新ロケッツは何が起こるのだろうか①

戦術がなく、選手起用の基準もわからないサイラスの期間が終わったロケッツは、新HCにウドカを迎え入れると急に補強し始めました。文字通り「金にものを言わせて」の補強ですが、これがなかなか難しい。

バンブリート 3年130M
ブルックス  4年90M
ジェフ・グリーン 2年19M
ランドール  4年32M

他のチームでは絶対に払わないような高額契約の雨あられ。ただし、無保証だったりチームオプションだったりとリスクマネジメントはしています。活躍すれば良し、しなければ契約終了。

多くの若手を抱えるチームが勝利を目指すために、さらなる成長を促すためにベテランを補強したといえば聞こえはいいですが、ランドール以外は「周囲のプレーを改善させる」ようなタイプではありません。改善っていうか『連動』だろうな。

それでもブルックスの気合と根性のへばりつきディフェンスはチームのマインドを変えるには必要かもしれません。『勝利』のために必要なダーティーワークをチームにもたらしてくれることを期待しているのかな。まぁイーソンいるんだし、ポジション的にもブルックスに高いサラリー払う意味はないのですが。

セルツでの1年しか参考例はないものの、ウドカがやっていたことも含めて、ロケッツがどうなっていくのか妄想してみましょう。

◎1on1ファイト

ウドカのセルツはディフェンスをベースとしたチームでしたが、基本は1on1の対応にありました。PGスマートに両ウイングがテイタム&ブラウンなのでサイズ的な優位性もあれば、スイッチ対応も可能で、マンマークの強さを徹底してきました。ただし、そこにスマート、ホーフォード、ロバートとヘルプしてくれる個人能力もあり、必ずしも1on1だけで守っていたわけではありません。

ネガティブな意味ではなく、ベースとなるマンマークの部分にパワーを注ぐことを求めたようなウドカのディフェンスは、強そうに見えないのに勝ち続けたセルツの象徴でした。素晴らしいバスケを求めるよりも、ベースの部分でファイトすることが勝利をもたらすって感じ。

〇ロケッツのディフェンスレーティング 118.6(29位)

まずロケッツが取り組むのはディフェンスの改善でしょう。そのためのブルックスだし、そのためのジェフ・グリーンにみえます。あまりにも酷かったディフェンスですが、その要因は「個人のマッチアップ」に課題がありまくったことは間違いありません。

〇ディフェンスリバウンド率 72.9%(9位)

実はリバウンドはそこそことれています。ただ単にシュートを打たれまくるから取れている面もあり、リバウンドになる前が大事です。

〇被FG 48.2%(21位)
〇被3P 37.4%(27位)

3Pディフェンスが酷かったのに対して、被FGは抑えられていますが、それはただ単に3Pを打たれまくったからFG合計では21位になっただけです。アテンプト数の差を見てみましょう。

〇被アテンプト
2P 49.3本
3P 38.8本(30位)
FT 24.2本(21位)

リーグでダントツに3Pを打たれており、成功数では2番目に多かったブルズと1.3本もの差がありました。とにもかくにも3Pを打たれまくるし、決められまくる。そりゃあリバウンドは増えるよね。

リラードが70点ゲームをしたときに「ロケッツ相手に70点取ったのは、(接戦が続いたってことなので)むしろ恥ずかしいこと」とすら言いましたが、リラードは22本の3Pを放ち13本を決めました。そこまで点とられているのに22本も打たれるなよ。他にもクレイ・トンプソンなど、ロケッツが相手だと3P連打しているだけのオフェンスは起こりがちであり、効果的です。

また、被フリースローも悪く「3Pかフリースローか」というオフェンス戦術のセオリーを、そのまんまやられているディフェンス戦術になっています。そりゃ勝てるわけないぜ。このあたりもサイラスの戦術のなさを示しています。ちなみにブルズは3Pを打たれまくっているけど成功率は抑えています。そういう狙いもあるさ。

〇スティール 7.3(13位)

スティールはそれなりですが、アウトサイドを守っていないのにスティールが多いっていうのは誉めていいのかなんなのか。チームハイのKPJが良いディフェンダーにみえるほどで、他にはイーソンとシェングンが稼いでいます。イーソンはともかく、ノープレッシャーなディフェンスをしているわりにはカットが多いよね。

そんなわけで新生ロケッツではディフェンスが劇的に改善するでしょう。それはただ単に「これまでが悪すぎる」からですが、バンブリートとブルックスの加入はわかりやすくアウトサイドの改善になります。

新ロケッツは何が起こるのだろうか①” への2件のフィードバック

  1. 負けが込んだことより何が成長したのか思い浮かばないHOUに成長を促しそうに無いバンブリとブルックスが入って更に未来絵図がわからなくなりました。トンプソンが意外とバランサー系になれそうなのが希望ですかね…。せめてKPJかグリーン、もしくはどっちも放出した方が整理されそうにも見えます

    1. HC交代したので、さすがに成長は促すと思いますが、そこにベテランは不要なんですよね。
      とはいえ、酷すぎる現状をカバーするという意味では、そこまで悪い補強ではない。ってことを書いてみました

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