自分を見つけたNAW

SGAがオールNBAチームに選ばれた今シーズン。従妹のNAWも見違えるほどの成長を見せました。「見違える」どころか「見間違える」レベルの変化ですが、実際にはスタッツを落としており、目に見える数字以上の印象度ということで、それだけ自信をもってプレーしていました。

シーズン中のトレードで何故かジャズが放出すると、狙って獲得したと思いきや何故か起用しないウルブズという謎&謎もありましたが、最終的にはウルブズにとって重要な戦力になってきました。見方によってはアンソニー・エドワーズ中心のチームとしては、ボールを長く持つ完全なPGタイプよりもNAWくらいが丁度よい気がする。っていう点も含めて振り返ってみましょう。

◎ダメなところ

大学2年生のシーズンに16.2得点、4.1リバウンド、4.0アシストの活躍でドラフトエントリーしましたが、どうやら得点力を中心としたプレースタイルの様子。3PとFTの成功率も良く、FG47%のガードでした。

ザイオンが1位指名された2019ドラフトで、8位ジャクソン・ヘイズに続き、17位で指名されましたが、チームにはロンゾとホリデーがいて出番は限られていました。47試合で12.6分のプレータイムは選手として評価するのは難しいです。しかし、2年目になるとホリデーとブレッドソーがトレードされ、プレータイムが増えました。

○2年目のNAW
46試合
21.9分
11.0点
FG42%
3P35%
2.2アシスト
1.5ターンオーバー

ベンチスタートで2年目の選手が11点は立派。もともとディフェンス力が売りだったわけで、そこでしっかりと点も取れるのだからステップアップしたシーズンでした。ただPGではあるけれど点は取れてもアシストが少なく、それ以上にターンオーバーの多さが目立ちました。

視野が狭く凡ミスが多い

NAW1つめの課題はここでした。堅実っぽいプレースタイルなのですが、コート全体を見回すような視野はなく、自分のマークマン以外のディフェンダーを把握していなかったり、チームメイトを見ようとしている間にスティールされる印象もありました。

特にマズかったのは「ボールの持ち方」で、PGとして組み立てようとするときには、ボールとディフェンスの間に自分の身体をいれてボールを守りに行くのですが、これが視野を狭くして展開力に欠け、単純なパスなのにビックリするような方向に出してしまうこともありました。

ギャンブルプレーが多いからミスをするのではなく、堅実な選択をしているようでミスになってしまうので、なんかすごく印象に残るんだよね。

ロンゾが移籍した3年目は主力として期待もされましたが、グラハムらが補強されたことに加え、デッドラインではCJマカラムがやってくることになり、NAWはトレードに出されることに。それはスターターPGとして計算するのが難しいとペリカンズに判断されたということでもあります。

○3年目 ペリカンズ
26.3分
12.8点
FG38%
3P31%
2.8アシスト
1.7ターンオーバー

振り返ってみると「それなり」なんだけどね。得点力はキープしたものの、FG成功率が低く、3Pを信用できませんでした。相変わらず少ないアシストに対してはターンオーバーがあります。つまりオフェンス能力を考えると

得点力はあるが3Pが決まらない
アシスト能力は低い

ということで、スコアラーとしてもパサーとしても微妙すぎました。ダイナミズムに欠ける選手ってことです。また、このシーズンはペリカンズで平均6.1本の3Pアテンプトがあり、3Pを打つ必要があるオフェンス戦術に適性がなかったともいえます。ペリカンズあるある。

こうしてジャズにやってきたNAWは、ディフェンシブガードがいなかったチーム事情による補強かと思いましたが、単なる人数合わせだったようで15試合で9.9分と主力としてカウントされなくなりました。キャリア3年目にして一気に厳しい立場へと追い込まれたわけです。

○4年目 ジャズ
14.7分
6.3点
FG49%
3P40%
2.1アシスト
1.3ターンオーバー

そして始まったジャズでの2年目のシーズンは、ドノバン・ミッチェルとゴベアがいなくなって再建に舵を切ったので、多くのチャンスが与えられるかと思いましたが、フタをあけてみればペリカンズ時代から数字を落としています。ってことで、この記事の趣旨に反して見た目としては改善していません

しかし、12月にコンリーが離脱するとプレータイムを与えられ、見違えるようなスタッツを残しました。NAWの1年間は12月の好調に支えられたといってもよいくらいだ。

PGとしては視野が狭くてアシストが少ない。よくわからないターンオーバーもする。
かといってスコアラーとしては3P能力が低い。そんなNAWが「自分を見つけた」と言いたくなるほどに自信をもってプレーするようになったのは、なにがキーだったのでしょうか。

自分を見つけたNAW” への3件のフィードバック

  1. ホントに。

    スマートみたいに腰回りがっしりなアントマン
    反対にアジリティ・レングスのマクダニエルズ
    さらにはバンダービルドもまだいてくれたら、ダウンズを隠してスモールできたかなと思います。

    今の方向に振ってしまい残念です。

  2. 大学とサマーリーグの成績&SGAの存在からか、ずっと周りのイメージはハンドラー&3Pだったんですよね。
    それがこうも真逆とは。
    今後順調に伸ばしていけるかはわからないですが、守備が選手寿命を伸ばしそうなだけにNOPファンとしては惜しい存在です。

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