2022/2/5
雑感スタイルです。再建のサンダーはともかく、キングスはここにきても再建へと走るような流れになってしまいました。あの時、ルーク・ウォルトンではなくモンティ・ウィリアムスを手に入れていたら、どうなっていたのか気になるところですが、何はともあれ10位は目指せるので、そこに向かって進むのか、それともフォックスを放出するのか、少しばかり匂っているデッドラインです。
そのフォックスが欠場のキングス。サンダーはSGA、ドルト、ロビンソンアールと、お互いに主力が欠場しています。ってことで、ハリバートンとギディの戦いであり、普段以上に未来を考える対戦となったのでした。
◎ハリバートン
試合は軽快なテンポで進んでいきました。ハリバートンとダビオンを並べているキングスですが、主導権はハリバートンにあり、ドライブからコーナーへのキックアウトパスで3Pを生み出すとともにコートを広く使い、ハーフスピードのドライブからインサイドへのカッティングを促し、中外あざやかに活用するオフェンスは見ていて気持ちの良いものでした。
〇ハリバートン
13点
17アシスト
4ターンオーバー
自分でイケそうな場面でもホルムズへのアリウープパスを通すなど、チームメイトを活用しまくり。フォックスもちゃんとパスするタイプだけど、ハリバートンはギブ&ゴーもあるので、パスの回数自体が多かったね。ってことで、チームとしてのリズムはフォックスよりも全然よかったぜ。得点力を使わずに17アシストは次のNBAを代表するゲームメイカーになる可能性を感じる。
しかし、気になったのはそこではなく、キングスの形です。
通常のキングスはハリバートンとフォックス、そしてダビオンの3PGのうち2人をコートに置くわけですが、いうほど多彩な攻撃パターンになるわけではありません。2つの起点があって、それぞれのアタックがあるっていうくらい。ところが本日はワンPGの時間があったので、なんだか変な感じでした。
2人のPGがいるってことは、センターを含めて3人がトップ近辺からプレーメイクします。キングスの場合は、ハリバートン&ホルムズのコンビを除けば、そこまで定型的ではなく、ハリソン・バーンズも絡んでくるので流動的にポジションを変えていきます。
「流動的」というとポジティブですが、それは時に渋滞を発生させます。本日もホルムズやメトゥがパスを出す先を迷うシーンがあり、スムーズではない一面を見せています。ただ、面白かったのはメトゥとホルムズ(アレックス・レン)が並んだ時間帯に、ハリバートン含めて3人でトップ近辺から仕掛けていました。
言い換えると、通常以上にバーンズ&ハークレスのウイングコンビがコーナー担当としてプレーに絡んでいました。これによって常にスペースを保ったオフェンスになっており、ドライブ&キックアウトが連続していきました。
こんな感じで2人はコーナーとそこからのドライブでインサイドを攻めていくことが多く、トップの3Pも少なければ、ハイポスト近辺もありません。ベンチから出てきたヒールドは怪しい面もありましたが、エクストラパスをワンタッチでコーナーに捌くハリバートンってのもあり、バーンズ&ハークレスは楽しそうにコーナーでプレーしていました。
ドライブキックアウトからのコーナー3Pであればフォックスでも生み出してくれますが、本日はキックアウトからドライブし、更に逆サイドへふり直し、エクストラパスで繋ぎ、ハリバートンのテンポの良さがチーム全体に良い影響を与えていた印象です。
ってことで、非常に魅力的に見えたキングス。それはいいことだ。ハリバートンが作るゲームは楽しい。他に欲しいのは強烈なエースキャラですが、まるっきりフォックスじゃん。でも、それが上手くいくわけじゃないし、ムズカシイネ。
◎アルビン・ジェントリー
ルーク・ウォルトンがクビになってから、時間もたったので、そろそろジェントリーの色に染まってもいいころです。コーナーからのアタックが機能していたのがジェントリー流なのか、ハリバートン効果なのかわかりませんが、まぁジェントリーはこの形が好きだよね。
さて、試合は常にキングスの良い流れで続きました。でも、点差はなかなか離れません。キングスのテンポの良さがサンダーにも波及したように、非常にアップテンポなゲームになったわけです。ファールも少ないしね。
それもまたジェントリーっぽい。自分たちの流れを作るのが上手いんだけど、そのテンポの良さは相手のテンポも良くする。単純に言えば「ディフェンスよりもオフェンス」ってことではありますが、それにしてもね。
例えばダリウス・ベイズリーがボール運びの流れでハーフコートくらいでボールを持つと、そのままの流れでドライブ出来てしまうシーンが多発しています。ピックアップが遅いので、スピードを止めることなくウイングが突っ切れてしまうわけなので、どうみてもディフェンスの問題ではありますが、そこを気にせず、さらにアップテンポに仕掛けていくんだもん。
ペリカンズが勝っていた頃は、4Qになるとディフェンスの強度が突然上がる奇妙なチームでしたが、それでビビらせて勝っていた印象もあるので、オフェンスはいいのだから、どこかでディフェンスのギアをあげればいいのかもしれません。そうなるとディフェンダーが欲しいわな。ダビオンか。ダビオンだな。
そんなことも含めて、ウイングエースでディフェンス力の高いレナードが欲しい。ポール・ジョージが欲しい。ベン・シモンズ・・・は違うかな。
◎ギディ
ハリバートンが作った流れに乗ったサンダーも気持ちの良いくらいにテンポアップしました。それはサンダー側にもSGAとドルトがいないから、マンツーマンでのプレッシャーをかけられなかったことが関係しています。もっとディフェンシブに戦えるのが強みだけど、本日はそうもいかず。
ってことで、ギディのハイテンポなスタイルが目立った試合でした。ハリバートンとギディのことを知りたい他のチームのファンの方は、この試合を見れば両者の良さがわかりやすく出てくるのでお勧めです。
〇ギディ
24点
2P9/14
3P1/5
8アシスト
4ターンオーバー
ハリバートンに比べて得点が目立ったギディですが、そりゃあギディには打たせるよね。アシストの多くは速攻だったこともあって、キングスはギディのマークを緩くしていました。3Pが決まらなかったものの、フローター系の2Pを決めきったことで試合が成立した面もあります。
キングス同様にコーナーまで広く使っていたサンダー。そしてギディのドライブにビッグマンが合わせ、そこにディフェンスが行くのでギディが打ち切る。そんな形が出来ていたので完全にチームの中心でした。
そういえば久々にマラドンを見ましたが、ちょっとギディ君が強かったので、マラドンとの差が示され過ぎた試合でもあります。チーム全体に動きを付けていくギディに比べると、プレーコールはやっているけどイマジネーションが不足していたマラドン。この差はデカすぎるし、埋まらない要素でもあるので、もっと自分に合ったチームに行った方がいいかも・・・。
まぁそれくらいギディの存在感は大きく、完全にハリバートンvsギディな試合でした。点を取れることも、たまには証明していくギディ。試合に出て成長していく理想論だろうな。そこにはじき出されたマラドン。切ない。
さて、このハイライトをみながら、ちょっと違う視点で考えてみましょう。それは昨日のロケッツであり、ジェイレン・グリーンです。コメントでも貰いましたが「ドライブしてヘルプが来るとプレーに迷ってしまう」状態のグリーン。それに比べてパスもシュートも選択肢を持っているギディ。その差が大きく見えた週末でした。
単純に2人のパス能力の差でもありますが、こうみているとサンダーのビッグマンが合わせてくれることが大きく関係しています。合わせてくれるというか、合わせるのが仕事。ウッドやシェングンとは仕事の中身が全く違うね。
今日はスターターがディアキテ(誰?)でしたが、それでもちゃんと仕事がわかりやすいもんね。似たようなドライブ&キックアウトなのに、コンビプレーに対する意識の違いもハッキリしてしまった。キングスもホルムズがいるし、その違いがパサーの能力を変えるよね。
ギディのリズムが乗っているのか、本日はポクまでテンポよくシュートを決めているのが印象的でした。コーナーやミドルでキャッチ&シュートをメインにするウイング。それはどうなのかとも思うけど、見方を変えればコンビプレーで合わせていく形が身につき始めたってことかもね。まだまだ足りない要素が多過ぎるポクだけど、当たっている試合ならばシューティングで稼げることがわかりました。
