ファイナルゲーム2
にゃんとーに
にゃはははは。今回は我々の登場らしいぞ。
ブルデン
ということは、だ。
それぞれファイナル進出チームに負けた身として語れってことだな。
にゃんとーに
ゲーム2はバトラーの獅子奮迅の活躍が見どころだったわけだが、個人技ならリバースの出番だけに、その理由を語るって事ではないな。
ということで、ヒートのゾーンとレイカーズの攻略について語ることになるわけだ。
ぶるでん
アデバヨのいないゾーンに何の意味があるのかってことでもあるな。アデバヨがいなかったらバックスは勝っていたはずだ。
にゃんとーに
あの内容でか?
ぶるでん
ぐぬぬぬぬ。いや、考えてくれ。ゲーム2のヒートはディフェンスリバウンドを59%しかキープできなかった。つまり4割はレイカーズに奪われたって事だ。とにかくヒートがリバウンドをキープできなかったことが問題だろう。
確かにADは強烈だ。だがバックスにはヤニスがいる。それでも24%しか取れなかったわけだ。アデバヨ不在は大きい。
にゃんとーに
しかも47本も打った3Pは、31本が外れている。
一方で2Pは33/50と17本しか外れていない。つまり合計48回あったリバウンドの6割がロングリバウンドに近い構図だったはず。サイズだけでは理由に乏しい。
ウエストブルックがいたら、確実にキープ出来たな。にゃはははは。
ぶるでん
そう。それだ。反応力が大切なリバウンドを増やしたのはスポルストラの計算のうちだったはず。ところが、ADの反応力に手も足も出なかった。オリニクでは苦しい。
「シルバを使ってみて欲しかった」というのは、高さだけではなく反応力でも対抗でき、アデバヨが戻ってきたらどうなるか、のテストにもなったからだ。
にゃんとーに
リバウンドで負けたのは「レイカーズがデカいからリバウンドが強かった」という中学生みたいな単純な理論ではないって事だな。
ロケッツはレイカーズとのシリーズで、ウエストブルックがコートに入れば72%のディフェンスリバウンドをキープしていた。高い数字ではないが、純粋なゴール下は高さ負けしていたのは事実だから、十分な数字と言えるだろう。
ちなみにウエストブルックのディフェンスリバウンドが少ない試合にはやられてしまった。マッチアップの選び方を間違えたかもな。
ぶるでん
ヒートのディフェンスリバウンドは4本に1本がアデバヨだ。反応力勝負の時にヤニスよりも先に飛んでいるのは驚異的だった。
3P打たせたのにリバウンドを奪われたのは誤算だが、そもそもアデバヨがいないヒートではそうなってしまうのだろう。
にゃんとーに
ただレイカーズのセカンドチャンスは21点しかなかった。そのうちADの10点がインサイドで取られた形だな。8つのオフェンスリバウンドだと思うと、ちょっと少ないな
ヒートはリバウンドはとられるが、収縮して出来る限りの抵抗はしたってことだな。
ぶるでん
そうだな。そして運も悪かったのはロングリバウンドがそのままレイカーズのガード陣に落ちてきていたこともあったな。
にゃんとーに
にゃはは。いや、むしろヒートのガード陣の反応が悪かった。
ぶるでん
ヒートのゾーンはバトラーとクラウダーが2-3の「2」をやる特殊系だが、その2人が取れなかったとなると
・・・いや、違うな。この2人は「リバウンドを取りにゴール下に詰めた」わけだ。だから、ロングリバウンドが落ちたところには誰もいなかったということだ。
にゃんとーに
切ない話だな。2人の能力を信じて働かせた結果、落ちてきたところに誰もいないってことか。
それはアデバヨがいないだけでなく、レイカーズが2ビッグを選択したことも大きいな。
ぶるでん
ADとハワード、もしくはADとモリスorレブロンの構図だったな。あれではオリニクがボックスアウトできるのは片方だけ。どうしてももう1人は空いてしまう。
その結果、レイカーズのリバウンドの多くは「ボールと逆サイドからのリバウンド」だった。そこはボールサイドを強くいくヒートとしてはボックスアウトが届かない。
にゃんとーに
嫌らしいのはヴォーゲルはそこまで狙っていそうなタイプって事だ。ADやハワードはリバウンドが仕事だが、レブロンにしても他の選手にしても、逆サイドから飛び込むプレーは頻繁にあったな。それはファイナルだけの話ではない。
ぶるでん
実はヒートの問題は単に「アデバヨがいない」だけじゃなかったのかもしれない。そこにはゾーンの攻略も絡んでくるな。
にゃんとーに
これをみれば、いかにレイカーズが狙っていたかがわかるぞ。
