プレーオフ①バックスvsヒート

ゲーム2

ヤニスに26点はとられたものの、FG37%に抑え込み、ほぼ予定通りのゲームを進められたヒート。ところがバトラー+アデバヨでFG8/37と、あまりにも酷く、4Q終了間際のバトラーレイアップでオーバータイムに持ち込んだものの、残り0.9秒でミドルトンのタフなミドルショットが決まり、バックスが先勝しました。

それぞれ修正点はないけれど、同じ内容ではまずいって事で、バックスは16%に終わった3Pを、ヒートは主役たちのインサイドをどれだけ改善できるかで試合展開も変わってきそうです。

◎ゲーム1からの反省

今日もヤニスにはアリーザ。さっそくターンオーバーを誘発したけど、アデバヨは連続でシュートミス。そのリバウンドからもっていったヤニスのパワーアタックが決まり、さらにディヴィチェンゾの3Pも決まって、バックスの方が改善を見せるスタートになります。

さらにアデバヨがミドルを外し、ヤニスはパワーアタックでアリーザを吹っ飛ばしてのゴール下を外すけど、リバウンドを取り、それも外すけど、リバウンドを押し込んで早々に10点差になります。

ヤニスを止めていたアリーザですが、ゲーム1でもポストムーブにはやられまくりました。クラウダーなら止めていたけど、アリーザは苦手。苦手っていうか、そもそもハンドチェックの上手いアリーザってヤニスタイプのマークマンじゃないからな。

気になるのはヘルプに来る遅さ。やられるのをわかっているポイントなのに、随分と来るのが遅いじゃないか。リバウンドを押し込まれたことよりも、アリーザが吹っ飛ばされた時点で誰も来ていなかったことがマズい。

タイムアウトのヒートですが、ゾーン気味になってvsダンカンのポストアップになったところにアリーザが即ヘルプ。ところがヤニスの冷静なパスアウトでミドルトンが3P。さらにミドルトンはドライブからゴール下のヤニスにアシストし、これまでにない快調な立ち上がりになりました。

ゲーム1で止められていたヤニスが強引だけど押し込み、決まらなかった3Pは確実にヒットし、ついでにホリデーもゴール下でポストアップして決めた。6分経過した時点で21-7と圧倒します。

バトラーこそシュートを決めていましたが、そのバトラーもゲーム1同様によくわからないところで止まってしまいハードなプレッシャーを受けます。まぁ止まるのは去年も同じなんだけど、バックスはそれをわかっているからハードに守っているような。特にバトラーが止まったときに、周囲へのマークを強めているので、パスが出せずターンオーバーになります。

バックスディフェンスは気合のマンツーでプレッシャーをかけており、頻繁に空いてしまうアデバヨ以外は、ディフェンス面の強化がヒートを抑え込んでいます。ヒートが悪いよりもバックスが良い。

ゲーム1でもバトラーに対してタッカーのハードディフェンスが光りましたが、ミドルトン、ヤニス、ホリデーと入れ替わりバトラーに向かっていくので、非常に強力。ゲーム1はその代わりに周囲へのアプローチが遅れてダンカンに3P食らいまくったわけですが、今日は個人を守り切る気持ちが強いから、3Pもタフなものばかりにしていきます。

一方でバックスはフォーブスが3Pをヒット。連発。ゲーム1では決まらなかったシューターが決めると、続いてカナートンもヒット。連発。ヤニスのインサイドに困った結果、3P食らいまくるというわかりやすさ。1Qだけでフォーブスが4本、カナートンが2本の3Pを決めます。

違いがあったのは結局、エースが止められるかどうか。開始早々に9点とったヤニスはそこから自分で得点することはなく、収縮しすぎるヒートディフェンスにパスで繋いでいき、一方でマンマークで困っているバトラーのヒートは3Pはデッドモンの1つだけ。

〇1Qの3P
バックス 10/15
ヒート 1/6

見た目的には3Pに差があったけど、それはディフェンスプレッシャーの差でした。そこにゲーム1であまりにも決まらなかったフォーブスが意地を見せたような感じ。46-20と早くも26点差で決着って感じです。

ゲーム1で自分たちの悪かった3Pを決めきっただけでなく、シュートが決まらないアデバヨには過剰に対応することがなく、バトラーは個人で止めきる。だからマンツー集中で3Pも食らわない。ゲーム1の反省が活かされまくっているバックスでした。ヒートは特に何もしていない感じだもんね。

◎余裕のバックス

止められているバトラーはともかく、外しているアデバヨが行くしかない。相変わらず変な感じで調子の悪さを感じさせますが、なんとかペイント内でファールドローし、さらにヒーローの乱れたパスで3人に囲まれるけどねじ込み&ワン。

するとポストでボールを持った時にドラギッチのカッティングが決まり、ちょっと改善しそうなヒート。アデバヨとのハンドオフからナンの3Pにもなったし、アデバヨが怖いことで成立することも多いわけだ。

しかし、バックスはヤニスへのアリウープを連発。「使われる」と本当に怖いヤニス。イグダラをものともせず、ゾーンになったら高さで攻略してしまう。バトラーがマークについても押し込んでのフックを決められたので、手も足も出なくなってきたヒート。

ただ1Qのように3Pは決まらないので、リードをキープしているくらい。そんな中でタイムアウトを経て、フォーブスを戻すと3P連発。この時点でバックスのリーディングスコアラーに躍り出たフォーブス。ダンカン以上の爆発で違いを作ります。

バックスがもう1つやっているのが、そのダンカンを狙ってポストアップを仕掛ける事。スクリーンを使って、マークマンを追いかけさせないようにしたミドルトンがダンカンを連れて逆サイドでポストアップしています。ってことで3Pも決まって、インサイドも決まるから再び点差が開いて29点差までいきます。

とにかくバックスの修正が光ったゲーム2でした。最も良かったのは個の対応でバトラーからミスを引き出しまくったディフェンスですが、オフェンスも細かい修正が効いていた。まだ前半だけどまとめに入ろうとしています。

①フォーブスの3P
ゲーム1で決まらなかったシューターの気持ちが乗った前半でした。これはもうフォーブスを誉めるしかない。

②ミドルトンの嫌らしさ
キャッチ&3Pもあれば、ダンカンを狙ったポストアップもあり。そして何よりドライブからヤニスのフィニッシュを導きまくったことが、チームのフィニッシャーであり、潤滑油であり、なによりもヒートを困らせました。バトラーがここを止められなかったのも痛かったわけです。

③ホリデーの11アシスト
これらをホリデーがしっかりと操りました。ヒートが厚く守りに行ったら逆を使われるような。シンプルにパスを回しているだけですが、チーム全体が好調だとそれが一番効果的さ。

しかし、78-51と大差になった最大の理由は「点差が開いたこと」だった気がします。言っていることが変ですが、ミドルトンからのアシストを受けまくった割にヤニスは18点どまり。試合序盤は自分で行くシーンが目立ったのに、途中から気持ちよくパスを振り、自分は合わせに飛び込みました。

これが点差が離れていなかったら、ヤニスが個人でダムダムする時間が長かったはず。リードが余裕を生み、余裕はヤニスのプレーを変えた気がするのでした。おしまい。

◎ゲーム3に向けて

余裕があるので次の試合について考えましょう。

まず、バックスとしては同じような展開に持ち込みたいわけですが、さすがに3P決まりすぎだし、ヤニスが同じようなプレーを出来るとも思えないので、そんな上手くはいかないでしょう。とはいえ、形はわかりやすく、ここまで成功しないまでも、間違いのない戦い方です。

バックスにとって大切なのはディフェンスのインテンシティ。ここまで個人で守り切るとは思わなかった。ある意味ゲーム1でダンカンにやられたからこそ、そこを離せないから「バトラーなんかも個人で頑張れ」になったのかもね。

唯一、ナンだけはちょっと苦労していましたが、そこまで気にしていられないからな。でも、それはヒート側からしても攻略のカギになる要素です。

バックスのディフェンスが効いていた理由を探すなら、ミドルトン、ホリデー、タッカーとバトラーに当てる選手が複数いる事。なお、ヤニスは結構やられているので、あまりマッチアップさせたくないはず。

なんだかんだいっても、個人アタックが怖いのはバトラーだけなので、バックスとしてはインテンシティを保ちやすいわけだ。ってことはヒートは、スターターを弄っても良いかもしれない。ヒーローかドラギッチをいれて、個人突破できる担当を増やそう。でも、代わりにベンチに行くのがナンになるわけで、どこまで違いになるのか不明。

この点はプレーオフになってドラギッチがスターターになった昨シーズンと似ています。バックスに先制攻撃を食らって困ってしまうなら、ドラギッチをベンチから出す意味もないしなー。オラディポがいれば解決していたんだけど・・・。

ヒートはバトラーを何とかしないといけません。全然、突破できていないバトラー。ここを個人で頑張らせるか、それともコンビプレーを増やすのか。これもオリニクがいれば、コンビプレーを増やせたのですが、アリーザにやらせるしかないかな。

まぁいずれにしてもバトラーが同じように止められるなら、3連敗は濃厚です。

アデバヨについては途中から少しずつ改善してはきました。ブルックはしっかり守っているとはいえ、そこまでプレッシャーにさらされているわけではなく、ミドルを「打たされて」外している感じです。ここはほっといてもバトラーよりは解決する可能性が高いですが、それよりもやっぱりドラギッチとのコンビプレーを使ってフィニッシュさせたい。

バックスはアデバヨのゴール下は止めるけど、ミドルを打たせておこう作戦にも見えるので、ドラギッチでフィニッシュへのアシストさせるのは有効。ただ、調子悪いのかどうも押し込みが出来ていないアデバヨ。いろいろ考えられるけど、いろいろ難しそうだ。

ドラギッチをスターターにして起点を増やし、アデバヨのフィニッシュを増やしながら、バトラーを少しでも楽にする

これが現実的なライン。ただドラギッチ自身もそこまで調子よくないし、ディフェンス面でホリデーアタックにさらされるかもしれません。だからこそナンが起用されているわけだし。

一方でディフェンスは何とかしないといけません。一番苦しいのはミドルトンにやられることでヤニスへのアシストもされまくっています。ここをバトラーで塞ぐとヘルプが厳しいので、もう思い切ってバトラーはヤニスにぶつけ、ミドルトンをアリーザに変更かな。

ヤニスにアデバヨ、ブルックにアリーザという手段もありますが、どっちにしても気持ちよくなっているヤニスはポストアップから冷静にプレーしてきそうなので、同じ形にしない方がベターだと思います。

3Qやっていますが、アデバヨとデッドモンを並べています。今シーズンに厳しいのはツービッグのオプションを作れていない事。ヤニスにアデバヨをぶつけ、ブルックにオリニクという手段もあったわけですが、ビエリッツァを信用できないみたいで、あまり考えられません。3Pビッグマンが必要だからアチュワってわけにはいかないし。

そんなわけで、実は昨シーズンと比べてオプションが少ない問題があります。これはシーズン中に作ってこれなかったスポルストラの失敗であり、終盤までプレーオフが決まらなくて余裕がなかったからでもあります。

まさかのスイープすらも見えてきてしまったヒート。大敗だからこそ、思い切った手を打てるし、大敗だからこそバトラーの奮起を信じるってのもあるかもしれません。どんなゲーム3にしてくるのか。

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