2021/12/9
モラントが離脱したら勝ち始めたというグリズリーズ。なんじゃそりゃ。直接のライバルになりそうなレイカーズを叩いておきたいところです。レイカーズはレブロンが戻ってきたので一気に、、、とは簡単にはいかないのが現代NBAだね。
◎スペース&ダイブ
そもそもレブロンとウエストブルックの共存って難しそうなわけですが、レブロンの離脱により問題が一時棚上げされ、その間にウエストブルックへの理解を進めたような感じ。そこまでは良かったわけですが、戻ってきたんだから融合させないといけません。
センターをADにしたことでスペースを保てており、エイブリー・ブラッドリーのドライブなんかもあって、総じてスペース&ドライブのチームとしてオフェンスが機能しています。コーナーにいったウエストブルックから飛び込んだTHTのダンク。次は似たような形からレブロンのダンク。
ウエストブルックがベンチに下がると、同じようなポスト起点をレブロンが担当し、飛び込んでくるADのフック。ぎこちなかったオフェンスはどこへやら。起点としてわかりやすい2人を使い分け、周囲が動き回っています。
問題はパスアウトを決められるのかって事ですが、まずはブラッドリーがコーナー3Pでリードします。レブロンからADのワンパス速攻も決まって先手を取ったぜ。
レイカーズっていうかヴォーゲルはディフェンス優先の姿勢を崩さなかったから、時に3Pが決まらない事もあったし、決まらなくても勝ち切るためのディフェンスがありました。なんだけど、今のディフェンスはガチガチにインサイドを守れるわけではなく、ちょっと苦しそう。オフェンスよりも攻守のバランスに苦しんでいるように見えます。
3ガードにしていることもあり、割とアウトサイドはチェイスできているのですが、オフボールムーブから崩され、インサイドに侵入されると止めきれそうにありません。レブロンがJJJからチャージドローしたのはよかったけど、ペイント内を攻略されていくレイカーズ。
まぁグリズリーズも3Pが決まらなくてさ。パスアウトさせておけばOKって雰囲気になって、レブロンなんかカイルをガン無視してワイドオープンを打たせています。それは追いかけられないんじゃなくて、敢えて追いかけていないんだよね?
カーメロが登場すると3Pにミドル。ここまで少なかったアウトサイドで得点しリードを広げに行くのですが、そのカーメロのディフェンスも追いついていないから3Pに速攻を返されます。って感じで終わった1Qはレイカーズが29-25でリードして終わります。
もう少し得点が入っても良かった展開でしたが、ウエストブルックがフリースローを2本とも落とすし、タイアスがスローダウンしまくってペースを落としたし。
◎スローなグリズリーズ
モラントからタイアスになった最大の変化はオフェンスが遅くなったことでしょうね。地力で突破はしないから、必ずセットしているハーフコートオフェンスなので、チーム全体がスローダウンしています。1Qはレイカーズの流れだったけど、点差が致命的にならない理由はペースダウンだからさ。
で、ペースダウンしているチームってディフェンスが良い傾向があるよね。理由は単にエネルギーを費やせるからなんだろうけど、試合開始からよくわからないのは、レイカーズのドライブについて行って、よくわからないところでスティールする案件が続いたこと。ハードに守っているわけでもないので、レイカーズのミスにしか見えないけど、それにしては続いている。
ただし、確実に良くなっていることが1つあって、ベンチからティルマンが登場している事。さすがのティルマン。アダムスがベンチに下がると一気にどうにもならない空気感があったグリズリーズディフェンスがティルマンによって安定感が出ています。なんでクラークを使っていたんだろ。あと、何故かカルバーに出番が与えられているぜ!
