マブスvsホークス

2022/2/6

ハンターの復帰から勝率をあげサンズも倒したホークス。ドンチッチ復帰から好調のマブス。ライバルとして一歩先に行ったホークスだったけど、マブスの方が安定しているじゃないかっていう今シーズンなわけです。

◎戦略的

ポルジンギスがいなくてビッグマンが足りないマブスですが、スターターだけをみればパウエルの存在はドンチッチのプレーとあっていて、そこにブルロックとフィニースミスが並ぶディフェンス強化が形になっています。ベンチの強さが目立っていたけど、選手の入れ替えでスターターが強くなった印象。

さっそくドンチッチがドライブでねじ込んでいきます。大事なことは、このドライブにヘルプが来れない事。左右のワイドに開く横幅隊のブルロックとフィニースミス、中外の出し入れをしスクリナーになるパウエル。その隙間を抜けていくドンチッチ。

でもマブスにとって大事なのはドンチッチよりもヤングかもしれません。ヤングを狙え。その点ではドンチッチよりもブロンソンのアタックが大事・・・かと思ったら、ヤングはブルロックのマークです。これが昨シーンにホークスのディフェンスが向上した要因である「ヤングを隠せ」作戦です。

そんなわけでコーナー担当をブロンソンと交代し、ブルロックはプレーメイクに関わっていきます。この作戦変更がスムーズだった。そしてマークがカペラになったらアイソアタックのブロンソン。マブスが勝っている理由を示す戦略的な対応をしています。

一方でディフェンスはアグレッシブに仕掛けていきます。ヤングにボールを持たせないためにダブルチームを仕掛けてパスを促す作戦かな。ここ3シーズンくらい流行していますが、そういえば今シーズンはあまり見ないなぁ。

このブリッツ作戦に対して、ゴール下へのパスを通されまくるのですが、決めるのがコリンズくらい。そして時間と共にパスの前に止め始めます。上手かったのはドンチッチ。ヤングに襲い掛かると見せかけてパスコースを読んだり、本当にハイプレッシャーしたり。ドンチッチに悩まされまくったヤング。

ところがディフェンスで働きすぎたのか、オフェンスでドンチッチがミスショット連発。首が痛いようで、シュートを狙いにくいのかもしれませんが、マブスペースなのに逆転されてしまった。

ここからオフェンスがブロンソン中心に変わります。コーナーで休んでいたから元気なブロンソン。選手交代もあってコーナーにいる意味がなくなったしさ。なお、かわりにドンチッチはディフェンスでインサイド担当になり、リバウンド仕事が増えます。うーん、スムーズに仕事を入れ替えているな。

そんなわけで1Qはマブスの戦略が目立ちました。それは得点以上に内容が良かったって事で、シチュエーションに応じて自分たちを変えられる強みです。カーライルは「自分たちの武器を使う」ようなタイプだったのに対して、キッドが「相手に応じて変化する」ことを志向しているかのよう。やっているプレーそのものは特別ではないのだけど、そこにドンチッチが混じるから、特別にもなるしね。

29-26と3点リードのマブスですが、なかなか凄みがあったよ。マクミランは相手よりも自分たちを見るタイプだしね。

◎ウイング?

ポジティブに言えばインサイドカバーの強さをみせたホークス。それくらいマンマークではイージーに抜かれていた印象があります。そして2Qになるとパスアウト3Pで崩されていくのでした。わかりやすいね。でも、インサイドを自由にしなければ大ケガにはならないわけで、試合をハイスコアにせずに堪えているぜ。

レディッシュは放出したけど、ベンチからボグダノビッチとガリナリが出てくるのだから、どこからでも攻めることが出来るホークス。ところが、マブスにスペースを潰されてしまい、飛び込むポイントを見つけられません。

中途半端にドライブしてのキックアウトを奪い取られ、オフェンスの停滞が目立ってしまった。思い切りよく3Pを決めるか、コンタクトしながらインサイドを攻めこめば、どうにかなりそうですが、そういえばそういうタイプがいないね。頼みのルーはインアクティブ。

