ロケッツvsペリカンズ

2021/12/5

なんかしばらく見ていない間に両チームの勝率が上がっているじゃん。最下位の独壇場だったはずが、いったいどうしたんだい。ペリカンズについてはグラハムさえいれば、どうにでもなっていたけど、ロケッツなんてどん底だったじゃん。

◎ロケットはどこへ飛ぶ?

ロケッツのスターターはウッドとタイスのツービッグに、大エース・ゴードン、それにテイトと日本人には懐かしのギャリソン・マシューズです。

・・・お前らは何を目指しているんだ?

勝率は上がったけど、迷走度も上がったみたいなスターター。マシューズがいるってことは、わかりやすい「コーナー&ディフェンス」担当を加えたことでストレッチしやすくなったわけで、タイスとウッドも3Pラインの外にいるから、テイトが久しぶりにオフボールカットしてインサイドを攻めていけば、大エース・ゴードンの個人技アタックも決まります。

ただし、試合開始からターンオーバーが目立ちます。ウッドとタイスが絡むとミスが多い。ベテラン使ったらミスが増えんのかよ。そこからペリカンズはカウンターに走り、管理人のお気に入りハーブ・ジョーンズのハードワークが機能します。早々にビハインドを抱えるロケッツ。

ロケッツはグリーンがいなくなって勝っているらしいですが、KPJがいないことの方が大きく見えていて、ゴードンがPGしているのでシンプルなパス&ゴーとウイングへの展開になります。マシューズとタイスがシューターみたいになっているから、役割分担もわかりやすい。まぁ要するに「KPJがボールを持ちすぎ」に見えています。

また、時にウッドとタイスが役割チェンジするのでポジションの固定化も解消されつつある。KPJとウッドがボールを持つと同じことを繰り返していたのに、ボールを捌いたりドライブしたりのゴードンに、ポジションの流動性が増したテイトが絡み、マシューズはコーナーに突っ立っています。

まぁそんな感じ。悪かったKPJの持ちすぎと、ウッドのワンパターンが解消されたよ。意外とマシューズが何もせずにコーナーに立っているのが効いているね。なんてことを思っていたら3Pなので、仕事はちゃんとしているぜ。

ん-ー、なんで勝っているのか不明ですが、勝っているからOKってことはないよね。タイスはまだしも「マシューズを起用したことで上手くいった」なんてワラエナイ。

ところでウォールがプレーするなんて言う話もありますね。管理人はもともと「ウォールは若手を導く役割でプレーすべき」という考えですが、KPJとゴードンの差がデカすぎて、なおさらそう思います。ウォールの存在はいろいろと助けてくれるはず。だけどベテランを増やしてチームとしての動きが増えた今のこのチームに戻ってきて、何の意味があるのかはわかりません。若手に足りない要素を補って欲しいのに、ベテランを引っ張って何を目指すのか。

8分が経過する頃、絶賛売り出し中のアーロン・ブルックスが登場します。ここ6試合中4試合で二桁得点のブルックスの活躍は大事な要素。23歳の若手だから今後にも期待・・・っていうかさ。テイトとか、マーティンとか、サイラスが見出す若手はマブスっぽいというか、ブロンソンっぽいというか。ある程度の完成度をもった若手です。「素材型を鍛えるのが好きなHCではない」という雰囲気がプンプン。サンズやグリズリーズのドラフト路線に進まないと意味がないって感じだ。

ってことで、ポジティブな要素が多かったロケッツですが、ポジティブであるほどネガティブ。ほぼネガティブ。フロントはこれでいいのかね?
シェングンとウォール中心で若手を伸ばす路線に進むべきとしか思えないのでした。

なお、そのシェングンが出てくるとヘルプのリムプロテクトでショートミスを促すんだけど、リバウンドカバーに来る選手がいない。ヘルプに行ってはエルナンゴメスを空けてしまっていました。うーん、攻守に意図的な整備がされているとは思えない。選手の組み合わせで生み出される連携に頼っているようだ。

◎良いのか悪いのか

ディフェンスからのハーブ・ジョーンズが活躍して以降は大人しくなったペリカンズ。若手を起用しながらってのは良いのですが、グラハムとバランチューナス中心に振り切ればチームとしては構築できることはわかりつつ、若手を伸ばし、イングラムを中核に置く形を模索しているように見えます。とはいえ、こちらもテンプルをスターターにもってきており、あまりにも負けていたので現実路線に切り替えたのかな。

2Q序盤のセカンドユニットの時間になるとNAWのドライブがシェングンにブロックされ、オーガスティンにバックファイアーで奪い取られ、一気にビハインドになります。さらにバランチューナスまでもがシェングンにオフェンスファールでチャンスを潰すと、守ってもポストアップからのスピンムーブに、トップからのドライブでシェングンにぶち抜かれてしまったのでした。9点差に。

ザイオンが延々と戻ってこないペリカンズですが、軸になる選手不足って感じです。選手の距離感を保ち、ボールを動かし、守りにくい形のオフェンスにしており、やりたいことはわかるけど、打開点を見つけられないし、若手が飛び込むと止められてしまう。イングラムがベンチに座っている時間に苦労してしまいました。

イングラムが戻ってくるとボールムーブからエルナンゴメスのゴール下、イングラムのジャンプシュート、トランジションでサトランスキーのパスからエルナンゴメスがファールドロー。イングラムが個人で取り切っただけでなく、エースがいることでディフェンスの優先度も変化し、バランスアタックが復活したみたいな。サトランスキーも「パス回すよー」という視線からドライブしてのハンマーダンク。イングラム登場から急激に機能し始めました。

ただし、相変わらず「ハンドラー・イングラム」からのプレーメイクはいまいち。個人としての得点能力は高いので、グラハムやサトランスキーが作ってのイングラムってのがいいんだろうね。

上手くいっている感じのペリカンズでしたが、良い形で作ってもテンプルが3Pを決めきれず、さらにはフリーのレイアップまでミスしてしまい、内容がよくなったのに得点が増えない2Q後半になりました。前半は57-49でロケッツがリード。

〇前半の3P
ロケッツ 8/18
ペリカンズ 4/19

ペリカンズがロケッツと同じくらい3P決めていれば勝っていた前半でしたよ。もっともエルナンゴメスが前半だけで8つのオフェンスリバウンドで救っているので、そんな簡単な図式ではないか。

なお、アウトサイドのディフェンスが悪く、守れる気もしないペリカンズでした。序盤だけはハイプレスが効いていたけど、あっという間に消えてしまったよ。

◎ハイスコアだけどさ

バランチューナスのパスアウトからイングラムが3Pを決めて始まる後半。続いてバランチューナス⇒ハーブ・ジョーンズ⇒イングラムと繋がるのですが、この3Pはミス。どうもインサイドを固めることにしたロケッツの守り方に対して、ワイドオープンの3Pは作れる雰囲気なのですが、気が付いているのかな?

さらに何故かドフリーになっているハーブ・ジョーンズがドライブするもダンクをミス。うん、どうやらハーブ・ジョーンズが意図的に空けられているようだ。ここで打ち切って欲しかったけどチョイスが悪いからロケッツに流れが生まれます。そして迷うことなくディープ3Pを打つゴードンが連続得点で点差は二桁に。ハーブはNAWと交代。

ロケッツはさらにウッドも3P。イングラムだけは3Pを返していくけど、アウトサイドの差で点差が開いていきます。タイスも3Pをヒット。ロケッツは1-2-2ゾーンをしており、どうもペリカンズは論理的な攻略を出来ない雰囲気。戦術力が足りない。それでもインサイドファイトの差があったのですが、リバウンド争いでウッドと競っていたらテイトに押されたバランチューナスが腰を痛めてしまいます。

苦しさが増したペリカンズはオフェンスもネタ切れみたいになっていきます。前半は「内容は悪くないけど決めきれない」だったのが、内容も悪くなってしまった。ゾーンにしていたロケッツに惑わされ、さらにマンツーになってもイングラムにだけはボールを持たせないチェイスをされているから、ボールムーブにもならない。

逆にロケッツはイングラムのマークにゴードンが行くなど、大したことないはずなのですが、そこはゴードンの上手さというか、ハードチェイスしているわけじゃないけど、ボールとイングラムの間にはいることでパスを阻害。うーん、若手ばかりの頃とは明らかに違うね。

そんなロケッツですが、前半同様にベンチメンバーが増えると困ってしまいました。困ったっていうか、単なる戦力不足っていうか。ちょっとグダグダしてきた3Q終盤。こういうところでラッシュを生み出すシックスマンが大事な理由がわかる展開に。そしてNAWの2本の3Pに、カイラ・ルイスのドライブで点差を縮めたペリカンズ。

94-85で3Qが終わります。うーん、ハイスコアになったわけですが、いうほど良いオフェンスをしていたわけではなく、お互いに相手の出方にアジャストしないからダラダラしてしまった感じです。

