初戦です。
トルコはオスマンとイリャソバだってさ。うーん、微妙。イリャソバみたいな選手が主役的にどこまでプレーできるのか。
日本は渡邊がオスマン相手に仕掛けてシュートミス、さらに比江島はピックからよくわからんパスをファジーカスに出してミス、篠山がポストの八村にパスを入れようとしてミス。
トルコはファジーカスのところをスピードで崩し、さらには速攻を連発。スピード差を使っています。日本はファジーカスの3Pが決まったらゾーンになりましたが、あっさりとコーナーにボールを回されて3P。比江島がトップからシュートを打った時にカウンターへの警戒が薄くてワンパス速攻。
開始3分で11-3となり日本はタイムアウトです。八村はボールに触れていません。そういえば馬場と田中がベンチスタートですが、こういう時に強気にいかないガードコンビってことをトルコは理解していて、篠山にはアンダーで守るし、ピックに来たらパスするものとして守っています。
トルコはさらにピック&ロールから篠山の低さを狙い、ボールが入ってパスアウトされるとエクストラパスが動かしてファジーカスとのスピード勝負。攻守にちゃんとスカウティングしています。
そして空くと思っているところにはイリャソバ。ボールを持てない八村に対して、5回くらいしかボールタッチしていないのに3本くらい打っているイリャソバ。完全に攻略されている。
◉アルバルク・ジャパンの時間です
困りに困ったラマス。はい、アルバルクの時間です。八村と渡邊を残して田中、馬場、竹内。途端に守れるようになります。明確な弱点がなくなったので、トルコ的にもスカウティングしてきた内容が使いにくい。
ここから全員がアウトサイドもインサイドも守るので、攻めるポイントを失い日本のディフェンスが機能します。レイアップを連発で外してくれたこともあって、日本はやっと落ち着いた展開になりました。
オフェンスではボールが動いてからのドライブになるので、オスマンのディフェンスが嘘くさかったこともあって八村の仕掛けに対してファールを貰えます。
2Qになると竹内もドライブからファールを貰い、日本はやっと流れを掴めるように。見方を変えればテストマッチでも伺えた傾向として、このレベルになると全員でしっかりとチーム戦術しないと個人能力じゃ通用しない感じが出てきました。
日本は守れるようになったので、15点差でそこまでケガを深くしないことに成功しています。イリャソバに嫌らしいプレーをされますが、まぁ許容範囲。すべては止められない。
実況&解説が「トルコのシュートが落ちてきた」というけど、どうみても日本のディフェンスが良くなったんだけどなー。フリーを作られまくった1Qとチェイスしまくっている2Qなので、日本の頑張りなのにそれを認めてくれないで、「八村NBAプレイヤー」を誉められてもな。
2Q残り6分半で八村を休ませるためにファジーカスが登場。そのファジーカス相手のポストアップ、そして速攻でトルコが連続得点。それを田中とファジーカスの3Pでつなぎます。本当に単なるストレッチ5になったファジーカス。それ以外は仕事が出来ていない。WCになったらスピードのミスマッチどころかセンター相手のディフェンスですらも通用しない。
そんな苦しい流れの中でトルコの2on1速攻を渡邊がブロックして断ち切ると、さらにしつこいチェイスでオフェンスファールを引き出します。八村は交代させたけどアルバルクジャパンは変わらず。渡邊の気迫のディフェンスで得点を止めたことで、気が付いたら11点差にしています。
オフェンスはリズムが悪くても、何故だか本日は決まりまくる日本の3P。竹内まで決めちゃって、でもトルコもステップバックのロング3Pまで決めちゃって。守れるようになって、単発かもしれないけど3Pで得点が出来たので、本当はここらで攻撃に転じたかったであろうラマスですが、こうして単発だったとしても個人技3Pを返されると、どうしてもトルコのリズムが切れないので、アルバルクジャパンを引っ張るしかないことに。
残り2分でやっとアルバルクから比江島と八村、篠山、ファジーカスになるとさっそくコルクマズが凄いプットバックダンクなどで得点を取り返します。ファジーカス、八村、比江島がゴール下にいたのに。走ってくるコルクマズを誰も見えなかった。
それに対してイリャソバのミスから速攻に行った八村がすごい速攻ダンクをかまします。おそらく大会公式にも残るスーパーハイライトでしたが、次の試合でヤニスが決めたのが凄すぎて・・・。
前半は47-35。試合開始直後を考えれば非常に良い結果となった前半。日本は35点ですが3Pで18点です。9本中6本を決め、フリースローも7/8とテストマッチとは全く違う結果でした。これがラマスの怖さ。なんであっちがダメならこっちが成功するのか。
