20180223 キャブス vs ウィザーズ

ウィザーズ33勝24敗
キャブス34勝22敗

近くて遠い両チームの勝率はプレーオフの組み合わせにも関係して来ます。ここまでの結果だと、おそらく両チーム共にラプターズが嫌なはず。

キャブスは新メンバーで良くなったけど信用するのはまだ早い。ウィザーズはチーム力向上中ですが、絶対的エースがいるチームは苦手。ウォールはいないけど、いい加減キャブスに勝っておかないと!



ウィザーズはここ9試合で7勝2敗ですが、そのうち5試合がFG50%オーバーです。しかし3Pは絶不調で40%超えたのは2試合のみ。それでも好結果を生み出したのはオフェンスリバウンド。

つまりはウォールがいた時よりもキックアウト3Pに頼らず、全員がリングにアタックするのでディフェンスを崩してリバウンドを拾うパターンが増えて来ています。

新メンバーでアスレティック能力を手に入れたキャブスですが、そもそもモリス、ウーブレイ、ポーター、スコットとそんな選手が並ぶウィザーズなので基本的に上回れるはず。

シュートではない部分こそが重要なのさ!

ちなみにセルティックスはレブロン対策としてモリスをスターターにして撃沈しました。ウィザーズはポーターで対応するでしょうし、ポーターはデュラント相手に一歩も引かない攻守での奮闘を見せました。それが出来るのかどうか?



◉走るレブロン

オールスターブレイクを挟んだとはいえ、それはバカンスなので連携強化は別の問題です。休養の方が大切です。
いつも通りのコミニケーションミスでウィザーズにはイージーシュートが生まれます。それはボールムーブでパスの角度が変わるし、ウォール任せにならないから生まれるプレーです。一方で突破力にはかけています。だからキャブスのミスを誘発させるかどうかみたいな立ち上がり。

次々にミドルを決めるレブロン。それを止められるならばポーターはもっと評価されています。抜かれずに難しいミドルにしているのだから諦めるしかない。

戦術レブロンに戻ると安定するわけですが、他に2つの利点があって1つはJRスミスが積極的に打てる事。ヒル、オスマン、トンプソンって主役には慣れないタイプばかりだし。
もう1つがそんな脇役タイプはレブロンに任せて走る事。パサーとして機能するレブロン。アイザイア・トーマスだと自分で打つし、レブロンはトーマスのためには走らないし。

自分に合わせて走る味方に、自らも走るレブロンでキャブスがリードします。



それにしても3Pを打たないウィザーズ。ドライブとミドルで対抗していきますが、ビールがミドルじゃなくて3Pにすればかなり違うけどね。でも速攻の2対1でウーブレイに3Pを打たせる謎。

コミニケーションミスが多かったキャブスですが、修正します。修正するというかヒルの個人技。ヘルプでゴータットを止めるし、1人でリバウンドとるし。

つまりウィザーズは現代的には効率の悪いシュートと、イージーシュートに辿り着けないインサイドアタックになり得点が停滞していきます。

その間に早さで得点していくキャブス。走るね。走って良いのかね?
でもこれが効果的に決まっていくから難しいものです。多分、ウォールがいたらこんなに走れなかったでしょうが、落としてもとんが拾ってくれる強かった時のキャブス感はあります。二桁点差まで広がります。

突如として3Pを打ち始めるウィザーズですがシュートが全く決まりません。それにキャブスも付き合ってくれます。

◯3P
ウィザーズ 1/8
キャブス 2/6

FG50%オーバーのスコットが4連続外すなどベンチメンバーになると全く決まらないウィザーズ。ミスするキャブスになり、31-22でキャブスの9点リードで1Qが終わります。



◉クラークソン劇場

2Qになるとレイカーズファンにはお馴染みの光景が出てきます。PGクラークソン劇場。パスという概念を忘れたPG。

完全に良さを消されるグリーンとフッド。コーバー?出てなかったよね?

それでも1人で決めてくるのだから凄いといえば凄い。まぁアレだよね。「うちはお子さんの将来のために個人技を鍛えるチームです」とかいって足元の技術ばかりを追い求める少年サッカークラブみたいな。そんな所から突然変異でプロまで辿り着く奇跡の選手。

ちなみにもう1人のレイカーズからきたナンスjrは背番号を永久欠番の22に変更しました。そうこれはナンスパパの永久欠番。
そんなナンスはレイカーズよりも活かされています。フッドやグリーンからのパスをフィニッシュしていき連携の良さを見せます。

連携皆無のクラークソンと連携の良いナンス

ウィザーズもそこそこの出来でスコットは決めるけど、ミークスは外す通常営業でクラークソン独力と点差はあまり変わらず、スターターが戻ってきます。



レブロンが戻るとパスをし始めるクラークソン。お前はウェイドか!

