NBAドラフト’23

ロッタリーの時点で1位は確定していたものの、以降は「想定外のことが起こる」という予想通りのドラフトでした。フレッシュマンの素材が多くいるドラフトは、言い換えれば危うい素材だらけであり、危うさを避けるチームも明確にいたぞ。各チームのドラフトを振り返っていきましょう。

◎スパーズ

ビクター・ウェンバンヤマ
シディ・シソコ

1位について語っていたら終わらないので割愛。問題は33位指名権もあったのにPGを取りに行かなかったこと。スパーズが好きそうなPGだっていたのに、わざわざ指名権をウルブズに売っています。ガードが好き過ぎるくせに、ここにきてガードを指名しないっていうね。プリモの復帰でも考えているのだろうか。

ってことで「1位指名権が当たっただけ」にすぎないスパーズです。運だけじゃん。

◎ホーネッツ

ブランドン・ミラー
ニック・スミスJr.
ジェームズ・ナジ 
アマリ・ベイリー

スクートを取りに行かず、ラメロとの相性も考えてミラーにいったホーネッツ。マイルズ・ブリッジスのプライベート問題に踊らされた1年間を経て、プライベートに問題が発生しているミラーを取りに行くという勇気。

シュート能力が高く、ストレッチやオフボールからのプレーメイキングもできるので、PGラメロとの相性を考えたら欲しくなるのはわかる。なので、ミラーについてはプレーだけを考えれば十分に理解できるぜ。それはいいんだ。

ところがカイ・ジョーンズ、マーク・ウィリアムス、ニック・リチャーズ、JTソーがいながら、指名権トレードまでしてナジにいくという謎ムーブをかましました。同じようなセンターを並べて何がしたいんだろか。加えてニック・スミスとベイリーというPGを取りに行ったぞ。コンボガードタイプなので、ラメロと並べてもOKではありますが、スクートは避けたのに、似たようなPGとセンターばかりというドラフトじゃ。

◎ブレイザーズ

スクート・ヘンダーソン
クリス・マレー
ライヤン・ルペア

トレードの噂で中心にいたブレイザーズですが、スクートを見たリラードが気に入ったという話もあり、結局何も動きませんでした。スクートが3位になった時点で引手あまたでしょうが、果たしてこれから動くのかどうか。

さて、リラード事情を無視すると今回のドラフト最大の勝ち組にも見えるブレイザーズ。今回っていうか、去年と今年でスクート&シャープという魅力的な中心選手を手に入れました。もうこれって完璧じゃん。リドラフトしたら去年の1位にはシャープを選びたいくらいなので、これ以上ないって。

そしてシューター系の中でウイングという点だけ希少価値のあるクリス・マレーをゲット。主役が固まっている中で、脇役にウイングシューターは大事だよね。2巡目は予想通りに落ちてきたディフェンダーなので、これまた「当たったらいいね」くらいでありながら、脇役としては欲しいタイプです。

うん、やっぱ、これは大勝利に見えるぜ。あとはリラード先輩のお気持ちだけだよ。

◎ロケット

アメン・トンプソン
キャム・ウィットモア

4位アーメンの次に指名されると予想されていたウィットモアは、予想と違ってロケッツが次に指名する選手になりました。トップ5予想が20位ってやばいぜ。どんだけ練習態度が悪かったんだろうか。

「ヨキッチ最大の武器はインテリジェンス」と書きまくっている当ブログにおいて、批判しかされないのがロケッツですが、今年のドラフトも身体能力に全振りしてきました。HCウドカも個人能力マックスなタイプなので、これはこれで成立していると思いますが、チームの弱点は何も補強されずに終わったドラフトです。そこにハーデンが埋まるからOKなのかな。

トップ5予想の2人なのでポテンシャルは折り紙付き。誰も批判しないレベルのポテンシャルを誇っています。と同時に誰もが批判するほどの完成度でもあります。ルーキーとしては何も悪くないし、アーメンは新人王だって狙えるくらいのチーム事情でもあるのですが、シェングン以外は個人プレーを助ける動きはしてくれません。

インテリジェンスが制した23年プレーオフ。そこに立ち向かうポテンシャルマックスのロケッツ。これは成立するのだろうか。そして来シーズンもインテリジェンスはニックスに期待するのだろうか。

◎ピストンズ

アサー・トンプソン
マーカス・サッサー

ウィットモアを避けたピストンズはアーサーを指名し、双子が4位5位という最強ツインズになったドラフトでした。ピストンズは欲しいポジションが見えにくい中で、ディフェンスの評価が高く、ポジションは後から決めてもよさそうな選手にいったってことです。こちらはインテリジェンス担当のカニングハムがコントロールするので、アーメンよりも貢献度が高そう。