◎最後まで

戻ってきたバランチューナスを引き出し、シェングンvsマーフィーのポストアップ勝負に持ち込んだことで再び二桁リードにしたロケッツ。さらにゾーンでインサイドを塞ぎに行くのですが、またもシェングンがヘルプに出ると、あっさりとバランチューナスにプットバックされます。

でも、ペリカンズもリバウンドをキープできず、マーティンが後ろから走りこんでの豪快なプットバックダンク。

〇オフェンスリバウンド
ロケッツ  11
ペリカンズ 22

11だって多い方なんだけどね、22本ものオフェンスリバウンドでなんとかしているペリカンズ。それはバランチューナスとエルナンゴメスの強みなので、作戦としては良いんだけど、とれるんだからもっとアグレッシブに3P打ってもいいのにね。

〇セカンドチャンス
ロケッツ 19点
ペリカンズ19点

リバウンドは2倍の差があるのに、セカンドチャンスの得点は同じっていう不思議な試合。無双しているようで無双していないバランチューナスとエルナンゴメス。そんな感じだから、ビハインドは広がらないのに、ペリカンズが追い上げる気がしなくて退屈な展開です。

残り6分13点差。ギアを上げたいイングラムは強引でも飛び込んでダブルクラッチを決めます。バランチューナスもオーガスティンとシェングンを連続ブロックし、ちょっと期待が持てそうな雰囲気・・・の中でファールしてフリースローを与えたハーブ・ジョーンズが退場します。勢いに乗れないなぁ。

それでもイングラムのドライブに対してポジションを動かして合わせたバランチューナスのジャンプシュートで8点差に。さらにトランジションの流れから1ON1のイングラムで加点。ただ、ハウスのミドルにファールしちゃったイングラム。

「イングラムで来る」とわかっていながら得点したのは見事だったのですが、とにかく守れなかったペリカンズ。点は取れるのに、連続得点が生まれないのが痛すぎる。

〇イングラム
40点
FG15/28
5リバウンド
4アシスト

40点を取るには取ったけど、それが勢いを生み出したとは言えない稀有な例だった気がします。うーん、本当によくわからん試合でした。何が噛み合っていないのかといえば、ディフェンスとしかいいようがないのですが、せめてもう少しアップダウンがあればいいのに、ずーっと平坦に進んでいました。

◎よくわからなかった

両チームが好調になったのがわかるのかと思いきや、謎が深まるばかりの試合でした。特にペリカンズは前回観た時の方が、グラハムとバランチューナスを中心に良いチームオフェンスをしていました。ここにイングラムが加わるのが楽しみでしたが、期待したほどの成果は得られなかったというか、グラハムがイマイチだとどうにもならなかったような。

一方のロケッツは改善した理由はシンプルで、これで6連勝ですが、「6連勝」といわれるとひいてしまうくらいの出来です。しかも5試合はKPJがいたんだよね。タイスは2試合しかいないし、何がどうしてここまでの結果になっているのかチンプンカンプンでした。

6試合の平均で20点以上は誰もおらず、わかりやすくバランスアタックになっています。開幕から死んでいたテイトが復活したのは、マシューズの存在が大きそうですが、それって単にスペーシングと役割変更がもたらしたメリットだから、グリーン<テイト、みたいな。長い目で見て良いこととは思えん。

あと、しばらく試合を見ていない日があったので、1試合って長いね。それは試合時間が長いこと、タイムアウトが多いこと、レフリーコールが増えたこと等、試合運営そのものの問題もありますが、この試合は特に戦術的なやり取りがなさすぎた。ロケッツ側が一方的に仕掛けているくらいで、それも効いているのかいないのか、よくわからないことが多かったです。

「インサイドを固めるゾーンにしたぜ」・・・「でもバランチューナスにインサイドでやられた」みたいなことが多くて、なおさらよくわかりませんでした。もう少しリハビリしよう。

ロケッツvsペリカンズ” への2件のフィードバック

  1. ロケッツはタイスを干してシューターを入れてスペーシングが改善、スモールの相手が多くてウッド大暴れという印象ですね。そう思っていたらタイスを復帰させましたが。
    KPJはウッドとのコンビプレイが良くなり始めました。
    チームは大学生くらいの年齢の選手に育成プログラムを用意して鍛えているらしいですが、その若手に怪我人が多くてどうしようもないです。ガルバまで怪我ですし。

    1. ガルバなんてスペインでシーズンを戦っていた選手なわけで、ケガ人が多いのはチームの問題にも見えますね。
      グリーンだけはプレータイムが長くてさ。短い選手もケガをするってのは悪循環です。
      ほどほどのプレータイムで管理するのが、一番ケガを避けられるのかな。

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