残り6分で33点しか取れていないウィザーズ。シュートが決まらないので中を固めているキャブスに対し、高速パッシングで振り回し始めます。センターを使わずウーブレイにしているメリットを活かします。

サトランスキーのドライブ、ポーターの3P、ビールのステップバック3P、ウーブレイの3P。ラッシュをかけて追いつくウィザーズ。疲れるには早過ぎるキャブス。

面白いのはゴータットがいた時は活躍していたトンプソンが空気になっている事。レブロンの個人技で得点していきますが、他はフッドくらいでミスだらけ。

残り13秒でサトランスキーがドライブ&ワンを決めて、残り2秒でレブロンがドライブ&ワンを決め返して、57-54とウィザーズリードに変わって前半が終わります。

6分で24点の荒稼ぎしたオフェンスのウィザーズでした。



◯3P
ウィザーズ 7/17
キャブス 2/10

2Q後半に一気に盛り返したウィザーズ。その理由はノーセンターで機動力で上回った事です。それはゴータットがいた立ち上がりに走ったキャブスと逆の展開。

そしてコミニケーションミスの多いキャブスのディフェンスはインサイドをカバーしてくれたヒルでもアウトサイドの穴までは塞げませんでした。

まるでウィザーズが決めすぎたように見えますが、殆どがフリーになって打った3Pなので、単にインサイドを固めて動かないキャブスの弱点をついただけだったり。多分、フッドあたりは苛立っているよ。なんでこんなに空いてしまうのか?とね。

◯レブロン・ジェームス
15点 FG6/7
7アシスト 5リバウンド

まぁ見事なんですけどね。この展開でアテンプト増やせないのかという疑問もあります。それは個人の問題なのか、チームの問題なのかは微妙なラインです。

ヒルは相変わらずレブロンを利用しようとしますが、その前に走れてしまった立ち上がりの影響でハーフコートの組み立てを味方に阻害されていました。

ゲームの中で緩急をつけられなかったアイザイア・トーマス時代と同じなので、そこはヒルの問題ではない気がします。



◉お互いに守れないインサイド

後半になり再び走るキャブス。ヒルやオスマンがアーリーで特攻していくので、ハーフタイムの指示でしょう。そして外してもトンプソンが押し込みます。いや、もう本当にゴータットどうするのか。

ウィザーズは変わらずワイドに展開し、キャブスが追いかけてくるようになったので、ドライブを決めていきます。ガラガラになってきたインサイドですが、うーんゴータット。。。

キャブスとしては当然の3P止めになり、有利になりそうですが、JRスミスが決まりません。セカンドオプションとしては厳し過ぎるスミス。でも難しいのは決めるよ。なんでコーバー使わないのか。

そんなわけで一進一退。インサイドはキャブスが強いという珍しい展開です。



クラークソンが出てきて再び個人技になりかけますが、ナンスに預けるとフッドやコーバーに回ります。やっとシュートを打てたコーバーは簡単に決めます。

ウィザーズもサトランスキーから始まるパッシングゲームで対抗し、ベンチメンバーが増えても互角の展開になります。

マヒンミとナンスはなんとなくバランスが取れていて、そこそこインサイドで活躍するマヒンミ。なのでこの時間はどちらも中外のバランスが良い反面で、明確に上回れる雰囲気は欠けています。

このユニットになると走らないというイマイチよくわからない現象はたまたまの面と、ウィザーズがしっかりと戻るから生まれる現象です。ベンチメンバーの方が切り替えが早いというのはよくある話。

ウィザーズの3点リードで4Qを迎えます。



◉得点するレブロン、アシストするビール

セカンドユニットはお互いに個人技ベースが強まります。全然スクリーンをかけてもらえないのに、時にフリーになるとまたもアッサリ決めるコーバー。
初めの不調はどこへやら、個人でオフェンスリバウンドもとれば、見事なシェイクからミドルを沈めるスコット。

ここでもお互いに爆発はしないけど、堅実に得点していきます。

先に戻ったのはレブロン。しかし、あまり効果なくグリーンやコーバーの3Pが外れる結果になるだけでウィザーズの3点リードは変わりません。



ウィザーズはビールとポーターだけ先に戻します。何故かミークスは残りスコットはベンチへ。割と謎の多いウィザーズですが、論理的な部分も多く、ビールに引きつけてマヒンミのインサイドを使います。マヒンミはキャブスと互角みたいなので、引きつけていればマヒンミが勝ちます。ギリギリだけど。

マヒンミのダンク、コーナーからウーブレイの3Pでウィザーズが8点リードに広げます。

レブロンへ徹底マークはポーター。そこにトンプソンをフリーにしてカバーするマヒンミという形ですが、こぼれ球がレブロンに流れてくる運もありました。
そこまで抑えられないポーターですが、3Pでお返しするオフェンス力があります。残り4分でも残っているミークスがドライブからファールを引き出すなど、ちゃんと機能するウィザーズ。モリスもサトランスキーもゴータットもベンチなのに!



