新ロケッツは何が起こるのだろうか①

◎攻守のバランス

〇ブルックスのＤＩＦＦ
３Ｐ△１．８
２Ｐ△３．５

〇バンブリートのＤＩＦＦ
３Ｐ１．９
２Ｐ１．５

しつこいディフェンスが持ち味のブルックスですが、３Ｐ成功率を下げることに関しては大した能力ではありません。グリズリーズ全体が良い数字を残す中で多少のプラスってくらい。しかし、大事なのは「打たせないこと」であり、ＤＩＦＦの数字以上に相手エースに仕事をさせないのが強みです。被アテンプトが少ない。

一方でサイズがないバンブリートは３Ｐディフェンスに問題があります。こちらはかなり打たれまくるよ。そのかわりバンブリートにはスティール能力があり、細かいハンドチェックはマンマークでもヘルプディフェンスでもチームの助けになります。

〇スティール
バンブリート　１．９
ブルックス　　０．９

〇ディフレクション
バンブリート　３．８
ブルックス　　２．１

バンブリートは細かく手を出す達人です。サイズを考えれば脅威なのですが、ドリブルにもパスにも次々に手が出てくるので、見た目のディフェンス力以上に厄介な存在なはず。ブルックスはディフェンダーとしてはスティールもディフレクションも優れてはいません。普通よりは良い程度。

エースキラーとしてへばりつくブルックスと、細かく手を出してくるバンブリート。対照的なディフェンスタイプですが、アウトサイドへのプレッシャーがゼロに等しかったロケッツにおいては大きな補強になります。

・・・というのは、ウドカっぽいし、非常にわかりやすいんだけどさ・・・

グリーン＆ＫＰＪ体制は捨てるのか？

ほぼ２人にやらせてきたのに、どんなプレータイム配分にするんですかね。まだブルックスはＳＦ起用ってのがありますが、そうなるとイーソンは押し出されるから、そこまでメリットは出ないしさ。そういやテイトは消えていくのかな。

ディフェンスは明確な補強になる反面で、オフェンス面の主役のプレータイムを減らす意味はありません。グリーン中心のチームを作っていると思われていた中で、今回の補強はオフェンス面での不安が大きくなります。

〇ＥＦＧ
バンブリート　４８．６％
ブルックス　　４６．８％

ＫＰＪ　　５２．２％
グリーン　４８．５％

唯一まともな成功率をしているのがＫＰＪで、他は３人とも酷い。ブルックスの乱打はグリズリーズファンの悩みでしたが、バンブリートの無理くりな個人技アタックも相当なもんです。３Ｐが連続して決まることで誤魔化されるけど、どうにもね。

グリーンもシュート能力はあってもドライブ判断の悪さとフィニッシュパターンの少なさで２Ｐの成功率が極めて悪く、ミドルを選択しがちなＫＰＪの方が確率が良くなっています。

バンブリートが決定機をいっぱい作ってくれるパサーなら良いのですが、アシスト数の大さとプレーメイク力が比例しないＰＧで、インサイド合わせのパスは良いですが、キックアウトでオープンを作る感じではありません。もっとも、それは別にグリーンの相棒に求めるプレーじゃないけどね。

得点効率の悪い選手ばかりが集まっているガード陣

ディフェンスだけ見れば劇的に改善しそうですが、そのためにグリーンのプレータイムを削っては意味がない。そしてオフェンスを見ると成功率が悪い選手ばかりで、なおかつ連動を生むタイプでもありません。どうするんだろ。

とはいえ、こちらも従来のバックアップメンバーが酷かったので、悪化することはありません。エリック・ゴードンにＳＦさせるならブルックスにやらせたほうがマシだもん。コーナー待機してくれるし。

ロケッツは６－４（１９３センチ）以下の選手が５人しかおらず、バンブリート、ＫＰＪ、グリーンが含まれます。ＫＰＪって意外と小さいんだな。その意味では３人＋アーメンでガードを回すのかな。ある程度はプレータイムシェアできるだろう・・・か・・・。

〇３Ｐ
成功率　　　３２．７％（３０位）
アテンプト　３１．９本（２２位）

ディフェンス面での３Ｐは劇的に改善しそうですが、オフェンス面での３Ｐは成功率の悪い選手もしくは乱れ打ち系統が増えたので改善しない・・・というには昨シーズンの数字が悪すぎるな・・・ちょっとだけ改善するでしょう。

アテンプトも少なかったですが、こちらは増えそうです。少なくともバンブリートのプルアップ分だけは増えると思う。ポジティブにはみえない補強ですが、こうして考えると確実に効果は出るだろうね。

じゃあプレーメイクはどうだろうか。唯一、チームオフェンスを促すのがシェングンでしたが、個人のにおいが強いウドカでは苦労しそう・・・と思ったら、バックアップにランデールを連れてきたのでシェングン路線を継続しそうです。