プレーオフ①ホークスvsニックス

ゲーム4

ゲーム3の感想は「ファール狙いのニックス」で、別に狙っていないけどコールしてもらわないと、どうにもならないフィジカルスタイル。だけど違うのはローズ先輩。プレーオフになってから単なるローズのチームになっているニックスです。

そして当然のヤングのチームであるホークス。プレーオフレベルになって違いを作っていくのはほぼヤング。おこちゃまなファールしたり、ワイドオープン外すチームメイトとは段違いのプレーで引っ張ります。

なんか気が付いたら「ローズvsヤング」っていうね。アダルトvsヤングの対決構図なんだよね。昨日のモラントを観ているから、ヤングについてはそれくらいは必要なことだけど、ローズなんだもんな。いや、ローズは凄いんだけどさ。

◎ヤングとローズ

日本時間では深夜2時スタートなので、目は覚めたものの起き上がろうかどうしようかオロオロしていましたが、ヤングのプレーで覚醒してしまいます。いやー、凄いよね。本当にすごいわ。

当然モラントみたいな身体能力はなく、スキルと緩急で抜いていくんだけど、自分でフィニッシュを決めきれるシーンだけじゃないから、ギリギリまで引き付けてのアシストも連発。ホークスの初めの20点のうち15点がヤングから。

でも、こっちも信じられないくらいフローターを決めていくローズ。マジか。確変している32歳。どっちかというとモラント感はローズにあって、プレーオフになって成長しているじゃん。ヤングは「通常営業できている凄み」だけど、ローズはステップアップ。

ニックスはこれに加えて「決まっていない」ランドルにもやらせまくるので、初めの17点がローズ10点、ランドル7点です。ポジティブにみればランドルの復活にエネルギーを注いで成功なのですが、その内容はちょっと苦しくて、やっぱりタフショット連発。それも3Pが多く、本当に「ランドルに打たせている」感じです。

だから一気にホークスペースになってよかったのに、ホークスはホークスで3Pが決まらない。ワイドオープンも決まらない。このシリーズ特有の

ニックスのタフショットvsホークスのワイドオープン

これで何故か互角です。1Qは3P4/9(ローズが2本)のニックスと、3P2/12のホークス。ニックスが1点リードです。

◎ボールムービング

ランドルのアタックはいまいちだけど、テンションの高いホークスディフェンスが反応してくれるので、そこからパスを出せばバレット、バークス、トッピンなんかが決めていき、得点が繋がるニックス。

クォーター間のインタビューで「キープ・ボールムービング」といっているシボドーなのですが、例えばウォリアーズみたいにパスを繋ぐ中でチャンスを作っているわけじゃなく、ローズ、ランドル、バークスの個人技アタックばかりで勝負しているけど、最後にパスが出てくるのがニックスにとっての「ボールムービング」なんだろうなー。

一方でチャンスを作るために「ボールムービング」するのがホークス。マクミランもタイムアウトで「ボールムービング、ボールムービング」を連呼。パスの連続でワイドオープン作っていくボールムービングだけど、決まるのはヤングのアタックからばかりなので、こっちもこっちで「ボールムービング」に意味があるのかはわからない。

ヤングのいない2Qになって、そのボールムービングから3Pが決まりますが、途中からギブソンに邪魔をされます。ムービングするけどカペラにパスが来ても、ゴール下以外は放置なので1人ディフェンスが多い状態で守れてしまう。コリンズに代わってもシュートミスがあって、ギブソンが目立つよ。

やっていることは真逆なのに、HCの言葉は同じで、決めるのもローズとヤングが多いから正解が何かよくわかんなくなるね。ずっこけてファールドローしているブルロックと、ディフェンスを待ってファールドローしているヤングっていう、このマッチアップも結局は同じことしてるじゃん。

そもそもボールムービングする理由は、ディフェンスプレッシャーを避けることと、ボールを動かすことでドライブするギャップが出来ることですが、フィジカルなディフェンスが特徴のニックスだけでなく、ホークスも個人突破を止めるためにハードに守っているのがこのシリーズ。どちらもボールに対してハードなディフェンスをしています。