ヒートの弱点である
「ガードが両ウイングだからフィジカルに弱い」
「アウトサイドまでチェイスするからシュート前ならインサイドをとりやすい」
ことを見極めているから、シュート前に逆サイドのゴール下にポジションを取っている
しかも、ボールの逆サイドだからオリニクはボックスアウトに間に合わないって寸法だ。レブロンとADが同じところでポジション争いしているのもウケるが、それだけ狙い通りって事だろう。
これがハードワークのレイカーズらしさを示していたな。
ぶるでん
明らかにゾーンの弱点を狙っているな。ヒートは両ウイングの守り方を変更しなければいけない。しかし、ダンカンやヒーローでは限界があるだろう。ゲーム3でスポルストラがどうしてくるのかは注目だな。
◎レイカーズのゾーン対策
ぶるでん
「ゾーン対策がある」と豪語していたヴォーゲルだったが、殆どセルティックスのコピーだったな。ただし、全く違ったのがこのビッグマンの使い方だった。
と、同時にセルツはジェイレン・ブラウンとグラント・ウィリアムスのコンビなら攻略できていたわけだが、レイカーズのビッグマン達の動きを見ていると「グラント・ウィリアムスが大切だった」気がしてくるな。あいつなら、やりそうな動きだ。
にゃんとーに
にゃははは。ベテランではなく「ルーキーならやりそう」ってのはパラダイム・シフトだな。スピードと運動量の世界で育ってきたビッグマンが備えている個人戦術だ。
ぶるでん
そう。そこだ。同じような形ながら、セルツは「グラントならやりそう」という個人戦術に留まっており、レイカーズはハワード、AD、そしてレブロンとエンドライン担当が変わっても同じプレーをしていたからチーム戦術だった。
セルツはポジショニングさせていただけで、レイカーズは明確に「狙っていた」ということ。
にゃんとーに
それはリバウンドだけじゃないな。2Qのタイムアウト明けに、レブロンが逆サイドに走りこんで裏パスアリウープを狙ったな。カルーソがホームランパスしたが。
ヴォーゲルのゾーン対策はボールと逆サイドにおけるウイング狙い。もちろんビッグマンがやれば最大の効果があるが、それ以外の選手でも狙う時は同じだった。
ぶるでん
セルツはスマートが中継役になったときにパスアウトばかりで、ヒートはそれを狙っていたが、レイカーズはインサイドを先に狙っている。結果的に47本も3Pを打ったのはゾーン対策というよりは、ヒートディフェンスの動きに合わせたら、そうなっただけに見えたな。
にゃんとーに
狙いを変えるヒート流の事情が大きかったように見えた「3P打たせまくり作戦」は実はそこそこ成功していたな。ダニー・グリーンとKCPが外しまくっていたからな。
レイカーズは2P33/50と6割オーバーだったから3Pの方がマシだった。ドライブ抑えたのは正解。
ただリバウンドが取れなかった。リバウンドが取れない理由はレイカーズの狙いに負けたから。にゃははは。ワラエナイな。
ぶるでん
3P打ちで攻略に行ったセルツの3Pが機能せず
エンドライン攻略に行ったレイカーズが3P打ちまくる
それがバスケって感じだな。スマートの判断が悪かったのか、ブラッド君の戦略が悪かったのか。一心同体みたいな2人が共に解決できなかったな。
にゃんとーに
にゃははは。そんなこといってバックスも攻略できなかっただろ?
ぶるでん
ぐぬぬぬぬ。いや、バックスはそこまでゾーンにやられたわけじゃないぞ。。。。。マンツーでも止められていたってだけで・・・・・。
にゃんとーに
にゃはははは。3P打ちまくって、インサイドはヤニスに任せて。それが日常の戦術だからな。
「なんでカナートンやディヴィチェンゾのカッティングを使わないんだ」と指摘したが、バックスは一応オフボールでエンドライン合わせも持っていたな。もっと使えばよかったのに。
その点、ロケッツはオフボールカッティングでギャップ使いまくていたからな。にゃはははは。
ぶるでん
ぐぬぬ。いや、ロケッツだってカペラがいれば、もっとペイント内で押し込んでくれたはずだろ。オフボールで攻略しているくせに、キックアウト3P使いまくっていたじゃないか。
にゃんとーに
にゃぬを!マイクロボールは芸術だ!
ぶるでん
まぁバックスもロケッツもコーナー3Pは40%以上決めていたから、そこは攻略できていたんだよな。元々がそういう設計だったから、自然とコーナー利用で攻略を図ったな。
にゃんとーに
それは3Pが決まらないレイカーズが選んだ攻略とは違ったって事だな。
・・・んっ!?
ぶるでん
ハッ!?
にゃんとーに
ひょ、ひょっとして今回、われわれが選ばれた理由っていうのは、お互いに「このままじゃヤバいぞ」ってことか。
ぶるでん
た、確かに、ヒートだけじゃなくレイカーズもゾーンをするし、ラプターズも特殊なゾーンをしてくる。ナゲッツとロケッツはしないがマンツーでもゾーンみたいな要素を持っている。
それぞれ3Pを止めるためにゾーンを選び、ビッグマンでゾーンを攻略している。
にゃんとーに
マイクロボールも戦術ヤニスも強力だけど「じゃあ3P打っときな。オレたちが勝つから」みたいなヒートとレイカーズのゾーンだったわけか。コーナー3P決めていたのに負けてしまったわけだし。
ぶるでん
「ゾーンには3P」なんていう中学生みたいな発想はもとよりないが、キーになっているのは「エンドライン担当」のセンターがいるかどうかだ。バックスにもロケッツにもその用意はない。いや、ロケッツはカペラにやらせていたのにな。
にゃんとーに
にゃ、にゃにを。バックスだってブルック・ロペスがいるのに3P砲台にし過ぎだろ。
ぶるでん
でもブルックは運動能力が高いわけでもないし、スキを利用することもない。死角で動くのが上手いイリャソバを使っておくべきだったのか。
にゃんとーに
レイカーズはロケッツ戦ではスモールラインナップにしてマギーもハワードも起用しなかった。でも、このファイナルではハワードがいるからこそ攻略が楽になっている。エンドライン担当は必要な時も不要な時もあるが、ゾーンには必要な選手って事か。
こ、これはシクサーズでエンビードを
ぶるでん
シクサーズはリバースで決まったぞ。お前の本命はどこなんだ?
◎レブロンとウエストブルック
にゃんとーに
エンドライン担当については、セカンドラウンドに進んできたチームの中で準備できそうなのが、レイカーズとナゲッツの2チームだけなんだよな。あとはハレルがいるクリッパーズくらいか。
ぶるでん
セルツは実はカンターで攻略できていたがディフェンスがな。もっともレイカーズも同じ理由でマギーは起用してこない。
エンドライン担当はADクラス以外は「試合展開によって使うか使わないか変わる」くらいの選手である必要があるのかもしれないな。
もしくは「ADクラスのビッグマンが必須」に時代が変わってしまうかもしれない。アデバヨとヨキッチ以外に、このレベルに上がってくるセンターが誰になるのか、それが来シーズンのNBA全体のテーマになるかもしれないな。
にゃんとーに
にゃははは。でもそれは既にスティーブ・カーが違う形も示しているな。スーパーセンターがいない代わりにタイプの違う4人を使い分けていた。どっちを選ぶかだ。
ブラッド君は「選ぶ」レベルまで育てれなかったか、グラントとロバートが若すぎたか。
ぶるでん
エンドライン担当の話はこれくらいにして、ちょっと話を戻そう。スマートとブラウンの話だ。
にゃんとーに
つまりフィニッシャーであるエンドライン担当の前にボールを触るプレーメイカーのことだな。主としてレブロンとロンドの2人だった。他にもカルーソやモリスもやっていたな。
ぶるでん
スマートがダメで、レブロンとロンドは良かったのは、何だったのか。それは優先順位として「インサイド攻略」が一番上だったことだ。そう考えるとドライブの多いブラウンも「インサイド攻略」のためにギャップでボールを受けて成功していたわけだ。
にゃんとーに
ところがレブロンもロンドも別に自分で打つわけじゃないんだよな。もちろん時には空けられて打つが、基本はパスを回す中継役だった。それはインサイド攻略にも3P47本にも繋がった。
ぶるでん
そうだ。2人とも素晴らしかったが、これもまた恐ろしい事実がある。
にゃんとーに
アデバヨとヨキッチの時代って事だな。まるっきり2人なら出来てしまう役割だった。そしてそれはKATやエンビードには出来ない事だ。もちろんシモンズには出来るから、エンビードをエンドラインに置き続ければ良い・・・シクサーズの事は考えなくていいか。
ぶるでん
もちろん、ヤニスにも出来る
にゃんとーに
にゃははは。お前がHCじゃなければな
ぶるでん
ぐぬぬぬぬ。
にゃんとーに
そしてウエストブルックにもできる・・・はずだ。
ぶるでん
そこだ。確かマイクロボールはレイカーズのゾーンに対して、全く同じところでボールを受けていたな。レブロンとロンドがボールタッチしたところはウエストブルックのデジャブだったぞ。
にゃんとーに
にゃははは。ヴォーゲルもマイクロボールをマネたな。
ぶるでん
ロケッツとセルツ両方の良い部分を組み合わせたようなヴォーゲルのゾーン攻略だった。著作権料とれるぞ。
にゃんとーに
ちなみにレブロンとロンドが「ウエストブルックより優れていた」ってことでもないな。やっていることはギャップでパスを受けて、大きく散らすこと。確かにエンドライン担当はいなかったが、それ以外は似たような狙いを同じようにこなしていた。
ぶるでん
だな。狙いすぎのロンドはミスもあったし、レブロンもギャップで受けた時は殆どパスをしていた。
ただ、そこじゃない。「ロンドとレブロン」だったことだ。レイカーズは2人いた。これが実に嫌らしかった。実はカルーソもいたな。
にゃんとーに
確かにな。レブロン1人ならともかく、2人が役割チェンジするのは印象的だった。AD、クズマ、モリスも似たようなことはしていたしな。
ってこれも・・・
ぶるでん
そうだな。「同じ選手に同じ役割を続けさせた」私たち2人を選んだ理由だろう。
にゃんとーに
にゃははは。ロケッツはリバース息子にもやらせたぞ。時にはハウスにも・・・
ぶるでん
言ってて悲しくなるだろ?