ギディが躍動したことで、なぜかディスられるロケッツ。
◎マンとバーンズ
テンポの良い試合でしたが、何故かマッチアップしていたトレ・マンとバーンズの差が目立ってキングスがリードを得ていった試合でした。小さいマンは高校生みたいで、ベテランのバーンズが軽くあしらったみたい。マンの動きの殆どを無視して、最後に叩き落すだけの守り方とかさ。
バーンズだけでなくダビオンも、マンが相手だと強気なアタックでコンタクトし、吹っ飛ばしておいてのジャンプシュートで得点を稼ぎました。それくらいマンの問題が大きかったサンダー。苦しかったね。
ところが前半の終わりになると、マンがブロックをかわして打つプレーを増やしていきました。試合の中でアジャストしたようなマンのポテンシャルを示したぜ。未だにサンダーがマンを選んだ理由はよくわからないのですが、しっかりと得点力は示してくれた。
終始、存在感を放っていたバーンズですが、その存在感の割には得点差にできなかったのは、後半になるにつれてサンダーの方がスピードで上回っていったからです。ハーフコートならバーンズが勝つんだけど、その要素が出ないようにトランジションゲームになっていった。
ってことで、ビックリしたけどサンダーが3Qに逆転します。運動不足のオジサンが高校生に追いつけなくなってきたみたいな展開。
すると前半がアレックス・レンだったのを、ダミアン・ジョーンズに変えたキングス。ベンチメンバーには差があったことも含めて、スピードで対抗できるビッグマンを出したことで、再びキングスがペースを奪い取りました。サンダーはフェイバーズだったしねぇ。
そういえば今シーズンのキングスは、ビッグマンを使い分ける所から始まったよね。本日欠場のバグリーがディフェンスで結果を残したり、いろんなビッグマンで相手に応じて変化できるのは大事。この差が両チームの差になった試合でした。
同時にバーンズ&ハークレスのウイングコンビが目立った試合でもあった。動けるウイングで対抗しやすくなるやつ。2人で20リバウンドでした。
◎デッドライン
トレードデッドラインが近づいてきましたが、サンダーはサラリー総額が少なすぎるという珍しい状況です。高額な選手に困っているチームを助けるトレードが可能ですが、来シーズンはSGAが高くなるので長期契約は引き取らないよ。
まさにウエストブルックを引き取る条件がそろっていますが、レイカーズは対価をもらうのにサンダーが出す選手はいないので三角トレードになるね。そういう動きが出てきたら面白いんだけどね。結局はウエストブルックが似合うのはサンダースタイルな気もするし。
キングスはここで一気にチームを変革するのかどうか。難しいよね。難しいよ。
今シーズンの内容だとヒールドを売るのが難しく見えるので、なんとかバーンズだけでも処理するのか、それともハリバートン中心にするためにフォックスを出すのか。でも、いまいち妙案がない。何が正解なのかを見極めるところまでいっておらず、指名権を集めることを優先するくらいしかなぇ・・・。
動くかどうか不明だけど、動いたらデッドラインの中心になるかもしれないキングス。漁夫の利を狙っているサンダー。そんな状況かな。
OKC戦のレビューありがとうございます。サンダーはSGAがいなくなってから3連勝したことからも、基本ゲームコントロールをギディがしてSGAがエースという形が固まればプレーオフも目指せる気がします。そこで大事になるのが、やはりビッグマンだと思います。ドラフトは水物な上に、DET、ORL、HOUもドラフトで狙う選手像が被っているので期待できません。となると去年のジャレットアレンのような漁夫の利パターンか、指名権いっぱいでスターをもらうか、誰かに高額契約を持ちかけるというのが現実的だと思うのですが、どう思われますか?またスターに限らずサンダーに合う獲得可能そうなビッグマンは誰か思いつきますか?長文失礼しました。これからもブログ楽しみにしています。
エイトンにマックス提示してサンズにマッチさせ、本命バグリーを安く手に入れたいかな。タイプ的にはあってると思います。ホルムズも良い感じなので、キングスが今を諦めるなら手を出しても良さそう。
他にはヌルキッチとターナーですかね。ターナーは指名権で取れそう。ヌルキッチはオフに手を出す価値はありそうです。