だからボールムービングは必要なのですが、ギャップにドライブして成功するのはローズかヤングくらい。ならば違いが出来るのは3Pなので、またも先に決めたホークスが抜け出しますが、ランドルの3Pをタフに追い込みながら、頭を叩いてしまったヤングで追い付かれます。おこちゃまだな。

さらにランドルはドライブでバランスを崩したからファールドロー。コリンズが守りきっているように見えるけど、本当になんだろうね。コリンズはオフェンスでダンクに行ったところをファールされ返し、前半はホークスが4点リードで終わります。

うーん、ディフェンスが厚いといえば、それまでですが、実際にはボールムーブしても決め切れてないホークスの甘さにも思える前半でした。ちなみにゲーム3までのスタッツで比較すると

〇ワイドオープン3P
ホークス 17.7本
ニックス 12.7本

ワイドオープンの数は明らかにホークスの方が多くなっています。妥当な結果ではありますが、ちゃんと決め切らないと勝てないよね。ボールムーブするだけじゃ勝てない。

〇前半の3P
ホークス 8/24
ニックス 4/14

確率的にはホークスが1本だけ多く決めたので、ほぼこの差だったことに。でも、この程度しか決まらないならボールムービングの意味もないのかな。ってことで、実はあまり書くことがない前半でした。

唯一あったのは、ホークスがきっちり決められるチームなら二桁のリードを得ていたという事。セカンドラウンドの先を見据えるなら、これを決めきれるチームに成長しないといけません。モラント君は苦手だったはずの3Pも決めているしさ。「爆発的な成長」までは行っていない気がするホークスなのでした。

◎動き始めた3Q

タフなロングレンジを連発で決めたヤングに対して、ワイドオープンを外したブルロックという逆の形で始まった後半。

ここでタフに決めきったのはハンター。速攻でランドルとコンタクトしファールを貰いながら、さらに次のギブソンをダブルクラッチでかわして&ワン。ビッグプレー!これで12点リードまで行きます。動き始めた試合。

バレットがコーナーからワイドオープン3Pを決めますが、今度はショットクロックギリギリで苦しくハイポストから打ったコリンズが決めると、さらにコーナーからも3Pをヒット。ヤング以外が決まり始めました。そしたら今度はヤングが外すからリードは広がらない。なんだよ。

ニックスはギブソンの押し込みとローズのアタックで得点するものの、今度はランドルが連続でゴール下をミスし、ファールコールがないとイライラ。そしてドライブで飛び込むとコリンズの鼻にエルボーアタック。コリンズのファールがコールされますが、ホークスはチャレンジします。そもそもファールには見えん。

このチャレンジが成功し、ランドルのオフェンスファールに。オフェンスファールっていうか、顔面エルボーは無条件にフレグラント1じゃないの?

これで4ファールのランドルですがコートに残ります。ガリナリのドライブに足ひっかけたり、怪しいのですが、幸いレフリーに見つからず。でも、オフェンスでランドルのアタックは減ります。減るくらいなら休ませてあげればいいのにね。なお、ヤングvsランドルになったシーンがありましたが、ヤングはステップバック3Pを選んでしまいました。そこはファールドロー狙いだろ。

まぁ流れはホークスなので、バークスの3Pはあったものの、ボグダノビッチが3Pで返し15点差。このまま終わるかなと思ったら、ランドルがアタックじゃなくて3Pをヒット。しかし、最後もボグダノビッチが3Pを決めて、88-71とホークスがリードして3Qが終わります。

ゲーム2からゲーム3の前半にかけてボグダノビッチ批判をしていたのに、カムバックしてきたよ。あんなにワイドオープンを外していたのに、そこからは重要なところでしっかり決めているから、これは成長なのかなー。

◎追い上げられない

ニックスの弱みはこれといって追い上げる技がないこと。ディフェンスの強みがあり、ガマンして戦えるから逆転能力はあるのですが、そのディフェンスも普段から強くフィジカルに出ているから「インテンシティをあげる」ことは出来ず、むしろファールが増えてしまう。じゃあ「守り方を変える」方法がありますが、ニックスは持ち合わせていません。

オフェンスはクイックリーやトッピンといったスピードと3Pのある選手で少し流れを変えることは出来ます。それはポジティブなんだけど、現段階では「ルーキーに頼る」という手法しかないのは、具体的な仕掛ける方法にはならないよね。

そんなこともあって、17点差の余裕からボールを回してハーターが3Pにミドル。ガリナリのダンクで23点差に広がります。広がったことは仕方がないのですが、もう少し何らかのアクションで「失敗したから広がった」ならいいんだけどね。力負けを受け入れてしまった感じです。

コリンズが中途半端なシュートに行ってしまったけど、トッピンが耐え切れずにファール。戻ってきたバレットがドライブを決め、ランドルもダンクを決めるも、全体的にはコリンズに抑えきられているので、連続では決められない。

対してコントロールにはいればOKになってきたホークスはヤングのアイソで時間を使ってからのパスアウト。そこからガリナリとハーターが決めて残り4分でも点差は変わらず。危なげなく3勝目を手にしました。

この後、ベンチに座っているブルロックがタイムアウトになったら、ダッシュでコートに入ってホークスにケンカ売りに行くわ、ガリナリに抜かれるランドルはエルボーで止めに行くわ。酷すぎるニックス。

ニリキナ、ノックス、クイックリー、バレット、トッピンでガベージタイムでしたが、ここにミッチェル・ロビンソンが加わってプレーオフに進まないけど、成長を信じて戦うことも出来たシーズン。最後がストレスからの暴力ばかりで終わるなら、プレーオフに出た価値があるのかわからなくなるね。トッピンなんか普通に起用でいろいろ出来るから、新人王争いも出来たかもしれないのに。

◎次で終わるのか?

何はともあれゲーム3で感じた勝ち切れる流れを、しっかりと手にしたホークス。前半は3Pが決まらず困ったけど、後半になって決まると、そこからは一気でした。

〇3P
前半 8/24
後半 7/15

ポイントは確率が良くなったこと以上に、決まったらアテンプト数が減っている事。それだけニックスディフェンスが前に出てきたわけで、ドライブが効いてファールドローが増えました。より堅実な得点を増やしたことが、安定した勝利に繋がっています。

ホークスはボールムービングが効いたということだし、3Pに頼ってプレーしているわけではなく、ディフェンスの狙いの中で適切なシュートを狙っているという事になるのでした。ヤングは本当にそうなのか怪しい所もあるけどね。

いずれにしても、おこちゃまだった無駄なファールはゲーム3よりも少し減りました。しっかりとボールを動かして3P打っていたし、ニックスの酷いファールにもハーター以外は慌てることなかったし、

「ちょっとずつ」成長しているホークス

という印象です。グリズリーズをみてしまうと、成長スピードの遅さが気になりますが、普通はこんなもんな気もするしね。だから、ゲーム5でシリーズが終わるのがベターなのかは少し悩んでしまう管理人。ゲーム7大好きなナゲッツが伸びている感じをみるとさ。

ただお子様な部分を出さず、粘り強い対応で守り切り、心を乱さずオフェンスを繰り返せば、負ける要素はない状態です。つまりは「後退しなければ勝てる」と思うので、ゲーム7に進んだら、それはそれで問題だ。

ニックスは3試合全て39分プレーしていたローズが、何故か今日は32.5分でした。ブローアウトの時間を除いても5分くらい短くなった感じです。その理由は何なのか。ローズがもっとも通用しているのは間違いないので、スターターになってローテを守るようになったらシボドーが交代させるタイミングを間違えたのか。

例によってペイトンの出番がありませんでした。正直、ニックスは「打つ手がない」かといえば、そんなことはなく、ペイトンにオーガナイズさせたり、ニリキナのディフェンスに頼ったり、ワンビッグにしてノックスをいれてウイング増で3Pチェイスをしっかりしたり、現状のメンバーでもとれる対応はいくつかあります。

特にボールムービングが問題ならペイトンを起用すべきなんだよね。実際、そこが一番大きな問題に見えるしさ。ひょっとしたらヤングへのディフェンスも期待できるかもしれない。

でも、きっとしないよね。うん、まぁそういうことだ。
ポジティブに言えば「選手のステップアップを信じる」であり
ネガティブに言えば「同じことしかできない」です。

ペイトンの件はそもそもスターターなのだから、起用して然るべきなのですが、自分で得点取りに行かないガードは信用されていないし、ましてや苦しい状況での打開策には選ばれにくいだろうな。

ノックスやニリキナについては言うまでもなく。まぁそれは「プレーオフに出る」を最優先にしてきた結果だから、いまさら言っても仕方がないし、間違いだったとも限らない。ただ、今から成長するというのが考えにくいだけに、ファンからするとつらいよね。

そんなわけで、ゲーム5がどうなるのか。普通に考えたらシリーズが終わります。頼むからラフプレー連続でケガさせる流れにはしないでくれ。マジで。すっごい怪しいニックス。ブルロックとランドルには厳しくコールしてください。

プレーオフ①ホークスvsニックス” への9件のフィードバック

  1. いつも楽しく拝見しています。

    ペイトンはNYでも日本のニックスファンからも人気がないような話を聞くんですが、実際はGAME1、2のように5分でも8分でも出した方が、ランドルはじめスターターみんなリズムが掴めるんでしょうか?

    以前、ランドルはタフでも何でも自由に打たせることがいいのではという記事がありましたが、ランドルのやりやすさ的にはペイトンは必要なのかもしれないと思いました。

    IQやトッピンも、ローズとセカンドユニットで出てきた方がRSは躍動していた気がします。

    1. ローズだとボール回ってないので、ペイトンで全員がボールに触ること、少しでも個人技を減らせること、そしてローズとの対比で変化をつけられること、そんな感じですかね。

      シーズンのPGをプレーオフで起用しないって、ちょっと聞いたことないような。

  2. シボドーの最大の欠点である「融通の利かなさ」が出てるのかなぁと思います
    あれもこれもシーズンの中で試してプレイオフでのオプションを増やす
    というより使えるメンバーを長時間使うのが彼の特徴です
    なのでやり方が通用してる時は強いのですが通用しなくなった時
    完全に手詰まりになって選手任せになっちゃんですよね
    ここを変えない限りシボドーが偉大なHCになれないのかも知れません
    かつてニックス時代のパットライリーもこういうとこがあったので
    特定のHCには避けて通れない道なのかも知れませんね

    1. 時代は戦術の柔軟性ですからね。パット・ライリーの時代とは大きく違うし、さすがにプレーオフでこのスタイルは厳しいですね

      まぁそれでもハーデンやデュラントを連れてくれば、成立しちゃうので、オフの補強はスターかき集めかなぁ。

      1. KDには前年フられてますし今のKDがネッツを出るのは考えずらいですね
        戦術うんぬんより圧倒的な個人技で点を取るのが
        シボドースタイルですからスター呼ばなイカンってことに
        なるんですが…ディフェンス構築に関してはあれだけ素晴らしいのに
        何でオフェンスの構築が出来ないのか?
        そこが弱点だと昔から言われてるに何で改善せんのか?
        オフェンス構築が苦手ならアシスタントに丸投げしたっていいのに
        有能なコーチなだけに悔やまれます

  3. whynotさんが思うボールムービングが今季1番優れていたチームはどこでしょうか!私は2014年のボリスディアウがいた頃のスパーズから更新されていないおじさんなのですが…

  4. 2014年スパーズのボールムーブはマイアミのハンドラートラップをかわして、マイアミウィングスを疲弊、絶望させる目的、あるいはそんな効果が絶大だった説を提唱したいです。

    つまり、パーカーにダブルをせずヘルプのタイミングを遅らせてパーカーに持たせ続ければビューティフルバスケットにはならなかったんじゃないかと。

    スパーズバスケのあくまでオプションの1つが、マイアミのユニークなディフェンスと優位に噛み合い、そのままシリーズが推移したという。

    西を勝ち上がるときには、決勝のデザインはあまり出てなかったと思うんですよね。翌シーズンも。

    このブログ読んでいると、スタイルの噛み合いとか相性が重要らしくて。

  5. ローズファンなので活躍はちょっと泣きそうなくらい嬉しいんですが、
    でもローズが活躍しても意味はあるの?ニックスの来季には繋がるの?と思ってしまいます
    PO出場が目的だったからRSはローズに頼るのもわかるんですが、、
    もうどれだけボッコボコにされようかま来季には繋がるゲームをした方がいいのではと思ってしまいます
    まああまり点差が開きすぎるとガベージにはなりますが

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