プレーオフ①ホークスvsヒート

ゲーム3

ライブ配信した試合です。ということで雑感スタイルです。なお、この試合が終わった後に、そのままサンズvsペリカンズを見ましたので、そっちも全部は見ていないから雑感になります。2つの試合が対照的な展開だったのも面白かったです。

◎修正

ゲーム1、ゲーム2ともにヒートが勝っていますが、カペラが不在でコリンズがケガ明けのムリヤリ出場だったこともあり、明確にヤングを潰しに行くハイプレッシャーで成功しました。

〇ホークスのターンオーバー
ゲーム1 18(6)
ゲーム2 19(10)

()はヤングのターンオーバーです。ゲーム1で止めに来られ、ゲーム2でリベンジ狙って失敗したような構図です。徹底してヤングを潰しに行くヒートの戦略は当たっていました。ヤングがプレッシャーを抜けてしまえばOKではありますが、そこに失敗したゲーム2なので、修正が必要になったゲーム3です。

ゲーム3 11(3)

その修正は見事に成功しました。ただし、これが勝因ではなく「敗因を修正した」に過ぎません。ヤングはダブルチームにひっかる前にパスを捌き、チームメイトにプレーを託していきました。ターンオーバーは3ですが、アシストも8なので、パスを捌いた割にはアシストは伸びておらず、なかなか厳しかったホークスです。

◎ボグダノビッチとライト

救ったのはベンチから出てくる元キングスのガード2人でした。余計な事を言えば「レディッシュがいれば・・・」にも見えたのですが、それはそれ。スターターがヤング仕様に慣れすぎて苦しんだ中で、ベンチのガード2人がウイングポジションから積極的にアタックしてオフェンスは形になっていきました。

ボグダノビッチに関しては通常通りな感じもありますが、プレーインの相手がホーネッツだったこともありデロン・ライトはスリーガードの一角としてプレーし始め、非常に良い貢献をしています。メインハンドラーだと怪しいんだよね。

ヤングが早めにサイドに捌くので、そこでアタックする人材の重要性が強かったです。ライトはオフェンスリバウンドにも積極的に飛び込んでおり、トータルでの貢献度が高かったのでした。

また、この試合のホークスは3Qまで3P7/21と「決まらない」以上に「打ち切れていない」のも目立ちました。それが4Qではライトの3Pが決まったのを皮切りに、ボグダノビッチが3/6と沈めた事で、一気にオフェンスが流れ始めたのでした。3Pの重要性を感じる展開だったと言えます。

スターターに話を戻すと、ガリナリはゲーム2で点が取れず、ヒートのハイプレスに対してアンサー出来ない要因でもありました。本来は高さで優位に立てるマッチアップだけに、ヤングにプレッシャーが来るならガリナリの1on1で組み立てたかったところです。

〇ガリナリ
11点
FG4/7

このゲーム3では序盤にガリナリがウイングから決めていく事でホークスは対抗できました。しかし、後半になると沈んでいったことと、やっぱり3ガードでハンドラータイプの2人にした方がメリットがあったので、4Qは起用されませんでした。このジャッジは試合のキーでしたね。

そんなわけでゲーム4もキーになるのはガリナリです。当然、ボグダノビッチやライトへの対抗策は考えてくるわけで、まだ活躍しているとは言えないガリナリの先制パンチが欲しくなります。

一方で後半になってガリナリがトランジションについていけていないのも気になりました。というのも、ガリナリは普通なのですが、とにかくヒートは「守ってからのカウンター」を重視しており、通常以上にトランジションディフェンスの重要性が増しています。思い返せば昨シーズンはスローダウンして成功していた面もあれば、あくまでもセカンドユニットの個人技担当としてガリナリの仕事がありました。

ベンチの2人が活躍したことと、スターターに混ざったガリナリが迷いとトランジションに課題があったこと。思い切ってスターター変更もあるかもしれません。その方がガリナリも活躍するかも。

◎ヒートのベンチ

ベンチメンバーが増えるとヒートはスピードアップします。それはヒーローの積極性が中心なので、ネガティブに捉えるわけではありません。しかし、このペースアップは明らかにホークスに分がありました。そんなわけで単にボグダノビッチとライトだけでなく、ベンチユニット全体の対応を考えなければいけません。

最近のヒートはラウリー、ヴィンセント、ダンカン、ヒーローをスリーガードにして、高さ不足で守れない気がします

こんな質問を貰いましたが、単に守れないというよりは、トランジションが増えて守れていない印象です。要するにオフェンシブ過ぎるし、リスクヘッジする選手が足りていない。ラウリーかアデバヨがコートに入れば、かなり違いますが、それでもここまでオフェンスを考える必要あるのかな。

ってことで、ケイレブの出番がすくなかったことは疑問でした。一応、オラディポもいるけどね。

もう1つはタッカーがスターターユニット限定ですが、アデバヨは1人でも守ってくれるし、バトラーもいるわけだから、デッドモンとタッカーを並べてもいい気がします。ここら辺をスポルストラがどう考えているのか。ローテ変更も視野に入れてゲーム4を見た方がよさそうです。

〇ヒーローの得点と得失点差
ゲーム1 6点  +6
ゲーム2 15点 △7
ゲーム3 24点 △21

傾向としては如実に出てしまっています。ヒーローが活躍するほど、デメリットが強く出ている。かといって、ヒーローには点を取ってもらうのが大事なので、チーム全体としてのリスクマネジメントを考え直しましょう。ここをミスると2勝2敗になる可能性が高いです。

◎バトラーとハンター

ゲーム2で45点と爆発したバトラー。でも、それってヒートのバトラーらしくないじゃん。そう思っていましたが、ゲーム3ではちゃんとヒートのバトラーに戻ってきました。

〇バトラー
20点
10リバウンド
8アシスト

トリプルダブルこそ逃しましたが、ケチのつけようのない出来でした。しっかりとパスを出してチームメイトに点を取らせ、自らもフィニッシュに絡んでいきました。3P1/5だったのですが、もともとバトラーに3Pを期待してはいけないし、期待するならダンカンを起用してはいけない。

さてバトラーは問題ないですが、そのマッチアップ相手となるハンターには問題があります。ゲーム2で45点取られていながら、このゲーム3もしっかりと仕事をされてしまいました。

特にスイッチミスが多いというか「スイッチをしてしまう」のが気になりました。ハンターの仕事はエースキラーであり、それも45点も取られた次の試合なのだから、他の選手を空けてしまってでも、意地になってバトラーを消しに行くのが重要だったはず。ここのメンタリティが気になったハンターです。

プレーオフになるとエースキラーは重要です。ナゲッツにガード止める選手がおらず、昨シーズンのグリズリーズにはいたってのがウエストの大事なポイントになっていそうですし、ましてやアップセットを狙う立場のホークスなのだから、何が何でもバトラーを止めに行くべきでした。

一方でハンターはFG54%、3P39%とシリーズ通してオフェンス面での活躍は目立ちます。目立つのですが、実はその理由が「ヒートが空ける選手をハンターに設定している」のもあります。インサイドは優先してカバーするわけで、そこでヤングを潰しに行くためには、捨てるのはウイングのハンターになっています。

そんなわけで、攻守にハンターの仕事が重要なのですが、スタッツほどの活躍をしているとはいえず、20点は超えて来てくれないといけません。あるいはバトラーを消すのか。基本的にはディフェンス優先の中で、オフェンスで空けられて結果的にディフェンスのリズムを乱しているような気もするのでした。

◎アデバヨvsコリンズ

さて、このシリーズで楽しみにしていた同期の機動力ビッグマンの直接対決ですが、アデバヨはコリンズを抜くことが出来ず、コリンズはアデバヨからダンクすることが出来ず、痛みわけって感じです。

しかし、痛み分けてしまうと起点役になるアデバヨの方が上です。前半はアデバヨ起点が少なかったヒートですが、10点ビハインドの3Q開始からアデバヨ連発で一気に追い付いたのは印象的でした。ハイポストで起点となり、インサイドへのカットプレーへも、3Pのハンドオフへもアシストしていくので、アデバヨを止めることができないホークスでした。

が、そう考えると、アデバヨ起点が少なすぎるヒート。出し惜しみしているのか、なんなのか。もっとアデバヨを絡ませた方が良いのですが、個人アタックを止められてしまうのも頭が痛いね。

一方のコリンズは3Qに痛恨のアリウープダンクミスをしてしまい、そこから一気にヒートのラッシュが始まりました。ここでダンクをぶち込んでいれば、ホークスはもっと楽に勝てた気がします。この試合2つのアリウープミスでしたが、特に2つ目は痛かった。

3月11日のクリッパーズ戦以降を欠場していながら、プレーオフになって突如復帰してきたコリンズですが、それはカペラの欠場でムリヤリだったのかもしれません。飛びきれていかなったダンクミスは痛かったし、インサイドで暴れることが出来ませんでした。平面は追い切れるので、そっちの仕事にフォーカスすることになりそうです。

さて、もう1つのコリンズ問題は、カペラがいないことでセンターをやっている事です。同時起用の時のコリンズはコーナーからプレーをはじめるウイングでした。スペースがある中で上手い飛込によるダンクに、コーナー3Pを組み合わせ、ピック&ロールにも行くので幅広い仕事が持ち味でした。

ところがセンターなのでペイント近辺にいることが多く、かつてのようなスペースを作る動きが出来ていません。また、ヤングにプレスに来るのがわかっているからこそ、スリッププレーをしていましたが、動いた先にスペースがなく、チームメイトとラウリーに潰されていました。要するにチームオフェンスの中でも、コリンズの特徴が出ていなかったです。

