なんとなくイマイチだったネッツとなんとなく上手く行きそうだったピストンズ
ネッツは開始すぐにアレン・クラブが足を捻ってロッカーに戻ります。何もないところで捻ってしまう回復に時間がかかりそうなやつ。
◉ビッグvsスモール
ネッツはサイズのハンデなんて気にしないラインナップを組むのですが、ウイングの1人をラベートにしています。対するピストンズはグリフィン&ドラモンドというオールスターのビッグマンが2人。彼らはオールスターが2人であって、コンビとして最強な形は示せていません。
管理人はPFなんてものに拘らないのですが、その構成ならばウイングが2人欲しくなります。前日のジャズで言えばビッグマン1人は問題ないけど、そのユニットなら3ガードは嫌でウイングにクラウダー&オニールをおきたい。しかし、ネッツはラベート&キャロルです。この試合はじめの注目はグリフィンvsキャロルなのです。
早速、グリフィンのアタックがでますがゴール下を外しリバウンドをグリフィンとドラモンドで取り合った結果、抑えたのはネッツのジャレット・アレンでした。2人いる意味があまりない。対してネッツはスモールの良さを活かしてディアンジェロ・ラッセルvsドラモンドorグリフィンを作りますが、ディアンジェロ君は上手いけどスピードがないので止められます。どちらも利点を活かせない。
ピストンズのオフェンスはドラモンドが3Pを打つようになったことの是非が問われるのですが、変な話ビッグマンを2人並べたことで彼らが3Pを打ちやすくなります。高さとフィジカルで負けるだけにネッツはインサイドを警戒したいからアウトサイドが空きやすい。グリフィンは決めたけど、ドラモンドは外したよ。
しかし、インサイドは1人で仕事をするジャレット・アレンがブロックで止めまくります。機動力もフィジカルも高さもあるアレン。要するにピストンズはビッグマンが2人いる良さはあるけど、「1+1=2」にはなっていません。チームとして比較したらピストンズの方が強いけど、それでも守れてしまうネッツ。1.5人対1人みたいな。
Blake tried to Blake … but Jarrett Allen wasn't having it 🚫 pic.twitter.com/GE1T8S3u0y
— NBA on ESPN (@ESPNNBA) October 9, 2018
対するネッツのオフェンスはボールウォッチャーになったグリフィンがキャロルに裏をとられていきます。コーナーに開いているキャロルの3Pを警戒しすぎているグリフィン。これでネッツがリードを得ます。ただ、全般的にはピストンズは良く守っていて3Pまでしっかりと追いかけてフリーのアテンプトを許さず、インサイドは高さを活かしてシュートを落とさせています。
リードを奪ったのはネッツだけど、それはピストンズがオフェンス面で苦労したことが原因であり、内容的には悪くない序盤でした。グリフィンのディフェンスは考えなければいけない。
結論的にはこんな構図
ビッグマン2人の利点を生かし切れていないけど、お互いが3Pを打てるようになることで解決策を模索し、ディフェンスでもアウトサイドまで追いかけてインサイドはビッグマンに任せる事を目指すピストンンズ
ジャレット・アレン1人の強さを最大限に使うことでスモールの弱点を軽減しているけど、オフェンスはガードのスピード不足で活用し切れていないネッツ。スピード担当のラベートはシュートの確率が悪い発展途上
どちらが先に問題を解決するのかって話です。現状はネッツが上で1Q15点しかとれなかったピストンズでした。
◉ギャロウェイvsジョー・ハリス
1Qはパチュリアも起用して2人のビッグマンに拘ったピストンズでしたが、2Qになるとグリフィンとドラモンドを別々に起用してオフェンスが機能し始めます。スペースを手に入れたグリフィンが自分のアタックから周囲にアシストしていけば、ピストンズのガード陣がドライブし、ディフェンスをずらすのでシュートが外れてもドラモンドが押し込みます。一気に追いつくピストンズ
For #JrNBAWeek, @ReggieBullock35 shows you the importance of moving without the ball. #PistonsNow
📺: @FOXSportsDet pic.twitter.com/bDVDzWWBdo
— Detroit Pistons (@DetroitPistons) October 8, 2018
レジ-・ジャクソンとイシュ・スミスのPGはスピードで切り崩すのが役割。そこにグリフィンやドラモンドのインサイドが強みをみせるので次第にアウトサイドが空き始め、的確なパスが出てきます。ちょっと昨シーズンには感じられなかったオートマティックなキックアウトパスにより、シューターのギャロウェイが決めていきます。
昨シーズンのギャロウェイはもっとムービングからの3Pを打っていましたが、同じようにオフボールムーブを繰り返しながらも最後は「パスを待って」3Pを打っています。優秀なシューターだけに楽なシュートが増えれば確率が上がってきそう。しかし、レイアップの着地に失敗しましたとさ。ケナードは何をしているのか。
Bang bang! @LangGalloway10 with back-to-back threes from the first half. #PistonsNow pic.twitter.com/foTeKRP7vG
— Detroit Pistons (@DetroitPistons) October 9, 2018
一方であまり有効に機能しなかったのはネッツのジョー・ハリス。超高確率のシューターは逆にオフボールムーブからの難しいキャッチ&シュートを増やしています。チームとしてスクリーンの連続でジョー・ハリスのシュートから狙う形が機能せずオフェンスが停滞します。これを決めればコーバークラスにレベルアップするのですが、さて、どうなるのか。
ミスの少ないディンウィディーの良さは周囲を見回してパスを出し、選択肢がないと強気に自分で攻める事。そしてセカンドユニットは新加入のフィジカル組を揃えており、「まずはジョー・ハリス」という体制なのでネッツの明暗を握りそうなのでした。
〇ジョー・ハリス
3P 41.9%
ドライブからのFG 62.7%
ここから数字をかなり落としそうです。それは不調と言うよりも、難しい役割が増えたから。
ちなみにグラハムとかダドリーとかフィジカル系の選手も補強できているネッツなので、スターターのラベートは変更可能なんだよね。それだけ伸ばしたい選手って事なのでしょう。ドライブは速いし、リバウンドもとっていました。17点、9リバウンドのラベート。あとはディフェンス!!
Can't stop a Michigan Man in Michigan @CarisLeVert #WeGoHard | #BKNvDET pic.twitter.com/FDQyvgFbmK
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◉両チームの悪い部分
3Qになるとピストンズの悪い部分が出始めます。レジ-・ジャクソンがセットされているのか良く分からない判断の遅いプレーを3連発してリズムを失うように。面白かったのはそこでグリフィンにボールを預けてコーナーで待つように変更したこと。これで少し持ち直しましたが、安定感のなさがピストンズだけにPGの軽いプレー3連発は非常によろしくない。ケーシーもそう感じたのかイシュと交代していました。
ネッツの悪いところはオフェンスが上手く機能しない時間になると個人で打開する選手がいないこと。まぁいないのだから仕方がない。まさにそんな時間でチャンスは作るのだけどシュートが決まらないように。すると働いたのは唯一のタレント力を持つディアンジェロ君。3Pを連発して二桁リードをもたらします。
ジャレット・アレンのブロックやダンクも出てきて、停滞しそうな時にリードを得たのでした。内容はよくても勝てないネッツの理由は苦しい時間帯が多くなることだっただけに、個人でなんとかしてくれると試合を通して安定してきます。
Stop testing @_bigjayy_ ❗#WeGoHard | #BKNvDET pic.twitter.com/2WplKREb7R
— Brooklyn Nets (@BrooklynNets) October 9, 2018
この試合は両チーム共にシーズンでそのまま使いそうなローテーションだったのですが、3Q終盤からちょっとだけお試し選手が混ざり始めました。ネッツのムサがディフェンス面でポジショニングを間違えるケースが増えて、それをピストンズのロフトンが利用したことで13点差あったのにピストンズが逆転するのでした。
ロフトンは良い選手だけどグレン・ロビンソン、ケナード、ブルロックとガード陣の多いピストンズなので、ちょっと出番がもらえるとは思えない。ムサはフィジカルだけでなくポジショニングもミスしてしまったけど、サイズとシュート力を考えるとネッツは起用していきたいだろうな。もう1人同じようなタイプのクルックスがいて、どちらかのルーキーがスターターを張れるようになったら、かなりバランスが良くなりそうなネッツです。今のところクルックスの方が良い雰囲気で、6分半で5リバウンド。
We see you, @ZachLofton! #PistonsNow pic.twitter.com/vfhXsThwFd
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◉シーズンへと続く道
両チーム予定していたのかは不明ですが、4Qになっても接戦が続いたことで数人の選手を試しながらもガベージタイム用のユニットではなくシーズンでも使われる選手で試合が進みます。ケガ明けだったレジ-・ジャクソンとグリフィンは引っ込んだ。
🔄 @SDinwiddie_25 🔄#WeGoHard | #BKNvDET pic.twitter.com/LdFBQvq3B1
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ネッツもう1人の主役ディンウィディーが決めてリードを得たものの、チームオフェンスは機能せず追撃できず、イシュのゲームメイクによってギャロウェイの3Pで追いつくピストンンズ
残り1分切ってから1点差の攻防で、ディアンジェロ、ギャロウェイ、ディアンジェロとそれぞれがシュートを決めて毎オフェンスでリードが入れ替わります。
😍@Dloading pic.twitter.com/jhssuY5olu
— Brooklyn Nets (@BrooklynNets) October 9, 2018
最後はピストンズがスローインからブルロックがドフリーのゴール下を決めて同点になってオーバータイムに。グラハムとダドリーという新加入の2人がマークの受け渡しをミスするシーズンではあってはいけないシーンでした。
プレシーズンで決定的なミスをしたのは、シーズンでは確実に修正することになるでしょう。しなかったらディスる。
The teamwork that tied it up! #PistonsNow
📺: @FOXSportsDet pic.twitter.com/6Q1HSJgnAm
— Detroit Pistons (@DetroitPistons) October 9, 2018
