20180304 キャブス vs ナゲッツ

都合によりながら見になってしまったので、細かい部分よりもゲーム全体を通した雑感スタイルで振り返ります。

ナゲッツは負けると9位転落です。キャブスは上の2チームが遠いのでマイペースな感じです。




◉最近のナゲッツ

最近のナゲッツは問答無用のハイスコアで勝っていたのにベテランを混ぜ始めて少し怪しくなっています。特にミルサップを復帰させたクリッパーズ戦を落としたのはタイブレーカーを考えると痛すぎる選択でした。

毎試合のように大量リードを奪いながらも追いつかれます。強さの最大値は本当にリーグトップクラスのチームですが、試合を制する能力は低い。

そこでベテランの起用して勝ちに行くはずが、全く機能しない事もあります。ペースが変わってシュートが決まらなくなるだけならともかく、ベテランもミスをするので最後に若手が出てきて勝負するみたいな謎スタイルです。

デバン・ハリスとミルサップ、そしてこの試合ではリチャード・ジェファーソンが出てきます。ミルサップはともかく他の2人のミッションは何なのか考えさせられてしまいます。そして肝心のライルズには遂に出番がなくなりました。

リチャード・ジェファーソンはキャブス対策として起用されたのでしょうが、レブロンとマッチアップなのに逃げるようにマークを変えているようにさえ見えてしまいました。

 

オフェンスで打ち合って勝つスタイルのナゲッツ。そこにベテランを混ぜてディフェンス力アップとゲームコントロールを織り交ぜようとするけど、全く融合出来ず。結局はオフェンスで打ち勝つ。

そんなイメージの直近です。



◉最近のキャブス

グリズリーズとネッツに勝ち、ウィザーズ、スパーズ、シクサーズに負けました。内容はオフェンスが止められるかどうかです。それって何も変わってないわけです。

セルティックス戦こそヒルによりムダな失点が減りましたが根本的には解決していないわけです。そりゃあクラークソンなのだから当然です。そんなクラークソンをクラッチタイムに起用しますが、レブロンいるのだからオフェンスでの意味がなくなり空気でした。

 

レブロンはボールをシェアする新しいメンバーに可能性を感じているそうです。それは良い傾向でしょうが、一方で当初はヒルがレブロンにミスマッチを作ったり、ギャップを作って逆サイドに展開したりとボールシェアというよりも効率的にレブロンを利用するゲームメイクをしていました。

それがボールシェア優先になってきて、なんかアレ?それって今シーズンの前半のような。

 

なので、お互いにオフェンススタイルなのは想像できるのだけど、それぞれに不安要素もあります。



 

◉率直な感想

キャブスはいつも通りのキャブスで、ナゲッツもいつも通りのナゲッツで、両者の力関係がそのまま点数になったというのが率直な感想です。

しかし、試合はそんな予想があっても個人の好不調や、お互いの対策、そして相性と勝敗が揺らぐ要素がかなり混じります。

 

キャブスはそんな対策要素がいつもありません。相手を無視したような戦い方をします。ナゲッツはディフェンスでは相手をみて考える傾向があります。この試合は当然レブロンをどうするかです。

◯レブロン・ジェームス
25点 FG8/19
15アシスト
10リバウンド

15アシストは見事なレブロンでした。

ウィルソン・チャンドラーはそんなエースを止めるのが仕事です。レブロンはトップからの3Pとターンシュートをフェイダウェイで決めた以外は全てゴール下でした。FG%を考えれば最低限の仕事をしたといえます。

そしてゴール下まで侵入してきたレブロンに対してはヨキッチがヘルプに出て確率を落とさせました。5つのアシストをトリスタン・トンプソンに通したのでそこがよく現れています。

 

3Pへのアシストは6つありました。キャブスはレブロンを除くと8本の3Pを決めたので、ほぼレブロンからのアシストという事になります。
それはナゲッツからするとレブロンに崩されてアシストされるのは仕方ないとしても、他の選手には個人で対応していったといえます。

 

レブロンは自分の仕事をしました。チャンドラーはレブロンを爆発させない程度には止めました。そしてレブロン以外は個人で対応していくのがナゲッツの作戦でした。

機能したとはいえないけどレブロンの爆発は許しませんでした。



◉ナゲッツの3P

◯3P
ナゲッツ 19/35
キャブス 9/24

50%を超えたナゲッツ。キャブスからすると決まりすぎですが、3Pだけで16アシストが記録されています。つまりしっかりとボールムーブされた結果の高確率です。

そしてナゲッツの3Pが落ちるのを待って負けたチームはここまで何チームもあります。対策しないと延々と決め続けるのがナゲッツです。

 

よくナゲッツをウォーリアーズに例えますが、カリーやトンプソンが3Pを決めている時に「いつかは外れるだろう」と落ちるのを待つ作戦を採用する事が間違っている事は共通認識だと思います。それはナゲッツも同じです。対策しない方が悪い。しかもウォーリアーズよりもシューターが多い。



キャブスのディフェンスはトレード後に少し良くなりました。主にトランジションが早くなりイージーシュートを減らせた事と、ヒルによるカバーリングです。

◯速攻での得点
ナゲッツ 14
キャブス 21

◯ペイント内得点
ナゲッツ 44
キャブス 50

トランジションではキャブスが上回りました。そしてペイント内もナゲッツは平均を5点下回りました。それはトレードで得たキャブスの長所と言えます。

しかし、その結果はナゲッツにインサイドにディフェンスを収縮させてからのキックアウト3Pを許しました。アシストが多かったのはそれだけナゲッツらしいシュートが打てたという事です。

 

キャブスの作戦はわかりませんが、おそらく何もなかったはず。キャブスはキャブスらしくディフェンスをして、そして警戒しなければならないナゲッツの3Pに沈みました。

ちなみに基本的なナゲッツ対策はインサイドでヨキッチを1人で相手する事です。パスをされるよりはヨキッチのポストアップの方がまだマシというのは怖い話です。



レブロン大爆発だけは防いだナゲッツ
いつも通りのキャブス

共に考えているのは「うちのオフェンス力ならば相手ディフェンスを上回れる」前提の対策方法です。その意味では最低限の対応だけど、自分たちの3Pでナゲッツが勝ったのは正当な勝利でした。

キャブスをほんの少しだけ止めたナゲッツでした。

 

とはいえ、勝利を決めたのは対策しなくても外してくれるミルサップの3Pとバートン&ゲーリー・ハリスが個人技で決めたプルアップ3Pでした。

他の選手には打たせたくないからフリーにしたミルサップ。そしてアシスト関係ないプルアップでやられたわけですから、最後の攻防はキャブスが悪かったとは言い難いです。

最後の数プレーではオフェンスで上回れなかったキャブスでした。



◉4Qのキャブス

◯得点
レブロン 10
JRスミス 10

4Qはこの2人の得点だけでした。そこには2つの問題があります。1つは連携なのか遠慮なのか新加入組が機能しなかった事。何故か起用されなかったコーバーとケガのグリーン離脱でかなり苦しかったキャブスでした。

これがボールシェア問題なのか、スペーシングして突っ立っているだけの状態になっていました。

 

もう1つは戦術レブロンの弊害みたいな。やっぱりもう1人起点が欲しくなります。そりゃあアーヴィングが恋しい。レブロンスタートなんだけど、時には変化させないといけない。変化するにも全員で連動オフェンスはムリだから代役が欲しいよね。

それをJRスミスというのはムリがありすぎます。クラークソンとフッドは微妙というか不安定過ぎて。シーズン前半のメンバーならばチームとしての機能性を求めていたので気にならなかったアーヴィングのクラッチ問題が再燃したような終盤でした。それはシクサーズ戦も同じでした。

だからキャブスのオフェンスは終盤勝負で本当にレブロン頼みになってしまうと、ナゲッツクラスのオフェンス力あるチームには力負けしてしまいます。



要はキャブス目線でみると

・ディフェンスではナゲッツ対策が施されなかった
・オフェンスではナゲッツを上回る要素が足りなかった

そんな風に見て取れました。コーバー大作戦やラブの復帰など、別にこれが大きな不安材料というわけではありません。現時点でナゲッツとキャブスではナゲッツの方が強く、弱い方のキャブスには工夫が足りませんでした。



◉マレー、ハリス、バートン、ミルサップ

ナゲッツで気になったのは終盤にマレーを起用しなかった事です。最近はターンオーバーも目立っていたらしいので、それはHCの判断として正しかったのかもしれません。

しかし、ミルサップがいなければやっぱりマレーを使ったはずです。ミルサップに対しては大きな信頼を置いているようですが、今のナゲッツのチームオフェンスで考えるとミルサップは不効率です。それは単にFG%の問題としてですが。

そして勝負どころではバートンとゲーリー・ハリスによる個人勝負を仕掛けて見事に成功した事は今後のナゲッツには大きな財産になりそうです。

 

◯ゲーリー・ハリス
32点 3P6/10

◯ウィル・バートン
23点 3P4/10

別に大当たりしたわけではなく、これくらいやるので他のチームは気をつけましょう。とはいえ、2人で55点は当たりです。

 

ナゲッツにも問題はあって、プラムリーは素晴らしかったけどプレータイムは15分のみ。使わないならキャブスファンは欲しいだろうな。

リチャード・ジェファーソンも何故か15分も出場。よくわからん。

トレイ・ライルズはベンチに座りっぱなし。

デバン・ハリスが出てくると得点が取れなくなり失点が増えます。

ケガ人問題でやりくりが大変だったナゲッツですが、全員が揃ったら今度は采配が迷走している雰囲気です。ミルサップが邪魔にならない形だったのはよいのですが、各選手の起用目的がはっきりしていないので、何だかよくわからない時間が増えてしまいます。

 

ナゲッツは強い。でも安定しない。
HCは対策をしてくる。でも采配は安定しない。

そんな印象のナゲッツでした。

20180304 キャブス vs ナゲッツ” への2件のフィードバック

  1. キャブスのなんだかんだの課題はやっぱディフェンスですよね。
    オフェンスだけならレブロンいるだけでなんとかなりそうなのにディフェンスはチームとして守らないと機能しないですよね。

    ちなみに明日から渡米して7日からウォリアーズ対ネッツ、キングス対ペリカンズ、ウォリアーズ対スパーズ、クリッパーズ対キャブス、クリッパーズ対マジックと5試合観戦してくるんでどれかの試合レポートしてくれたら嬉しいです。

    1. 5試合ってすごいですね。羨ましい。

      ネッツvsウォーリアーズ
      クリッパーズvsキャブス

      この2試合ですかね。
      ネッツが相当頑張らないといけません!!

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA