表のガード陣に欠けてる部分が見えました。Bリーグのガードはリバウンドとインサイドの攻略を助っ人外国人に頼っている為に起きている現象なのかなと思ったりします。

    1. ラス君はオールマイティすぎて卑怯というか、足りない要素が全部っていうことですね。

      で、Bリーグではそれを外国人が補ってくれていますねぇ。

  3. 事前の予想通りスイッチ誘導されまくってましたね。
    そのせいでギャビンが負傷してしまったのもなんとも。。
    そして絶対にヒューを使わない。
    ガベージタイムになっても渡邊を出し続けてヒューを使わない。
    そしてベンドラメも使わない。

    個人的にはベンドラメをドンチッチに当てたかったです。
    ベンドラメ自身のファールは度外視。フリースローも度外視。
    スティール狙いではなく削るDFを見たかった。

    それにしてもリバウンド取られまくってたイメージでした。
    てかボックスアウトしてました!?
    そこ押さえろよ!って何度思ったことか。
    ヒューが出たら解決ってことはないけど、試して欲しかった時間帯も多々ありました。

    おっしゃる通り、10点差までは追い上げても勝ち越せるイメージは全く湧かない試合でした(涙

    でもアルゼンチン戦は気持ちも新たに応援するので、歴史的一勝を!

    1. ベンドラメというか「人数使ってスタミナアタック」は必要でしたし、それをしないからギャビンみたいなことに。

      ボックスアウトしていないですよね。富樫がそれでファール取られていましたが、他は飛ぶのが遅くて押しているケースも多かったですし。

      なんかラマスの試合で最悪の内容だった気がします。八村無双がなければ、酷いことに・・・

  4. 記事upお疲れさまです。
    本当にどうしたラマス!?というような試合内容でした。
    八村に持たせる形から個人技で終わるOFに、ドンチッチには普通の選手と同じようなDF対応。
    上から変な圧力(八村を推すような指示)かけられて放棄したのか、そんな感じにすら思えてしまいました。
    ゲームメイクできるハンドラーはいないけどこの形はちょっと・・・

    加えて、最近日本バスケの問題点としてここでも取り上げている、ガードのリバウンド、オフボールスイッチetcetc…といった悪い部分がポロポロ露出していたと思います(今更この試合に限った話ではないですが)。
    まあ個人の問題というよりも、日本バスケ界の根本的な問題でもあると思いますんで、この国際大会続きの中で少しでも改善して、日本バスケのレベルが上がってほしいもんですねぇ。

    1. リバウンドに負けると「高さが」と言い出すから、難しいですが、他の部分の負け方が酷かった試合でした。

      ラマスらしさがない、よくわからない試合でした。
      「正々堂々と戦え」とでも言われた意味不明な雰囲気でしたねぇ

  5. 日本オフェンス、オフボールの動きが少ないのとスクリーンがあまりかからないのが気になりますが、そういう作戦なんでしょうか。

    1. 一応、オフボールで動かしてスクリーン利用をしていたのですが、そもそも下手なんですよね。
      しかも今回は「八村にスクリーン」だったから、二倍にわからない。

      八村の問題もあるので更に酷かった気もします。

  6. スロベニア戦は、『日本はハーフコートスローオフェンスを優位に構築できない、これを前提にして八村デュラントを展開する。なら、効率伸びないから守備重視。ドンチッチに無策は有り得ない。』こんな理解で良いですか。

    優位なハンドラーが欲しいな、とばかり思って見てました。ラマスはそこを諦めて、シュート遂行率の高い低効率プランを選んだ一方の守備無策はゲームプラン齟齬でしょうと。交代策にも齟齬があった。

    オーバーヘルプ問題でしたっけ。管理人さん解決してください。付け焼き刃でいいです。オーバーなら、半歩下がるとかでいいんですか。3×3の様にショートレンジ諦めてワイドオープン3を優先して守るとか、インサイドブロック形成をもう少し遅せて行う、とかでしょうか。

    1. オーバーヘルプは「1人は行け、2人は行くな」なので、解決するの難しいですよね。
      圧倒的なトレーニング不足ですが、そもそもトレーニングしていない選手が多いのが現状ですし。

      ディフェンスこそ、もっと八村任せにしてローテしたほうがわかりやすい気がします。

  7. ボックスアウトはしないし、バックコート陣はリバウンド参加せずにボールウォッチャー化。
    疲弊もあるんでしょうが、Bリーグで普段から外国籍任せにしてる弊害が出ましたね。
    ハチナベギャビンを除けば比江島ぐらいしか飛び込んで無いじゃん。
    ベンドラメならリバウンド参加するし、ヒューならボックスアウト徹底します。
    どうせ八村アタック頼みならこの二人を起用して欲しかったです。
    テーブス、田中力よ早く育ってくれー!!

へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA