やっぱりプレーオフを争うチーム同士の対戦を見たくなってしまうものです。この日唯一直接のライバル対決です。今季はスパーズが2敗と苦しい。
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苦しいスパーズですがオルドリッジが復帰しました。それに伴いグリーンもスターターです。バランスという事ね。
前回の対戦ではスパーズが有利に進めるものの、それはペリカンズのハイペースに巻き込まれており、スパーズは試合終盤に完全に足が止まり、凡ミスを繰り返し、まだまだ余裕のペリカンズに押し切られています。
ペースの奪い合いに敗れたスパーズでした。
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◉オルドリッジが示す存在感
まずはアンソニー・デイビスとオルドリッジの激しい戦いが起きます。ある意味そのためにシューターのグリーンがいるわけです。
オルドリッジはロンドからデイビスへの裏パスを連発で通されます。本当は止めなければいけないけど、そこを意識するとスパーズのヘルプディフェンスは崩壊します。スペシャルなデイビス。
しかし、スパーズの収縮は早くそれ以外のデイビスは封じていきます。インサイドをオルドリッジのみにして逆に周囲のヘルプを速くしています。
そんなヘルプでボールを奪い走るスパーズ。イメージにないけど、ディフェンスから始まるのはスパーズらしい。
◯1Qのブロック
グリーン 4
カイル・アンダーソン 1
真ん中にオルドリッジを置いて中も外も追いかける2人を選んだポポビッチでした。
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一方でオフェンスではハイポストからのプレーでオルドリッジが圧倒します。タフショット連発なのに決めてしまうオルドリッジ。ローポストからも押し込んでフックを決めます。
そして散々オルドリッジにやらせてからのコーナー3Pも決まり教科書通りの展開です。それはここ最近はオルドリッジが足りなかった事を明確に示してくれています。
更にデイビスがフローターを決めて倒れ込んだのをみると走り出すオルドリッジ。走りでミスマッチを作りミルズの3Pに繋げ、それが落ちるとオフェンスリバウンドです。
自分が足りなかった事を証明する見事なオルドリッジ
◯1Qのオルドリッジ
14点 FG7/14
それでも「ディフェンスなんてクラッチタイムだけやれば十分」というペリカンズなので、アウトサイドからホリデーやクラークが決めると人数の減ったインサイドに単独ドライブするデイビス。あっという間に追いついてくるから恐ろしいペリカンズ
1Qは37ー26でスパーズリードとなります。
最後はペンチから出てきたゲイ、パーカーが決め、そしてブザービーターを再びパーカーが3Pで沈めて『レナードがいなくても強い』スパーズを取り戻したような戦いでした。
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◉走り負け始めるスパーズ
ベンチメンバーでも強いスパーズが、アンソニー・デイビスのいないペリカンズを押していきます。いろいろ怪しいけどゴール下を押し込むだけのガソル。オカフォーには荷が重い。
ペリカンズもミロティッチで繋いでいきます。ガマンのペリカンズ。でもペリカンズのガマンはひたすらアグレッシブに攻めるだけだから意思統一されています。
14点差でアンソニー・デイビスとオルドリッジが戻ります。
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オルドリッジへのマークは厳しくなりますが、その分空いたグリーンやマレーがドライブを決めていきます。同じくデイビスへのマークは厳しいのでミラーやミロティツチが決めていきます。
オルドリッジが見事なターンアラウンドを決め前半残り3分でも12点差をキープするスパーズ
しかし少しずつペリカンズの運動量が優っていきます。連続でアタックしてくるペリカンズに後手に回り始め、最後にデイビスが空いてしまいダンク
シンプルなスクリーンプレーについていけずミラーに連続で決められると、オフェンスでもミルズとパーカーの連携が合わない場面も。
4人走るペリカンズに戻りきれない場面も出てきて、3分で10点を詰められ60ー58となって前半が終わりました。
◯2Qのフリースロー
スパーズ 4
ペリカンズ 9
小さな差ではあるけれど、フリースローを与えない、または下手な選手に打たせるのがスパーズなのですが、戻りきれなくてファールで止めるシーンが目立ちました。ちなみに1Qはゼロでした。
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◯前半のペース 104.7
素晴らしいスタートをみせたオルドリッジのいるスパーズですが、ペースはどうみてもペリカンズです。これで負けたじゃないか!というデジャヴになりそう。
それにしても余裕すぎるペリカンズ。フリースローを4本しか与えないのは、そこを必死で守らない裏返しでもあります。
オルドリッジは18点なのですが全て2Pでフリースローもなし。なんとなくわかりやすいペリカンズのやり方です。個人で出来る限り止めるだけで、あとはオフェンスでやり返したい。
うーん、ペリカンズの勝ちパターンにしか見えない。
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◉ジノビリ大先生のレッスン
マレーの連続リバウンドシュートで始まります。前半終了間際の10連続得点を台無しにくるスタートのペリカンズです。
しかし、シュートが決まらなくなるスパーズ。
もっと決まらなくなるペリカンズ。
なんだろうかこれは?