にゃんとーに
・・・判断力のレベルが違ったな。
ラプターズならガソルとラウリー、あとアヌノビーで同じことしていそうだな。だから、セルツが勝ちあがったことはヒートにとってラッキーだったかもしれない。
ぶるでん
試合に出たりでなかったりのエンドライン担当、複数のパサー、なんでレイカーズにはこんなに選手がいっぱいいるんだ?
にゃんとーに
・・・多彩で、柔軟な戦術を、限られた選手を使いきって実現しろ!
ってことか。つまりこのゲーム2は
ぶるでん
相手にいろんなことを要求してくるスポルストラのゾーンディフェンスを
にゃんとーに
多様な役割を選手にこなさせたヴォーゲルが攻略したってことか。適材適所なだけでなく、誰もが出来る事がレイカーズにとって重要だった。
ぶるでん
まぁ試合はシュートが決まるか、リバウンドをとれるか、で結果が変わってくるが、
「戦略的ゾーンがスタンダードになり、それを攻略するための準備もちゃんとしとけよ!」
そんなことを訴えかけてくるゲーム2だった。一朝一夕では出来なかった攻略法なのだろう。
◎スタンダードは増えるのか
にゃんとーに
ヒート、レイカーズ、ラプターズ以外にゾーンを有効活用してくるチームは他にどこがあったかな。
ぶるでん
ウイング不足だけどスパーズ
アトキンソンがいなくなったけどネッツ
他にもゾーンをするチームはあるが、ヒートとラプターズが強烈すぎて、そんなに印象に残っていないな。
試合の中で登場するのだろうが、必ずしもその試合を見ているわけでもなく、効いたかどうかもシュート成功率次第だからなんともわからないしな。
にゃんとーに
ディフェンスの良いチームはマンツーでもローテでこなしていくからな。ゾーンそのものがスタンダードになるかは微妙だが、ヒートの勝利はゾーンの価値を高めたのは間違いない。
ぶるでん
来シーズンに積極的に活用したほうが良さそうなチームはどこだと思う?
にゃんとーに
そりゃあ筆頭がバックスだろ。ヤニスがいる。理由はそれだけで十分だ。
ぶるでん
だよなぁ。アデバヨよりも強力に構築した上で、両ウイングも強い。クラウダーとDJJ役が足りないくらいで、ガッチガチに守れそうだ。
にゃんとーに
だが、現時点でそもそもガッチガチだ。にゃはははは。
それに「積極的に3Pを止めに行く」ためのゾーンだから、インサイドをガッチガチに守っているディフェンスの方針を180°変更しないといけない。コンセプト変更だ。
だったらHC交代させた方が早い。にゃははは。アトキンソン連れてこい!
ぶるでん
ぐぬぬ。
いずれにしても、考えさせられるゲーム2だった。そして対談が長くなってしまった。失敗だ。
にゃんとーに
にゃははは。過去の記事を読んで「長くてわかりにくい」と思ったからテーマをゾーンに絞ってコンパクトにしたかったのに、結局長くなってしまったな。
ファイナル展望のゾーン記事は、本当はもっと長かったのをカットしまくったらしいからな。読みにくいのは困るな。
ぶるでん
対談形式が正しかったのかもわからんな。ぐぬぬぬぬ。
本当に、ロケッツだったらゾーンをクソ上手く攻略しましたよね…ロケッツ、東へ行かないか?ADもヨキッチもいないぞ!
しかもラスはエンドライン担当も出来るでしょうし、ギャップやポストで受けて捌くのはハーデンならできるでしょう。でもそこへパスを入れる奴がいないか…やっぱり、控えCで我慢してくれるカペラがいて欲しかった…(そんなカペラはいない)。そう考えると、限られた役割とサラリーで納得して全力でやる選手ってそれだけで価値があるし、隠れた重宝選手に今後なりそうですね
ヴォーゲルがパクりと応用の名人だからかもしれませんが、やっぱりスティーブンスやスポラよりヴォーゲルの方が有能に見えてしまうんですよね…