一方で指名権トレードしてまで25位で指名する必要があったのか謎過ぎるサッサーを獲得。これでキリアン・ヘイズはお役御免なのだろうか。少なくとも大きな契約は提示しないだろうな。シュート力のあるビッグが何人かいた中で、ガードタイプを追加したピストンズ。チームつくりが進化したのかどうかは知らんが、モンティだしな。

◎マジック

アンソニー・ブラック
ジェット・ハワード

ピストンズよりも遥かに欲しいポジションが不明だったマジックは、便利屋ブラックに行きました。これは👍ムーブであり、フランツとのコンビでもPGとのコンビでもいけそうなディフェンス担当です。ただ、マンマークよりもチームディフェンスだと思うのですが、マジック自体はそれをやっていないというのは悩みどころ。

そして11位でハワードをサプライズ指名。11位なんて予想はなかった気がするけど、シューター系の中では最もインテリジェンスがありそうで、なおかつフレッシュマンなので面白いです。フランツ・ブラックと実はそういうタイプが好きなフロントと、そういう匂いを一切感じさせないモズリーっていうね。

NBAドラフト’23” への10件のフィードバック

  1. キャブスが指名したベイツは、高校時代はレブロン以来の逸材と言われていた選手ですね(なんか毎年そう言われる選手が出てきている気がしますが)。
    メンフィス大でうまくいかずイースタンミシガン大に転校、スコアリング能力は高いですが効率的でなく、ウイングスパンの短さからもNBAのレベルで活躍するのは厳しいということで、評価を落としていきました。
    かつてはトッププロスペクトだったので、後から振り返ると「お買い得だった!」ということになる可能性も無きにしも非ず…?といった感じです

    1. レブロン以来はいっぱいいますね。
      最終的にウイングスパンは大きく絡みますね。高さと同じくらいの大事。

      2巡目はこういう素材を発掘する場にもなってきました。今回の中で何人が手を挙げられるのか、個人よりも全体の中で気になるところです

  2. プールなんて一巡目5枚貰えてもいらない
    何より長い
    サイモンズと一緒で契約に価値が見合ってない

  3.  本題からまたそれてすみません。ご存知の通り、昨日より男子U19の世界大会が開幕しました。後日、大会総括コメントをいただければ幸いです。プレマッチと初戦のブラジル戦を視聴しましたが、マルチネス ジャパンは前途多難模様です。

    https://www.sportingnews.com/jp/basketball/news/fiba-u19-world-cup-2023-japan-schedule-players-tv-ott/dvxhakujjncka7yeua2owx7o

  4. ユタはFA何それ、ドラフト全振りのチームと思いますが、ここ近年のドラフトの成功と失敗を総括したような選択でした。エクサム、バークと上位で指名したPGが外れた反省と、中位~下位で指名したミッチェル、ゴベアの2匹目のどじょうを狙いにいったのかなと。
    勝ちに行くときはルビオ、コンリーみたいな司令塔が市場に出ていることを願いつつ、考えるのをやめてPGだけに補強ポイントも絞りにいったんですかね。
    指名権に絡めてセクストンさばけなかったのが残念でした。

    1. セクストンとホートンタッカーを捌いてるなら理解できるんですけどね。ちょっと荒い選手が増えちゃったなー

    1. 批判されないようにするなら、ソフトな書き方しますからね。
      まぁ他のチームからすれば、若い才能を取りに行かないほど、順風満帆にはみえませんぜ。ウェンビーチャレンジに成功しただけ。

      コルビー・ジョーンズを指名すべきだったと思ってやす。
      レオナルド・ミラーでも良かった。ウェンビーともソーハンとも組ませやすそう

  5. ブルックリンはレヴァートを20位、ジャレット・アレン22位、キャム・トーマス  を27位で引いてるから、今年のノア・クラウニーとダリーク・ホワイトヘッドテ、特にホワイトヘッドにはちょっと期待しています。
    しかし再建でもなく勝ちに行けるロスターでもない現在。
    正PGを誰にするのか移籍も含めて楽しみです。
    あちこちで聞こえてくる「LALのD-loは期待外れだった」の声が悲しいです。
    LALでのPGって、誰がやっても難しくないですか?
    というわけで彼には再びブルックリンに来てほしいです。

    1. HCもスーパースターにはよかったけど、という非常に悩ましいですな。ディベロップメントも不明なんですよね。どこに力点を置くかって難しい

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