八村・渡邊・竹内によるインサイドディフェンスであれば、十分に通用していることも分かった感じでした。まぁNBAプレイヤー2人だからそりゃそうか。でもコルクマズレベルにこられると苦しいんだけどね。
◉ラマスのウソはなにか
ラマスは3Qに仕掛ける傾向があります。「修正」ともいいますが、前半の内容を囮にしてのプレーを3Qに混ぜてきがち。この試合で言えば前半に3Pが高確率で決まったのでドライブを増やすとか、ドライブからの裏パス狙いとかが考えられます。
スターターに馬場を混ぜてきたので、やっぱりドライブ狙いの匂いがします。しかし、ベンチに行ったのは渡邊。比江島のドライブもあったので、それっぽい狙いなのですが一方で馬場は3P連発でした。うーん、なんだろね。
比江島が例によって不必要なファールをしたところで登場したのはシューターの安藤周人。どうやら全員がドライブってわけじゃなく基本的にはストレッチ狙いの中で、八村のドライブスペースを作る狙いっぽいです。イリャソバにマッチアップされなければ、って感じなのでスペースを作るわけですが、その前にイリャソバをどうやって外すのかを考えていったのかな。
もう一つの狙いはトランジション。明らかに走れているのはちょっとよくわかんないですが、修正してきたのでしょう。気合を入れなおしたともいう。走らなきゃ得点できそうになかった前半。
ファジーカスまで頑張って走ったことで40点にのった日本。一見すると流れが来たように見えますが、トランジションが増えるって事は、「アンバランスな状況」が増えるわけで、それは段々と戦力で上回るトルコのウイングにギャップを与えることに繋がり、オスマンがドライブからフィニッシュしてくるので日本の時間は続きません。
そしてアンバランスな状況はリバウンドで負けていきます。だって全員が動いているからスキが多い。リバウンドは高さではないから、動けないファジーカスは取れないことが増えていきます。で、竹内と渡邊が登場するので、多分こうなることも意図して渡邊をベンチスタートにしたのかな。
ラッシュした感じの日本。シュートがあまり決まらなかったトルコ。でも、縮まらなかった点差。しかも、馬場をスターターにしたことで残り3分で田中が登場するも馬場は休む時間となってしまいアルバルクジャパンになりません。前半の再現が出来なかった。
そしてアルバルクになってよかったはずのボールムーブからの勝負ではなく、単なる1on1をしてリズムを乱す八村。カウンターのトルコで逆に点差が広がってしまいます。
ということで3Qにラマスが仕掛けたのは何だったのか。予想されるのは八村が勝負しやすい環境整備とトランジションによる打開。ところがそれは戦力差が明確に出てきてしまった結果に。
これまで通用していた八村の個人勝負を止めてしまうイリャソバが誤算過ぎたか。誤算っていうか、そこまで気にしたら形が作れないしね。ミドルを多く打っていた八村がイリャソバ相手には打てなかったのでした。
最後にファジーカス相手の1on1でコルクマズがイージーレイアップでしたが、田中がブザービーターでのタフ3Pをねじ込んで67-49の3Qでした。助かったね。
◉のらりくらり
渡邊が連続スティールで速攻を決めます。唯一、個人のディフェンスが効いている感じ。田中がドライブ&ワンを決めて反撃スタートになりました。また八村がいない状況で成功している。
もうギャンブルでも良いから追いかけるしかない状況なので、日本は一生懸命プレッシャーをかけます。ファジーカスも頑張っているぜ。そうすると逆を突こうとするコルクマズ。うざい。何本かオフェンスが決まらないとファールで止めて整えているし。うざい。
タイムアウトからゾーンを仕掛けた日本。トルコはじっくり回しています。マンツーに戻ると、またファジーカスのところでピック&ロールしてくる。それを理解していたので比江島がカバーに来ていましたが、高さでやられた。
トルコのアンスポってのもあって、点差は縮まりますが、どうしても八村勝負だけでは打開できない中で、日本のハーフコートは時間がかかってしまいます。そしてトルコのオフェンスはしっかりとボールを回す。
「日本のディフェンスが効いている」という解説ですが、確かに前半は効いていたけど、この時間は単にトルコが急がず、のらりくらりしているだけ。点差があるのでケガをするようなオフェンスをしないってのは基本だし、ラマスがアルバルク使ってやっていることです。
ということで、もう手段がなくなったラマス。適当にやっているトルコ。唯一、田中だけがアウトサイドシュートで反撃していますが、のらりくらりなのでした。
◉八村の敗戦
さすがにWC本番という事でトルコがしっかりとスカウティングしてきたことで、テストマッチで散々でていた日本の弱点を悉く利用してきました。特にファジーカスのディフェンスで全てを解決していたようなオフェンスが印象的。スピードのミスマッチだけでなくポストアップでも相手センターが「ファジーカス相手なら楽勝」とばかりにスピンムーブしていました。
篠山については田中に交代させれば済んだわけですが、ファジーカスを公輔やシェーファーにする勇気がなかったラマス。まぁシェーファーにするとオフェンスで八村が困るので理解できるけど、公輔にすべきだったよね。
田臥が「受け身にならずに戦い続ける」と解説していますが、比江島のプレーは受け身だったよね。割と強気な馬場ですが、ドライブしてヘルプ1枚との勝負になった時にキックアウトしていました。アジア予選では良いプレーでも、このレベルだとそこで打ち切らないなら守りやすいって感じのトルコでした。
〇プレータイム
篠山 15.5分
比江島 13分
田中 24.5分
馬場 29分
これが物語っていたラマスの考え方。スターターながら篠山と比江島が酷かったという判断です。そしてアルバルクで追い上げ自分たちのリズムを掴んだら比江島というカードを切るオフェンスパターンに移行する形まで辿り着けなかった。
好調な3Pで得点がとれたことは非常にポジティブ。ただし、日本がこれまで頼りにしてきた八村がFG3/10と完膚なきまでにイリャソバに負けたような感じでした。NBAの試合なら洗礼を浴びせたようなイリャソバ。
ミドルの正確性とスピードによって得点力をもつ八村ですが、その前のプレー構築においてイリャソバのディフェンス力に完敗。まぁシーズンになればここまでマークされないけどね。
渡邊はまぁ普通に止められた。そういう選手じゃないしね。
ということで本番WCとなりスカウティングと戦略の部分でラマスがもたらす優位性がテストマッチよりも少なく、頼りの八村が止められたことで何をすればよいのかわからなくなってしまいました。
とはいえ、ほぼ予想された内容に過ぎず、ここまでの予選・テストマッチ通してわかりきっていた弱点として、改善することは出来なかった部分でやられているので、気にすることもなく次の試合に行くしかないのでした。
1Qを除けば接戦の試合でしたね。それだけに浮き足立ってた1Qが非常に勿体ない試合でした。
ワールドカップでもスリーポイントがバカスカ決まっていて笑っちゃいました。
イリヤソバに止められましたが、やっぱり通用していたのは八村しかいなかったので、八村の成長に期待するしかありません!
これで国際試合の雰囲気は掴めたと思うので次の試合は1Qにラッシュを決められないと信じています。
イリャソバが凄すぎたけど、それを嘆いても仕方ないと思います。
逆に八村の1on1頼みじゃダメってのが理解できれば十分な収穫だったのかもしれません。
ファジーカスを29分使うのは義務感とか大人の事情とかなんですかねぇ…
素人が見てもカモられてるの分かるのに…
八村センターでタウンズみたいにやったらいいと思うんだけどな。
そうなんですよね。なーんか、大人の事情があるってくらいに起用するし、解説もファジーカスのことは全く否定しないし。いろいろと大人の事情だったり、プライドだったりがあるのかも。オリンピックに向けて・・・。
初めてコメントします。
いつも、楽しみに読ませて頂いてます(≧∀≦)
今回のBSフジの解説&実況は僕的にすごい不快な点が、たくさんありました、、、試合内容よりそっちが気になって盛り上がりにかけてしまいました、、、
いつも楽天TVで、観てるからかな、、?
管理人様はどう思いましたか?
個人的には別にあんなものかなーと。
ただ解説が「あまり知らない」のならよくある話ですが、少しずつウソを混ぜてしまうのは気になりますが。
正直いうと、楽天だろうがBSだろうがWOWOWだろうが、実況&解説が好きではないので、英語バージョンでしか見ないことにしています。
ある意味、先入観を持たずにブログを書けますし、解説として言いたいことを自分で発信することにしています。
初コメ失礼します。
テストマッチの時から動けないファジーカスよりも千葉のパーカーの方が良いと思うのですがどうでしょう?
大陸予選ではファジーカスはオフェンスで頼りになりましたが八村、渡邉が揃っている今ならそこまで必要ないのかなと…
サイズは小さくなりますがパーカーなら動けるしハッスルしてくれるから良いと思うんですけどねー
ホントはアルバルクのカークが帰化してくれてたら良かったけど笑
千葉のパーカーはわからないのですが、アイラ・ブラウンの方が良いっていうのは渡邊&八村が初参加した試合の感想でした。
そこはファジーカスが・・・ではなくて、選手の組み合わせの話になってきます。八村抜きだったら、さすがにファジーカス欲しいですし。