マジックvsマブス

2023/11/7

ディフェンスの良いマジックとオフェンスが良いマブス。対照的な特徴なんですが、試合が始まるとマジで対照的というか、よくわからんというか。なんともいえないんだけど、共通点としてマジックはアンソニー・ブラック、マブスはライブリーというルーキーが混ざっており、この2人がルーキーっぽさのない戦術理解力系統なんだよね。共通しているのか、対照的なのか。

◎省エネ

マブスのオフェンスはドンチッチ7、カイリー3くらいのバランスでプレーメイクを担当し、そこにスクリナーのライブリーと交代で入ってくるパウエルが絡んでいる。なお、センター2人とも早々にファールトラブルになっていた。

ウイングにはグラント・ウィリアムスとデリック・ジョーンズ。いかにもプレーメイクには関われないタイプなわけで、それぞれスペーシングからの3Pや合わせ担当になるわけです。

で、良い意味で淡白なドンチッチ。ドライブでペイントに侵入する前にパスアウトしてグラントに3Pを打たせていきました。はい。これが狙いというか変化なんでしょうね。これまでになくアッサリとしたパスアウトを繰り返します。これはカイリーも同じなので、ゴニョゴニョするの禁止っていうオフェンスです。

実際、昨シーズンよりもキャッチ&3Pが増えていて、プルアップ3Pが減っています。そしてリーグトップの3Pアテンプトです。サッパリとわかりやすくなっているマブスのオフェンス。

まぁドンチッチがハンドラーだから出来るウル技でもある。シンプルなのに単調にならないようにすることが出来る・・・微妙な言い方なのはドンチッチ自身が「これでいいや」とばかりに同じことを繰り返すことがあるから。いろんなことを出来るのに、ステップバック3P繰り返すときあるもんな。

そんなオフェンスに対してディフェンスの方は「マジでこれで守っているの?」というくらいにプレッシャーが小さい。ほぼゾーンのマンツーみたいな形も採用し、小さく守っています。あまりチェイスはせず、なんとなくスイッチを繰り返していくような。

なんていうか攻守に省エネ。ディフェンスにパワーを使わず、オフェンスの正確性を保つって意味ではポジティブ。言ってしまえば全員がドンチッチみたいな守り方している。

ん---でも、よく考えたらキッドが昨シーズンに失ったものを取り戻しに行ってる気もします。

キッドのディフェンスは難しいというか要求事項が多い。全部を守ろうとして崩壊していたのがバックス時代。ボーゲルの下で現実的な対応を学んだ感じでマブスに来ました。そこで守れるエリアが狭いポルジンギスを嫌がって、スモール対応でカンファレンスファイナルまでいったわけですが、この時は3Pまで追いかけつつ、ペイントにドライブ侵入するラインを全員で塞ぐカバーリングも徹底していました。

で、そのカバーリングが崩壊した昨シーズン。カバーリングよりもリムプロテクトを求めて大失敗した補強でもあったよ。そして迎えた今シーズンはリムプロテクトよりも平面を守れてカバーリングできる人材を補強した感じです。わかりやすく元に戻ることを選んだ。気が付いたらポルジンギスとグラントをトレードしたようなもんだし。サイブルは取れなかったけどさ。

失われたディフェンスブロックの再構築を優先している

省エネっていうか、シンプルっていうか、優先順位なのかもね。カバーリングさえ徹底できれば、デリック・ジョーンズもグラントもジョシュ・グリーンもパウエル、なんだったらドンチッチもパスが出る先を読む個人の戦術力(か身体能力)でクローズアウトしそうだもんね。

で、そのディフェンスが全くもって上手くいかなかった前半。省エネして失敗。プレッシャーが緩いんだもん。ユルユル

〇前半のマジック
66点
2P19/33
3P7/11
20アシスト

確率良く決まった以上にアシストが多かった。ハーフで20アシストって。

小さく絞って守る感じなのでパスを出させないようなプレッシャーはなく、3Pも高確率で決まったマジック。そこからインサイドへの合わせのパスも繋がっていきました。ただし、ディフェンスの内容を考えると3Pアテンプトが少ない。これはマジックオフェンスの問題でした。パスが下手くそ。

なんだか矛盾しているようなマジックオフェンスとマブスディフェンスの関係性。それは後半への前振りにもなるんだけど、いずれにしてもマブスのディフェンスは未完成も甚だしかった。それはきっと昨シーズンの反省であり、省エネはドンチッチ向き。

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