ECFホークスvsバックス ゲーム6

ゲーム5ではすごく気になるシーンがあって、ベンチにいるヤニスが何度も立ち上がり、歩き、コートに向かって大声を出していたのに対して、ベンチにいるヤングは座って応援していた。この違いがもたらしたのかどうかは不明ですが、ヤングはゲーム6から復帰です。エリミネイトゲームを制することが出来るのか、そしてポーティスカウンターにやられてしまわないのか。

◎ヤングとカウンター

ヤングを守るのはホリデーではなくタッカー。なんででしょ。さっそくターンオーバーして、前を走っているのはポーティス。ヤングを起用して悪い面から始まります。バックスの狙い通り。でも、さらにディープ3Pを簡単に打ってしまうから、それ繰り返すと苦しいのは自分自身だよ。

ホークスにとってゲーム5で問題が大きかったのはコリンズのポストアップが止められること。じゃあどこから攻めるんだよってね。ミドルトン、タッカー、ホリデーと誰が相手でも決まりにくくなってきました。でもリバウンドは取るし、ヘルプディフェンスもコリンズだらけなんだけど。

でも、コリンズやカペラがオフェンスリバウンドをとれないと、またもワンパスでポーティスの速攻です。対処しないぜマクミラン。対処できないぜマクミラン。シュートが決まる度に歩いているヤニス。ファイナルに出たくないの?

さらにヤングのパスをミドルトンがスティールして速攻。ほぼ速攻で13-4と大きくリードするバックスです。うーん、ヤングがいないからゲーム4に勝った感じでしたが、このままだと、ゲーム6はヤングで負けることになりそうな。でもゲーム5はルーがターンオーバーだらけだったしな。

ウォリアーズはドレイモンドが、レイカーズはレブロンがトランジションディフェンスに戻りやすいのって大きなアドバンテージだよね。ポイントフォワード最強説あるよ。理由はオフェンスじゃなくてディフェンス。

予想以上にヤングがよろしくなく、ドライブしないけどボールを長く持つのでオフェンスが機能しません。さっさとハーターやボグダノビッチに出せばいいのにな。ポイントフォワードとはいわないけど、単独PGよりもコンボガードの方が好ましい理由でもあるかな。ホークスはボグダノビッチいるから、出来るはずなんだけど、ヤングがPGしか出来ないからな。

なんてことを書いていたら、やっとコリンズがポストアップのジャンプシュートを決め、ボグダノビッチがコーナーからドライブ。ヤング起点をしなければPGでも機能するか。ただ、6分経過したところでドライブするホリデーにファールし&ワンを食らった上で2つ目のファールになったヤング。でも交代させないぜマクミラン。

ヤングがドライブ&ワンを決めると、そのリバウンドに飛んでいたコリンズに対してタッカーが足元に入ってくるプレーをしたため、背中から落ちるコリンズ。でもお咎めなし。やさしいな。べバリーもあれで1試合の出場停止だけだしな。

ただバックスはビッグラインナップにもかかわらずコリンズのリバウンドには大苦戦なので、ホークスが盛り返してきました。ボグダノビッチ中心になったこともあって、カウンターも減ったので点が取れなくなるバックス。ヤングが攻めるほどバックスにも得点チャンスが来るっていう不思議な戦い。

ヤングがベンチに下がるとホリデーに対してレディッシュがマークに行きます。オコングのリムプロテクトもあってホリデーが困り始めます。ゲーム5はホリデー&ブルックが機能しましたが、それを止めたい匂い。アシストパスが出てこないほどに成功しているディフェンスなのですが、リバウンドを押し込みまくったブルックは、フェイダウェイミドルも決めて、やっぱりホークスはこのコンビに困っていきます。せっかく落ち挙げたのに、再び10点差。

ガリナリの個人技ばかりで攻めていくけど、決めきるガリナリでなんとかなった1Qのホークス。最後はガリナリが外したのをオコングが拾い、ハーターのドライブから最後はオコングがファールドロー。シクサーズとのゲーム7ではフリースロー打つ時の顔がヤバかったけど、落ち着き始めたようにも見えるオコング。しっかり2本決めて1Qは28-24でバックス4点リードでした。