確かに苦しいシュートも多いけど、フリーで打っても決まらない。
お互いがよくわからない不調に陥ると意外にも先に切れたのはペリカンズ。切れたというかジノビリにハメられたというか。
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まずジノビリをかわしたアンソニー・デイビスがミドルを打ちますが、後ろからジノビリがボールに触れます。
次にミルズがゴール下でデイビスと争い無理やり押し出されますが何故かミルズのファール。この辺まではデイビスの流れでした。
しかし、オフェンスにエントリーしようとした所でマークマンではないジノビリがデイビスのコースに入りオフェンスファール。このプレーは何だかミルズのファールとの相殺みたいなコール。これでジェントリーHCがクレームでテクニカル
さらにリバウンド後のボール運びのジノビリが、ディフェンスに戻るデイビスの前に塞がるようにドリブルし、押す形になったデイビスにファールコールされ、クレームしてテクニカル
完全にデイビスをワナにはめたジノビリ
3Q残り5分でデイビスをベンチに下げます。全く得点できていなかったけどテクニカルとボーナススローで得点したスパーズが9点リードになります。
ベンチではジノビリHCによる指示が飛びます。
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やっぱりシュートが決まらないスパーズですが、もっともっと決まらないペリカンズ。フリーだけどね。
またもジノビリがスティールから速攻に、3Pも決めるジノビリ
ペリカンズはクラークだけが3Pや速攻を決めますが完全にトラブル状態に。あとはゴール下をオカフォーが押し込むくらいでした。
なんと18ー15という突然のロースコアで3Qが終わります。両チーム合わせて33点です。1Qは63点だったのに。
スパーズのリードは5点。ジノビリ大先生の大仕事でした。
◯3QのFG
スパーズ 6/27
ペリカンズ 6/20
スパーズなんてFG22%だよ。なんでリードしているのかというレベル
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◉ペースダウン
休んでいたアンソニー・デイビスが初めから出ます。それに合わせたであろうオルドリッジも出ます。2人のスタミナ対決にもなりそうです。
流れは変わらずお互いのシュートが決まりません。オルドリッジによりタフショットを強いられるデイビス。しかし、問題点はそこではなく自分達がペースダウンしていてハーフコートオフェンスの機会が増えている事です。
カズンズのいないペリカンズはプレーメイカー不足なのでかなり怪しくなっているのを、早い展開で誤魔化していました。
得点はなかなか入らないものの、時間を使って攻めてくるスパーズ。それに対して走れないペリカンズ。
前半は完全にペリカンズペースで、このまま行けば勝ちパターンだったのをスパーズペースに変えられています。
◯後半のペース
3Q 105.0
4Q 94.2
3Qはシュートが決まらなかっただけですが、4Qはスパーズのリズムに持って行こうとしています。
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そこに抗おうとするのはホリデー。1人だけ速いペースで仕掛けます。ペリカンズのメンバーはほぼデイビスとホリデーに任せてシューター役のクラークやムーア、ミラーで構成されており、しっかり走るけどあくまでもパス待ち。
◯ジュルー・ホリデー
24点 7アシスト
FG9/23
ペリカンズは何度も追いつくチャンスを得ます。残り5分くらいからはずっとワンポゼッション差みたいな展開でした。決めれば逆転のシュートも何本も打ちますが、その度に外れ、何度も先にスパーズが得点していきます。
そしてジリジリした展開の中、残り2分でオルドリッジのフックにガマンし切れなかったデイビスがファールして6ファールで退場します。
◯アンソニー・デイビス
21点 14リバウンド
FG8/19
オルドリッジに押さえ込まれてしまいました。
デイビスの代役はミロティッチではなくオカフォーなので、ホリデーに全てを託しています。
それでも3Pを決めれば同点の状況を逃していく中で、残り30秒切ったペリカンズオフェンスでは逆ファールゲームにしたスパーズ
そのフリースローをホリデーが1本ミスし、自分達も1本外したスパーズですが、何とか逃げ切りました。
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◉カズンズがいないという事
ペリカンズは勝ちパターンで負けてしまいました。その事自体は悔やまれますが、あの連勝が出来すぎていたわけですから、カズンズ不在の中ではこんな試合があっても致し方ないと言えます。
◯4QのFG
スパーズ 5/20
ペリカンズ 7/21
あと1本決まってさえいれば!
