20180307 ペイサーズ vs ジャズ

ジャズが勝つと9位タイに並ぶ可能性があります。遂にプレーオフ圏内が現実味を帯びますが負けると1ゲーム以上離れます。

ペイサーズが勝つと3位の可能性があります。そんなに重要ではないけどプレッシャーをかけたいところです。

どちらも対象となるのが同日に行われるナゲッツvsキャブスです。プレーオフモード。



 

◉普通のペイサーズ

ここ17試合で15勝のジャズ。まぁしかし連勝チームがいっぱいいるウエスト上位。そんなジャズはイングルスの3Pを始め、オフェンスを調子に乗せると苦しくなるので、何らかの対策をするのが普通です。前回はマジックだったので負けたかったし。

しかしペイサーズは勝ちたいけど対策していません。それは対策しなくても良いという判断だし、対策するほど器用ではないかも。

機動力に溢れたペイサーズは状況に応じてプレッシャーディフェンスをするので、カバーディフェンスも早いです。誰かしらに特別な対策をしてバランスを崩すよりは、いつも通り追いかけ回した方が得策です。

そんなディフェンスは功を奏し、ドライブからのキックアウトをやられるものの追いかけてシュートチェックには間に合う形になります。バッチリ抑えるわけではないけど、プレッシャーはかけているよ。
そんなディフェンスに対し、ジャズは4本連続で3Pを外します。先にリードを得たのはペイサーズ。

 

しかし、ジャズはタイムアウト明けにドノバン・ミッチェルが2本の個人技ドライブを決めると、ボールマンへの警戒を強めることになるペイサーズのインサイドが空き始め、そこをゴベールの合わせで得点していきます。

またそこを止めても、復帰したフェイバーズが空いたスペースに外から飛び込み、合わせとリバウンドで貢献していきます。

3Pが決まらなくてもカバーディフェンスのスキを探していくジャズ

 

そして5本目の難しい3Pをイングルスが決めるとプルアップで6本目も決められます。ミッチェルもロング3Pを決めて、一気に加速したジャズが1Q32点を奪いリードします。

普通に守ったペイサーズを普通に攻めたジャズ。普通に含まれるのは個人で打開するルーキーエース。



◉トレバー・ブッカー

 

ペイサーズは1Qに20点しかとれませんが、お得意のミドルの確率が悪いのが響きました。それはジャズのディフェンスに苦しめられていますが、ミドルさえ決めてしまえば攻略出来る状態でもあります。特にマイルズ・ターナーはゴベールを相手にせず、守っても単なるゴベールのアタックは止めています。

 

1Q終盤からトレバー・ブッカーが出てきます。ペイサーズの新加入は外れたミドルをオフェンスリバウンドで拾い上げていきます。

ペイサーズにブッカーは想定外でした。強力なPFが3人いるペイサーズには不要だと感じたからです。アウトサイドシュートもないし。

しかし4人目がルーキーのTJリーフのため、短時間でもエネルギーをもたらす事を優先した模様。この展開では納得できる補強でした。

 

そんなブッカーのオフェンスリバウンドも虚しく、ブッカーがベンチに下がるとペイサーズは得点が取れ始めます。サボニスがゴベールのフットワークの悪さをついて、合わせから豪快にダンクを決めると、サボニスを警戒しているジャズのヘルプディフェンスが遅くなり、オラディポやボグダノビッチがドライブを決めていきます。

要はインサイドにいたブッカーがいなくなった事で空いたスペースを有効活用したサボニスと、サボニスに注意が向いたから同じくインサイドにドライブした形です。

活躍したブッカーですがチームの効率化には繋がらないという例示でした。連携はこれから。



◉役割分担があるようで、ないようで、ある。

ペイサーズのオフェンスは改善したけれど、とにかくジャズのオフェンスが止まりません。ディフェンスのチームだったからあまり勝てなかったけど、オフェンス力がついたから勝てるようになった典型のジャズ

ディフェンスを攻略されている事をむやみに悩まなくて良くなっています。特にルビオ、ミッチェル、イングルスの関係性が素晴らしく機能しています。

パスのルビオ、ドライブのミッチェル、シュートのイングルスという分かりやすい役割分担のようでいて、それぞれの役割を切り替えていくトリオ。

 

◯前半の得点
ルビオ 12
ミッチェル 10
イングルス 6

◯前半のアシスト
ルビオ 4
ミッチェル 4
イングルス 3

◯前半の3P
ルビオ 1/3
ミッチェル 2/4
イングルス 2/5

役割分担があるようでないようなスタッツなのが対策を難しくします。特別シュートが決まったわけではありませんでしたが、バランスの良い攻撃でディフェンスに的を絞らせず、54-44とジャズの10点リードで前半が終わります。

しかし、この内容で10点差ならばペイサーズにとっては救われる点差です。



◉ペイサーズの敗因

 

3Qと4Qの立ち上がりにペイサーズは同じ形でやられます。ドライブされキックアウトされゴベールに合わせられ。点差を縮めたい時に逆に15点以上離されてしまいます。

ゴベールは乗ってきたらしく、高さで圧倒するだけでなく、普段はみせない少し強引なアクロバティックシュートを決めていきます。

 

◯ルディ・ゴベール
23点 14リバウンド
FG10/14

大活躍だったゴベール。しかし、ターナー自身はそんなにやられていません。そのほとんどがドライブからの合わせです。

余談ですが12月くらいまで離脱の多かったゴベール。復帰してからハイポスト近辺で中継役としてボールを受け、自らアタックするパターンもありました。しかし、連勝街道に突入してからは全くやりません。
ここのオフェンスシステム調整が上手くいった事でジャズは成功しています。いかにしてドライブコースを作り、それに対してゴベールを活用するのか。



ペイサーズは3Q後半に逆襲します。それはオラディポがミッチェルからスティールし、ボグダノビッチもルーズなパスを奪い速攻に繋げた事から生まれた流れでした。

これらはボールマンへのプレッシャーを強め、インサイドへのパスを遮断し、横パスを奪ったものでした。少しルーズな横パスが多いジャズ。

 

それはおそらくハーフタイムの修正です。高さを止めたり、キックアウトを止めるのは苦しいから、ボールマンへのプレッシャーを強めてパスをさせない作戦

しかし各Q開始数分はそんな狙いをピックプレーでかわし、インサイドへ侵入していったジャズでした。

二桁点差がある中で講じたペイサーズの作戦は当たっていたものの、あっさりと上回ったジャズといえます。



◯ビクター・オラディポ
13点 FG6/19
7アシスト 5スティール

この日のペイサーズはオラディポのスタッツが示すように、ディフェンスが悪かったわけではありませんでした。ジャズを止めたわけではないけど、5スティールするなどプレッシャーをかけてマイボールにしています。

しかし、とにかく得点がとれませんでした。

 

◯3P
ペイサーズ 3/23
ジャズ 11/31

3本のうち1本は試合が決まった後なので、ほぼ決まらなかった3P。ゴベールとフェイバーズがいるチームに対して、アウトサイドに広げられないのであれば得点は伸びません。

 

◯マイルズ・ターナー
24点 FG10/14

ゴベールに負けない得点を残したターナーなので、インサイドで負けたわけではありません。

もうとにかくアウトサイドからのシュートが入らなかった。ただそれだけのペイサーズ。

観る試合のチョイスに失敗したな。



◉ジャズにはオフェンスで対抗しよう!

 

ペイサーズが外しすぎたとはいえ、ジャズ自体は見事な試合運びでした。理にかなった攻略をするオフェンスと安定したディフェンス。何よりゲーム運びが落ち着いています。勝っているチームらしい余裕に満ちた展開です。

 

◯得点
ミッチェル 20
イングルス 11
ルビオ 18

◯アシスト
ミッチェル 6
イングルス 10
ルビオ 7

後半になるとイングルスがアシストしているのは、ペイサーズがルビオとミッチェルへのプレッシャーを強めたから役割変更しています。

どうしろというのか?

いくつかのイージーシュートを減らすことは出来るでしょうが、ちょっと安定しすぎているジャズのオフェンスだったので、ペイサーズもオフェンスで上回るしかなかったと思います。言っても後半は50点しかとられていないし。

 

ディフェンスの良いジャズですがペイサーズはオフェンスリバウンドを14も奪っているので、付け入る隙は十分にありました。ちなみにジャズが最近負けたのはブレイザーズとロケッツなので納得してしまいます。



そんなわけでハズレの試合でした。ナゲッツとキャブスの結果によっては、ウエストの大混戦にジャズもいよいよ参加することになります。最も日程が楽で、最も勢いのある10位はどこまで駆けあがれるのか?

 

ペイサーズというかネイト・マクミランHCは立派なコーチオブザイヤー候補です。ライバルが1位ラプターズのケーシーと2位セルティックスのブラッド・スティーブンスなので、なんとなく印象悪いです。せめて3位になっておきたい。

イーストはプレーオフ争いが激しくないだけで、順位争いは激しいのでなんとかホームコートアドバンテージを確保しておきたい所です。

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