ペイサーズvsウィザーズ

2021/12/6

最近、質問箱を開くとサイトの不具合ばかりで、内容を読めません。かろうじて読んだ中に「ウィザーズが降下している」という話が多かったので、確認してみましょう。

ただね。開幕当初に勝ちまくったから期待しているだけであって、現在の立ち位置ってのは気にするほど悪くはないよね。良い時もあれば悪い時もあり、合計して5割勝てれば大成功じゃん。ウィザーズの立ち位置を忘れてしまう・・・つまり「自分たちを見失う」と危険だよ。出来ることを頑張って、1つでも多く勝てるように頑張ろう。欲張りすぎも、謙遜しすぎもダメなんだ。

相手は「内容の割に勝てないペイサーズ」です。ある意味でウィザーズの目標は勝率でペイサーズを上回ることであり、ペイサーズ的には現状はマズすぎます。なんとかせんといかんのはペイサーズの方じゃ。

◎クズマとディフェンス

まずは「ウィザーズの何が良かったのか」を思い出してみましょう。開幕当初の勝っていた時期にビールは活躍していませんでした。FGも3Pも悪かったので、エースの踏ん張りで勝っていたわけではありません。だからこそ期待したくなったわけだね。

良かったことは全員がハードに戦っていた事であり、選手よりもHC交代の影響を強く感じさせました。ハードなディフェンスこそが、粘り強く戦えるマインドを掘り起こしたわけですが、それは例のルール問題も影響していました。「そんなにハードに守っていたらファールコールされるでしょ」ってくらい戦えていたのですが、ルール改正でノーファールだった。

しかし、ルール調整の影響なのかシーズン当初ほどの気合のディフェンスにはなりません。でも、それってウィザーズの問題なのか、レフリーの問題なのかむずかしい。ハードに守りまくれば得していたのが、許されなくなったわけだし、ビールもフィジカルで止めていたのが、サボニスに簡単にスピンムーブ食らってぶち抜かれているし。

ってことで、ちょっとディフェンスが苦しいのですが、ペイサーズはペイサーズでスペースを作ってもスピードでぶち抜けない問題があります。頼みのルバートはKCPに止められており、バランスは良いはずが突破できず得点が伸びません。つまりはウィザーズのディフェンスもハードにぶつかることは出来なくても、コースを止めていくディフェンスは出来ており、そんなに悪くないぜ。

ウィザーズだけ見ていたらシーズン当初よりも苦しいディフェンスだけど、リーグ全体がそんなもんじゃないかな。シーズン当初が変だったんだよ。きっと。ボール問題もあったしさ。

一方でオフェンスに目を向けると、シーズン当初に良かったことは、KCPやクズマによるストレッチがあった上で
・ビールのオフボールから始まるアタック
・ビールが動いて空いたスペースにクズマの動き
・困ったらディンウィディのステップバック3P
なんてことが連続していくからでした。単発ではビール以外は怖くないんだけど、流れるように次のチョイスに繋がるのは怖いよね。

本日はディンウィディが休みなので、3つ目がないのは仕方がない。だけど、それ以前にビール→クズマの流れに連動性がありません。要するに「クズマが怖くない」感じです。とにもかくにもクズマが機能していないから、オフェンスは何をしたいのか全く分からんぜ。KCPがコーナーにいる意味がなくなっています。

なんでそうなっているのかは、1Qみただけじゃわかりません。
そもそもクズマが個人として安定したパフォーマンスが出来ていないからかもしれないし
クズマとKCPがレイカーズのポジショニングを忘れ始めたからかもしれないし
ディンウィディのパスがないからかもしれない。

全部ありえる内容なのが苦しくて、そもそも傾向があったよね。この中でも3つめの「ディンウィディがいないから」は、開幕当初もネトやアーロンの時間帯にありがちな状態でした。そこをディフェンスでカバーしていたんだけど、カバーできないからオフェンスの粗が目立ってしまう。

そんな感じかな。冒頭のように「上手く行き過ぎていた頃を求めても仕方がない」ので、目の前にある改善点をなんとかしたい。なんだけど、クズマに何をやらせたいのか見えてこないし、周囲も何を狙っているのか、よくわからないです。

◎足りなかったもう1本

そんな低調なウィザーズに助けられ、ペイサーズは二桁リードを得ます。主にベンチメンバーになってからアウトサイドで稼ぎました。ドライブ出来ていない状況に変わりはないけど、そんなに前に出てこないディフェンスなので、ラムやブリセット、マーティンなどを中心に得点できたぜ。マッコネルがいないけど、ワナメイカーがカバーしている。

面白いもので内容が良かった序盤には点が取れず、外打ちが目立っているだけの時間帯の方が点が取れてしまった。1オフェンスの中でではなく、1試合の中でバランスよくやる方が大事ってか。ただし、このパターンは後半になるとシュートが決まらずに失速するやつです。ディフェンスを壊せていないよ。

ただ壊されてもいないんだよね。イージーに守れているペイサーズ。だから思い切ってスティール狙いも決まり、ラベートのミドルにドゥアルテのスティール速攻などで点差をキープします。ハレルの速攻はターナーがブロックしたけど、逆にハレルはディアルテをブロック。

