夢を見ているかのようなスコッティ・バーンズ

◎何がバーンズを変えたのか

①3Pに自信を持っている
②ハンドリングスキルが向上
③判断力が高いわけではない

試合を見たイメージはこんな感じ。まず自信なさげどころか、打つのを躊躇いまくっていた3Pが劇的に変化しました。ステップバックだけでなく3Pそのものに積極的なのは、オフのトレーニングで自信をつけたのでしょう。

正直、これが全てなのかもしれません。3Pを打つからドライブも楽になっている。劇的な改善はスモールサンプルゆえの好調さに過ぎないかもしれませんが、「好調」とは関係ないほどに迷いなく打ち切っています。

そしてシュートに行くまでの一連の動作がスムーズになっており、それはハンドリングスキルの向上によるものです。ドライブだけでなくボールプッシュにおいても動きがスムーズになっており、長い手を活用した左右に大きく振り回すドリブルが効果的です。このドリブルでのミスが多かったもんね。

そんなわけで一時的な好調さもあるでしょうが、それだけでは説明がつかないほどにスキルが向上しています。「オフのトレーニングが充実していた」で片付くといえば片付くスキルアップなので、相当に頑張ったのだと信じましょう。

一方でバーンズ最大の問題であった「ディフェンスをみてのプレーチョイスの判断」は特にこれといって改善したようには見えませんでした。アグレッシブに自分で打ち切るプレーはスキルアップによるものだとすれば、あくまでも自分のプレーをやり切るのみって感じです。

ここにチームとしての変化を加えてみると、前述のとおり両コーナーに選手を配置し、3人でスペースを攻略していることや、ノービッグの時間帯があることなど、バーンズのプレーそのものがシンプルになりました。シンプルっていうか、普通なんだけどね。

その一方で初めに気になったのは、試合序盤にバーンズがワイドに走っているシアカムへ出したパスで、これがあまりにも狙いすぎで、ディフェンスを振り切れていないのに出していました。それは判断力の低さということ以上に

ミスを恐れず、積極性を重視しているHC

昨シーズンまでのラプターズのオフェンスはリアクションオフェンスでしたが、今はもっと自分たちがやりたいことを積極的にやることが意識されています。それはターンオーバー数にも出ている。

〇チームのターンオーバー
昨シーズン 11.7(1位)
今シーズン 16.3(25位)

リーグ最少のターンオーバー数を誇ったラプターズは、ターンオーバーの多いチームへと生まれ変わりました。ちなみに7試合すべてで昨シーズンの平均である11.7を上回っています。

ターンオーバー増はマイナスだけど、ターンオーバーを気にするよりも積極的なプレーを志したことで結果につながるならばいいじゃないか。いや、もう、なんかアレだよね。

ニック・ナースの細かさから解放されたスコッティ・バーンズ

ここが最大の理由にさえ見えるよ。相手のターンオーバーからの得点も減りましたが、攻守の切り替えなど細かいハードワークの徹底からも解放されて、自分がボールプッシュして展開する自由も得たような感じで伸び伸びとやっています。

えぇ、その代わりにシアカムが困っているんですけどね。他にもトレントやブシェイ、ルーキーのディックは困っているように見えます。ルーキーの場合は単なる実力かもしれないけれど。

で、ニック・ナースはバーンズを起用してはいたけど、心のどこかでは嫌そうでもありました。だって判断能力が低いので、やりたいオフェンスにならないんだもん。シーズン後半になるとプレーの中心に置かなくなっていた。その一方でフロントはバーンズを第一に考えているので、ここに齟齬があって辞めたのかもしれません。

主力の活躍が目立つ一方で、わき役が困っているように見えるラプターズ
主力だけのチームから、わき役が活用されるようになった(らしい)シクサーズ

うーん、皮肉なのか、なんなのか。バーンズにとっては幸せなことだ。考えるな、感じるんだ。考えすぎただけなんだよ昨シーズンは。そんな感じ。

ってなわけで、注目すべきなのかどうなのかわからないのですが、少なくともシュートとハンドリングの改善はあるので、時間をおいてバーンズを観察してみましょう。一緒にシアカムもね。トレードされるかもしれないけどさ。

最後にアヌノビーについても触れておかないと。アヌノビーなのか、ウェンビーなのか。

夢を見ているかのようなスコッティ・バーンズ” への4件のフィードバック

  1. 面白い考察をありがとうございます。
    今季のスコバンは粗いけどイキイキしてるのがラメロ的な魅力を感じます。
    また、記事では言及されてませんが、アチウワも今季はイキイキしてるように見えます。
    彼らはナース流よりも今季のストロングスタイルバスケの方が楽しいんでしょうね

    1. 向き不向きはありますしね。
      驚くほどに生き生きしているバーンズは別人に見えました。

      ただ、この路線で行くならば周りを入れ替えないといけません。そこが難しい。

  2. 何の気なしにこの試合見ましたが意外と面白くて、ブログ掲載も非常にありがたいです!
    スコバン、ひでー判断も要所に見られましたが全体的に分かりやすいことをやるという意識があって今までと比べると好意的に見れました。(ステップバック3pは入るたびに笑いました)
    このバスケやるならシアカムは不要な気はしますね、いいトレード案かがあれば、戦術同様積極性が見たいですね〜。
    あとオットポーター久々に見てテンション上がりましたね、フロアバランス整えてくれていました。

    1. シアカムと並び立たせるの難しいというか、シアカムのサラリーが無駄遣いに見えますね。
      契約が今シーズンまでなので、この内容が続くと本人から出て行ってしまいそうです。その前に改善するのか、トレードするのか。
      アヌノビーは問題ないので、シアカムの方が熱くなりそう。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA