ドラフト前に早速トレードが発生したぞ。
オフの注目に上げていたグリズリーズ。モラントというエースがいてプレーオフに進出したけど、まだルーキースケールのサラリーなので、キャップスペースに余裕があり
勝負をかけるなら、このオフに行け!
というチームでした。これはデローザンやらラウリーやらがいるFA戦線での勝負をかけるポイントでしたが、実際にはドラフト前に動いてきました。かねてよりアダムスとブレッドソーのサラリー負担が嫌で放出したがっていたペリカンズです。
【グリズリーズ】
アダムス
ブレッドソー
10位指名権
40位指名権
22年1巡目指名権(レイカーズ・トップ10プロテクト)
【ペリカンズ】
バランチューナス
17位指名権
51位指名権
◎ペリカンズ
まずペリカンズの事情から考えましょう。基本はサラリーの削減です。
アダムス 17M(2年)
ブレッドソー 18M(2年)
バランチューナス 14M(1年)
これで来年のサラリーが21Mほど、再来年が37Mほど下がりました。この削減に対して各選手の昇給以外のサラリーアップはないため、ほぼキャップスペースが空くことになります。戦力補強が求められていたため、これでFAとの契約か、ロンゾとハートの再契約が進められます。
ロンゾとハートの今シーズンのサラリー合計は14Mくらいなので、上記のトレードと合わせて36Mくらい今シーズンより下がる想定です。当然、プレーオフを狙うならサラリーを積み上げもするでしょうが、大体40Mくらいの範囲で補強を進めることになります。
①ロンゾと再契約
いまいち想像がつかない選手なので、4年80Mにしておきましょう。実際にはもっと高い額を狙うでしょうが、そこまでの価値をペリカンズが見出すとは思えません。だって勝ちたいのに現状維持じゃ意味ないもん。
②ハートと再契約
ハートは結構な働きでしたが、どうもパッとしないというか「正しい使い方」が難しい感じになっています。ウイングならいいんだけどハンドラーがちょっとね。3年目がチームオプションの45Mってところでしょうか。
③FAでラウリー獲得
これがなんでも年25Mくらいだとか。高くないか?デローザンはついてくるんだろうな?
ただ契約年数は1年か2年だと思うので、ザイオンがマックス契約になる前にラウリーの契約は切れます。ここもポイントですね。ロンゾに4年間高いサラリーを払うと、最後の2年はイングラム・ザイオン・ロンゾで80Mは超えてきます。ラウリーだとそれがない。
まだ指名権もあるし、他のFAという選択肢もあるでしょうが、ペリカンズは40Mくらいを活用してオフの補強に臨むことになります。
◎10位指名
逆に来シーズンが21Mほど、その次が37Mほど上がることになるグリズリーズですが、今のところ2年後に契約が残っているのが現在のルーキースケールの選手しかおらず、モラントがマックスになるのもその次のシーズンからです。なので、サラリー的には全く問題ない。
まだFAに触手を伸ばすことが可能ですが、さすがにラウリーやロンゾくらいのサラリーは難しそうです。ダニー・グリーンならいけそうだけど、そこは何らかの補強をしてくるのでしょう。いずれにしても『スタークラスの補強はなし。若手の成長で勝負する』のが大前提となりました。再トレードがなければね。
これがレイカーズだったら顰蹙なのですが、メンフィスだし、大物が来るとは思えない成績だし、ってことでギャンブルに打って出るよりは現実路線を進むことにしたわけです。今回のトレードで肝になるのが指名権。
17位指名権 → 10位指名権
22年1巡目指名権(レイカーズ・10位までプロテクト)
イメージ的にはブレッドソーを引き取る代金って感じです。そもそもペリカンズもそうやってホリデーのトレード時に指名権を稼いだし。バランチューナスとアダムスだとグリズリーズ側が2巡目指名権をプラスするくらいの感じ。
さて、今年の10位ですが、ここで若手の核となる人材を指名したい意向とみるのが普通です。ちょうどチームごとに欲しいポジションが異なっていて、誰が空くのかわかりませんが、それなりにターゲットがいるはずです。
7位ウォリアーズ ?
8位マジック ウイング
9位キングス ビッグorウイング
10位グリズリーズ
11位ホーネッツ ビッグ
12位スパース ビッグorウイング
こんな感じかな。ウォリアーズは14位との合わせ技なのでよくわからん。
グリズリーズはウイングを欲しがる気がしますが、17位では残っておらず、10位でとれそうなウイングとなると
コーレイ・キスパート 4年生
ジェイレン・ジョンソン 1年生
フランツ・ワグナー 2年生
ジョシュ・ギディ 18歳
あるいはスペイン代表のガルバもいますが、これは17位でも取れそうな気もします。まぁフタをあけないとわからないし、スパーズが指名する予想もあるから先手を打ったかもしれないし。ガルバはハードワーカーのウイングのためグリズリーズっぽいです。
「グリズリーズっぽい」といえば優れた上級生を捉まえてくる事。完成された選手の方がベターっていう考え方です。モラントは2年生だけど、ティルマンとベインは4年生、クラークは3年生。だいたい、こんな感じでワン&ダンの素材型に行く雰囲気ではありません。
そうなるとなんとなくグリズリーズのイメージ的には、第1候補がプレーメイク力のあるミシガンのワグナーで、第2候補がゴンザガのシューターであるキスパートの気がします。どちらもグリズリーズに足りないタイプの選手なので、これだと合点がいく。
面白そうなのはオーストラリア代表のギディ。PGなのでポジションは違いますが、ビッグガードなのでウイングにも回せる。むしろガードだとスピード負けしまくるかもしれません。
モラントのセンターを絡ませたプレーメイク力は、ギディなら代役にピッタリ
モラントをスコアラーに回し、ダブルPGとして並べることも可能
ってことで、なんだかメリットがあるのですが、ディフェンスとシュート、そしてフィジカルのトレーニングが必要な素材なので、指名したら少し長い目戦になります。個人的にはスーパースターにも、オーストラリアに戻るのもどちらもあり得るとおもっているので、難しいな。タイラー・ジェンキンスには良さげ。
これまでペリカンズの10位指名はガード予想が多かったので、11位以降のチームはここにグリズリーズがはいってきて再検討を求められそうです。
◎アダムスとブレッドソー
指名権で若手の核を探すのとは別に、アダムスとブレッドソーもグリズリーズには補強になっています。だからFAを諦めたとはいえスマートデシジョン。ただし、「ペリカンズが強くなる」のを容認してしまっており、プレーオフのライバルを増やすので成績的にはどうなるかわからん。
アダムスとバランチューナスを比較すると
【アダムスが上回る要素】
スクリーン ++
ハードワーク +
ディフェンス +
スモール対応 +
アシスト +
シュート力 +
こんな感じかな。スクリーンだけはNBA最強なのと、それにハードワークが重なるのでフィジカルファイターとしては超優秀でリーグトップです。そして地味にフローターが上手いという謎の特技を持っています。総じて、各分野で少しずつバランチューナスを上回ります。しかし、グリズリーズにとって重要な要素はバランチューナスが上です。
【バランチューナスが上回る要素】
ポストムーブ +++
ミドルシュート +
ポストから自分で得点する能力が高いバランチューナスのアタックを利用していたグリズリーズですが、アダムスはそこまで上手くありません。出来ることはできるけどね。平均17点のバランチューナスと7.6点のアダムスだから比較すら出来んレベル。ただし、サンダーのウエストブルック時代は14点近くとっており、モラントとのコンビで得点を増やすことは十分にあり得ます。アウトサイドはない。リバウンドは同じくらい。
そんなわけでアダムスはプラスなんだけど、グリズリーズ的にはマイナスかもしれません。ただ、ハンドラーが得点する助けにはなりまくるので、ドラフトした選手と共にセットで考えるのかな。
〇ブレッドソー
12.2点
FG42.1%
3P34.1%
3.8アシスト
ペリカンズに来たことでスタッツを落としてしまったブレッドソー。基本的にペリカンズのオフェンス問題なのですが、その前がバックスで効果的に起用されていただけに、大きな落差がありました。バックス時代の3年間はFG47%以上を続け、スコアリングとフィジカルディフェンスでチームにパワーをもたらしました。「PGとしてはダメ」なんだけど、働きぶりはちゃんとしていました。
