WCで気になった非NBAプレイヤー

質問返し。

WC通してNBA選手以外で記憶に残った選手はいましたか?
デックは個人的にもNBAで見てみたいです。

コメントいただきました。NBAプレイヤー以外が非常によく活躍した大会で、印象に残っている事項が多くあります。ところが、いざ思い出してみるとやっぱり各チームがNBA選手中心であり、そこが戦術の中心でサポートメンバーを抱えている風な構成です。だから意外と個人で印象に残っている選手は少ないのかもしれません。

とはいえ、考え出せばいろいろいるわけで、ちょっとスタッツも観ながら思い出していきましょう。その前に1つ。

日本が強くなるためには個人がもっと世界に出ていかないと

といった意見が良く出てくるわけですが、今大会でハッキリしてしまったことが「国際大会で勝ちたい」ならばスペインに行くべきだという事。アルゼンチンなんかほぼスペイン。スペインはスペイン。ファイナルはスペイン対決みたいな状態でした。

NBAに行くと個人レベルは上がるけど、カンパッソやリュリに代表されるタイプが育成されにくい。でもパス能力の方が大切な国際試合。あと、ユーロリーグがあるからある種のガラパゴス戦術のNBAよりも、多くのチームに柔軟に対応する必要があるので、国際試合の感覚は磨かれると思います。

国際試合で勝ちたいならばアメリカよりもユーロを目指せ。特にスペインへ行け。だけどアメリカ行った方が目立てるよ。ということでした。さて本題はそのスペインにいるアルゼンチン人から。

〇アルゼンチン
カンパッソ
デック
ビルドーザ
ラプロビトーラ
ガリーノ

全選手が有機的に絡むからアルゼンチンは段違いに印象的でした。NBA選手がいないからこそ全員が目立ったとも言えます。カンパッソについてはいうまでもなく。

デックは最も可能性を感じさせるポーカーフェイスのウイング。3Pよし、リバウンド良し、フィジカルありと何でもこなせるので今すぐにでもNBAでプレーできる素材。ただアンダーサイズなのとスキル面で特筆するものはないので、どういう位置づけの選手にするのかはチームごとに迷うだろうね。主役が出来るユーロに残る選択肢は理解できる。

ビルドーザとラプロビトーラはともにガードでカンパッソとコンビを組んでいました。カンパッソ同様にディフェンスの激しいプレッシャーと強気なオフェンスでアルゼンチンらしさ全開。特にビルドーザの方がオフボールでの守り方もうまく、戦術的に使いやすい存在だと思います。
問題はNBAのコンボガードに求められるのが、もっと直接的に得点に絡むこと。シューター専任だったり、切れ込みまくったり。このディフェンダータイプってクリッパーズとサンダーくらいの印象です。カンパッソと組んだアルゼンチン代表では面白いけど、NBAではカンパッソタイプと組ませることはないでしょう。

つまり3人ともNBAレベルの実力はあるけど、どうやって起用するのか悩んでしまう感じです。それに比べるとガリーノはわかりやすい3&D。ジョージ・ワシントンで渡邊雄太が2年生の時の4年生はカンファレンスのDPOYだったよね。アメリカでもディフェンスを評価されているのは強み。
そしてこの大会では勝負強く3Pを沈めていきました。非常にわかりやすい活躍の仕方なのでウイングの足りないNBAチームが契約してもおかしくないです。が、最近はロスター枠がいっぱいなので2WAY契約を提示されて断りそう。

〇スペイン
リュリ

優勝したスペインにはクラバーなんかもいますが、リュリの存在感には勝てないね。頭脳に優れたガードはシュート力もあってスローダウン戦法のスペインを引っ張りました。ファイナルこそルビオに完敗した感じですが、それまではリュリの方が良い試合の方が多かったくらい。

でも、やっぱりルビオと同じスピードに苦しむでしょう。ホセ・カルデロンみたいな。NBAクラスではあるけど3番手PGになってしまうだろうから苦しいよね。

〇フランス
デ・コロ
アルバシー
ラベイリー

もっともNBAで活躍しそうなのがデ・コロ。アベレージ15点くらいはとりそう。シュートもうまければ虚をつくドライブはするどく、トリッキーなパスも併せ持ち、6thマンとして人気が出そうな物件。
でも若い時にスパーズにいて満足いくプレータイムをもらえなかったようでユーロに帰ってきています。だからもうNBAは嫌だろうね。顔がクレイ・トンプソン。

アルバシーはフィジカルなPG。普通にNBAにいそうなタイプ。ただサイズが180cmもないので、特別な武器がないと苦しい。そして特にない。ディフェンスを頑張り、しっかりとフリーの3Pを決めていたのでNBAでもやっていけそうですが、29歳にチャンスをあげるなら20歳くらいの若手にチャンスを与えるわな。

ラベイリーはアフロのPF。管理人的にはおススメ物件なのですが、スタッツをみると「たまたま見た試合で活躍した」だけらしい。それは残念。210cmあってスピードタイプのうえ、3Pを決めていました。つまりはストレッチ4として利用価値があります。ただ1人ビッグマンには出来ないので強力なセンターを持つチームに加入させましょう。
なお、この選手もスペインにいます。国際試合で通用する選手になりたければスペインに行こうぜ!

フランスは控えのセンターも良かったのですが、所属チームみたらセルティックスだった。

〇チェコ
バルビン

強かったバルビン。アウトサイドはないけど、屈強に戦えるインサイドはNBAで減ってきたタイプなので需要はあるはず。ヌルキッチにはなれないけど、バランチューナスになろう。バルビンもスペイン。
チェコはユーロMVPがいなかったらしい。それでも6位まで駆け上がったのだから見事。

〇ニュージーランド
ウェブスター

得点ランク3位のガードは3P54.5%も決めまくりました。高精度のシューティングを武器に、それでいてインサイドへ飛び込んでも果敢にコンタクトして決めてきます。シューターとしての利用価値がありそうですが、NBAの下部を突破できなかったのでムリなんでしょうね。

〇セネガル
ンドゥール

日本ではおなじみのンドゥール。元NBAプレイヤーですが、セネガルの中でも段違いの身体能力による伸びやかなプレーを披露してくれました。確かにとっても魅力的な選手なわけですが、シュート力がね。

〇中国
イ・ジャンリン

元NBAプレイヤーね。全然見たことなかったころのNBAにいてルーキーシーズンとかはそこそこ活躍している。結構何でもできるし、固いのでNBAに混じっていてもおかしくない。でも、NBAの中では育たず、中国に戻ってレベルをあげたっぽいので、チームの中心じゃないとどうしてよいのかわからなくなりそう。

〇プエルトリコ
ブロウニー
ロドリゲス

小さな2人のPGは全員がファイトするプエルトリコで生じる大小さまざまなスペースを驚異的に埋めていくスーパーハードワーカーのPG達。このレベルで動けて体を張れるPGってそんなにいないので、NBAでも見たいレベル。ていうかロドリゲスは下部リーグ所属。

つまりは非常に見応えがあったけど、NBAレベルに達するには足りない要素が多すぎます。主にサイズなロドリゲス。なお、サイズがあったらアジリティが減って、こんなに広い範囲をカバーしきれないというのも良くある話。「身長が足りない」わけだけど、あくまでもこのプレーをしたうえでデカくならないと意味がない。

〇日本
ファジーカス

3P54%という超高確率を達成したストレッチ5.インサイドでは役に立たないけど、それでも現代NBAでは十分なシュート力があるので利用価値が高い。
が、致命的に走れない。本当にもう少しでも走れればストレッチ5としての利用価値はあっただろうに。デカくなれば全てが解決するわけではないという例示でもある。

ということで並べて観たけど、アルゼンチンとフランス勢以外はそこまで試合を観ていないこともあって苦しかったね。主役キャラはカンパッソとデ・コロの2人だけってことでもあります。なんだかんだ各チームの主役がNBAプレイヤーだったように、中核的な位置づけを手に入れるにはNBAを目指さないといけない。

恐らく探せばもっとロールプレイヤーはいるはず。だけど、そこまで見つけられなかった理由は、国際試合では求められていない要素も大きいってことです。PJタッカーみたいなディフェンダーは国際試合でそこまで必要ではなく、それよりもリムプロテクターを準備しましょう。

なお、印象に残ったチームはリトアニアとプエルトリコです。アルゼンチンも含めて、日本が目指すならこのチームって感じでした。リトアニアになるのは無理だろうけどね。

WCで気になった非NBAプレイヤー” への4件のフィードバック

  1. 初めて生でアルゼンチン代表を見たのが2006年の世界選手権でぺぺ・サンチェスに惚れてしまって(^^)

    それまではジノビリ見たさに向かった試合でしたが、アルゼンチン代表の美しいボールムーブに見惚れながら無言で観戦してました笑笑

    カンパッソ良かったですよね!
    ベストファイブに選んで欲しかったですが、記事の中に選ばれなかった理由があるのかなーと思います。

    ルビオの出来が良かった事も…
    憎たらしい。

    初期のミソネタルビオなら選ばれないだろうに。

    オリンピック・メロがあるならオリンピック・ルビオなのかと笑笑

    優勝して欲しかった…チクショー!!

    個人的にUSAはメロ入れてたら良かったのではと思います。

    1. テイタムならカーメロで良かったですが、ケガしたから同じかな。あとはミドルトンがカーメロ並には決められなかったのが痛かったと思います。

      カンパッソはNBAファンにも名を上げましたが、あのカバーリング能力がどこまでNBAで使えるのかが難しいですね。
      もっとスペーシングしているオフェンスなので、逆に穴になる可能性もあります。
      そんなルールとバスケの違いを示してくれたことにカンパッソに感謝。
      ベスト5に選ばれなかったのはスコラが素晴らしいプレーをしたのでアルゼンチン枠が埋まっただけです。

  2. カンパッソのプレーは観ていてサッカーの要素を感じました。片手で回転強めのアンダーパスしてる時に思ったんですが、バスケだけやってたら身に付かないような身体の使い方というか。ナッシュのドライブでの抜き方なんか正にそんなイメージです。

    やはりサッカーとバスケって何か関係性があるのでしょうか? 自分はバスケしか分からない素人ですが管理人さんの影響でサッカーも観てみようと思ってます。サッカーでのゾーンとか如何にも面白そうなので笑

    1. サッカーとバスケはやっぱり似ていますよ。
      両端にゴールがあって、攻守一体の考え方をするっていう。

      バスケ側からすると、攻守分断だったのがサッカーの影響で一体化し、スモールラインナップの意義が作られた気がします。
      サッカー側からすると、スクリーンや体の向きの作り方などの細かい部分と、ボール保持のシステム化がバスケの影響かなと。

      NBAブログ初めてからサッカーはほとんど見なくなったので、よく知りませんが。
      最近だとラグビーでフルバックの役割が変わって五郎丸が過去のタイプになったというのが面白かったです。

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