コリンズが戻ってくると、ポストアップで収縮させて押し込み。でもファールドローを狙ったヤングのコンタクトプレーはノーコール。さらにドリブルをグリーンの足に当ててサイドラインを割ると、ラストタッチがヤングというジャッジに泣きます。コリンズだけがインサイドで決めていく展開。

そして次々にドンチッチのキックアウトから3Pにされます。バレちゃったぜ。バレバレだぜ。もうインサイドで打つ気がないくらいにパスアウトしていくドンチッチ。なんだけど、そのドンチッチがハンターに対して3つ目となりファールトラブル。これでゾーンに変更されたのでチャンス到来。

カペラが押し込むと、続けてコリンズもアタック。うーん、ポルがいないのでインサイドはホークスが完全に上回っています。ドンチッチはファール出来ないし、ゴリゴリ作戦成功。なんだけど、ハンターがドンチッチにオフェンスリバウンドを取られまくり。カペラはパウエルにブロックされちゃった。

それでもヤングからカペラへのアリウープが決まると、今度はヤングがドンチッチからチャージドロー。これで4つ目。反撃に成功したホークス。前半は54-50で終わります。

うーん、そんなわけで3人でやっていたような前半でした。ウイングは何してんだ。ビッグマンで優勢になり、ヤングはそこそこの仕事をし、でも負けている。キックアウト連打のマブスとウイングが活用されなかったホークス。そんな前半。

◎ノーエース

開始1分。コリンズがゴール下をミスしてしまったのを拾ったヤング。すこに乗っかってしまったドンチッチ。5つ目のファールでベンチに下がります。ついでにテクニカルもコールされてる。

すると途端に元気になったハンターが次々にアタックしていきます。どれだけドンチッチに困らされてたんだろ。インサイドにポジションを取って押し込んでいくし、ファールドローもしていく。突如として目覚めたハンター。止めるべきエースがいなくなったエースキラーの逆襲。

これでホークスがアウトサイドのディフェンスを強めれば一気に逆転した気もしますが、変わらぬ守り方だったのでマブスは3Pで対抗します。ところが今度はブロンソンがファールドロー狙いのコンタクトをするとオフェンスファールをコールされ、3Qで3つ目のファール。ドンチッチもブロンソンもファールトラブルというマブス。頑張れニリキナ。

頑張ったのはトレイ・バーク。ミドルにドライブで3Pばかりになっていたオフェンスを変えると、パウエルへのロブパス。逆に良くなってしまったオフェンス。なお、こちらも3Pを打つところで足を出してオフェンスファール。大ブーイングのダラス。何故か今日は厳格に新ルール採用しているレフリー。いや、正しいんだけどね。

残り3分。ヤングのドライブからコリンズのダンクで同点。マブスのディフェンスはニリキナ、フィニースミス、グリーン、パウエルなので個々のマッチアップで止めているんだけど、どうしてもコリンズだけは止められない。

でも、それはそれでコリンズを諦めて3Pは止める作戦だったのかもしれません。徹底してローテで追いかけるマブス。逆に3Pを決めるバークで再びリードすると、フィニースミスのパスアウトからブルロックの3P。終盤の3P攻勢で80-76と4点リードを守ったマブス。ドンチッチもブロンソンもいないけど、ディフェンス力でどうにかしたぜ。

◎エース登場

開始30秒。次はバークが5つ目のファールをします。3人のPGが3ファール。さすがにもう交代させません。

グリーンが速攻をチェイスダウンブロックで救うと、オコングvsバークになっていたインサイドにヘルプに入ってスティール。自分たちもブロックを食らってしまうけど、開始3分をボグダノビッチのセカンドチャンス2点に抑えたマブス。ディフェンスの勝利で、ドンチッチが戻ってきます。

やっぱり違うぜドンチッチ。これまでがウソのようにドライブでのペイント内侵入がでてくると、パスアウトから最後はグリーンの3P。攻守にジョシュ・グリーンで5点リードになって、ヤングとコリンズが戻ってきます。ブロンソンはまだ。