ディフェンスを何とかしたいウィザーズはゾーンに変更。んーー、だけどそれがブログドンが戻ってきてからなのはNGだよねぇ。ブログドンのドライブにルバートが走りこんで合わせてフローター、ミドルのミスはサボニスがプットバック、そしてまたもドゥアルテのスティール速攻で16点差になります。狙いまくっているドゥアルテにして、同じ形で奪われまくっているウィザーズ。

ところがインサイドを攻めれたのに、今度は3Pが外れてしまったペイサーズ。それを決めていれば20点差になっていたのに、噛み合わないのか何なのか。逆にターナーがアウトサイドを追いかけてギャフォードにダンクを食らうし、KCPに3P決められるし。相変わらずウィザーズのオフェンスミスからの速攻は出るので、二桁点差はキープしているけど、勿体ない展開が続きます。

っていうか、ウィザーズが酷いな。

〇前半の速攻
ペイサーズ 10
ウィザーズ  2

〇前半のターンオーバーからの得点
ペイサーズ 16
ウィザーズ  8

印象的にはもっと離れていました。よくぞ、この程度で済んだなーってくらい似たような形で奪い、イージーな速攻をしていたペイサーズです。さらに2Qはハーフコートになってもブログドンとルバートの突破からサボニスの合わせが効いたのでイージーなんだけど、3Pが止まったから続かなかった。

そして残り2分からトランジションが甘くイージーシュートを打たれまくったペイサーズディフェンス。勝っていることが油断を生んだような前半の終わり方でした。インサイドを攻めた後の3Pが決まるか、もう少しディフェンスを固めることが出来ていれば20点差だったけど、58-47の11点差で折り返します。

◎アーロンから始まること

後半のファーストオフェンスが
ブログドン⇒ドゥアルテ⇒サボニス⇒ブログドン⇒サボニス⇒ドゥアルテ⇒サボニス
とサボニスを中心にしたギブ&ゴーに、サイドを変えていくプレーがでたペイサーズ。シーズン開幕当初に足りなかったやつだ。

一方でアーロンがスピードで切り裂くレイアップに、ギャフォードへのアシストで対抗するウィザーズ。ペイサーズに足りなくなったスピードで崩していきます。ディンウィディほどのゲームコントロールはないけど、違う武器はあるぜ。

ってことで、お互いにガード陣とセンターの崩しが機能する後半開始になります。やっぱりプレッシャーディフェンスが効いていないともいう。よりよくなったのはウィザーズの方でビール頼みな空気がアーロンスタートのオフェンスになったので、他の選手も空き始め、クズマも3P。KCPはターナーにブロックされたけど、オフボールの動きが出てきたぜ。

ところが、アーロンがベンチに下がるとメチャクチャに。うーん、チームとしてのルールは足りていないよね。選手の組み合わせで何とかしている感が満載。もう少しアブディヤが試合を作れるといいのだけど、ネトとビールにボールを譲ってしまうので、良いプレーが生まれず。

ってことでウィザーズは厳しくなったことでボールを持つ選手が限定されてきました。クズマにしろ、アブディヤにしろ、もっとボールを持っていたじゃん。それがハンドラー任せというか、ハンドラーがボールを離さない空気になってきたなぁ。でもデータを見るとパス数は減っていないどころか増えているんだよね。

15点差の残り2分。ペイサーズはラムがvsハレルにしての1on1をミス。ブログドンもアブディヤを抜いてのレイアップをミス。ビールのミドルにマーティンがファールします。ブログドンが1本ドライブを返すも、最後はキスパートがコーナー3Pで10点差に追い上げて3Qが終わります。またもクォーターの終わり方が悪かったペイサーズ。

◎ウィザーズの魔力

ワナメイカーとのコンビプレーでサボニスが&ワンを決めるも、ビールは個人アタックでワナメイカーからファールドロー。

ペイサーズはワナメイカー、ラム、マーティン、ブリセットを並べてサボニスやターナーを合わせるセミ・ツープラトンなのですが、これがオフェンス面では連携を生んでいるし、マーティンとブリセットの積極性を活用しています。ただ、ガード2人が守れていないのが厳しいね。オフェンスは良いけど、どうしてもディフェンスに弱点が出てしまう。ビールを止める方法が難しそうだ。そういやクレイグってローテ外になったの?

