ペイサーズvsナゲッツ

2021/3/4

ペイサーズをナゲッツと比較していたら直接対決です。マレー&ヨキッチに「点を取れ」と発破をかけ続けてきたマイク・マローンの思いは3年経って実を結んだわけですが、その一方で今シーズンは2人が素晴らしいプレーを披露しながら、純粋にチームの戦力不足で勝てていません。

デッドラインに向けてMPJがトレード候補として挙げられていますが、ナゲッツが欲しいのはサイズのあるウイングです。それって丸っきりMPJなので、ポール・ジョージでも得られるトレードでない限り、動く意味がありません。MPJよりも良いウイングを連れてくるって難しいでしょ。キャロルあたりを10日間契約すればいいのにね。

◎ターナー

開始からナゲッツが次々と得点していき、MPJがスティールからダンクで早々に10点リードになります。これに対してペイサーズはヨキッチ対策なのか、ストレッチするサボニスが3Pを打っては外し、ブログドンもレイアップをミス。マグダーモットはワイドオープン3Pをミスし、チーム状態そのままのイマイチなスタートになってしまいました。

しかし、その中で気を吐いたのはターナー。「3P専門だけど、あまり打たない」という変なビッグマンになっていたのが昨シーズンまでですが、今シーズンはサボニスがアウトサイドに出るなら、インサイドに飛び込むことが増えました。

イマイチだったオフェンスをターナーが2つのオフェンスリバウンドでセカンドチャンスを作り、さらにトップからの3P2本で追い上げると、ディフェンスでもバートンをブロックするし、ゴール下のヨキッチにプレッシャーでシュートミスを誘発。17-0のランをけん引し、あっという間にペイサーズが逆転します。

このターナーによってリズムを得たことで、サボニスもショートレンジのフックシュート、マグダーモットはドライブレイアップと決めていきます。チームが上手くいかない時にハードワークで支えてくれるのは大事。ただ、ターナーはこれが1試合続かないって問題もあります。メンタル。

でも、1試合続かない理由って他にもある気がします。これがMPJと比較するとなかなか面白い。ミルサップのいないナゲッツはMPJがPF(死語)です。要はポイントセンターの相棒という意味ではターナーと同じ。メンタル的にターナーと違ってシュートを打ちまくれる良さがありますが、そんなことは置いといて、ターナーのようにオフェンスリバウンドに飛び込むのも特徴です。

ヨキッチがペイントに侵入してサボニスにスティールされると、MPJの動き方に何かクレームします。その後でハイポストのヨキッチに合わせるようにコーナーから飛び込んできたMPJによりゴール下が生まれてナゲッツは反撃していきました。

ペイサーズは飛び込んでくるターナーにパスが出てくるようなプレーが少ないのが欠点。パスが出てくるとカッティングって増えると思うんだよね。ビッグマンなのにエンドライン合わせが設定されていないターナー。ローポストが多いサボニスの事情もあって、3Pシューター化しちゃうときも多いよね。

まぁそんなこととは関係なく、ローテでターナーがベンチに下がると、ナゲッツが徐々に追い上げて1Qが終わります。2Qになるとゾーンを敷くのですが、ここではターナーのワンビッグです。ラプターズ式の3-2で3の真ん中が動き回るスタイルですが、2がターナーとラムだったのでラムの方からリバウンドを取られてしまったのでした。ちょっとよくわかんないね。

そしてワンビッグだからターナーをインサイドに置くと思いきや、中途半端。ゾーンそのものが悪いわけじゃないけど、ターナーという選手をどうやって活用するのかは、改善の余地がいっぱい残っている気がしたのでした。

◎合わせるのがナゲッツ

ジャマイカルのいないナゲッツはハーテンステインをセンターにして組み立てます。以前と全く違うセカンドユニットなのにビックリ。カンパッソもいないし、ドジアーは戻ってきて、バートンはベンチに座っている。さすがよくわかんない選手起用をするマイク・マローン。これは、どんな狙いの修業なんだろうか?

