ECF バックスvsホークス ゲーム1

見どころは紹介したので、答え合わせから行きます。

◎決まらなかった3P

バックスはPJタッカーをスターターにする形は変えず。予想外。
ヤニスにはカペラで、ブルックにはコリンズにします。これは想定内ですが、やはりヤニスは仕掛けやすそうにしています。またプルアップ3Pという意味のないプレーをしていますが、ドライブしてパスアウトは徹底。そのため総じて良い感じのバックス。

ところがパスアウト3Pが決まらない。これに関してはプレーオフで続くバックスの問題です。ちゃんとパスアウトするのにとにかく外しまくり。決めたのは残り35秒のポーティスまで待つことに。他にはブルックが1本決めただけ。

ミドルトンはボールを持つ機会が少なかったものの、持っていしまえばイージー。ヤニスはその後、ソロモン・ヒルが相手になりましたが、ちょっと前に出すぎのソロモン・ヒルがアッサリ抜かれたりして総じて両エースは良い感じ。

それ以上に良かったのはホリデー。楽勝。いやいや、お前はジョー・ハリス相手に大苦戦していたじゃないか。さすがに突然キレのあるプレーされたらゲーム7の4Qみたいになるわな。よくわからんホリデー。

ってことで、3Pが決まらない以外は良かったバックス。そして3Pが決まらないのはホークスも同じでした。

最大の予想外は「ヤングに対して厚く守る」と思っていたバックスが、スクリーンに対してショーディフェンスにすらいかなかったこと。マジか。ゲーム6と7で全然決まらなかったヤングを信じた様子です。

そのためヤングは3Pは楽に打てましたが、これを外します。ただ、ドライブしても前に出てこないバックスのビッグマンだったので、イージーにフローターを連発。これは予想外も予想外。普段はそこは強く出ていくバックスなのに、ヤングに打たせることを選択するとはね。これを決めまくったヤングは1Qで早くも12点。

おそらくバックスはシクサーズが7試合で21本も許したカペラへのアリウープを止めたかった様子。実際にカペラには通させず、ヤングが外してさえいれば良いディフェンスになりました。他力本願の守り方だけど、ヤングが疲れていそうだったので、そうなるという予想は理解できる。が、打たせ過ぎ

ならば爆発しても良さげなホークスオフェンスでしたが、キックアウトでのコリンズの3Pもスリッププレーからのハーターの3Pも決まらない。予定通りのバックスの弱点を使ったのに、とにもかくにも失敗。

ホークスはバックスよりひどくて、残り5秒でルーがプルアップ3Pを決めるまで11本ミス。ってことでお互いに得点が伸びない1Qになりました。バックスはオフェンスで優位に立ったけど、ディフェンスは変更失敗したのでした。ホークスはディフェンスは準備してきた内容で戦えたけど、オフェンスは準備していたのがミスになった。

◎自由なヤング

2Qになってセカンドユニットでバックスが9点リードまで持って行きます。ポーティスが出番を得たことでしっかりと働き、特に意味はなかったけどティーグもディフェンスの穴にならず、フォーブスの3Pは決まらなかったけど問題なし。

ゲーム1なので、積極的に使ってきたブーデン。ホークスもソロモンやオコングを使っていますが、シクサーズ戦と大きくは変わらない。地力の強さで上回った感じかな。レディッシュが欲しいと思ったのはプレーオフで初めてかも。

戻ってきたコリンズがポストでターンシュートを決めると、ヤングはプルアップ3Pを2連発。これが2本ともティーグだったから質が悪い。まるでティーグが悪かったみたいだけど、1Qと同じ内容でスクリーン1つで打ててしまうヤング。それが決まっただけ。まぁそれがホリデーとの違いか。

さらにドライブするとブルックがブロックに出てきたのを見てカペラへのアシスト。アリウープではないよ。最後はヤングのビハインドパスからハーターが3Pで逆転。ハンドラーに気を取られるバックスなので、ここが簡単に空くのは想定内のはず。ヤニスが普通に休んでいる間に見事に逆転だぜ。・・・なんで、この時に限ってヤングを気にしすぎたんだろ?

タイムアウトでミドルトン⇒ヤニス。早速アタックするヤニス。そこは良いけどホリデーがパスアウトを受けても必要以上にしつこくドリブルしたから、パスを出したポーティスが3秒オーバー。どうもホリデーだけ噛み合わない。

それでもヤニスのドライブにタッカーがコーナーから飛び込んでイージーバスケ。カペラは頑張っているんだけど、ドライブで崩されることに変わりはなく、パスが出てしまうと苦しいホークス。今度はヤニスがローポの1on1から逆サイドにパスアウトでホリデーがコーナー3P。ホリデーはもう1本3Pなので、さっきの打たなかったのを反省しているのかな。

ホークスはヤングが自由なのでドライブからのファールドローに、ステップバック3P。マジで何で自由なんだろ。ハーターがスイッチ誘導して、vsカナートンにしたうえでスクリーン後のカバーがないから自由。ガリナリの3Pで1点差に戻します。

残り30秒。ミドルトンがドライブレイアップを決めると、ホリデーがスティール速攻。ハーターが見事なパスをコリンズに通すけど、コリンズがドリブルミスして前半が終わります。59-54でバックスがリード。

〇前半
バックス FG51% 3P22%
ホークス FG51% 3P28%

うーん、バックスはまぁわかる。でもホークスも自由にしてしまったディフェンスは何なのか。ヤングが前半で25点というのはシーズンの対戦ではFG18%に抑えていたのがウソみたい。スクリーンに来たらイージーにフリーにしているのはシクサーズじゃないんだから。

◎楽しくなったホークス

後半も緩めなバックスディフェンス。それでもゴール下でヤニスとブルックがカペラを囲み、2回のオフェンスリバウンドの末、ブロックします。ここからトランジションが発動するので二度おいしい。しかし、またもスクリーン1つでオープン3Pが打てるヤング。ハーフタイムで変更もしなかったのか。

オフェンスではタッカーvsヤングになってもミスマッチとか使えないバックス。逆にリバウンド争いでオフェンスファールコールされているしな。そしてヤニスはカペラにチャージング。なんか変な感じになってきたぞ。トランジションからコリンズのアリウープが決まって同点。

ここからバックスはヤニスがトランジションのレイアップをミス。ホリデーも(難しい角度だったけど)アリウープのゴール下をミス。ヤングやハーターのフローターが決まり、内容ではバックスが上回りながらリードを奪えない展開になります。ビハインドバックパスのフェイクからドライブするヤング。

まぁそれでも同点が続くってのもミソです。自分たちのミスがあって、ホークスの良いプレーがあっても同点。だから、ここでしっかりとリズムを作り直せれば、問題はないはずのバックスなのですが、タッカーをスターターにしているから、交代策はあまり機能しないし、リズムを作るPGもいない。

そもそもタッカーとヤニスが下がって、カナートンとポーティスが出て来るってどうなんだろ。代わりにフォーブスが出てこれないし。

コリンズがオフェンスリバウンドを奪ってねじ込むと、ヤングがドライブからボードパスでコリンズがダンクをねじ込み。楽しくなってきてしまったホークス。なんでヤングに自由を与えてしまうのわからないバックスの戦略。そして、次のオフェンスもヤングtoコリンズのアリウープ。カペラを下げてからコリンズが広いインサイドで暴れまくるので6点リードに。

会場からブーイングなのですが、これってヤングではなくバックスへのブーイングな気が。

そしてさらにコリンズ。ディフェンスリバウンドをキープし、ポストアップからミドル。多彩。そしてヤングとのピック&ロールでは、またもヤングがドフリーになって3P。理解に苦しむバックスのディフェンス。

本日は何故かホリデーで反撃するバックス。ゲーム7で自信をつけた・・・ってレベルじゃないだろうに。まぁホークスのディフェンスの方が少し楽なんだろうね。ヤニスが戻ってくると強引なアタックも決まり、ホリデーの3Pもあって一気に点差を縮めます。

残り45秒。パスアウトからカナートンがドライブし、ホリデーにキックアウトするも、この3Pは決まらない。ホークスはヤングがvsカナートンで抜くものの、横から手を出したホリデーに止められ、88-85と3点ホークスがリードして終わります。

◎ブルックがいない

ソロモン・ヒルがホリデー相手にドライブダンクを決める予想外。これにガリナリvsタッカーのアイソも決まり、前半に苦しかったセカンドユニットで得点していったホークスですが、フリーになったボグダノビッチがレイアップに行ったのをヤニスにブロックされてしまいます。

そしてホリデーのミドルにフォーブスの3P。でもヤニスのレイアップは2回連続でミス。ブルックがフォーブスになっている以外はスターターのバックスですが、ヤニスが外したので追いつききれません。2点リードでヤングが戻ってきます。コリンズはまだ。

カペラがホリデーからヤニスへのパスをカットし、そのまま速攻でダンク。ソロモン・ヒルと2人でヤニスを止めているからコリンズを使わないっていうマクミランらしさ。まぁホリデーとミドルトンが決めて同点になります。オフェンスミスが多過ぎたホークス。

vsヤニスになったヤング。ヤニスがよそ見をした瞬間にディープ3Pを打つと、シュートは外れるのですが、慌ててチェックに行ったヤニスの手がヤングの顔面に。3ショットファールっていう最悪の結果に加えて、4つめのヤニス。

タイムアウトのバックスはサインプレーでのミドルトンからヤニスへのアリウープ成功で同点の残り5分。さらにカナートンがオフェンスリバウンドを頑張ってマイボールにすると、ヤニスがアタックからのショートレンジ。ヤングがディープ3Pを外してしまうと、ロングリバウンドを取ったホリデーからのワンパスでヤニス&ワンもきまって4点リードに変えます。

タイムアウトのホークスでしたが、ヤニスがフリースローを外したのに、リバウンドをとられてホリデーの3P。踏んだり蹴ったり。コリンズがダンクで返したのが久しぶりの得点でしたが、次のオフェンスはホリデー相手にアイソを仕掛けたヤングがミドルレンジのフローター&ワン。残り3分半2点差に。

タイムアウトのバックスは今度もホリデーからヤニスへのアリウープ。成功しすぎじゃね。ホークスはコリンズで返しますが、そのコリンズがカナートンのフェイクに飛んでしまってファール。そういえばブルックが戻ってこないバックス。ホークスはボグダノビッチでもガリナリでもなく、ミドルトン対応のソロモン・ヒル。

ヤングのドライブをカナートンがブロックしますが、その前にミドルトンのファール。まぁファールだわ。もったいない。1on1で抜かれて後ろから手を出している。それでもまたもホリデーからヤニスへのアリウープ。シクサーズ戦のカペラか!?

コリンズはオフェンスリバウンドをとると、そこからボールが動いて、最後はコリンズの3P。そしてハーターがホリデーをブロックし、逆転のチャンスを得たポゼッションでしたが、ヤニスのヘルプに打ち切れないヤングとコリンズからパスアウトすると乱れてショットクロックオーバー。残り1分1点差でバックスリード。

ミドルトンのミドルが外れ、ヤングのフローターも外れますが、リバウンドを抑えたカペラがねじ込んで逆転。試合終盤になって、とにかくコリンズとカペラのオフェンスリバウンドでなんとかしているホークス。ブルックではなく、タッカーとカナートンになっているデメリットが大きいバックス。

バックスはミドルトンのドライブパスアウトからカナートンのワイドオープン3Pになりますが、まさかのエアボール。なんとか繋ごうとしたものの、サイドラインを割るところをダイブして投げ入れたヤニスのパスがヤングに。ファールゲームで3点差。

3Pが欲しいバックスはブルックとフォーブスを投入。ブルックはケガじゃなっかったのね。しかし打てないのでゴール下のヤニスへ。ファールで止めたソロモン・ヒル。

フリースローのヤニスはホークスファンが14秒数えてからシュートして決めます。いい加減にしろよ。2本目も決めて残り5.3秒1点差。

ファールゲームはヤング。ちゃんと2本決めて3点差残り4.6秒。バックスは最後のタイムアウトです。

バックスの狙いはミドルトン。これがなんだかんだとちゃんと打てたのですが、3Pは決まらず。まさかのゲーム1からホークスが勝ったのでした。おかしいな。そんな予想じゃなかったのに。

◎ブーデンフォルツァーよ

さて、順番に考えてみましょう。まず予想外だったのはヤングを自由にする選択をしたバックスディフェンスでした。なんでこんなに自由にしたのか。自由にするにも程があるだろ。そもそもそういうディフェンスをしてこなかったエンビードじゃないんだから、途中で変更も出来たはず。終盤は変更していたけどさ。

〇トレ・ヤング
48点
FG17/34
11アシスト

プレーオフキャリアハイの48点のヤングですが、それ以上に問題なのは34アテンプトもプレーオフ最多ってことです。ニックスやシクサーズよりもヤングに打たせることにしていたバックス。いやいや、それは何なんだブーデンフォルツァー。

ってことで、ここが最大の予想外でした。周囲に打たせると思っていたら、ヤングに打たせるんだもん。カペラへのアリウープはなかった気がしますが、むしろそれをカバーで止めるのがバックスの得意技だったよね?

しかし、最後に試合を決めたのはここではありませんでした。だからこそブーデンフォルツァー何してんだろ?っていうね。

〇オフェンスリバウンド
コリンズ 5
カペラ  4

〇ディフェンスリバウンド
ヤニス 8
タッカー 4
ブルック 1

そりゃあ勝てるわけないよ。ホークスはシュートを外してもリバウンドがあるもん。チームとしてはバックスの方が1つ多かったのですが、とにかく終盤になってからコリンズにやられまくりました。理由はカペラにヤニスがいったから、思いっきりコリンズが楽になった。

ブルックが20分しか出ていませんが、カペラ対応させておけば、こんなにコリンズには取られなかったはず。それはヤングを止めるのにブルックを嫌がったって事なのでしょうが、それにしても裏目に出てしまったよね。

ということで、戦略負けした感じです。でも、そんなことが起こるとは予想も出来ませんでした。そして負けた理由はもう1つの予想外も含まれます。

〇ミドルトン
15点
2P6/14
3P0/9

「ここは余裕で勝てるだろ」って思っていたミドルトンで大失敗したバックス。勝てるって思っていたのは管理人ですが、2Pはそこまで悪くなかったけど、さすがに3P外しすぎです。セルティックス戦しかスターにならないのは続くのか。

ボグダノビッチがFG1/6とオフェンスもダメだったこともあって、ソロモン・ヒルに切り替えられたことでさらに苦しくなりました。まぁここはスイッチ誘導も出来ないからな。

ってことで「ヤングのディフェンス」という弱点があるけど、そこを利用しないバックスらしさ。ホリデーが3P5/12と突如として決めまくり、使ったといえば使ったけどさ。ヤニスも34点FG14/25とちゃんと活躍したんだけど、だからこそザ・戦略負けでした。

あと、これまでで一番ディヴィチェンゾ不足を感じさせました。スモールに移行したときに1枚足りなかったな。

「バックス優位だけど、ホークスにも勝てる要素がある」
という予想はあくまでもバックスの弱点であるピック&ロールディフェンスの悪さをホークスが利用できるから。利用しないで勝ってしまった。

「バックス優位だけど、ホークスの成長でカバーできる」
という予想はあくまでもヤニスを止めるコリンズとか、決めまくるハーターとか。そこは関係なく勝ってしまった。

ってことで、かなり予想外の1勝でした。さすがにヤングにこんな自由を与えちゃダメでしょ。しかも、ミスしてもコリンズとカペラのオフェンスリバウンドでカバーするっていうね。ミドルトンの件は、ソロモン・ヒルで成功するのはまぁ想定してはいたね。でも、3P9本全ミスは負けすぎです。

ECF バックスvsホークス ゲーム1” への2件のフィードバック

  1.  BLOG更新ありがとうございます。ヤングやモラント及びハーデンが多用するフローターに関する質問です。一見、現代NBAにおいては、スパイスではあるが、3Pの様なメインデイシュではないミドルジャンパーと同じようにカテゴライズされていると認識しがちです。しかし、使い手によっては、頻度、多様性、プレイメイクへの変化をもたらし、前記以上の付加価値があるようにも思えます。
     管理人さんは今後のNBAおけるフローターの存在に関してどう感じられておられますか?それとも私の考えすぎで、従来とあまり変わらない位置付けでしょうか?

    1. フローター(ランナー)についてはコービーも言及していた気がします。なんて言ってたかは忘れた。

      ヤングは前後の振り幅を大きくするために利用しており、同じことはハーデンもやってます。カリーは後ろからブロックされないために使います。日本人が下手な部類のシュートでもあり非常に重要です。

      有名なのはナバーロですね。カリーもマネしたらしい。
      ガード陣は分かりやすいですが、最近はグリズリーズのクラークのようなビッグマンも活用します。ドライブアタックが増えたので、センターにも求められてます。
      そこは従来との大きな違いで、フックよりも使いやすくなってるのが戦術的な変化かと。

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