フルメンバーなら優勝候補だったカナダとフルメンバーじゃないけど強いぜオーストラリア
ミルズのレイアップをバーチが叩き落して始まった試合。HCはニック・ナースだしJJバレットやらマレーやらウィギンズやらいたら侮れない存在なんだけど、辞退者続出だったね。オーストラリアもベン・シモンズがいない問題はあるけれど、NBAプレイヤーが揃ってきています。予選とは別のチーム。
NBAを見慣れている人からするとオーストラリアで最も厄介な存在はジョー・イングルス。初めの10点すべてイングルス絡みでリードするオーストラリア。ツーガードと合っていない空気があるなーと思っていたら、あっさり交代したイングルス。
しかしオーストラリアはガードのディフェンスが突破されまくり。そのパスアウトをカナダが外してくれるから助かっているけど、あまり上手くいっていない感じね。カナダはキックアウトは上手くいかなかったけど、スクリナー役が狙い所をハッキリしており、ムービングもほぼなくシュートチャンスを生み出すことにも成功しています。
良いオフェンスを組み立てているけど決めきれていないカナダと、NBAプレイヤーによる組み立てで決めているオーストラリアって感じで、徐々に点差が開いていった1Q。
しかしタイムアウトを挟み7分が過ぎたころからカナダはシュートタッチを掴み、リズムよく打って勢い上げました。ドライブよりも気持ちよく打つことを志向していそう。多分そういう指示が出たのでしょう。
ところがラスト1分から、ミルズもデラベドバもベンチに下がったオーストラリアがイングルスPGでチャンスを生み出し、最後もピックを使いながら空いた選手を見落とさなかったイングルスのパスから3Pで29-20とオーストラリアが9点リードにしたのでした。
◉ファールトラブル
2Qはコーリー・ジョセフがオフェンスリバウンドからねじ込み、さらにコーストtoコーストで即タイムアウトとなったオーストラリアの幕開け。
なんとなく見えてきたのはジョセフ&バーチは攻守の重要性が違うけどコンビとして観た時には、デラベドバ&べインズを上回れていますが、それ以外はオーストラリアが勝っている感じ。そしてジョセフはシュートが決まらない選手なので、総括すればオーストラリアが優位
さて、昨日の試合を見てムービングスクリーンには寛容ということがわかりました。中国のセンター右へ左へ信じられないくらい動いていたけど、何もコールされなかった。
ところがバーチが簡単にコールされます。両チームが殆どムービングしないのだけど、それ故かコールされてしまう。さらにフルコートのディフェンスをしていたジョセフがオーストラリアの55番と接触、両方がフロアに倒れ、起き上がってボールを追いかけるとそのコースに走ってきた55番が足をひっかけます。で、ダブルテクニカル。これが両成敗にされたら溜まったもんじゃない。
良い感じになりかけていたカナダでしたが、攻のジョセフと守のバーチが共にベンチに下がったことで暗雲漂い始めます。
オフェンスの方は好調なシューティングで何とかつなぐも、ディフェンスはど真ん中のカバーが遅れまくり、バーチ不在でねじ込まれまくります。
溜まらずバーチを戻すと途端にインサイドを攻略される形はなくなりますが、再び働きだしたイングルスがドライブレイアップを決めれば、スティールからワンマン速攻へ行きアンスポをゲット。フリースロー外したけど。24秒ギリギリでタフなターンフェイダウェイミドル。またスティールして最後はべインズがゴール下。
ミルズのナイスパスも連発され、カナダのファールトラブルから流れを手にしたオーストラリアが前半を52-40とリードして終わらせます。
カナダはジョセフの控えPGがシュートをしっかり決めれば、決定的なアシストも出してフォローできているのだけど、ウイングがさらに死んでしまう雰囲気。非常に良くシュートを決めたカナダだったけど、それ以外の部分で苦しかったのでした。
◉圧倒的なバーチ
後半になるとカナダが見事な反撃を展開し逆転に成功します。修正してきた見事なニック・ナース。ビッグネームがいないって?カナダにはNBAの優勝HCがいるんだぜ。
ファールトラブルのあった元ラプターズのコーリー・ジョセフとナースによるオフェンスの修正は見事。巧みな時間差を使っての合わせが連発されていきました。その中で圧倒的な存在感を発揮したのが、またもバーチ。いやー、すごい。圧倒的。驚異的。
スキルに乏しいセンターではありますが、スッとインサイドに入って来るタイミングが秀逸。でもこれがバーチの個人能力かっていうとナースとジョセフの力な気がしてくるけどね。ただし、そうやってタイミングよく合わせてからのダンクはバーチの個人能力
「インサイドで合わせてダンク」と書くと単なる高さにみえるけど、実際にはバーチが素晴らしかったのはボールを貰う動作からダンクまでの一連の流れが早いこと。オーストラリアは全く反応できない形でフィニッシュされてしまいます。
そしてこの高さとスピードはディフェンスこそ真骨頂。ミルズのロブパスを距離を詰めた叩き落し、逆サイドからでも高速ヘルプ。強くて早くて高いバーチ。圧倒的なのでした。
レイカーズってマギーとかハワードじゃなくて、こういう選手を対価を払ってでも手に入れるべきなのに、動きがわるいよね。動きが悪いのか、ペリンカが嫌われていて誰も取引してくれないのか。
大いに困ったオーストラリア。ちょっと驚異過ぎるバーチにインサイドでのプレーが止まります。止まったのでアウトサイドから攻めていく事に。
そしてジョセフがベンチに下がるとオーストラリアも反撃に転じます。アウトサイドカバーリングのジョセフの不在が見えないところで響いた感じ。
ここで気を吐いたのがデラベドバ。得意だったとは思えないアウトサイドショットを次々に沈め、さらに速攻気味では一瞬止まってディフェンスをブロックしつつ&ワン。バーチもベンチに下がるとオーストラリアの流れに。
溜まらずジョセフが戻ってきたことと、好調なシューティングで何とか1点のリードをキープして3Qを終わらせたカナダ。ジョセフとバーチとナースのチーム。
◉イングルスに任せる
バーチのいないインサイドでべインズが決めて逆転スタートのオーストラリア。さらに3Q途中から目立ちまくっているゴールデンも続きます。NBAプレイヤーがいなければエース。
トドメはイングルスからべインズへのアリウープ。2分で7点リードに変えたオーストラリア。鬼の居ぬ間ならぬバーチの居ぬ間に。
バーチを戻すカナダですが、そう計算通りには進みません。バーチのいないアウトサイドへのキックアウトを使い、これを決めきってくるオーストラリア。自分でプレー構築する力はないバーチが強引にボーガットに勝負を挑んでシュートを外し、そのカウンターからフリーになったボーガットにフローターを決められちゃって。
一気に13点差。僅か3分半の出来事。カナダからすると悪夢の4Q開始直後。
再びガード陣がプレーを構築し、最後にバーチがフィニッシュするパターン、もしくはオフェンスリバウンドをバーチという形を再度思い出し、反撃に出るカナダに対して、オーストラリアは「バーチ再警戒体勢」になって、バーチのインサイドだけを守ろうとするボーガットになります。まぁバーチはそれをやられて工夫するほどの選手ではない。
さらにオフェンスではミルズとデラベドバという2人のNBAのPGがいながら、イングルスのゲームメイクに託す形が増えます。
たっぷりと時間を使い、バーチの位置を確認して深入りせず、そして余裕たっぷりに3Pを決めるイングルス。ジョセフもナースもイングルスのゲームメイクに太刀打ちできません。
残り3分で最後のタイムアウトをとって気合を入れなおすナース。イングルスのスローダウンをコントロール術がないんだ。そしてタイムアウト明けにはイングルスとボーガットのピック&ロールからしっかりとデラベドバをみつけて3P。デラベドバなのに3P6/10も決めてしまった初戦はオーストラリアがバーチの脅威を避けて勝利を手にしました。
非常に見応えのある試合でした。圧倒的だったバーチの存在感に押されたボーガットとべインズ。だけど、そのバーチを避けて得点をとれるオーストラリアの強さ。
そして見事だったイングルスのゲームメイク。最後はイングルスに託すっていうオーストラリアの戦い方でした。
カナダはジョセフとバーチは見事だっただけに、層が薄いのが残念。得点面ではシュート力のあるガードが整えてくれていましたが、ウイングからの突破があればオフェンスの幅が出てきたのにね。
試合見てないので、申し訳ないのですがカナダがもしフルメンバーだしたとしたらマレー、バレット、ウィギンスのディフェンスガッバガババックコートになるんじゃないかと思うとちょっと笑ってしまいます。
さすがに色々工夫して誤魔化すと思うんですが。
確かに死にますね。
まぁ国際試合のルールと状況だとウイングのディフェンス力不足はそこまで気にならないですし、特にウィギンズ程度でも守れるならいける気がします。バレットは知りません。
マレーは失点以上の得点を期待して、まぁ期待に応えてくれます。
バーチは今夏FAだったけどどこもオファーしなかったのが不思議なくらいバックアップのセンターとして優秀ですね。こういう時に無名な選手、地味なチームは便利ですね
ORLではMCWとのコンビアタックがみててワクワクします
バーチを狙って良いチームってのが3P不要なチーム構成なので、実はそんなに多くないんですよね。
ジャズあたりは触手を伸ばしそうな感じですが、エド・デイビス手に入れましたし。
ロケッツは動くべきだったと思いますが、モーローが動かなかったってのは何かあるんでしょう。
オーストラリア圧倒かと思いきや、カナダがリードする展開もありジョセフ、バーチ良かったですね。ただ、デラベドバが想定外に決めてしまった事、イングルスの完璧な試合運びにやられてしまいましたね。攻守にこれだけの貢献ができるのはすごい、、
ワタナベはイングルスへの道はまだまだ遠そう(そもそもタイプ的になれるのだろうか、、)
あと、ボーガットがボールを持つ度に起きたブーイングが謎でした笑
渡邊がイングルスを目指すことは良いのですが、かといって実はプレーメイカータイプであり、駆け引き勝負のイングルスなのでタイプ的には違いますね。そこにシュート力もあるけど、身体能力はマイナスなイングルス。渡邊は身体能力は普通ですからね。
ボーガットってなんでしたっけ。初めは人気があるのかと思いきや、ブーイングっぽかったですね。
この試合の前日にボーガットがツイッターで(孫楊と戦ってメダルを獲った選手は自分の立ってる表彰台なんてハンマーで壊してなれ笑)と中国代表を非難したことで、総ブーイングを喰らってましたね。
ただのバカですね。