ギディとジェイレン①

プレーインまで進んだサンダー。一時期はオフェンス力が猛威を振るったけど、見事に失速。勝とうと思ったら選手層が薄いことを露呈してしまい、スターターのプレータイムが長くなっていきました。

その「長くなった」選手に含まれるのが2年目のジョシュ・ギディとルーキーのジェイレン・ウィリアムス。オールNBAファーストチームになったSGAとエリートディフェンダーとして定着したルーゲンツ・ドルトのコンビは4年目を迎えて安定してきたからわかるけど、ここに若い2人が中心選手になったこと、、、というか「安定感のある」選手として台頭しているからこそ、40勝42敗と5割まであと一歩まで詰め寄ってきました。

今回はギディについて書こうと思っているのですが、サンダーの戦術的に考えるとジェイレンも並べた方がよさそうなので、順番に触れていきましょう。

◎パスマスター

ルーキーシーズンに6.4アシストを記録したギディ。最近だとギディ以上のアシスト数を記録したルーキーはモラント、ヤング、ベン・シモンズとビッグネームが並びます。ドンチッチも達成していないぞ。そしてもう1人がロンゾ・ボールなのですが「パサー」という括りになるのもロンゾだけです。みんなエースキャラ・・・あっシモンズが・・・。

ロンゾはわかりやすいトランジション系の選手で、広い視野をもち、チームメイトの動きに的確にパスを合わせます。このタイプにはケビン・ラブなんかもいますが、イージーチャンスに繋がるので、わかりやすくアシストを稼げます。

ギディもそんなタイプ・・・かと思いきや「トランジションが下手」という変わった特徴があります。ハーフコートではちゃんと視野が広いのに、選手全員が動いているトランジションにおいては
・チームメイトの動きに合わせるパス
・広いはずのスペースを見つける視野

こんな能力が足りず、判断が遅くてパスチャンスを逃してしまいます。これだけアシストを稼げる選手なのに、絶対的なアシストチャンスを見逃してしまうのだから違和感ありあり。

NBAでデビューした当初のギディは「アシストを消された集」が作られるほど、チームメイトにチャンスを作ってはシュートミスされていましたが、いいかえればギディはワイドオープンショットを作るのが上手い選手ってことでもあります。つまり

チームメイトにマークマンがついていない状態

これを作っているわけです。初めてギディを見たのはオリンピック前の強化試合でしたが、ヘルプディフェンダーを引き出してはパスを通してしました。そう、アシスト役としてのギディの長所は

ディフェンダーを動かし、タイミングを外し、フリーの選手へパスを出す

そんな部分にありました。ビッグガードのため、パスを出すポイントが高いこともあり、パスなのかシュートなのかわかりにくいし、自分に寄ってくるディフェンダーをよくみえています。でも強烈に突破するタイプじゃないので、なんだかポイントセンターみたいなんだよね。

ダイナミックに切り崩しているわけじゃなく、トリッキーに崩しているというわけでもなく、かといってコンビプレーでもオフボールの仕掛けでもないけど、アシストを稼げるギディのパスセンスは素晴らしく、そのセンスはコートにいる10人の配置を把握できていることと、フルスピードのプレーではないことから生み出されています。上手いよね。

ところでアシスト集を探していたら「NBAで最もバウンズパスが上手い」という動画がありました。確かにギディって目まぐるしいスピード突破からのパスではないので、ディフェンダーの近くを通っていくことが多い。デカい選手が反応できない足元にバウンズさせて、後ろにいるチームメイトに届けるイメージもあるわ。スローな展開でもパスを通せる。

でも、ここまでパスを通されていくと『ギディ』対策もわかりやすくなります。つまり、「パスはさせずに、シュートを打たせろ」という追い込み方。ヘルプよりもマンマークで何とかしろ。3Pだって決まらないからできるだろ。

早々にアシスト力を示したギディは、わかりやすく『得点力』を狙われるようになっていきます。もともとシュートに難がある選手なのだから、ポテンシャルは発揮しても、完成度が高まるのは数年先。つまり、サンダーが勝てるようになるのも数年先にみえていたのがルーキーシーズンでした。

このわかりやすい条件から2年目が始まり、そして40勝するチームまで成長しました。そこには確実にギディの成長もあったはずだ。

ギディとジェイレン①” への4件のフィードバック

  1. SGAはスペシャルな選手なのは一目見れば分かりますが、ギディーも同じくらいチームとして成立させる選手だと言えると思います。本当はケンリッチの怪我がなければもう少し休ませられたのかとも思います。
    SGAとギディー同居できるのか問題に早期に答えを出し始めてることはとても嬉しい事です。ホルムグレンの怪我は本来チームの前進を1年遅らす可能性もありましたが、各個人の成長がチームを前進させましたね。今年はホルムグレンが何をもたらすでしょうか。まずは試合に出る事ですが、、

    1. 本当に可能性が広がりましたよね
      シーズン前半はギディが苦しすぎてダメだと思いましたが、普通に得点源になれたのは素晴らしい
      想像を超える成長でしたが、チャンスを活かせたってのもギディの価値を上げました

  2. ホルムグレンには一本立ちをして欲しいですが、それ以上に一本立ちを期待したいギディです。まだまだ弱点も多いですが、それを上手く消しつつルーキーシーズンに感じられた「特別感」の匂いをもっと強めるシーズンにして欲しいですね。このチームにおけるジェイレンの立ち位置の話も伺ってみたいですが、それはまた次回だと思うので楽しみです。
    少し話が変わってしまうのですが質問です。OKCは今ロスターに21人と限界まで人員を抱えているのですが、その中にガルバがいます。OKCファンとしてドラフト時にはマンの順位でカイジョーンズかガルバ(本当はシェングン)を期待していた私としては彼の加入はとても嬉しいのですが、彼がOKCでキャリアを再興できる可能性はあると思いますか?

    1. ガルバは十分に可能性があると思っていますが、ライバルが直接的なビッグマンじゃなくて、まさにギディやジェイレンで成立するかどうかという点なのが苦しいです。
      個人レベルではジェイリンとタイプの違うディフェンダーとして重宝すると思いますが、21人のロスターから削ることを考えると、ガードサイドを厚くするのかどうかです。

      高速ヘルプのリムプロテクターで、ガード相手でも守れるのはサンダー向き。でも、ビッグマンを守れるガードやウイングがいるなら、ガルバじゃなくていいので・・・。

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