20180224 ラプターズ vsバックス

好調らしくて観てみると安定を手に入れていたバックス。しかし、安定の代償は強者に抗えない不完全さ。そんなナゲッツ戦のディフェンスでした。

首位のラプターズは安定も爆発力も持ち合わせています。昨季はプレーオフで苦戦したバックスを相手に今季の成長を見せつけられるのか?

むしろラプターズの方が伸びている今季です。



◯2月のオン/オフレーティング差
アンテトクンポ +9.1 / △17.7
デローザン +9.7 / +28.1

両エースのオン/オフレーティング差を比較すると、オンコートは同じくらいですが、オフコートは何という数字なのか。

+28はとんでもない数字ですが、△17もこれまたとんでもない数字です。そもそも+9はかなり強いチームなのに。

 

アンテトクンポに限らずスターター全員が高いレーティング差のバックス。それはベンチの弱さと裏返しだったりします。
一方のラプターズはもはやスターターが弱いのではと言いたくなるようなベンチのスゴさ。

バックスはセカンドユニットにアンテトクンポを混ぜてくるので、注目すべきはアンテトクンポvsラプターズのベンチメンバーです。



◉パスをするデローザン

 

スタートはバックスがリードします。ディフェンスリバウンドをしっかり確保し、アンテトクンポとブレッドソーのフィジカル活かしで攻めます。アンテトクンポの相手はルーキーのOGアヌノビー。前回はしっかり役割を果たしていましたが、今日はどうなのか。

ラプターズはイバカがショットクロックギリギリで打った3Pがバンクで決まるなど次第に盛り返し逆転します。デローザンとらうりーがドライブからのパスを繰り返し、シュートチャンスを作っていきます。パスをし過ぎて読まれる場面もありますが、それはそれで後々ディフェンスを引き剥がすのに役立ちそうです。

 

少しずつヘルプが遅くなってくるバックス。ミスも混ざりますが、爆発しているわけではないけど好調に得点出来ているラプターズ。この辺はキッド後のバックスの特徴でもあって、あまりフリーを作らせなくなりました。一方でヘルプの意識は薄まり、ボールマンへのプレッシャーが低いのでパスは自由に回されます。

安定感は出てきたけどプレッシャーはかけられないディフェンスへの変化です。



アンテトクンポと交代でパーカーが出てきます。おそらく今季はこの形かな。周囲との関係性が上手いのはパーカーなので、よく走ってラプターズのマークをズラしていきます。インサイドでヘンソンがフリーになる場面が目立ち、こちらはプレッシャーをかいくぐって良いシュートを打てる形に。パーカーへのアリウープも決まります。

しかし、バックスはキックアウトのコーナー3Pが決まらず。CJマイルズがコーナーから3P&ワンを決めた分だけラプターズがリードして1Qが終わります。

 

どちらもオフェンスで相手のディフェンスを上回る形で得点出来ていますが、より崩しているのはラプターズという雰囲気です。合わせのプレーが得点しているので、後は必要な時にデローザンが個人技を決めるだけ。

バックスはチームとしては苦しい所をアンテトクンポ、ブレッドソー、パーカーで解決しています。



◉高さを残すバックス

 

ラプターズのセカンドユニットはいろいろ強いですが、シアカムとポエルトのリバウンドは大きな強みです。しかし、バックスもアンテトクンポ、パーカー、ソンメーカーが並ぶので簡単ではなさそうな2Q。

ヴァンフリートとCJマイルズがレイアップをミスするのは高さのプレッシャーでした。そしてソンメーカーにリバウンドを押し込まれ、3Pも決められてリードは早々になくなりました。テリーのコーナー3Pもあり、良い感じのバックス

 

それでもマイルズが3Pを決めれば、ポエルトがオフェンスリバウンドで粘ってシアカムが押し込むらしさで反撃するラプターズ。このシーンではリバウンドに飛び込む人数が少ないバックス。その理由はパーカーがマイルズの3Pを警戒せざるを得ないからでした。

お互いのインサイド仕事が重要でそのためにキックアウト3Pでディフェンスの人数を減らせるかの勝負みたいな。



テリーとブラウンが3Pを決めて見事にその仕事を果たします。アンテトクンポによるキックアウトなので、ラプターズのセカンドユニットをアンテトクンポが上回った前半の対決でした。スターターが戻ってきます。

早速デローザンがドライブ&ワンで返します。2本目は外しますが明らかに自分で行くスタイルに変更しています。

 

お互いのオフェンスが有利に運びますが、セカンドチャンスを手にするのはバックスなのでラプターズとしては苦しい展開です。そんな時にドライブ、3P、オフェンスリバウンドと活躍していたブレッドソーがファールコールされない事に集中力を切らしたのをみてラウリーが動きます。ブレッドソーを狙ってドライブに3Pと仕掛けていきます。流れを読むラウリー。でもシュートを外す。

 

しかし、割と大人しかったアンテトクンポがラッシュします。自分で飛び込みブロックされたのを拾い直してゴール下&ワン、アーリーでダンクを決めて4点リードを奪います。

ブレッドソーがムダなファールをしてフリースローを与えますが、それ以外のFGを全て外したラプターズ。ブレッドソー狙いは正しかったのにイージーを外してしまいます。

最後にヘンソンのスクリーンに足を引っ掛けられミドルトンにぶつかったデローザン。ミドルトンはそのまま3Pを決めて4点プレーにすると共に、デローザンがレフリーにクレームしてテクニカル。

65-57とバックス8点リードで前半が終わります。



8点リードは出来すぎのバックス。それをもたらしたのはベンチメンバーの踏ん張りでした。

 

◯ベンチポイント
バックス 22
ラプターズ 23

ブラウン、テリー、ソンメーカーが効果的な3Pを決めて展開を楽にしました。点数をみてもオフェンスで上回った形になっています。

 

◯2月のディフェンスレーティング
バックス 101.9
ラプターズ 101.0

しかしそれはお互いの特徴からは離れた内容です。勝ちパターンではないのが、どちらに有利に働くのか?

◯2月のオフェンスレーティング
バックス 104.5
ラプターズ 117.0

それは普通に考えたらラプターズ有利です。オフェンスも良すぎるチームだから首位にいるのがラプターズ



◉止まらないバックス

 

後半になりラプターズが反撃しますが、それを止めたのはレフリー。次々にバックス有利なコールをしていきフランストレーションを溜めていくラプターズ。3Pを2Pとジャッジされたり、そりゃあ怒るよね。

加えてデローザンがミスを連発します。なんかよくわからないミスだらけのデローザン。アヌノビーはアンテトクンポを守っており、ブレッドソーは自分勝手なプレーをするのでバックスが良いわけではないのに、リードを二桁に広げていきます。

 

タイムアウト明けに目先を変えてきたケーシーHC。バランチューナスのポストアップに、バランチューナスのスクリーンを利用したデローザンの3P。修正も上手いけど、それを決めたバランチューナスも偉い。

しかしプレッシャーディフェンスでアンテトクンポを止めたのに苦しいブレッドソーの3Pが決まれば、何故か決まるヘンソンへのアリウープでバックスも止まりません。



アンテトクンポが一旦ベンチに戻ります。それでもブラウンのアシストからパーカーがダンク、パーカーからヘンソンへのアリウープと得点が止まりません。

ラプターズもデローザンがミドル&ワン。バランチューナスがリバウンドを押し込み、ラウリーのパスからダンクを決めます。

 

ここでやっとレフリーがヘンソンのスクリーンにオフェンスファールをとります。ここまでOKどころかディフェンスファールだったのに突然のコールチェンジ。このチャンスにラウリーがロング3Pで答えて4点差になります。

しかしソンメーカーがよくわからない3Pを決めれば、キックアウトからブラウンが完璧な3P。よくわからないバックスが10点差に戻します。



残り2分からラウリーを残してベンチメンバーのラプターズ。ブレッドソーからヴァンフリートがスティールすれば、ラウリーがパーカーからテイクチャージ。シアカムとポエルトがインサイドを守りきります。

3Qで96点まで積み上げたバックス。それはバックスにしては珍しいハイスコアであり、ラプターズディフェンスとしても珍しい失点です。

ラスト2分はアンテトクンポのミドルの2点のみに抑えたラプターズディフェンスが機能しないと追いつきそうにありません。



◉恐怖のセカンドユニット

 

得点が止まり始めます。ラプターズはマイルズの3Pが決まらず、バックスはソンメーカーが外します。そんな中でシアカムがゴール下を決めていき流れを掴みそうなラプターズでしたが、テリーが3Pで簡単には追いつかせません。

それでもポエルトがアンテトクンポのダンクを2本ブロックし、リバウンドを拾います。味方の3Pが全く決まらない中でオフェンスで合わせのダンクやオフェンスリバウンドを拾って1人で点差を詰めていきます。

 

4Q6分でテリーの3P1本しか決まらなかったバックス。ラプターズのオフェンスが良かったわけではなく、ディフェンスだけで点差を無くしていきます。

残り5分で逆サイドからフリーでカットしてきたシアカムにヴァンフリートからのアシストが決まり遂に逆転します。

 