それでもポストに立ったハーテンステインにパスが入った瞬間に合わせて飛び込んできたキャンカーに華麗にパスがつながって6点リードになります。うん、誰だよ。そんな選手同士の組み合わせでもカッティングでの合わせをしていくのがナゲッツの本質。ここの能力差が出てしまったセカンドユニットになりました。

それでもターナーが、ここでもオフェンスリバウンドで押し込み反撃しますが、ナゲッツは戻ってきたヨキッチにドジアーから見事なパスが通り、イージーレイアップに。パサーがヨキッチじゃなくても、このパターンが出てくるんだよね。

ある意味、ナゲッツは戦力不足でもこうしてオフェンスを組み立てることが出来ます。でも守れないし、前半だけでターナー&サボニスに9つのオフェンスリバウンドを奪われてしまいました。カバーに出たヨキッチの代わりにリバウンドに来る人材不足。だからサイズのあるウイングが欲しくなります。

外し続けていたMPJがコーナー3Pを決めて、完全にナゲッツの流れなのですが、またターナーのプレッシャーでヨキッチがゴール下を外せば、オフェンスリバウンドも押し込まれてしまいます。ターナーがいなかったら20点差になっていそうな試合。

それでもマレー&ヨキッチが3Pを決めると、マレーはペイントを横切るようなドリブルでディフェンスを乱してのジャンプシュート。これで二桁リードにしたのですが、ヨキッチがワンパス速攻を狙えばマッコネルにスティールされ、ミスマッチで押し込むとトラベリングをコールされ、そしてターナーのドライブにファールしてしまい&ワン。

珍しくヨキッチからのミスオンパレードにより、終盤に突き放せなかったナゲッツ。61-52と9点リードでした。ターナーを止めることが出来なかったナゲッツ。ミルサップいないのもいたかったね。

◎しかし、ただ、ところが

後半になってもターナーのディフェンスに苦労するナゲッツ。解説もターナーを絶賛。1on1でドライブが出来ないMPJ。シュートはデュラントみたいなんだけどね。

しかし、ターナーとのリバウンド争いにかったMPJは、自分でボールを運び、そのまま3Pをヒット。センター相手のリバウンド争いに勝って、自分で持って行ってのプルアップ3Pなんてデュラントみたいだ。

ただナゲッツはピリっとしません。ボールを持ちすぎたバートンはマグダーモッドにスティールされてイージー速攻。同じくバートンからヨキッチへのパスは乱れて、これもカウンター速攻。ゴール下に侵入したヨキッチだけどパスを出すのに迷ってトラベリング。そしてホリデー兄はマレーのドライブを後ろからブロックし、コーナー3Pで同点に追いつきます。

ところが、追い付かれると本気を出すようなナゲッツ。今度は24秒オーバーに追い込むなどディフェンスで止め始めると、速攻でMPJのダンク。ペイサーズが4人戻っている場面でも、ディフェンスをひきつけるのが上手いヨキッチから、縦に抜け出したキャンカーのレイアップ。そして、ブログドンのレイアップミスからMPJがスピードでブログドンを振り切ってのレイアップ。

ちょっと精彩を欠いているブログドン。レイアップミスが多いだけでなく、プレーメイクもイマイチで、ナゲッツはスクリーンに対して徹底してアンダーで守っているため、プルアップ3Pは打ち放題なのですが、3Pラインの少し内側に入ってしまうことが多く、自らチームオフェンスを狭くしてしまっています。

そんなこともあってか、マッコネル、アーロン、サムナーを並べラムもいれると4ガードでのオフェンスに変更しますが、サムナーがドライブからエンドラインにいるターナーへパスを出すとキャッチミス。前述したようにペイサーズにないパターンの合わせ方でパスに反応しきれなかったターナー。

こうしてペイサーズがバタバタしている間に、ヨキッチのローポスト押し込み、マレーのミドルで82ー74と8点差に戻って3Qが終わるのでした。またビターゼが出てこないのは何でだろうか。3Qのペイサーズはオフェンスリバウンドが1つのみ。前半を考えるとビターゼでの押し込みってのも良い手段だったはずですが。

◎MPJ

2Qとは違い、MPJとナジを入れてきたマイク・マローン。ハーテンステインもいるので4ガードから2ウイングへの変更です。遠慮なく起用法を変えて選手を困らせ、成長させるのか。でもボルボルは起用されないと解説が言ってるよ。

サボニスがマレー相手にプレッシャーかけてスティールするけど、速攻のレイアップに行く直前にスティールし返されたりしてさ。ペイサーズは積極的なプレッシャーをかけていきますが、両コーナーに広がるナジとMPJにパスが出て3P。奪い切らないと厳しいな。

そしてMPJが2本の3P。MPJの役割って八村みたいな感じだけど、これで点を取りまくれるのだから凄いわ。マレーやバートンがボール持ちまくってパスが出てこないことも多いのにさ。そんなわけでペイサーズのディフェンスが効いてないわけではありませんが、前に出るほどナゲッツのシューティングから点差が広がってしまいます。

そしてブログドンのレイアップをMPJがブロックすると、こぼれ球をペイサーズがキープしたのに、立て直そうとしたパスを読んだマレーがスティールから豪快なダンクで、残り5分18点差に広がってしまったのでした。

結局後半のペイサーズは、ターナーが記録したオフェンスリバウンド2つのみでした。これに対して7つのディフェンスリバウンドをとったMPJは後半だけで3P3/4の14点。チームハイの24点で試合を決める活躍となりました。安定感はないけど爆発力はあるMPJですが、リバウンドもキーポイントなんだよね。これくらいの活躍がコンスタントに出来ると、トレードする意味はないね。

〇サボニス
10点 FG5/15
10リバウンド
10アシスト

〇ブログドン
10点 FG4/14
6アシスト

今日はエース2人が厳しかったペイサーズ。ターナーが頑張った分だけ試合になったけど、マレー&ヨキッチがFG17/33なので、エースコンビの確率で完敗です。ヨキッチは7ターンオーバーだったりして、あまり良くなかったのでサボニスは完敗って事もないのですが、ブログドンが苦しすぎました。

もうしばらく苦悩が続きそうなペイサーズですが、そういえば明日からオールスターブレイクです。心機一転して後半戦に臨めるのか。マジでプレーオフが怪しくなってきました。

ナゲッツもケガ人事情がよくわからん。誰かが戻ってきたら、誰かがいなくなる。マレー&ヨキッチだけが必死こいて働いている感じ。それってプレーオフに向けて失速する可能性があるので、そろそろMPJで固定したいところ。もう少しドライブで点が取れるといいね。

ミルサップとジャマイカルが戻ってくれば、もう少しディフェンスは何とかなるのでしょうが、全員が健康なんてこともあり得ないわけで、もう1人はマルチディフェンダーが欲しいのでした。

ペイサーズvsナゲッツ” への6件のフィードバック

  1. ペイサーズファンですが、ジャスティンとサムナーの違いに注目してみると結構面白いと思います。他の選手が二人引きつけた時にサムナーは必ずカットインする一方でジャスティンは絶対にカットインしません。

    個人的にはブログドンやサボニス、マコネルのパス能力を活用してチームのボールムーブを活性化させるサムナーの方が良い動きをしているように見えます。

    1. ラプターズはプレイメーカーに慣れる選手を増やしていましたが、ペイサーズはオンコートに2人しかいないことが多いです。その意味でわき役としてはジャスティンの方が効果的にみえるけど、主役が足りないからプレーが閉塞的なイメージはあります。プレーの幅が広いサムナーの方が試合トータルではよいのかも。

  2. ここ最近沈んでいたターナーが元気を取り戻していましたね
    このくらいの活躍を続けられるのならオールスターですがそう上手くいかないのが辛いところです
    ターナーの活用については手探りな感じがします

    1. うーん、ターナーが手探りってなると開幕前の戦術準備不足なんですよね。
      この試合のような使い方で正しいと思うのですが、徹底できないのは、何が問題なのか。

  3. 先日は大変お手数かけました。
    ビターゼが出てこないのは何でだろうか?とありますが、ローテに含まれている選手ではありませんね。控えの出る出ないだけでなく先発陣でもプレイタイムはかなり不安定です。対戦相手に合わせての起用なのかと、対戦相手のディテールを知らない自分は思っていましたが、そうでなかったらどうなのかと?つい疑ってしまうのは、コロナの特殊事情での目先の勝利を優先してだけのことなのではないかと。サボニス・ブログトン酷使の、チームの強化を置いといての、結局の今の成績です。ビョークレンに戦略、戦術、ビジョンがないとは思っていませんが、監督センスがないのではないかという懸念は自分の中に生まれています。

    1. そうですね。シーズン序盤が良い感じで、そこから自発的に形を崩して勝率を下げたので、「修行」しているのかと思いましたが、ここ最近は起用法がよくわからないですね。
      負けたくないから変に主力を引っ張りすぎている気がします。

      ここを乗り越えられないなら、HCセンスへの疑問はぬぐえないです。

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