急転直下、ビックリ仰天のトレード要求をしたハーデン・・・という先行報道だったけど、あっという間に決まった上にトレード要求ではなく「27年に再建に向かう予定のクリッパーズの邪魔をしたくない」という双方合意の上でのトレードだったとかなんとか。クリス・ポールの件で悪者になっているクリッパーズでもあるので、なんだかよくわかりませんが、いずれにしてもクリッパーズは若返りが進む形になりました。
来シーズンにプレイヤーオプションになるハーデンはクリッパーズに指名権を残せるムーブをしてあげたってのが真相だと後に語っていますが、結果はガーランドを残すことに。何故か2巡目指名権も1つついてきたけどさ。
◎ガーランドの獲得
26歳になったばかりのガーランドは185センチ、87キロの小柄なガード。87キロもあるとは思えないもんな。ちなみに同じ身長のシュルーダーは78キロ登録です。PGとしてアシストも残していますが、それよりもシューティング能力が特徴で、オンボールよりもオフボールで動いてディフェンスを振り回していくのが特徴です。
〇今シーズンのガーランド
30.5分
18.0点
2P52.0%
3P36.0%
6.9アシスト
2.8ターンオーバー
もちろんスピードがあるのでドライブ突破も得意ですが、フィニッシュの部分はゴール下ではなく、ショートレンジでのフローターとビッグへの合わせを使います。ハーデンよりも1mくらいリングから離れた位置でのフローターを使うので、ディフェンスを引き出してシュートとパスのジャッジをしていく感じ。
〇ガーランドのドライブ
回数 14.2回
得点 6.4点
アシスト 2.0回
ドライブの回数は多いですが、自分でシュートまでいくよりもパスを選択します。ジャレット・アレンのフィニッシュがあるキャブスなので、割と気持ちよさそうにプレーしてきました。ハーデンと比較しておきましょう。
〇ハーデンのドライブ
回数 15.0回
得点 9.8点
アシスト 1.5回
その差は非常にわかりやすく、ハーデンの方が多くフィニッシュに行き(ファールを貰い)アシストはガーランドが上回ります。両者の違いはチーム構成の違いでもありますが、よりチョコマカと動きつつ展開を増やすのがガーランドだと思いましょう。ハーデン遅いもん。
ゲームメイク全般、特にツーメンゲームの組み立てではハーデンに分があります。その一方でズバッツを使うシーンが減ってきているクリッパーズなので、レナード中心にオフェンスを組み立てていくのであれば、よりシュートが上手いガーランドの方が適切なタイプです。ドノバン・ミッチェルと組んできたこともあり、自分がプレー構築しなくても大丈夫なのは、セカンドエースとして向いているという皮肉なのか、なんなのか。
誤解を恐れずに言えばガーランドのサラリーは高すぎます。自分でオフェンスをリードしきっていない選手に払う額ではない。その代わりに周囲とプレーシェアしていくには良いタイプです。全てハーデンから始めてレナード以外は専門家を揃えるオフェンスがいいのか、それともチームに多くのタレントを揃えて融合して攻めていくのがいいのか。どちらがベターかは、揃えられるロスター次第です。
また、センターにはズバッツのような合わせの上手いタイプよりも運動能力が高くてロブパスフィニッシュが得意なタイプの方が向いています。ハーデンがいなくなることで最大の懸念はズバッツの存在になっており、インテリジェンス・プレーメイカーがいなくなってもズバッツが輝けるのかは疑問が残ります。
今シーズンのズバッツはアシストありのFGが175本ありますが、そのうち約半分の84がハーデンのパスからでした。印象だともっとハーデンの割合が多い気すらしてきますが、ガーランドとのコンビを築けるのかは、このトレードの成否を左右します。
ちなみにガーランドのアシスト先で最も多いのはドノバン・ミッチェル。モーブリーとアレンは2人合わせて0.8本でした。ハーデンTOズバッツは平均2.0本です。
〇ハーデンのオン/オフ
オフェンス 118.9/108.5
ディフェンス 118.3/109.7
今シーズンのクリッパーズはハーデンがいなければ酷いオフェンスです。別に今シーズンだけじゃないけどさ。かわりにディフェンスはハーデンがいると悪くなります。ガーランドはここまで中核的な役割をこなせないので、チーム全体でカバーすることになるし、ハーデンのようにディフェンスで介護してあげる必要はありません。
でも、フィジカルが弱く守れないのも事実です。スピードがあってチェイスしていくので、ある意味でディフェンスはズバッツとの相性がいいかもしれません。「努力が足りない」というのがシーズン前半のクリッパーズへの不満ですが、運動量のあるガーランドはそこそこカバーしてくれる期待もあります。
・・・が、今回のトレードの引き金になったのは今シーズンは欠場が多いこと。ここまで26試合の出場にとどまっており、しかもオンコート時のレーティングが114.7/117.7と厳しい数字になっています。何よりポストシーズンで活躍できておらず、フィジカルにかける選手らしい結果になっています。
クリッパーズはハーデンよりも長く期待できる選手を手に入れましたが、サラリーはハーデンと変わらず、プレー面ではハーデンよりも劣っているのは間違いありません。ハーデンもプレーオフに「強くない」けど普通にプレーしているのに対して、ガーランドはプレーオフでプレーレベルが落ちているからね。
おじさんばかり集めている開幕前のクリッパーズですが、心の中ではハーデン後の準備を進めていたという。そしてサンダースやジョーダン・ミラーがチームを救ってくれている今、大きな変革へと動き出すことになりました。レナードをどうするんだろうね。
キーオン君…