恐ろしきはラプターズのセカンドユニット。
リーグ最強のベンチメンバー。

注目していたアンテトクンポvsラプターズのセカンドユニットは重要な4Qに上回ったセカンドユニットにより、試合は振り出しに戻ります。



アンテトクンポがリバウンドをダンクで押し込みやっと得点が入るバックス。アンテトクンポは続けてミドルも決めます。センターを使わずシアカム、イバカ、アヌノビーの誰にすべきか迷いどころになりそうなラプターズ。残り3分で選ばれたのはシアカム継続とイバカになりました。

そのシアカムがショットクロックギリギリでミドルを決めますが、ブレッドソーにドライブを決められ、アンテトクンポのミドルも決まり、残り1分で3点バックスリードに。

 

タイムアウト明けのラプターズはデローザンがリバースレイアップをねじ込みます。お互いに外した後でミドルトンのシュートミスをヘンソンが拾いバックスが3秒で1点リードになります。ファールゲームをミドルトンが1本外して2点差ラストプレーのラプターズ。

チームファールが残っているのでファールしたいバックスですが、それは強引にフリースローに持っていかれそうな残り3秒です。

ラプターズの選択はデローザンですがボールが渡らず、困って渡されたバランチューナスはドライブからダンクに行きます。これがブザー寸前に決まり、オーバータイムへ。

ドライブ前に何故ファールをしなかったのかヘンソン!!



◉またも停滞するオーバータイム

 

ラウリーのコーナー3Pで先制はラプターズ。バランチューナスがブレッドソーをブロックします。更にイバカがブレッドソーとのマッチアップでターンシュートを決めます。

アンテトクンポがミドルを決めて、テリーがとんでもなく難しい3Pを決めて追いつくバックス。ミドルトンの3Pで逆転します。

どうもシュートが決まらないラプターズ。フリーで外すシーンが目立ちます。3点差のまま残り1分を切ります。



残り41秒からタイムアウト明けの選択はデローザンのドライブ。ヘルプが寄ったところでインサイドのバランチューナスへアシストします。

 

バックスはアンテトクンポ。デローザンとの勝負に押し出されますが、ステップバックでミドルを決めて残り12秒で3点リードを保ち、ラプターズのラストプレーへ。

苦しい中でデローザンが3Pを放ちますが外れ溢れてきたリバウンドをデローザンが決めますが、この時マイルズが外でフリーになっていました。そこは拘って3Pにすべきだったのでは。

0.8秒でディフェンスシチュエーションでスティール出来ずバックスが逃げ切りました。



バックスが勝ったというよりもラプターズが負けた印象の試合でした。理由を考えれば、4Qで追いついたのにそこからオフェンスが停滞してしまうらしくないシーンだったような。

 

◯ラプターズ
ターンオーバー12
FG48%
3P27%

スタッツは立派なのに、このオフェンスの停滞感は何だろうな?
ドフリーは少なかったけど、プレッシャーがあるわけではないシュートを外しているようなラプターズ。48%だけど、もっと決められただろうという雰囲気です。

相変わらず強すぎるセカンドユニットに、タイムアウト明けでのプレー選択の成功、相手のスキをつこうとする姿勢は首位にいるチームならでは。

しかし、そのスキをつくときにフリーのシュートを決められず、勝負どころでもラッシュ出来なかったラウリー&デローザン。でもデローザンは33点とっているんだよな。そんな印象はなかったよ。

 

そんなわけでラプターズは強い!
イーストで最も強い!
でもプレーオフで勝つかと言われると・・・

そんな世の中のイメージを実践するかのような試合でした。



勝ったとはいえ正直こちらも微妙だったバックス

◯ヤニス・アンテトクンポ
45分 26点

しかし、肝心なところで働いた印象があるアンテトクンポ。そこはラウリー&デローザンとの違いかな。45分て。

割とアヌノビーには抑えられていたので、シアカムメインに変わった事は有り難かったはず。ラプターズがヴァンフリートに拘らず、アヌノビーやライトを使っていたらアンテトクンポの活躍は減ったのではないかな。

 

◯ベンチポイント
バックス 42
ラプターズ 41

また、ラプターズに対抗できた理由は予定外にベンチが頑張った事。特にテリーは3Pを決めて助けたし、テリーを攻められなかったラプターズというのも気になります。

 

◯バックスのベンチ
テリー 14点
ソンメーカー 12点
パーカー 8点7リバウンド
ブラウン 6点7リバウンド

意外と目立ったのはブラウンのリバウンド。そこがラプターズの強みでもあったので、アウトサイドから拾いにくるブラウンにより助けられました。

 

問題はそれは計算して良いのかどうか?

ここにブログトンが加われば、それは強いさバックス。でも、このクオリティを維持できるかというと怪しいよね。

もう少しプレーオフまでの動きに注目しましょう。

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