「モラントの離脱」は大事件ですが、地味にローテも変わっていました。課題だったモラントのいない時間帯をスローダウンとディフェンス強化で凌いでいるのかな。そしてティルマンの3Pで逆転です。てぃーるまん、てぃーるまん。カルバーもゴール下をねじ込めば、コンチャーは速攻ゲットだぜ。
ちなみにレイカーズはベンチメンバーになって明らかにオフボールの運動量が落ちたので対照的です。ベンチで圧倒したグリズリーズ。モラントじゃなくてベンチメンバーじゃん。
さらに驚くのチョイスをしたグリズリーズ。戻ってきたレブロンのマークマンをティルマンにします。普通に考えればJJJなんだけど「外から打たれるのはOK」というか「外から打てよキング」という大胆さ。ドライブされたけど。
これで起きた現象は「レブロン一辺倒」でした。ボールを持ちすぎのレブロン。ポジションチェンジも起きず、守りやすそうにしているグリズリーズ。そしてカルバーがドライブからレブロンにコンタクトしてダブルクラッチを決めます。ダメかと思われたカルバーがタイラー・ジェンキンスで復活するのか。
レブロン→ウエストブルックになると周囲も慣れているのか、個人に頼ることなくウエストブルック以外の選手で攻めていきます。この時点でティルマン⇒アダムスになっていたのですが、アダムスはAD相手のオフェンスリバウンドをねじ込み、守ってもゴール下を止めていき、点差を守ります。
ウエストブルックの3Pが決まるけど、メルトンのダンクにJJJのダンクが続き、JJJは3Pもヒット。一気に流れを掴みそうだったのですが、展開が早くなるは得意ではないのか、トランジションからモンクに3Pを返されてしまいます。
その後もカイルが見事なステップワークでフローターを決めたりとオフェンスが良かったグリズリーズですが、前半が終わって59-53と内容のわりには少ないリードで終わりました。
モラントがいなくなったことと、チームが好調なことに因果関係を感じにくく、ベンチメンバーがディフェンス面で強みを見せたことが最大の要因に見えました。ただ、そこからスターターがオフェンス好調になると、ディフェンス面もズルズルと失点してしまった。だからモラントがいることでイージーに抜いていくオフェンスは、チームにとってマイナスなのかもしれません。いずれにしてもスローダウンして、ハーフコートを組み立てるスタイルの方がいいんだろうね。
◎PFの重要性
レイカーズは後半早々に追いつきます。単純に点が取れなかったグリズリーズ。モラントが欲しい。ただ、ここでメルトンとベインが3Pで救います。それはモラントにはない武器だね。レブロンもウエストブルックのキックアウトから3Pで対抗すると、タイアスも3P。ADも3P。突如として3P合戦になっているぜ。
ところがJJJとモンクが外すと突如として決まらなくなります。なんだそれ。両チーム仲良く決めて、仲良く外すのかよ。それがバスケといえばバスケか。
3分くらい3Pが決まらず、JJJがドライブで繋いでいくので再びグリズリーズリードに。アダムス⇒メルトン⇒アダムスの見事な連携もあれば、ベインのレイアップミスをオフェンスリバウンドのアダムス。つまり両チームはビッグマンのところで差が生まれていきます。なお、アダムスがフリースローを落とすから点差にはならないんだけど、散々インサイドを攻めた残り2分にカイルの3Pです。
カイルはADのダンクを後ろからブロック。ADはアリウープダンクをミスするもリバウンドを再び押し込みに行くと、これもカイルがブロック。
ずっとわかっていたことではあるけど、3Qで鮮明になったのはレイカーズに足りないのはJJJであり、カイルであり、ティルマンってことでした。ウイングとしてインサイドを頑張れるタイプの選手がいないレイカーズ。レブロンとADがそのタイプなんだけど、ADの負担が大きすぎてパンクしたような3Qでした。
そんでもってグリズリーズもグリズリーズで、ディフェンスの奮闘とインサイドの制圧で明らかに優位に立ったのですが、突き放すような勢いというか3Pは足りず、85-78で3Qが終わります。どうみてもグリズリーズペースだったけどね。
◎ティルマンとカルバー
前半同様にカルバーを起用するタイラー・ジェンキンス。粘り強くコースを切っていくディフェンス力を発揮しているカルバー。別人じゃん。堅実なロールプレイヤーへと改造されているのか、なんなのか。明らかにザイアー・ウィリアムスよりもいいぞ。
また、前半同様にレブロンにティルマンを当てるタイラー・ジェンキンス。これでタフ3Pを打たせれば、レブロンを捨ててエリントンへのカバーにいきパスカットするティルマン。明らかにクラークよりいいぞ。
そしてティルマンはレブロン相手のドライブを決め12点差にします。てぃーるまん、ティールマン。2回目のドライブはレブロンに止められたぜ。
堪らずカーメロ⇒ADのヴォーゲル。フィジカルに頑張れるPFが足りていない。しかもハンドルミスしたモンクが、そこからのディフェンスでベインのクロスオーバーに全くついて行けずにドライブレイアップを食らいます。うーん、守れんぜ。
ここでグリズリーズはティルマン⇒アダムス。どうみても試合の最後にティルマンを使う準備です。てぃーるまん、ティールマン。
しかしカルバーの粘り強いディフェンスに手を焼くウエストブルック。ゴール下を固めるアダムス相手に打開策を見つけられないAD。崩しどころを失ったレイカーズオフェンスに対し、JJJの3Pで16点差に広がります。ちょっとインサイド陣に差がありすぎるぜ。っていうか人数にも差がありすぎるぜ。
レブロンが戻ってくると連続でADとのツーメンゲームを成功させますが、スイッチ誘導からタイアスを狙おうとしては失敗し、それがボールムーブを止めてしまう現象が起きています。2Qと一緒だね。なんかビックリするくらいレブロンがハンドラーになると動きが止まってしまうレイカーズオフェンス。レブロンがやりたいことを周囲が感じ取れず時間がかかっているともいえるし、ルール不足とも言える。
そろそろ時間を使えば良さげなグリズリーズはタイアスがコントロールし、時間をかけた結果としてタフショットになるのですが、オフェンスリバウンドをアダムスがキープ。まだ残り2分もあるけど「もうムリじゃね」という空気で運動量を落としたレブロンと、総立ちの観客でゲームオーバーでした。ティルマンの出番がこなかったじゃねーか。
◎総合力なのかな?
