セルティックスvsバックス

2021/12/13

まだけが人は多いけど、主役が帰ってきて強さを取り戻しているバックス。タフ。本当にタフ。もう少し休んでいても怒られないくらい働いているミドルトンだけど、働いていないオジェレイとかがケガしているのは悩ましいよね。

土曜日のサンズ戦を見た限り、どうにもならないHCの課題があるように見えたセルツをみてみましょう。本日はジェイレン・ブラウンが戻ってきたので少しは改善するはず。

セルツの問題はファーストハンドラーの問題でもあり、シュルーダーだろうがテイタムだろうがパスが出てこない。そのせいなのか両コーナーを全く活用できず、狭い狭い範囲でオフェンスをしているし、ポジショニングにもボールムーブにもオートマティズムがない。

・・・ところが、ファーストプレーがオフボールでコーナーに移動したブラウンへスマートからのパスが通っての3Pです。おいおい。サンズ戦と180度違うじゃないか。さすがにファーストプレーでそれをやられてしまうと、一体全体こないだの試合は何だったんだよ。ブラウン不在とシュルーダー問題でしかなかったかのようだ。

さらに次はウイングでボールを持つテイタムに対し、逆サイドのコーナーにいたブラウンが動いてトップからのドライブ。外れたけど良い感じ。さらにスマートのドライブからキックアウトでコーナーへ。エクストラパスからブラウンのドライブ→ロバートのダンク。続いてブラウンのドライブキックアウトでテイタムの3P。

いかん。マジでいかん。ブラウンが全てをなかったことにしている。あとシュルーダーがいなくてスマートがイキイキしている。やばい。全部はシュルーダーが悪かったんだな。

スマートのドライブからロバートへのアリウープで先手を取ったセルツ。これだけスマート&ブラウンで崩せば、そりゃあテイタムのドライブにもヘルプが来ませんよ。ってことでエースも輝きます。全部シュルーダーが悪いんだ。

スマート・シュルーダー・テイタムの3ハンドラーは、それぞれトップからウイングにポジショニングして、あまり動かない。だからスペースを使えないし、特にスマートはスピードでドライブするわけじゃないし。それがシュルーダー⇒ブラウンになったことで、動かないのは2人だけとなり、オフボールからチャンスを作っているブラウンと空いたところにポジショニングしているホーフォードでバランスが取れています。なお、ホーフォードはバランスとる以外は何もしていない。

ブラウンのキックアウトからテイタムの3Pが決まったところでタイムアウト。なんだこれ。セルツは強いじゃないか。スターター1枚が交代しただけで、どうしてここまでかわるんだい?今度はテイタムのパスからブラウンがコーナーへのドライブで押し込み。

ネガティブな要素は「選手の組み合わせだけでやっている」ってことであり、戦術的な整理は出来ていないという事。劇的に変わっている良さと、だからこそ際立っていた悪さと。

そのブラウンが6分経たずに足を痛めてベンチに下がります。後ほど戻っては来るのですが、早くもエマージェンシー。シュルーダーが登場します。するとテイタムとスマートが両コーナーに開きます。サンズ戦は中途半端なポジショニングでオフェンスを縮小させていたテイタムが修正しているのか。

ただ、当たり前ではありますがコーナーでボールを貰ったスマートサイドはブラウンに比べて怖くない。怖くないっていうかシュートまでいけないので、結局はボールがトップに戻ってきます。なので(シュルーダーが悪いのではなく)シュルーダーのプルアップ3Pになってしまい、急激にオフェンスがつまらなくなるのでした。バックスが逆転します。

テイタムとブラウンという能力の高いウイングを抱える一方で両サイドに展開できていない問題のあるセルツですが、そもそも突破できるウイングをコーナーに近いポイントに置くことでスペースを保った効果的なオフェンスになることを示していた1Qでした。だからシュルーダーも含めてコーナーにそういう選手を置けばいいのにね。

となるとコートの中央で展開する担当が必要になるわけです。1人はスマートでいいとして、ポイントセンターが欲しいよね。サボニスとかアデバヨとか。でも、そのタイプは希少価値が高くて、そう簡単には手に入ら・・・ホーフォードがいるじゃないか。

