サム・メリルは20年のドラフト60位。最下位だね。今や最下位なんて「ドラフト外じゃない」のだから優秀な方だけどさ。バックスに指名されたメリルは30試合に出場しましたが、プレータイムは7.8分のみ。
翌年はグレイソン・アレンのトレードに巻き込まれてグリズリーズに行きますが、6試合に出場したのみでウェイブされます。22-23シーズンはキングスと契約するものの、開幕前にカット。キャブスのGリーグチームへと移り、シーズンが終わる直前の3月に10日間契約をかわし、キャブスでは7試合に出場しました。
ってことで、ギリギリのNBAプレイヤーであった3年間。特にこれといったスタッツを残すことはなかった193センチのガードです。「193センチのガード」なんて掃いて捨てるほどいるわな。そもそもどういう選手だったのか、大学時代をウィキしてみると
3年生のシーズンに20.9点、4年生で19.6点とゴリゴリのスコアリングガード
MWC tournamentのMVPにも2年連続で選ばれており、勝ち方を知っているプレイヤーだった様子。ゆーつーぶ探してみたぞ。
シュートが上手いのは大前提として、強気のプルアップ3Pやムービングからのジャンパーを武器にしていますが、普通のエースアタックもしており、ハンドリングから勝負で得点を奪っています。身体能力で突破するハンドラーではありませんが、いわゆるスコアリングエースっぽいキャラです。
そんなメリルですが、現在のキャブスでのシュートアテンプトを見てみると
〇エリア別アテンプト
ゴール下 16本
ペイント内 12本
ミドル 3本
コーナー3P 38本
他の3P 159本
ミドルはほぼ打たず、アテンプトの86%が3Pです。つまり「徹底した3Pシューター」へと変貌しました。気持ちよいくらいに打ち切る姿勢は
オレの仕事は3Pを打つこと!
そんな悲壮感のような使命感を感じずにはいられません。ボールを持ったら3Pを打つことがメリルの全て。他のプレーを削り、徹底したシュータームーブを身に着けたことで、気が付いたらイースト2位のチームでキーマンになりかけているのです。
〇ドリブル数別3P
0ドリブル 4.0本
1ドリブル 1.1本
2ドリブル以上 0.1本
メリルがドリブルするのはブロックに来たディフェンスをかわすときのみ。あとはとにかくキャッチ&シュートを徹底の徹底です。あまりにも早いリリースは「何も考えてないんだろうな」とすら思ってしまうほど。オフボールで少しでも引き剥がせば、あとはもう打つだけ。
〇ディフェンダーとの距離別
2フィート以内 0.2本 29%
4フィート以内 1.3本 33%
6フィート以内 1.9本 46%
6フィート以上 2.0本 51%
それは0ドリブルばかりなのに、タフショットも多いことが示しています。コーナー待機のスポットシューターならばキャッチ&3Pは多いけど、タフショットにはならない。メリルはオフボールで動き回って、ディフェンスを引き連れてくるし、警戒もされているんだけど、構わずに打ち切ります。
そして驚くべきはオープン(6フィート以内)とワイドオープンの確率の高さ。45%オーバーというだけでも高確率として驚くわけですが、メリルの場合は単なるオープンではなく
ムービングからの難しい3Pなのにリーグ最高レベルの確率
これが付加されます。今シーズンはグレイソン・アレンやニスミスが高確率ですが、この辺の選手は基本的にスポットシューターとしてオープンショットを打つのが仕事ですが、ダンカン・ロビンソンに代表されるムービング系は難しいシュートだからね。ヒールドとニスミス、どちらが3P上手いのかって話だ。
うおお。。大学時代バリバリのスコアラーがNBAでシューターに変貌とは、マクダーモットみがありますね。
(マクダーモットはもたとサイズあったのでポストアップフェイダウェイとかもしてました。)
大学時代のときは意外とスタイル違うプレイヤー多いですよねバンダビとか。
基本周りの人より数段才能溢れる選手ですからねえ。