バイアウト市場は安いサラリーなので欲しい欲しい病にかかりがちですが、サンズが手に入れたのはサディアス・ヤング。なんと的確で完璧な補強だろうか。スターパワーで押せ押せという補強とは違い、シンデレラフィットって感じ。
とはいえ、そもそもヤングは衰えが見えており、活躍するのかどうかはわかりません。でも「的確で完璧」といいたくなるのは、サンズが抱えている問題というか、ヌルキッチの存在感とヌルキッチ不在の喪失感がサンズの出来を大きく左右しており、そのヌルキッチの代役としてミニマムで取れる選手なんてヤングくらいしかいないんじゃないかってね。
〇ヌルキッチのオン/オフ
オフェンス 122.0/110.7
ディフェンス 112.8/114.7
レート差 9.2/△4.0
サンズで最も高いオフェンスレーティングとレート差。ヌルキッチがコートにいればトップチームで、ベンチに下がればドアマット。それくらい圧倒的な差を生み出しているのが今シーズンです。
しかし、当然ではあるものの、ブッカーやデュラントよりも重要な選手であるはずもなく、1つには「ヌルキッチの控えが弱すぎる」という事情もあります。基本的にはユーバンクスですが、シーズン中にはメトゥがとってかわることもありましたが、どうにもならんってことだ。
ヌルキッチの重要性と控えセンターの弱さが目立っているシーズン
ところで、何故ユーバンクスなのでしょうか。能力的に大した違いはないけれどメトゥやボルボルといった高さのあるタイプもいるけれど、ユーバンクスだったんだよね。そういや珍しく起用されたアズブーキが必死に働いていたこともあったね。
ディフェンス面で見た時に、リムプロテクトや高さよりも適切にコースをカバーする選手の方がヴォーゲルの好みっぽいです。もう1つはフィジカルに押し出すことに奮闘できること。細身のセンターを集めてしまったフロントとヴォーゲルの好みは合っていなかった感もあります。
オフェンスでは自分で点を取るよりも、しっかりとスクリナーになり、献身的にゴール下にダイブすることが大事。メトゥやボルボルがチーム戦術の中で輝けるタイプじゃないのもハッキリしているし、そこは確かにユーバンクスだよね。
そしてこれらの特徴において「5年前はリーグトップクラス」だったのがヤングです。ブロックではなく、的確にコースを潰す早いヘルプ、相手をペイントから押し出すフィジカルファイト、ついでにマンマークでも相手ウイングを封殺していました。ヤニスとデートしていたの懐かしい。
35歳になって、かなり守れなくなっているという話ですが、そもそもサンズは守れるわけじゃないし、チームディフェンスの穴を15分間埋めてくれればいいわけじゃん。ついでにツービッグにも出来るのはユーバンクスにはない特徴でもあります。
おそらくヴォーゲルが欲しいタイプのビッグマン
本当はヌルキッチにはない高さで抑え込むタイプのセンターが欲しかったところですが、それだとヴォーゲルが起用しない可能性があり、タイプ的にはフィットしそうなヤングがバイアウト市場に出ていたのはラッキーです。とかいってヴォーゲルが起用しなかったりして・・・そしたら衰えているってことだろうな。