そのバックスに行ってブーデンフォルツァーに何を吹き込まれたのか、暴走癖がなくなり、自分の役割に集中しているのも印象的です。ペリカンズに来てどうなるかと思ったら、同じく役割に徹しています。なお、バックスでは徹してはいたけど、ハイレベルな戦いになるほど、ついて行けずに混乱していたのも忘れずに。
果たして再びバックス時代の輝きを取り戻せるのか。そこが最大の焦点になってきますが・・・あれっ、バックスに3年か。ということはタイラー・ジェンキンスと共にバックスにいたことになります。おそらくこのトレードはHCがゴーサインを出したのでしょう。
グリズリーズはモラントの控えPGに困っていますが、それはプレーオフレベルの話です。シーズンでは特に困っておらず、タイアス・ジョーンズやメルトンでカバーできています。メルトンって4年35Mくらいの契約してたのか。評価高いな。
基本はビッグマンとの絡みでディフェンスとの駆け引きをし、ペイント内に侵入してショートレンジを多く打っていくのがグリズリーズオフェンス。ただ、ブレッドソーは「センターとの絡み」も「ディフェンスとの駆け引き」も「ショートレンジ」も上手くないです。おそらくPGではなくSG的な起用法が考えられるはず。
SGといえばモラントと共にブレークしたディロン・ブルックス。激しすぎるディフェンスで相手を追い込み、荒すぎる気性で強引にでもシュートをねじ込みに行きました。それってまるでブレッドソーじゃん。だから欲しいと思っていた
ブルックスに続くディフェンス要員&個人技担当
ここを補強できたことになります。代役としてはサラリーが高すぎるわけですが、そこはドラフト10位と平均してチャラにしてもらうしかないよ。
◎グリズリーズの補強
そんなわけでペリカンズは「FAに備えたトレード」であり、グリズリーズは「FA前に補強」になりました。ただドラフトによっては再トレードもあるでしょう。なんか噂なのか知りませんが、ホークスがレディッシュと指名権を交換したがっているというので、それなら10位でレディッシュもあり得ます。実際は知らん。
モラント(タイアス・メルトン)
ブルックス(ブレッドソー・アレン)
10位指名(ベイン)
JJJ(カイル・クラーク)
アダムス(ティルマン)
これで欲しかった2人目のディフェンダーとウイングを手に入れることが出来ます。まだウィンスローとかもあるので先になりますが、ひとまず大型補強ではなく、必要なポジションを埋めつつ、未来への投資もしたグリズリーズでした。
バランチュナスがいなくなって少し寂しいですが、基本的にはロスターのアップデートだと思っています。
バランチュナスの得点分は、アダムスのフローターとJJJがカバーするので大丈夫です!!ていうか、ブラッドソーとジェンキンスが一緒にやっていたんですねー!ブラッドソーは良さだけを上手く出さないと、マイナスが目立つ選手という印象ですが、ジェンキンスは上手く出来そうで期待!!
でも、言われてみればペリカンズの補強の手助けをしたのか…ま、それは置いておこう。
あとはウィンスローをどうするのかと10位はワグナーがいいなーと思ってます。でもギディも面白そう…この辺は上のチームが誰を取るかにもよりますね。今年は誰を取ってもそこそこハマりそうで楽しみ。
理由はよく分かりませんが、ブレッドソーはグリズリーズからいなくなる説が濃厚らしいです見て
NOP大丈夫ですかね。またHCが変わってしまったし、ロスター補強の前にチームの方向性自体が定まってないというか。MEMと違って、来シーズンにはある程度の結果を出さないと、ザイオンに見限られる可能性もあるので。ラウリーを獲って勝てるようになるのかどうか分かりませんが、とりあえず早くチームの方向性をまとめたいですね。
チームの概要がみえてくるのは、これからでしょうが、勝ちたいなら若手を集め過ぎてはダメ、というのが両チームの差ですよね。
方向性が定まっているチームと、指名権がある割には動きが鈍いチームの差を感じてしまいます。