スパーズのオフェンスの方がかなり苦しんでおり、そんな時間が延々と続いたわけですが、しかしペリカンズには打開するにも同じパターンしかありません。
それがカズンズがいる時との差になります。
連勝の理由はカズンズが離脱して早い展開を徹底するようになった事です。その早い展開では必ずしもシュートが決まるわけではないので、「こんな日もあるさ!」くらいに考えないと迷って展開が遅くなれば勝てなくなってしまいます。
1つ気になるのはロンドもミロティッチも優先されなかった事。まぁ悪くはないけど、ここまで決まっていない中ならば起用する方法もあった気がします。
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◉スパーズの良い事悪い事
正直、見違えるような内容だったスパーズ。ちょっと立ち直れなさそうな内容だったのは僅か2試合前です。そこからオルドリッジとジノビリが戻ってきたとはいえ、なんでここまで改善するのか?
客席に投げるパスもなかったし。
そんなスパーズにはポジティブな事もネガティブな事もありました。まずはネガティヴから。
前半の素晴らしい内容に騙されそうですが、やっぱり後半は失速しています。ペリカンズが付き合ってくれて、そしてジノビリ大先生がデイビスを追い出してくれた事で助かっただけです。
◯スパーズのシュート
2P41%
3P27%
やっぱりトータルでみれば悪かったわけです。インサイドの確率の悪かったロケッツ戦では、全員の確率が悪いからなんとも出来ないと評しました。オルドリッジによりかなり改善はしましたが、やっぱり全員が悪い。
前半が良かっただけに、やはり失速してしまった感じが否めません。勝負としては見事に制した試合ですが、改善できたかはかなり微妙です。
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一方でポジティブに考えたくなる事も多くありました。まずはなによりもオルドリッジという核がいればオフェンスの内容は大きく改善しました。
『スパーズ=素晴らしいボールムーブ』という先入観を持つ人も多いですが、実際にはそんな事もありません。しかしオルドリッジがポスト役として機能するので、バックカットが決まるようになり、少しずつ改善の兆しが見えてきました。
その理由はガソルとバータンズではどうにもならなかった事情もあります。客席にパスしていた2人。
オルドリッジさえいれば連携を高めていくという視点でプレーできるし、困った時に託すことが出来ます。
ジノビリと合わせて頼りになる選手が戻ってきました。
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不思議なのはそれにより他の選手も復活したことです。オルドリッジに任せられるから自分の仕事がし易かったとも考えられます。
◯ダニー・グリーン
5点 7リバウンド 6ブロック
相変わらずシュートはダメだけど、謎のブロックパーティを開催したグリーン。シュートもタイミングは悪くないので決まりそうです。攻守にオルドリッジが絡む復活。
◯カイル・アンダーソン
6点 3スティール 2ブロック
◯デジョンテ・マレー
18点 12リバウンド
この2人は復活ではないけれども、非常にイキイキとしていました。特にマレーは何度もドライブしましたが、オルドリッジのピック&ロールの存在でマークを外しやすくなっています。
ちなみにマレーはアシストゼロ。活躍したのに何でだろう。
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正直、2試合前までは絶望的だったスパーズでしたが、オルドリッジは偉大でした。個人スタッツだけではなく、ポストでの存在によりボールムーブやカットプレー、さらにドライブまでやり易くなりました。
守ってもポストで1回止めてくれるから、後ろからグリーンとカイル・アンダーソンのブロックが存在します。
特にディフェンス面はスパーズの強さを取り戻すのにかなり貢献しそうです。レナードのディフェンスが騒がれますが、あれは個人のディフェンス力。チームとしてはヘルプの早さと後ろからチェイスしてくる運動量で成立するので、この1回止めてくれるのが大きな力になっていました。
希望が芽生えてきそうなスパーズ
しかしライバルは多くウルブズ、ウォーリアーズ、ウィザーズ、ジャズと続きます。
なんて日程だ!
全チームこんな感じだからな。
YouTubeも始めたんですね。登録しておきます。
YouTubeはその内編集出来るならば分析動画にしたいのですが、今の環境だと苦しいです。
ただ、試合のポイントだけ自力でアップするのは理解しやすくなるかと思って作りました。当面はブログへの埋め込み用です。
動画は試合を観る機会がないので助かります。
試合の要所まとめは是非作って欲しいです。
ジノビリは凄いですね。プレーオフでまた昨季のようなプレーを期待できるのでしょうか
要所「まとめ」が出来ないんですよね。
でもハイライトには出てこないプレーで使いたいと思います。
ジノビリはプレーオフで働くと思いますよ。そもそもジノビリがいなかったら今季は10位が指定席になっていました。今頃はレイカーズと争っていた可能性もあります。