3Qを31-16と圧倒したヒートでしたが、その理由はホークスのオフェンスミスからのカウンターであり、ホークス側からすると「ヤング&コリンズのツーメンゲーム」による鉄板プレーに持っていけなかったのも大きかったです。やっぱりやってなさすぎるね。

そして4Qは純センターのオコングがフルタイムプレーして逆転に持っていきました。ちょっとブランクと、不完全なコンディションを思わせるコリンズ。果たしてゲーム4や5で完全体の姿を見せてくれるのかどうか。

っていうか、完全体のコリンズvsアデバヨが観たかったぜ。

◎スーパースター

ハイプレッシャーディフェンスを継続される中で、パスを振ることを優先したヤング。ターンオーバーの少なさが示すようにアグレッシブには攻めませんでした。その上、上手くディープ3Pで引き出し、インサイドを空けても、ドライブしたらバトラーにブロックされるなど、どうしてもインサイドをこじ開けることが出来ませんでした。

コリンズへのアリウープパスも決まらず、八方ふさがりの匂いがしている中で、3Qのヒートが見事なラッシュを見せたので、もうこのまま3連敗する流れでした。それをベンチメンバーが打ち破ってくれた4Q。最後に待っていたのはスーパースターっぷりを見せつけるヤングでした。

〇残り2分半迄のヤング
2P3/7
3P1/5
FT8/10

フロッピングの上手さをみせつけフリースローこそ稼いだものの、点を取るのに苦労していたヤング。しかし、3点ビハインドの残り2分26秒に、唐突なディープ3Pをヒットさせ同点にします。

そして残り1分20秒でフリースローを手に入れて2点リードにすると、ディフェンスの場面ではベンチに下がるのですが、今度はバトラーがドライブキックアウトからタッカーの3Pをアシストし、再びヒートが1点リードに。

ここで1on1アイソを選んだヤングですが、一回ハーターにパスを出してリターンを受けようとしたら、ヒーローにパスコースを消されボールを受けることが出来ず。そしてハーターの3Pが外れたことで、ビハインドのままディフェンスに。

ヒートはバトラーが打ちますが、決めきれず。残り10秒でリバウンドを取ったボグダノビッチからヤングにパスが渡ると、ボールをプッシュし、3人のディフェンダー相手にそのままドライブを選んだヤングが、見事なフローターをヒットし、逆転勝利に導きました。

ただただ、ヤングを止める策略にハマっていたシリーズは、それを修正してきたゲーム3も自らは点を取るのが難しかったのに、残り2分半から7点を奪い、きっちりと勝利をもたらしたスーパースターっぷりはあまりにも見事。

総じてヒートの試合だったし、4Qに追い上げられたとはいえ、やっぱりヒートが勝ち切りそうな試合でした。だけど、それを許さないのがスーパースター。ヤングをどうにかするのがヒートの作戦であり、その作戦の正しさが示されたゲーム3でした。

◎ラウリー

ヒートの敗因はラウリーの離脱にありました。最後のヤングのシュートも、ラウリーがいたら、少なくともフローターにはならなかった気が。

前半も守れないからゾーンに切り替えたホークスに対して、ファーストオフェンスで穴になるスペースを見つけて自らが動いて3Pを放ち、そこからはヒーローやストゥースに打たせるようにパスを振っていくなど、とにかく状況判断で差を作りまくりました。なお、そのシュートが外れまくったのも事実だ。

しかし、3Qにベンチに下がると、ケガをしたようで、そのまま戻らず。これがヒートから安定感を奪ってしまった感じです。特にインサイドのディフェンス(ガードなのにね)が、ラウリーのふざけたポジショニング(誉め言葉)で作られていただけに、ラウリーがいなくなるとバランスが崩れてしまいました。

シーズン中はそこをケイレブが埋めていた印象なので、ラウリーがゲーム4も出てこないならばケイレブを使うべきなきがしますが、スポルストラはどうするかな。

サイズがなくても守れる理由には便利なガードのカバーリングがあり、そしてホーネッツのようなアグレッシブすぎるオフェンスからの失点を減らしていることもあります。ヒーローの時間に失敗しているのはマネジメントなわけで、ラウリーがいなくなるならばヒートは大きくスタンスを変える必要があるかもしれません。

ヤングのようなスーパースターではないラウリーだけど、見えない部分でゲームへの貢献度が高いだけに、どんなゲーム4が待っているのか。なかなか白熱してきそうなシリーズです。

プレーオフ①ホークスvsヒート” への1件のフィードバック

  1. ヒートよりの観客からすると、僅差でしたので、ホームの笛の影響と、成功したシュートの取り消しが何回かあったのが悔しいです。
    最後はヤングにやられたのかなと。
    がんばれヒーロ。

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