ってことで、思うのはセルツは自分たちの戦力を有効活用するための手法を持っているって事でした。でも活用できていないし、選手の組み合わせで誤魔化しているようだ。というわけでHC問題に見えてしまうのでした。

ブラウン離脱から点が取れなくなったセルツは21点に留まり、バックスが9点リードしましたとさ。

◎懐かしい空気

1Qだけで14本の3Pを放ったバックス。しかも途中から出てきたカズンズも3Pを決めているため、まるでブルックのようでした。ブラウンがオフボールで動き、両サイドまで広げるのが大事だったセルツに対して、シンプルなボールムーブだけで崩し、淡々と3Pを打っていったバックス。なんだか2~3年前のバックスを思い起こさせます。

特にホリデーが加入してから、悪い意味でよくわからない選択が増えてきたバックスなのですが、それが結果的にオフェンスに違いを作ってくれたんだよね。以前のバックスはとっても効率的で論理的でワンパターンでした。その匂いを感じさせることは、この段階ではポジティブな要素です。忘れていた戦術を思い起こしているわけで、だからこそ勝率をあげているんだろうね。

しかし、2Qになると「今の」バックスっぽくなります。ヤニスの強引なポストアタックに、ミドルトンの1on1。これらが上手くいかない時間帯となり、バックスも停滞します。スペースを作れずグダグダな個人技になるセルツと、1on1から展開しないバックス。退屈な時間帯だ。

ブラウンが戻ってくるとセルツが良くなりそうだったのですが、それを個人で止めるホリデー。オフェンスがイマイチなら守ればいい。エースキラーがブラウンに手を出して止めていきます。でも、ヤニスもホーフォードに止められています。

守りあうことになった2Q。ヤニスをホーフォードが止めて、パスミスさせていくのとか懐かしい。セルツペースなのだけど、インサイドのフィニッシュ力は足りないから3P決まらないと点が取れないのも懐かしい。3年前にタイムスリップしたような展開が続きます。3年前にはいなかったホリデーのディフェンス力の分だけリードを保てているようなバックス。

何とか耐えていたのですが、ヤニスがブラウンにスティールされカウンター。ミドルトンもボールを奪われカウンター。ホリデーが守れない展開で追い上げられるとテイタムの3Pで逆転されます。なお、そのテイタムは速攻の2on1でクソパスだしてターンオーバー。

「スターターが帰ってきて勝ちまくっている」と聞いていたバックスでしたが、そのスターターからのミスで逆転された前半でした。なんでそうなったのかはわからん。セルツに根付いているバックス対策が具現化されたって感じかな。最後にグラント・ウィリアムスのコーナー3Pが決まって51-50でセルツリードの前半でした。

◎変わらない展開

前半に悪かった要素があれば、ハーフタイムに修正するのではなく「もっと頑張れ」というバックス。後半開始もミドルトンにポストアップの1on1をやらせ玉砕します。ディフェンスからの速攻で得点は取るけど、低調なハーフコート。1Qに3Pがよすぎた分だけセルツのチェイスが厳しくなり、1ON1担当が止められるとこんなもんか。

一方で後半も良い感じのスターターユニットになっていくセルツ。ブラウンが崩し、テイタムがサイドから決めていく。そしてスマートのドライブからインサイドの合わせ。機能しているじゃん。リードを広げていくじゃん。

本当によくなっているセルツ。前半の手ごたえなのか、テイタムがしっかりとコーナーまで広がるポジショニングをするようになり、広くなったスペースの分だけスマートがコントロールしながらのドライブを見せます。ただ上手くいっていると、やりすぎてしまうのもアルアルなので、カウンターを食らう機会も増え、思うように点差が開きません。ヤニスのパスアウトからグレイソン・アレンが3Pを決めると3点差に。

テイタムを下げてシュルーダーが登場すると、そのシュルーダーをコーナーに置いてセンターラインをスマートとブラウンで攻略。シュルーダーもコーナーからでも1on1を出来るので、狭いスペースを攻めたてて広いスペースにパスアウト。ってことで、やっぱり機能しているね。

ブラウンを下げてテイタムが戻るも、個人技でムリすることなく、テイタム→グラント→ラングフォードの3P。その後でテイタムが個人技ドライブのフローター。これで二桁リードになります。うーん、良い感じだ。

バックスはゴール下でポーティスがグラントをぶん投げます。ブチ切れるグラント。ノーコールのレフリーが悪いんだけど、レビューの結果、ポーティスのファールにダブルテクニカル。このプレーが流れを決定づけます。つまりは苛立っているバックスという構図がハッキリしてしまった。さらにミドルトンが足を痛めロッカーへ。踏んだり蹴ったりのバックス。

テイタムがドライブからユーロステップでレイアップ。ホリデーのドライブはグラントがブロック。85ー74でセルツがリードして3Qが終わります。この内容を続けられるならセルツは勝てるぞ。サンズ戦と違いすぎ。

◎打開しそうにないな

ヤニスへのディフェンスに集中しているホーフォード。シュルーダーへのスイッチを促されても、シュルーダーがショーディフェンスしてホーフォードはカバーの位置へ。となると1人空くのだけど、そこへパスが出ても気合で追いかけるシュルーダー。ドライブの1歩目さえ押さえれば、ヤニスは無視してホーフォードに任せる作戦です。とはいえ3P打てるのは事実なので1本でも決めれば崩せそうなバックスなのですが決まらない。

逆にテイタムのパスアウトからシュルーダーが3Pを決めたことで、テイタムへのカバーに徹しきれないバックス。次々にアタックしていくテイタム。だけど、ディフェンスが人数をかけてきたら迷うことなくキックアウトしています。

セルツのオフェンスを止められないって空気ではないのですが、とにかくオフェンスにならないバックスなので、ちょっと追い上げる空気になりませんでした。なんだけど3Pさえ決めていれば、そんなことにはならなかったと思われます。セルツは全員がヤニスの事を気にしており、ホーフォードが徹底対応できそうにないとすぐに3人で囲んでいました。

〇2Q以降の3P
バックス 4/22
セルツ 17/36

面白いことに1Qから大きく変化し、決まらなくなったバックスと決まりまくったセルツ。問題なのは「決まらないとアテンプトも減った」ってことなのですが、順を追えば「決まらないからヤニスへのプレッシャーが強まり、パスミスを誘発された」ってことでした。

〇ヤニス
20点
FG7/14
3アシスト
4ターンオーバー

ヤニス自身は20点という得点とは違い、脅威ではあったよ。なんだけど、アシストの少なさが物語るように、パスから得点が生まれなかった。ヤニスのパスもイマイチだったけど、チームメイトのシュートはもっと悪かった。あとヤニス自身も3Pが決まらないのを、久しぶりに弱点として利用された感じでした。

うーん、やっぱり3年前みたいな試合だったな。「3年前」が正しいかは知らないけど、対策されると手も足も出ないバックスと、対策するのが上手いセルツ。

しかし、今のセルツに対策とか、柔軟な起用法の匂いはしません。本日もスターター+シュルーダー、ラングフォード、グラントという8人で、ハッスルディフェンスを中心に頑張った感じでした。ブラウンがいることで別のチームにはなったけど、ベンチのオプションを上手く活用するって事はなかったです。

しかし、面白いほどにコーナーへパスが出て、空いた中央のスペースを攻略し、再びキックアウトし・・・というオフェンスになったのはビックリ。ビックリしすぎている管理人ですが、おそらくバックスのスカウティングも「話が違うぜ」と思ったんじゃないかな。聞いてないよ。

果たしてセルツは打開したのか?
あまりにもサンズ戦と違いすぎてドギマギしています。きれいなボールムーブと選手の距離感。4Qのセルツは1Qのバックスみたいになっていました。ドギマギ。

セルティックスvsバックス” への1件のフィードバック

  1. サンズ戦とは打って変わっていいゲームをしているセルツでした。
    テイタムはパスを大きく飛ばせないと管理人さんがおっしゃっていましたが、最近は必要性に駆られて少しずつ良くなってきたような気がします。あとはパスの雑さが無くなるのと、接触があった時に(ファールノーファール関わらず)ボールをポロポロしなくなればスーパースタークラスになれるのでは?と感じてます。
    ベンチ陣はハードDFに偏った選手が多いですが、ここにJ-Richを加えて守り勝つ試合を重ねていってほしいところです。

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