ヤングが苦しかったことを考えれば、許容範囲というか、きっちりと戻した感じかな。ヤングがベンチに下がったらバックスの速攻はなくなった。けど、コリンズとカペラの両方が下がるとブルックが高さで上回った。そんな1Qでした。

◎ホリデー

2Qはティーグの3Pからのバックス。そういえばヌワバは出てこなかったね。ディフェンスを考えすぎる必要がないからティーグを使いやすそうなブーデンフォルツァー。この時間帯もブルックのリムプロテクトが効くから、そんなにドライブが怖くない雰囲気です。

ゴール下まで行かずミドルをうって外していくホークスなので、かなり楽に守れているバックス。突然のレディッシュのプルアップ3Pにはビビったけど、崩されているわけじゃないし。そしてティーグが2本目の3Pを決めて敬礼ポーズ。アトランタに良い感情を抱いていないのかな?これで仕事を果たしてベンチに戻ります。

ちょっと苦しかったホークスですが、カペラが2本のスティールでバックスの勢いを止めると、速攻に行ったボグダノビッチに対して後ろからファールしたフォーブスがクリアパス。その前にタッカーもファールしていたけど。なんだかんだと突き放しきれないバックスらしさは今日も健在です。

それでもヤング相手には分厚くカバーし、ボグダノビッチからはホリデーがオフェンスファールを引き出します。珍しくコリンズのポストアップにホリデーが負けたけど、フォーブスの3Pも決まって追いつかせはしない。ちなみにフォーブスのディフェンスも穴だけど、マッチアップしているハーターが使うくらいで、意図的には利用してこないです。

このまま行くかと思ったら、バックスはオフェンスが苦しくなります。なんだろうね。なんとなく苦しい。本当に何となく。いや、もともと苦しかったけど、カウンターがないからより目立っているのかな。

そんなわけでロースコア。どっちもハーフコートで点をとるためのアイデアが足りません。という時に、またもホリデー。カウンターがダメならスティールからカナートンの速攻を生み出し、自らもドライブからのスピンムーブで加点します。

ここでホークスはヤングを下げてルーにします。そのルーがファールドローをするとミドルトンが3つ目。ホリデーからブルックへのパスがミスになり、ポーティス、コリンズ、カナートンの3Pは外れ、最後はカペラがゴール下を外して、47ー43と4点差で終わります。ロースコアだね。

前半のヤングは16分出て5点、2アシスト。もう少しプレータイムを絞っても良かった気がします。ホリデーは10点、5アシストだけど5つのターンオーバー。ホークス側も止めるべきところへの対処は出来ている様子です。

◎ティーグ

激しいゴール下争いでディフェンスリバウンドをキープできないバックスと、ゴール下を押し込めないホークス。それだけごちゃごちゃしているから3Pでイージーに決められそうなホークスなんだけど、ワイドオープンを連続ミス。一方でミドルトンは連続3Pで再びリードを10点に広げます。これゲーム5と同じ展開だな。

タイムアウトをとるものの、さらにミドルトンが左手フローター&ワン。ミドル。ヤングがターンオーバーと3Pミスしてる間に点差を広げていきます。さらに3Pで16点差になったところで、レディッシュが3Pでやっと反撃するも、ホリデーが3Pでアンサー。

苦しそうなホークスですがヤング→コリンズのホットラインからカペラのダンクを生み出し、さらにトランジションでレディッシュの3P。これで追い上げかと思いきやブルックが3Pでアンサー。前半の重たい展開がウソのように軽々決めていくバックス。

ちょっと手が付けられなくなってきたホークス。これは「さようなら」の時間かな。

ホークスがここで打てる手段にコリンズをセンターにしたスモールラインナップがあります。ビッグラインナップのバックスに対して苦戦しているものの、だったら思い切って形を変えて、ビッグを無効化する作戦です。それだけトランジションを増やしていく事であり、ちょうどハーフコートでもコリンズがブルック相手の1on1を決めています。オフェンスでスピードのミスマッチを多く生み出せるし、ヤニスのいないバックスは対抗手段が足りません。ロイド・ピアースならば早々に決断したでしょう。これが出来ない理由は2つ

①マクミランはディフェンスのミスマッチが嫌
②フィジカルのあるウイングが足りない

①に関しては賛否両論です。守れていないのだからディフェンス優先でも理解できる。カペラよりも動けるオコング投入で少し流れも変わったし、ミスマッチを生み出さない範囲での努力。

苦しいのは②の方でレディッシュの復帰によって少し改善したし、むしろ「レディッシュがいるからスモールにしてみたい」と思うわけですが、どうしても1人足りない感じです。まぁガリナリいれれば済むのですが、そこはローテ徹底しているマクミランっていう違う問題かな。

さて、殆ど守れていないホークスですが、オフェンスはレディッシュが個人技で何とかし始めました。走れるオコングと共に、ちょっと走り負け始めたバックス。ちゃんと戻ってはいるので速攻ではなく、ホークスのガードが走るだけじゃ違いにはならないのですが、ウイングもセンターも走ってきて、仕掛けが早いことでついて行くのが難しいことに。

ところがティーグがまたも3Pで17点差に戻します。バックスとしては願ったり叶ったり。ファイナルに向けて自信をつけられるティーグの活躍。ドライブからシュートを落としてもポーティスの押し込みです。ネッツとのシリーズで出番をなくしましたが、「ブーデンフォルツァーの判断が間違っていた」と証明するようなポーティスの仕事は、このシリーズ最大のキーポイントでした。

というところで、最後はティーグとポーティスのピック&ロールというプレーオフになってからは見かけない選択肢で、ティーグがファールドロー。19点差になって3Qが終わります。このQだけで44-29でした。前半は57点しか取れなかったのに。

◎さようならには早かった

さて、もう4Qを見ながらシリーズを振り返りましょう。ネッツとの激戦で疲れていたバックスは少し多めに選手起用しました。ホリデーとミドルトンもなんとか平均40分以内に収まっているし、タッカーやブルックは30分前後。スターターを長引かせたネッツ戦とは違いました。

カナートンとフォーブスはあまり得点が伸びなかったものの、3Pアテンプトはともに回復してきており、ポーティスの活躍と共にしっかりとローテさせていました。ちなみにティーグはあまり試合に出ておらず、ゲーム5まで全試合に出てはいるけど、平均4分です。

しっかりとベンチメンバーを使えたことがゲーム3くらいから効いてきました。疲れていたであろうスターターに代わって、推進力になり始めたベンチメンバー。その一方でビッグラインナップは崩さなかったので、常にインサイドファイトにさらされたコリンズとカペラはどんどん疲れていった印象です。

ホークスの方も復帰してきたレディッシュが働き、オコングの成長も見えたわけですが、これもまた「元気な方が強い」だったかもしれません。動きにキレが足りなかったヤングってこともあって、さすがにカンファレンスファイナルまで進んでくる間に疲弊していたホークス。

まぁこれも経験。もっと楽に勝っていればよかったわけで、そこまでの力はなかったし「3Qで試合を決める」ことが少なかったよね。プレーオフ通じてガリナリにはかなり救われましたが、ルーに救われることが少なく、マクミランらしいオフェンス面の問題は残っていました。ガリナリも1ON1だらけだもんな。

ヤニスがケガをした時点でファイナルへの道も拓けましたが、むしろポーティスの元気ぶりと、インサイドを空けた事でバックスにメリットも出てきました。それは逆にホークスが意図的にスピードで仕掛けるべき戦い方だった気もします。

思い返せばマクミランになったことで、安定しまくったわけですが、代わりに爆発的に攻めていくのは減ったよね。なんかマクミランに慣れていないレディッシュだけがロイド・ピアース時代みたいなプレーをしていて、それがこの場面では効いている気もします。

ということでスローダウンもペースアップも両方組み合わせた方がいいよね。ちょうど昨日の夜にそんなことを書いていたのですが、なかなかスモールに踏み切れなかったマクミラン。

しかし、試合は残り7分となったところで、カペラを下げてスモールにしてきました。遂にオフェンスの爆発に賭けることにしたマクミラン。すると、さっそくアーリーオフェンスでレディッシュが3P。さらにコリンズがポストからのジャンプシュート&ワンで一気に6点縮めて11点差に追い上げます。

おぉ!さようならはまだ早かったか。

タイムアウトのバックスはミドルトンのドライブからキックアウトでカナートンが3P。さらにホリデーがドライブねじ込み。ホークスにとって問題なのはファーストディフェンダーですが、それをヘルプのコリンズやカペラで塞いできたけど、ちょっと限界になり始めたのも感じます。

それでもレディッシュが6本目の3Pを決めると、ヤングがドライブファールドロー。オフェンスで打ち返す姿勢が戻ってきたホークス。守り切れるわけない時に開き直ってオフェンス勝負ね。ゲーム5はここまで開き直れませんでした。

追い込まれて開き直った感じですが、やっぱりカペラを戻したマクミラン。ところがレディッシュのディフェンスでミドルトンにミスを誘うと、そのカペラが走ってダンクで、残り3分半6点差にします。

ヤングで勝負に行くものの、ブルック相手の3Pは決まらず。うーん、そしてリバウンド争いでコリンズがファールし、ミドルトンがボーナススロー。どうしてもこの2人が苦しく見えるホークス。といっても当然、他の選手よりも働いてはいるのですが、その程度の働きではダメだよね。

再び10点差になったところでヤングが頑張ってスティール。しかし、オフェンスではvsブルックでも仕掛けることが出来ずに、ボグダノビッチへ。疲れているぜ。それでもコリンズがドライブで押し込み、2人がなんとか試合を終わらせません。

ただ、ホリデーからブルックへのアリウープ。うーん、ヤニスがいると、このシーンはなかったけど、もうウダウダいっても止めきれないから攻め勝つしかない。ボグダノビッチの3Pで7点差にして、残りは1分。ここでタッカーが3P。

スモールにしてからプレッシャーディフェンスでダブルチームにも積極的に行ったので、どうしてもパスを回されてのアリウープや3Pには弱くなります。それを確実に決めきったバックスの落ち着きが光ったクロージングでした。

ここで諦めたマクミラン。交代で戻っていくコリンズは足を引きずっており、シュートが決まらなかったヤングにも大きな拍手。ガベージタイムだけど「レッツゴーホークス」のコールで試合は終わったのでした。

〇ヤング
14点
FG4/17
3P0/6
9アシスト

復帰はしてきたけど、やっぱりちょっと早かった。シュートが決まらなかったヤング。それでも6人が二桁得点で最後まで粘りました。ヤングは独力で勝利をもぎ取れる選手ですが、それはファーストラウンドまでだった気がします。そこからは相手の出方を見ながら、どれだけ効果的にオフェンスを作れるかの勝負。そんな経験はあまりしていないと思うので、この経験を生かしてくる来シーズンに期待ですね。

ということでホークスの偉大なる冒険はこれにて終了。一気にカンファレンスファイナルまで進んできたわけですが、それは前に進まないと置いて行かれるシクサーズっていうのも忘れずに。ホークスもここに来たからこそ、さらにレベルアップしないといけないのでした。

そしてバックスは長かったね。でも、サンズ同様にバックスには追い風が吹いているよ。ファイナルはこれまたマッチアップ的にはやりやすい相手のはず。ところがビッグラインナップはどうなんだ?というのが注目になりそうです。

とりあえず一休みしてからファイナルの事を考えましょう。

ECFホークスvsバックス ゲーム6” への4件のフィードバック

  1. 前半のアップテンポなホリデーからのオフェンスは、パスアウトの精度不足はありましたがチームとしても動きがあり、魅力的でした。こういったホリデースタートの形だと相手ガードがパワー負けするのでカバーが必要、バックスは合わせやすくて、ヤニスがもっと活きると思うのですが、そうでもないのでしょうか。

  2. いやーレディッシュが非常に頑張ってましたね。
    個人的には、3Qのミドルトン爆発で終了感がありましたが、レディッシュが終わらせなかったなーという印象でした。あまりシュートが得意なイメージはなかったのですが、ゲーム6であれだけ決めるあたり、これからを期待したくなる選手ですね。
    ホークスは、非常によく頑張りましたね!シクサーズ何やってんだって思うところもありますが、若手の成長がよくわかるいいチームでした。オフは、コリンズ再契約だけで終わるのかな?MAXになりそうですが、そうなるとどこかで取捨選択が必要になりますね。ハーターも頑張ったし、ヤングもMAX確定だし・・・これからも考えることたくさんで大変だ!!

    1. コリンズMAXまではOKなはずですが、ヤングのスーパーマックスが始まり、ハーター次第でガリナリかボグダノビッチがアウトだった気がします。だから来年は同じメンバーで戦えるかなぁ

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