しかし、両サイドにパスを振っていくマブスに対して、コーナーに誰も置かず、狭くなっているホークス。コリンズとオコングがコートにいるのに、ハンターがヤングにスクリーンにいってしまうとバランス悪いよね。しかもインサイドで囲まれたコリンズがパスアウトするけど、3Pが決まらない。

4Q開始から7分経って8-8というロースコア。守りあっているのか、マブスが一方的に守っているのか。それでもファール出来ないドンチッチを抜いたヤングのフローター。でもドンチッチはハンターを抜いてオコングを引き出し、パウエルのゴール下をアシスト。残り4分4点差。

タイムアウトのホークスですが、ハンターのディフェンスを見ていないパスをブルロックがかっさらって速攻。ドンチッチがvsカペラにしてフローター。ヤングが滑って転んだのにフィニースミスとブルロックが飛びついてジャンプボールからマイボールに。

残り2分。ドンチッチ⇒ブルロックが繋ぎ、コーナーに出すと戻ってきたブロンソンの3P。続いてドンチッチのキックアウトからブルロックがコーナー3Pを決めて、マブスが12点リードにして試合を終わらせたのでした。結局最後までコーナー3Pだったぜ。

〇コーナー3P
マブス  8/15
ホークス 2/3

いやいや、そりゃあマブスが勝つわ。これが接戦になったのはドンチッチとブロンソンが離脱したからってだけですね。きれいにホークスの守り方を攻略したマブスでした。

〇ペイント内得点
マブス  32
ホークス 56

かわりにこうなるか。インサイドは明らかにホークスが上で、しかもドンチッチがいなくなったのでマブスは点が取れなかった。3P5/25だったことが悔やんでも悔やみきれないホークス。問題はただたんに決まらなかったことではなく、ワイドにパスを振ることが出来ていないことであり、ウイングが死んでいた事です。なお、ヤングも6本全部外した。

さて、ホークスは「ヤル気が足りない」ようにみえていたシーズン前半に比べると、かなりマシになっています。その違いが何なのかは、攻守の切り替えだったり、コンタクト時の粘りだったり。そこは改善している。

しかし、コーナー3Pが少なかったことと3Pが決まらなかったことは、たんにポジショニングやシュート力だけでなく、1つひとつのパスが雑だったことも気になりました。シンプルなパス1つに時間がかかるから、マブスのディフェンスはローテが間に合っていましたよ。「ヤル気は出てきたけど雑」ってことで、なんだかチーム云々の前な気がするのは、特に変わっていません。

統制が取れており、ドンチッチすらもチームに徹していたようなマブスに比べると、ホークスの雑さは際立ちました。そのマブスはジョシュ・グリーンのディフェンスが非常に良かったですが、ブルロックとフィニースミス、そしてニリキナとディフェンダーを重用しているのが成功の秘訣です。ジョシュ・リチャードソンもマブスに来るのが1年早かったね。

ノリノリのマブスですが「ノリノリ」という言葉とは違い、局面で戦い、戦略的に振舞い、ガマン強いプレーで勝利を手繰り寄せています。プレーオフのホークスみたいだね。結局は気持ちの問題なんだけど、気持ちを引き出すためのルールがあるかどうかの差なんだろうね。

マクミランは気持ちを持っていくのが上手いけど、プレーそのものは選手任せの事が多い。キッドは選手を統制しすぎるのですが、ヴォーゲルの下で学んだのが活きているのかな。

マブスvsホークス” への2件のフィードバック

  1. 今季のマブスコーチ陣は、昨季までと比較して、練習の時などにそこまで口を出すわけじゃなく、その代わりに選手たち自らがこれまでよりも声を出してやっているそうです。ここら辺から選手の主体性重視な印象を受けるので、こういうところがモチベーション維持につながっているのかな~とか思ってます。

  2. お疲れ様です。
    記事も動画も楽しませていただいてます。
    今年のマブスの感想は、ドンチッチがボックスアウトやペイントの競り合いで積極的に体を張るようになったのが一番の変化だと感じています。
    サイズはないけどブロンソンもファイトしてくれてますし、より皆で戦うようになったと思ってます。
    でも、これがプレーオフになると去年みたくファイト係とサボり係にわかれそうな気がしているので、継続できるのか楽しみです。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA