ゲーム4
注目のゲーム4ですが、内容としてはケガで欠場の可能性もわずかにあったADが、前半残り1分のところでレイアップに行くと、着地時に内もも辺りを痛め、ハーフタイムにはロッカーに戻る途中で痛みに耐えられず、結局そのまま戻ってきませんでした。
逆にクリス・ポールは抑え気味だった前半から、後半にはしっかりと自分のプレーを発揮できるところまで回復し、サンズが2勝目を手にしホームコートアドバンテージを取り戻したのでした。
ADのケガがなければどうなっていたのかわかりませんが、ADのケガがなくても勝つためにサンズが準備していたのも事実だと思うので、そんな視点から試合展開ではなく、全体の感想を書いてみましょう。
◎ブッカーの焦り
試合開始からブッカーがアグレッシブに仕掛けていきます。それはちょっと強引にも見えました。だから「ブッカーは焦っている」気もしたのです。
クリス・ポールのケガもあり、自分がなんとかしなければいけない。この2試合の内容だとレイカーズに押さえれているので、先行してアドバンテージを得た状態で試合を進めたい
勝手に推測するなら、こんな感じかなー。レイカーズはKCPがゲーム3のケガでそのままアウト。相手がマシューズになったこともあり、チェイス能力が落ち、ボールが持ちやすくなったことも関係しています。KCPだとどうしてもスピードで勝負し続けるわけにはいかず、マシューズ相手の方が速めの仕掛けが生きてくることもあったので。
この真偽はわかりませんが、この試合17点のうち9点が1Qでした。っていうか以降の8点も少なすぎるのですが、理由はイマイチわからなかった。
クリス・ポールは肩よりも足が痛いのかな、という前半でしたが、後半になるとパフォーマンスを戻してきただけに、初めから前半はブッカーがなんとかするというプランだったのかもしれません。
このプレーなんか、これまでハーフコートを組み立ててきたサンズオフェンスにしては、随分と速い仕掛けでブッカーが行きました。マシューズはちゃんと守っているけど、ブッカーの仕掛けが早いから、マシューズは急いで対応した感じで、レイカーズ自体が構えられずに、最終的にエイトンが空いた感じです。
思い出すのはゲーム3ですが、レブロンやシュルーダーがボール運びから、そのままスピードで仕掛けたことがサンズディフェンスを打ち破りました。つまりレイカーズの方が速い展開を仕掛けたことで、試合のペースが上がりました。
ところがゲーム4になって逆にサンズ側がペースを上げることになりました。だから初めは「ブッカーの焦り」なのだと思いました。しかし、1Qはブッカーだったけど、以降はチーム全体が走り勝つことを選んだようなプレーにも見えました。
ブッカーがギアをいれたのか、それともゲームプランだったのか。どうにも判断がつきませんが、このゲーム4でサンズがオフェンスの修正をしてきたことは事実です。
レイカーズもサンズも、相手のディフェンスがしっかりと構える前に攻め切ることを狙いの1つにしていたといえます。確かにツービッグで来るレイカーズなのだから、スピードで仕掛けるのはサンズにとっては正しい論理のはずです。
◎ツービッグとドラモンド
ツービッグを選んだレイカーズですが、それが速い展開で仕掛けるというのは、なんとも不思議な作戦でしたが見事に機能したゲーム3でした。じゃあツービッグの狙いは何かといえば、サンズで最も代えが効かなくなっているエイトンをいじめる事だったと思います。
またガソルを起用すればアウトサイドに引き出してくれるので、インサイドへのドライブがより有効になっていました。同時にディフェンスを崩したならば、ADの脅威がフィニッシュの怖さを上げてくれます。ドラモンドでエイトンとファイトさせておいて、ADで決めに行くのも1つの作戦でした。
面白いことに、ADがいた前半と、ADがいなかった後半でドラモンドのプレータイムは変わってきました。
〇ドラモンド
前半 13.5分 7リバウンド
後半 6.0分 3リバウンド
なんとも奇妙な話です。ツービッグの片割れがいなくなったら、プレータイムが減ってしまったドラモンド。ADの代役にモリスやハレルが登場したのですが、そうなるとドラモンドは違うってことでした。ドラモンドが出ていたのはADの代役がクズマの時間帯だけだったと思います。
今日も後半にフロッピングしてエイトンに見事なスピンムーブを決められたドラモンドなので、単にヴォーゲルがプレーにムカついただけかもしれませんが、ADを生かすためのツービッグであり、そのためのドラモンドだったみたいです。
ゲーム5もADは休みそうなので、その時にレイカーズのローテは大きく変化しているかもしれません。ドラモンドが軸のビッグマン、という前提ではないローテです。
ヴォーゲルがドラモンドに対して、どんな評価をして、どんな組み合わせを考えているのか、とっても気になります。おそらく「ドライブで得点するには邪魔」くらいは考えているはず。レイカーズが何を優先してくるのでしょうか。
