◎留学生とエースムーブ
最後に個人的な印象として、マルチネスのチームでプレーしている選手たちの殆どは所属チーム(高校)よりも機能しているように見えました。といっても、高校バスケをたくさん見ているわけじゃないし、それぞれのチームにそれぞれの事情があるので、全てが全てではない・・・のだけど、見た限りは全てでした。
最大の理由はスペーシングがしっかりと出来ているから、個のプレーが輝きやすかったことですが、異なる理由として自分のチームではエースムーブしている選手が、各ポジションの役割でプレーすればよかったことがありそうです。余計な負担が少ないというかね。それこそ宮里単体では点が取れるわけじゃないわけで、連係プレーをベースにしていることが、個のプレーを楽にしていました。
ちなみに小澤は高校でも他にエース(坂本)がいるけど、代表ではその利便性とインテリジェンスの高さで見事にチーム戦術に馴染んでいました。っていうか、やっぱり代表の方がそこにフォーカスできていたよね。あと宮里は気になって気になって仕方がなかったので琉球の試合を見に行きました。クラブでも同じようにコントロール役をやっていたけど、U18にレベルが上がったので評価しにくかったな。少なくとも代表より優れていたってことはない。
強豪校には留学生がいて、連係プレーとは「ガードと留学生の合わせ」に帰結しています。もちろん、アズカみたいな留学生もいて高さで合わせるだけじゃないんだけど、よくても2人の関係性で終わってしまうような感じ。本当は相手に留学生がいるからこそ、マルチネスみたいなことをやるべきなのですが、それを出来るほどのタレントが揃っていないのも事実なんだろうね。
結局のところマルチネスはスペイン人。スペインはクラブでの育成であり、自分の役割を高い精度でこなしていくと、上のカテゴリーに上がって、もっと上手い選手と一緒にプレーしていくことになるので、高校バスケのようなエースムーブはそんなに求められないんだろうね。
レアルから排出された怪物ドンチッチは、エースムーブを上のカテゴリーでも発揮していくことが求められていったけど、そんなのはレア中のレアだし、エースムーブの怪物もちゃんと生み出されるんだよな。今はウーゴ・ゴンザレスが19歳とは思えない判断力のわき役ムーブをセルツで実行しているし。
こうして、これまで知らなかったユーロ系の育成が進んでいる道を教えてくれた気がするマルチネス。継続的な育成年代の取り組みがもたらすものは、チームとしての代表だけでなく、個人レベルでの改善ポイントもわかりやすくしてくれました。
ありがとうマルチネス。面白かったぜマルチネス。ユーロ系のバスケこそ日本が進むべき道ってことを結果で示してくれたHCでもありました。