ギディとジェイレン①

◎戦術便利屋

ルーキーシーズンで最も素晴らしかったのはリバウンドでした。スモール戦術のサンダーにおいて泣き所であるリバウンド面をガードのギディが大いに助けてくれるのはラインナップを楽にしてくれます。スターターにはジェイリンがセンターとして加わるようになりましたが、ポクやケンリッチの離脱もあって、全体的に苦しいことには変わりなく、チームハイはギディでした。

〇リバウンド　７．８　⇒　７．９

全員でリバウンドを抑えに行くサンダーですが、中心にいるのはギディであり、インサイド担当もギディでした。ウイングがさらに減ってガードばかりになった中で、マッチアップする相手がＰＦタイプが増えてきたギディでしたが、数字を減らすことなく、しっかりとキープしてくれます。これでワンパス速攻が上手ければいうことないんだけど。

２年目のシーズンで最も多くマッチアップした相手は、なんとオリニク。次いでマクダニエルズ弟、ケニオン・マーティン、ハーブ・ジョーンズと並びます。ガード相手に守ることの方が珍しいし、スピード突破に対して強みはないので、ギディの特性を生かした相手ともいえます。

必然的にフィジカルな対応が増えますが、オフェンス同様にフィジカルなディフェンス対応が向上しており、キラーディフェンダーではないけど、マルチなディフェンダーとして戦術便利屋のイメージが強くなりました。一方でマッチアップ相手がコーナー３Ｐ担当のことも多く、この３Ｐに間に合わないっていう問題もあります。

〇オン／オフコート　
ＤＲ率
オンコート　７０．２％
オフコート　６７．５％

Ｄレーティング
オンコート　１１４．０
オフコート　１０８．８

ギディがいればリバウンド確保率は大きく上昇しますが、一方でギディがいると守れません。なかなか珍しいタイプのガードといえます。

求められるのはオンボールではなく、オフボールのディフェンス力であり、ヘルプ・カバー・パスカット・リバウンドといった要素。どう考えてもギディの仕事じゃないのですが、かといってオンボールで強く守れるわけでもないし、この能力を改善させることは３年目に向けて重要です。

総じてオフェンスでもディフェンスでも「得意な要素を伸ばす」でもなければ「弱点を改善する」というよりは「弱点を強みにしていく」ようなことが求められています。そんな中で成長した２年目だったので

選手として目立つ要素は減ったのに、驚くほど改善した

そんな不思議な成長でもありました。変わっているよね。

オーストラリア出身ですが、身体能力的な強みではなく、スキルで圧倒していくようなスタイルのため、ＮＢＡにフィットするのは時間がかかると思われました。シュート能力もないしさ。

ところが２年目に見せたのは多少の強引さを含めたフィジカルな対応であり、パサーでありながらドライブからのフィニッシュを改善させ、便利屋な一面でもありました。それはサンダーがチームとして成功した大きな要因でもありました。

「成長できるかどうか」はＮＢＡで成功するのに大切な要素ですが、しっかりと成長の跡をみせた２年目でした。