ってことで、今度はラム相手に押し込んでのステップバックミドルを決めるビール。ラムが3Pで決め返すけど、やっぱりビールから崩されて最後はクズマのゴール下。

ワナメイカーがフローターを決めると、ビールのパスからアーロンがワイドオープン3Pを打つけど決まらず、ギャフォードを飛ばしてフックに行ったサボニスがファールコールされずにブチ切れてテクニカル。まぁどうみてもファールなのに見過ごされたな。自分のダンク後に頭にボールが当たったらディレイ・オブ・ザ・ゲームをコールされるブリセットとか・・・

そんな感じでオフェンスでやりあうことになってしまった4Q序盤。これってウィザーズ的にはマズい気もするよね。ディフェンスを頑張ることで勝っていたはずが、気持ちがオフェンスに傾いていそう。しかもビール、ビール、ビールだしさ。それを守り切れないペイサーズに助けられているけど、昨シーズンまでのようになってきました。

KCPはトランジションでダブルドリブル。お前までウィザーズっぽくなってどうする。

いったんビールを休ませると、何故かハンドラーになるKCP。何故かアブディヤもアーロンもベンチに座っている。どうしたんだアンセルド、お前までスコット・ブルックスっぽくなってどうする。

ってことで、ルバートにドライブからのダブルクラッチを食らって残り4分半で16点差です。なんか、去年までのウィザーズを見ているようだ。いや、去年はウエストブルックがいたから、オフェンスで踏ん張れたけど、ビール頼みになっているから一昨年のウィザーズか。

◎歯車が狂ったら

そんなわけで、この試合のウィザーズは「歯車が1つ狂ったら、連鎖的に崩れていく」という典型的な例でした。なんでそうなるかといえば、どうしてもビール・ビール・ビールになってしまうビール(?)問題が発生しがちだからです。シーズン当初の【不調なビール】なのは勝つために大事な事だったのかもね。

ただ、クズマ、KCP、そしてアンセルドと従来のウィザーズ関係ない人たちまで巻き込まれているのが奇妙だったね。まぁたまたまなのかな。

もしもウィザーズを追いかけ続けていれば「どこから崩れたのか」がわかるのですが、残念ながら管理人にはわかりません。逆に時間を空けてみるからこそ、変化している点には気が付きやすい面もあります。とにかく局面でのディフェンスプレッシャーが効いていない事と、スペーシングが意味をなしていないことが気になりました。

前者はともかく、後者についてはプレシーズンから両コーナーに選手を置いていた意味がなくなっているのが気になります。シンプルにドライブからのボールムーブが足りていないのですが、ウエストブルックみたいにワンパスでは崩せないので、2人、3人とパスをつなぐのが理想的。でも今は1本しか繋がりません。チームとして仕込んできたはずのプレーが1ヶ月半が経過して消えていくのは、悪いカルチャーの典型例です。

果たしてアンセルドはウィザーズの悪しきカルチャーに抗えるのか。もっと全員がプレーに絡まないといけないし、全員が絡むためのキーポイントはビールじゃないんだよね。

ペイサーズは良い意味でローテンションになったのかな。毎度毎度、試合序盤にハッスルしていたけど、なだらかになったような、単に守れなかっただけのような。

〇サボニス
30点
10リバウンド
6アシスト

昨シーズンが6.7アシストだったことを考えれば、これでも足りませんが、今日はサボニスが絡むコンビプレーが目立ちました。今シーズンのペイサーズに消えていた要素であり「ディフェンスの逆を取るプレー」が増えた感じがします。その点では改善したけど、マッコネル不在もあってディフェンスはイマイチですな。

〇10月の成績
ペイサーズ 1勝6敗
ウィザーズ 5勝1敗

両チームの勝率の差は10月の成績の差です。そこからは似たような成績。オフェンスだけ見ればペイサーズの方が抜け出せそうですが、ディフェンスはどっちもね。もう少しプレッシャーをかけられないと厳しいぜ。

本来は層の厚さで全員が攻守に奮闘するのがペイサーズの理想ですが、こっちはこっちで攻守のバランスに苦労している様子。カーライルがずっと渋い顔をしていたのが印象的でした。

12月になって求められるのはディベロップメントですが、両チームとも選手の組み合わせに迷いがある様子。先に解決策を見つけるのはどっちなのか。その間に他のチームに先を進まれるかもしれないのが今シーズンのイーストだけに、ちょっと苦しそうに見えてしまったのでした。

ペイサーズvsウィザーズ” への1件のフィードバック

  1. ペイサーズはマコネルが手首の靭帯の手術を受けたので数ヶ月出られないそうです。ワナメイカーの出番が増えそうですね。ディフェンスがやばい。クレイグについては、体調を崩していたそうで、点滴を受けていたとの報道がありました。

    そんなこんなで勝敗的に上手く行っていないのでまた再建/トレードの噂が出てきましたが、サボニス・ターナーに需要があるからこその雑音だとは思っています。
    とは言え、ウイングが余っているのは事実ですし、勝負どころで決めきれないシーンをよく見るので、1on1を確実に決められる選手、できればスピードで崩せる選手がほしいなと思う今日このごろです。ニックスで浮いてしまったケンバか? 安いし。

    ウィザーズはスペーシングは徹底しているのですが、その分選手間の距離が広いので、スティール狙われやすくなっているという印象でした。特に今日はディンウィディーがいなくて、そんなにパスが上手じゃない選手同士で回していたので尚更のこと。
    ここに八村ってどうなんでしょうね? ウイングはKCP/クズマでうまくいっていたようにも見えましたし、最近停滞しているようにも見えますし、八村には自分でプレーメイクするスキルは乏しいので打開策にはならなそうです。

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