レブロンが強引なドライブを仕掛けていくのをみて、マヒンミを下げてモリスを戻します。パワーを止められないから攻守にスピードで対抗するイメージ。

でも豪快にダンクを決めるレブロン。攻めるしかないウィザーズ。

残り2分5点差。

ビールのミドルが外れると、モリスとの勝負で3Pを選択して外すレブロン。その次はドライブ決めたので、勿体無いチョイス。

ウーブレイのゴール下をカッ飛んできてブロックするJRスミス。残り1分で3点差。

やり直しのオフェンスでビールのパスからゴール下を決めるポーター。JRスミスの台無しディフェンス。



またもレブロンがゴール下をねじ込みます。しかし、ビールもドライブで返し、レブロンがフリースローを2本外します。

残り17秒5点差となり、ウィザーズが逃げ切りました。

◯レブロン・ジェームス
32点 FG13/18
9リバウンド 8アシスト

終盤になって止まらなかったレブロンですが、レブロンだと思うと普通のスタッツになった感じもします。特に後半はアシストを止められる形に。止められるというか、得点すべきだったというか。

◯ブラッドリー・ビール
18点 FG8/19
9アシスト

それに対して得点よりもアシストで貢献したビール。活躍していたサトランスキーではなく、ミークスを起用してPGビール状態にしたブルックス采配が的中した終盤でした。この変化は非常に興味深いです。



◉全員でウィザーズ、レブロンでキャブス

ウィザーズとしては相変わらずスーパーエース相手の弱さを見せました。思い返せば今季の初戦も酷い状態にあったキャブスが、レブロン無双作戦でウィザーズを粉砕しています。今回も危うくそんなパターンにハマりそうでしたが、なんとか逃げ切りました。

前半にみせた次々にワイドオープンを作って決める形は脅威でしたが、再現性に乏しく、キャブスディフェンスの問題点が多かったと判断すべきなのでしょうか。

それでもサトランスキーがPGになると全体が動き出します。ボールを持つ時間が長いウォールとビールが立ち並ぶよりもパッシング出来ているのは明らかです。

突破出来ない時間の悩ましさもあり、ウォールの融合にはポジティブな面もネガティヴな面もあります。問題はそれよりもゴータットだしな。



一方でディフェンス面はレブロンの突破を止められない中で、他が外してくれたキャブスに助けられました。

◯後半のキャブス
レブロン 7/11
その他 12/32

レブロンを除くと37.5%だったのでウィザーズの勝利は順当でした。後半に53点とったウィザーズでしたが、二桁得点は誰もいません。なんとも対象的な得点の仕方で上回っています。

それはまたキャブスらしい一面でもあります。キャブスらしいというかクラークソンとフッドらしい。そしてヒルらしい。

クラークソンもフッドも時にスーパースターで時にダメな選手になるタイプなので、信用は出来ません。それでもフッドはかなり安定してきた方ですが。それがボールが回ってこないと致し方ない気もします。

それはラブがレブロンの下でシューター化せざるを得ず苦労してきた事なので、この先どんなバランスをとって行くのでしょうか。

ヒルは縁の下の力持ちなので、消え始めると消え続けます。まさにそんな試合になりました。



そんなわけでどっちも課題が残っている両チームでした。キャブスは結局スタミナ切れなかったのは悪くなかったですが、なんかよくわからなかった。

ウィザーズはウォールがいなくなって良くなったのは、実はセンターが弱くても済むようなオフェンスに変化したからの気がします。見事なウォールのドライブには合わせのセンターが必要ですが、これだけ広くパッシングするならばセンターはそこまで関係してこない印象です。

だからこのパターンのオフェンスにウォールが加わるならば、そんなに不安視することはない気がします。問題はウォールの3Pが決まるかどうか。キャッチ&シュートはそこそこ決めるからな。

久しぶりに試合観るの大変でした。

20180223 キャブス vs ウィザーズ” への2件のフィードバック

  1. あれ 勝ってしまったですねウィザーズ。
    キャブスが悪かっただけですが
    勝てたのが大きい。
    ミークスが残り4分まで居たのは
    サトランスキーをよほど温存したかったのかな。
    やはりウィザーズ戦はウォールが居ないと楽しめない自分がいますが‥。

    1. キャブスが悪くて勝ったというほどではないですが、やっぱりレブロンを止められない状態は継続してましたね。

      ウォールがいないから勝ったというほどサトランスキーが違いを作れたわけでもないので、やっぱりシステム変更が良い方向に転がっている雰囲気です。

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