ドラモンドのフローターで幕を開けたオーバータイムも真剣勝負に。選手はそれぞれ主力とベンチを混ぜていますが。ネッツは連続3Pで先にリードを得ます。そしてラベートのアシストからアレンのダンクで残り3分で110-104とリードします。
ここから1点もとれなかったネッツ。ただし外したシュートは3本でターンオーバーは2つ。ペースの速さがネッツなのですが、勝つためにはそれだけじゃダメだよね。守ってコントロールして間違いのないプレーをしていくこと。
それはピストンズも同じで急がず、そして単調にならずにしっかり全員が動いていき、ギャロウェイとドラモンドがショートレンジから決めて残り2分で2点差まで追いつきます。これってちょっとピストンズの課題だと思うのですが、チームオフェンスとしてはグリフィンとレジ-・ジャクソンがいない方がしっかりと全員が動くよね。同じプレーをスターターでも出来たら強いですが、出来る気はしない。
オフェンスは構成出来たけど、最後はドラモンドのショートレンジが決まらず追いつけなかったピストンズ。3Pよりもフックシュートの確率を上げて欲しいドラモンドでした。完全にファールされてたけどコールしてもらえなかったし。
これがグリフィンなら強引でも決めてしまったのかどうか。
◉苦労しそうな両チーム
率直に言って、チームとして整備し切れていないし、勝利をもたらすための計算式が成立していないような両チームです。それは悪い意味ではなくて、ちゃんと勝てるチームとして作り上げようとするために、安易にしない意図がある感じ。
ピストンズはケーシーらしくディフェンス面の充実が伺えます。ただこの試合はネッツにペイント内で60点と蹂躙されました。3Pまでしっかりと追いかけて、インサイドはリムプロテクターの脅威でカバーする意図と思われますが、プロテクト仕切れなかったわけで、そこはグリフィンとドラモンドの個人能力に期待しているわけです。控えはパチュリアじゃなくてモアランドの方が向いていたと思うけど。
一方でオフェンスは昨シーズンよりもバランスをとろうとしていますが、ちょっとずつ暴走するレジ-・ジャクソンとグリフィン。それでも役割分担がハッキリして、誰かに頼るのではなく、それぞれに仕事があるのでした。まぁそこは昨シーズンも同じか。
ディフェンス同様にオフェンスでもドラモンドがFG6/21、グリフィンが5/13とエース2人が決められなかっただけ。オールスターのビッグマンが2人いるチームだけど、「オールスターコンビ」とは言いたくない理由を示してくれたプレシーズンゲームでした。
そんなわけで形はしっかりと作り始めていますが、主役が個人で輝いてくれないと勝利への計算は整合性がとれないのでした。シューター系のトバイアスとリバウンダーのドラモンドの方が計算は合っていたね。
ネッツは2試合目ですが、昨シーズンほど面白くない。理由はいくつかあるのだけど、1つの特徴が3Pを打つ選手が減ったこと。グラハム、ダドリー、デイビス、ファリードといったフィジカル系の選手が増えて、小気味よいシューティングはなくなりました。新加入の要件なので修正してくるでしょうが、鮮やかなパッシングがなりを潜めていたよ。
何故、そんな事になったかというと、前述のジョー・ハリスのように「もう少し頑張れ」というメッセージだと考えています。新加入の選手は3P能力は高くないけど、スクリーンをかけたりディフェンスを頑張ったりとハードワークしてくれます。その分、シューターはシュートを決め、ハンドラーは突破することを求められているのでしょう。ロケッツ色が強くなった昨シーズンからウォーリアーズ色を強める今シーズンかな。
「もう少し頑張れ」はネッツが常にやっていることで、現状の能力を少し上回る役割を与えられているケースが多いです。それは勝利への計算式では未知数の要素を多く含むと言うこと。だから勝つためには苦労するだろうな。
この試合はディアンジェロ君が奮起して、必要な場面で得点したことで勝利を手に入れました。そろそろオールスタークラスになりたければ、毎試合安定して重要な局面で活躍する必要があります。アレン・クラブのケガによって負担が増えそうなので、ルーキーの2人もいち早くNBAのフィジカルレベルに慣れてくれると良いのですが。
そんなわけでネッツはまだまだ未来を観ていて、そのために各選手に成長を求めています。ただファンタスティックな雰囲気が強かった昨シーズンに比べるとハードワーカーを増やして、局面の戦いに勝とうとする意思があるようなので、変化を楽しみましょう。
エースの奮起を求めるピストンズ
全員の成長を求めるネッツ
プレーオフの前にやる事があると定めているようです。
関係なくてすみません。もしサンズ対ウォリアーズ戦を見てらしたら簡単な感想をお願い致します🙌
書きました。ちょっとイラっとしたので、ほぼサンズの話です。