〇レブロン
20点
10リバウンド
11アシスト
キャリア100回目のトリプルダブルというレブロンですが、そんな活躍したイメージはないぞ。なんというかモラントがいると勝てないグリズリーズみたいなことを、レブロンでやってしまったようなレイカーズでした。誰もモラントの活躍っぷりにはクレームしないけど、いないほうがチームとしてはバランスアタックしていたっていうね。
ただ、この試合に関しては何度も書いているようにADのいるインサイドで完敗って感じでした。純粋にグリズリーズの方が充実したロスターになっていただけ。それは総合力というのか、相性というのか、チームの狙いの差というのか。
アダムスとJJJのコンビはそれほど変化はないけど、ティルマンの偉大さが光ったぜ。とにかく便利。レブロンのマークマンまで担当してしまえた動けるビッグマンであり、常に中途半端なポジショニングをしてオフェンスを惑わせ、必ずゴール下に顔を出す献身性で貢献しました。
〇JJJ
25点
5リバウンド
得失点差+7
〇ティルマン
5点
3リバウンド
4スティール
得失点差+19
スタッツでは表せないってのはこのことだね。偉大過ぎたティルマンはスタッツ的には酷いもんだ。でも偉大だった。こんなに優秀なロールプレイヤーを抱えているのがグリズリーズの強みであり、レイカーズの弱点だよね。
〇ジャレット・カルバー
8点
FG4/6
2アシスト
このカルバーとかいうルーキー(?)も渋いディフェンスでウエストブルックを困らせ、粘り強いゴール下で攻守に活躍しました。これも良いロールプレイヤーだ。ウルブズにいたカルバーと同姓同名だけど、どこから連れてきたんだろ。
そんなわけで派手なモラントがいなくなり、地味な選手が大活躍しまくるグリズリーズらしさが戻ってきました。派手なタイプだったはずのカルバーまで地味な実力者へと姿を変えつつあり、エグすぎます。なんだこれ。
そもそも何で勝てなかったのか不思議なグリズリーズですが、この試合を見る限り、更に不思議で仕方がないよね。単純計算ならば、ここに個人突破を加えてくれるモラントがいればプラスしかないはずなのに、現実は違うんだもん。そういやエースキラーのブルックスもいないんだよね。なのに守れているっていうか、ブルックスがいた時よりも守れている。
ティルマンに酔いしれたようでタイラー・ジェンキンスに酔わされた試合だったのかもしれません。
モラントいなくなって、一気に守れるようになりました。そして、カイルやクラークやザイアーも順番に怪我して、ティルマンがガッツリ出るようになってセカンドユニットはすごい安定しました。そもそも何故使わないのか不思議なのですが。ペースが落ちたからなのかアダムスの動きもいい気がします。この状態に、プラスモラントの個人技ならもっと勝てる気がしますが…どーなるのか楽しみであり、ビクビクであり。
因みにカルバーの今日の活躍はファンでもビックリしました(笑)ディロンもいなかったので、今日は出番がありましたが、今日くらいディフェンスできるなら、ローテーションに入ってもいいですね。
モラントが復帰しても🐻さん(MEM)は好位置(ウエスト全体では3位)をキープしているようですね😅プレーオフでも不気味な存在になりそうですね