◎走るだけでもエイトン
ショットクロックがなくなりそうなとき、vsクズマでポストアップしたエイトンにパスが出ましたが、パワーで押そうとしてびくともせず、ターンシュートしようとして打ち切れず、時間もないのにパスアウトしたエイトン。いくらなんでも弱すぎるだろ。
そんなエイトンなのですが、特にADがいなくなってからは見事にチャンスメイクしていました。どうやって?走っているだけ。
ディフェンスが終わったとき、時にオフェンス側はレイアップでコートの外に出ていたり、リバウンド争いで倒れていたり、ハリーバックが徹底されているレイカーズでもすぐにディフェンスに戻れるわけではありません。
そんな時に、愚直にリングからリングへ走るエイトンが、特にマッチアップのセンターを置き去りにして走ってくるので、レイカーズディフェンスはマークを捨ててでも抑えに行く必要がありました。当然そこがミスマッチになることもあれば、両ウイングが走っているので、そっちが空くこともあります。
本当に何でもない走りだし、チャンスにならない事の方が多いです。でも、エイトンが走るからチャンスが生まれる。ブッカーが早めに仕掛けたのは、やっぱりサンズの狙いである気がしてきたのは、そんなエイトンの走りが目立った後半からでした。
ADがいないことでエイトンの相手をするのはドラモンドのみ。ドラモンドも走り負けるタイプじゃないので、同時にスタートを切れれば問題ないのですが、常時それはできない。だから、ギャップが連続する時間帯がありました。
するとクリス・ポールのパスからエイトンか両ウイングの空いた選手にパスが出てくる。54-50で始まった後半は、開始4分で68-54と14点差まで広がったのですが、口火を切ったのはエイトンの走りで、エイトン自身が6連続得点し、ミカルの3P、そしてクリス・ポールが2本のミドルで一気にリードを広げました。
〇エイトン
15点
FG6/8
17リバウンド
今日もまた堅実な、ただただ堅実な働きをしたエイトン。でも、ADがいないことで、その堅実さはレイカーズにダメージを与えていきました。スタームーブはゼロだから、気にしないHCは気にしないけど、ヴォーゲルはとっても気にしそうなタイプだよね。
◎動けなかったレイカーズ
そんなエイトンにあまり良い手を打てなかったレイカーズ。一番よかったのはガソルで、もう慣れたのか上手くパスコースを塞いでいました。だからエイトンのところはディフェンスは仕方ない。あとはオフェンスで取り返せないことが問題でした。
〇セカンドチャンス
ゲーム3 20
ゲーム4 7
〇ペイント内
ゲーム3 58
ゲーム4 36
うーん、なんでしょうね。ゲーム3のレイカーズは早い仕掛けでしたが、ゲーム4になったら普通に戻りました。特にシュルーダーはペイント内が2点しかなく、かなり対応が変わったといえます。逆に言えばサンズ側としては防ぎたいポイントに成功しました。
〇シュルーダー
8点
FG3/13
3アシスト
まぁそりゃそうか。ADいないしレブロンはムリでもここは徹底したいよね。しかも、本日はクリス・ポールが後半に活躍しているし、PG対決でレイカーズは何とかしないと。ADの優位性がないので。
またディフェンスリバウンドのキープはAD不在もあって圧倒的です。エイトンの17リバウンドは気合なのか何なのか。クラウダーも7リバウンドですが、ゲーム3でマズかったことでボックスアウトの数が一気に増えました。
〇サンズのディフェンスリバウンド
ゲーム2 27
ゲーム3 27
ゲーム4 40
〇サンズのボックスアウト
ゲーム2 10
ゲーム3 5
ゲーム4 13
でも、これをみると、レイカーズはさらに走るべきでした。乱戦にしないからサンズはしっかりと対応できたとも言えます。AD不在は優位に働いたでしょうが、サンズ側はベーシックな部分の改善を目指していたと思います。
レイカーズからするとKCP不在もランニングゲームを仕掛けにくく、かわりにマクレモアに3Pを打たせていましたが、とにかく走れていませんでした。まぁレブロンが一気にペースアップすれば成立するんですけどね。だからやっぱりクラウダーが一番大事だった気もするし・・・
ということで、具体的にコレ!という改善点も狙いもなく、総合的にサンズ側がしっかりとリバウンドを抑え、自分たちはペースアップを狙いながら、レイカーズには走らせませんでした。反省点と改善点があったトランジションの戦いだった気がします。
◎キングはどうするのか
ADが怪しい中で、ゲーム5はレブロンがどう動くのかが注目されます。キャブス時代みたいに試合開始からギアを上げ、個人の強みでガンガンいくのかどうか。行ったら行ったで終盤に失速するのですが、でもいかないとダラダラと点差を空けられてしまいます。
うーん、どうするんでしょうね。レブロンもイマイチなコンディションっぽく、延々と微妙なプレーをしています。とはいえ、ギアを上げる必要がなかったことと、復帰から時間が経っていないことが原因でもあるので、そろそろフルスロットルで行っても良さそうな。
〇レブロン
ゲーム1 18点 10アシスト
ゲーム2 23点 9アシスト
ゲーム3 21点 9アシスト
ゲーム4 25点 6アシスト
試合ごとに調子を戻している気もしないでもないし。アシスト数よりも得点が求められそうなゲーム5なのでガンガン行って欲しい所です。
じゃあ、その時に効果的なユニットは何か。ガソルにすることでトップにガソル&エイトンを置くのが、最もレブロンに点を取らせやすくなります。他にも合わせるのが上手いわけでもないドラモンドよりも、ハレルの方がインサイドでの得点が期待できます。
AD不在でキングに得点を期待したくなり、そのためにはツービッグの戦略を変える必要がありそうです。ついでにいうとPGよりもスコアリングに働いてほしいレブロン(とシュルーダー)なら、ホートン・タッカーの出番もあるかもしれません。
ということでレイカーズが一気に3連勝しそうだった中で、AD離脱は単に1敗じゃなくてゲーム5以降の戦略が大きく変わってきます。
◎クリス・ポール
さて、厳しかったクリス・ポールは今日も前半の動きはイマイチ。今から思えば、後半に備えて動きをセーブしていただけの気がしますが、前半は全然動かなかったので肩よりも足の痛みが怪しかったです。騙されたのか、根性で乗り切ったのか。
〇クリス・ポール
18点
FG7/15
9アシスト
これでチームハイになりました。ブッカーが何してんのか疑問ですが、6人が二桁得点はよりバランスアタックが出来たって事なので、それもまたサンズの改善だったのかもしれません。
いずれにしてもエイトンが良かったことも、クリス・ポールの復活が大きく、ゲーム2と3のレイカーズが行った対応が本当に正しかったのか、単にクリス・ポールの不調だったのか。レイカーズの「肩痛いだろ」作戦が有効じゃなくなるなら、戦略も変わってくるよね。
それにしてもクリス・ポールがケガから戻ってきたら、ADがケガするなんてね。どっちもエースの片方がケガしたくらいじゃ、チームオフェンスは変わらない強みを見せたものの、やっぱりプレーオフでは勝てないね。
ゲーム5は戦略まるまる入れ替わるのか。レイカーズはクリス・ポールをいじめられるのか。ADは戻ってくるのか。ドラマなファーストラウンドです。
モンティは、ゲーム前クリスポールを外す予定だったようですが、クリスポールが1、2分でいいから、プレー振りを見て、判断してくれと。
全快とは行ってませんが、我慢して使えるレベルまでには戻って来たという感じでしょうか。
この先は、出れそうですね。
まだ、スリーはショート気味、パスもドリブルも弱めですが、これくらいミドルが決められれば、ブッカーとともに高確率のジャンパーがサンズのバスケの土台ですから、サンズにとっては良い方向に向かっているのは間違いないですね。
サンズで怖いのは、エイトンのファウルトラブルでしょうか。
ブロックで不用意に飛んじゃうタイプなので心配です。
ブッカーの短気も心配ではありますが、KCPの脚の状態も良くないようですし、マシューズ、カルーソでは、KCPに比べれば、ブッカーもやり易そうです。
クリスポールが戻ってくれば、焦る必要もないですし。
一方、レイカーズはAD次第でしょうか。
元々、膝、肩などに爆弾抱えている状態に加えて、股関節のケガ。
出て来るにしても、満身創痍は間違いないでしょう。
サンズは、フルメンバーを想定して準備しているようですが、どうなるでしょうか。
出ないにしても、ガソルがいいプレーしていたので、層の厚さは凄いですね。
ガソルは、オフェンスではスリーで外に出て、インサイド空けられるので、嫌らしいですね。
リムプロテクト能力は落ちて来ているので、ブッカー、ペインはドライブを狙って行けば良いのでは。
ドラモンドもいるし、ハレルもいるし、サンズは大変ですね。
個人的には、4戦見た中では、ドラモンドが一番嫌です。
リバウンド制圧されますので。
変なローポさえしなけば、相当やられそうな気がします。
サンズがホームコートアドバンテージを戻して、ここからが勝負ですね。
game5取った方が行きそうです。。
流れは、サンズですが、どちらのチームが健康な状態で臨めるかでしょうか。
もうLALの優勝はだいぶ厳しくなったかなと思います
インサイド強くないサンズでこれなら
ADがファイナルまで健康を保てるとは思えません
レブロンもギアを上げたとしても1人で40.50点取るのはなかなか厳しいのかなと
サンズ戦はADを完全に諦めて回復する事を祈るくらいしかない気がします
やっぱり元気な方が強いですね
ガソルを出して、レブロンにポストプレーをさせる展開が増えそう。AD以外ならある程度守れるクレイグに期待。キャムジョンソンもいるし、サンズのウィングは層が厚い。