バックスvsシクサーズ

2021/4/22

トバイアスが帰ってきたので見てみましょう。でもシモンズがいないと、このカードではちょっと苦しいかな。モンスター・ヤニスとエンビードの戦いは、周囲の選手が重要になってきます。「相手の大将の戦力を大幅に削る捨て駒が必要だ」という感じ。

◎狂ったバックス

試合開始からバックスが大きくリードします。エンビード担当のブルックがコンタクトで戦う間に、後ろからきたヤニスがブロックするんだもん。ゴール下に籠って対応するブルックとペイント近辺でカバーするチームメイト達の構図も良く、3Pを思い切りよくは打たないシクサーズオフェンスにも助けられています。

オフェンスでもブルックがコーナーで3Pを決めてストレッチすれば、ホリデーやミドルトンもキックアウト3Pをヒット。ちょっと決まりすぎのスタートではあるけど、しっかりとシクサーズをペイント内に収縮させておいてパスアウト出来ています。引きこもりがちなディフェンスでもあるので、序盤は個人技ではなくチームで効力しており「狙い通り」って感じ。バックスにしては珍しい。

PGホリデーがキープしている間に、ミドルトンが2つのスクリーンを使って抜け出し3P。同じようなプレーと見せかけてゴール下にカットしてイージーレイアップ。マジでどうしたんだ。気が狂ったんじゃないのかブーデンフォルツァー。あまりにも鮮やかなチームオフェンスが続いていきます。信じられん。

さらにディフェンスでもミドルトンがトバイアスの動きを完璧に読んでスティールし、ヤニスの速攻。エンビードとローポスト1on1になったブルックはブロックショット。開始6分半で28-10と大量リードでヤニスからPJタッカーに交代します。その後でホリデー以外が全員ベンチメンバーになったよん。

ここから急激に流れが変わります。バックスは良いプレーをしても単純にシュートが決まらないことが増えた。これは仕方がない。ただ、時に選手全員が何らかのプレーコールをしようとして「どのタイミングで行くのか悩んでいる」ようなシーンも。マジで個人技を辞めることにしたかのようだ。

一方でシクサーズのアウトサイドに打ち込まれてしまいます。これはバックスディフェンスあるある。マキシーが強気に打っていくけど、プレッシャーに出ていないしさ。

これで点差を詰められたバックスですが、シクサーズのシュートも決まり続けるわけないので、ヤニスが戻ってきた頃には停滞気味になります。マキシーのドライブはポーティスがブロック。

ところでヤニス、ポーティス、タッカーを並べるんだね。当然のようにオフェンスはヤニスアタックばかりになっていくよ。それを止められるようなシクサーズのセカンドユニットでもないので、点差が戻って1Qは40-26となります。

始めの7分は今シーズンのバックスで最高の出来だったかもしれないけど、そこからは微妙になったから、最高の1Qではなかったね。

◎ガマン

頼りないと評判のシクサーズのセカンドユニットですが、ヤニスのいるバックスに対抗できています。その理由はトバイアスが復帰したから・・・ではなく、バックスがガード相手のディフェンス力に課題があるからに見えます。スピードに対応しきれていない感じ。

プレーオフの事を考えてみましょう。リバースの良いところは、選手を信用するのでベンチメンバーも生き生きとプレーしていることです。バックスとの対戦になった場合、ミルトンやマキシーのプレーは重要になりそうです。逆にスターターにはアタック能力を持ったガードがいないよね。

だから、こうやって起用していくのが好ましいわけですが、昨シーズンのクリッパーズはプレーオフになったらレナード&ポール・ジョージを長く使って崩壊しました。今シーズンはどっちに転ぶのか、リバース本人もわかっていない気がしますが、少なくともシーズン中の対戦で有効なことがわかるのは大事だ。

こうしてオフェンスは悪くなかったのですが、ディフェンスは引き続き3Pをくらいまくります。パスアウト3Pの連続で点差は動かない。まぁシクサーズのセカンドユニットの役割は互角に戦う事だからいいか。

スターターが戻ってくると、少しずつエンビードが決め始めます。ブルックがファールドローだけはさせないような守り方なので、シンプルにミドルは打てる。ブルックからすると勇気のいる守り方ですが、エンビードが決め続けない限りはこれでOKだ。

以前のエンビードは途中であきらめるというか、決まらないと違うことして沼にハマっていく感じでしたが、今シーズンはシンプルに打てるなら打ち続ける印象があります。バックスはダブルチームにも来ないので、本当に自分で打っていくしかないんだ。

だから点差は縮まらないけど、離されもしません。安定して爆発もしない。ただ残り2分からマークがタッカーになると、激しく守るタッカーがファールコールされます。さっきまでのブルックと違いすぎ。チームの狙いは何なのかって思ったらタッカーが下がって、再びブルックになります。なんだったんだろ。

前半は3P13/21も決めたバックスが77-60と17点リードで折り返します。失点が多かったことをネガティブにみれるけど、崩壊させずに地道に戦って60点は取れたともいえます。後半になっても3Pが決まり続けるはずはない、と割り切れているのかな。

◎ヤニスとエンビード

ブルックの3Pが連続で落ちる後半。これでシクサーズディフェンスは広がり切る必要がなくなってきます。でも、それより重要だったのは、ヤニスのマークがエンビードになり、ゴール下に引きこもっている事。これでバックスは3Pが決まらないと手詰まりになってしまいます。まぁシクサーズも外してくれたおかげで助かっていたけど。

ヤニスvsエンビードだったら、8-2でヤニスが勝ちます。シンプルにスピードで粉砕できるから本来は楽勝。ただ、こうして引きこもりが成功するなら話は大きく変わってきます。ドライブレイアップをブロックするエンビード。

基本的に「ヤニスが3Pを決めまくる必要はない」と思っていますが、この対戦カードで言えば話は違います。ヤニスが3Pを決めないと、エンビードは引きこもっていれば良く、それはドライブが難しくなるチームメイト達にとっても苦しい。ただし、ヤニスがスクリナーになって3Pの上手い選手に打たせればいいんだけど・・・やらないぜ。前半は何だったんだ。

普通のセンターが相手ならヤニスはインサイドで蹂躙しますがエンビード相手だとそうもいかない。ってことで手詰まりになる匂いがしたバックスオフェンス。

ところがそのヤニスが3Pを1本決めたら、2人の関係は一気に均衡が崩れます。ここからスピードで圧倒するヤニス。アウトサイドが決まったことと、時間と共にエンビードの疲れもあるから、遂にはドライブダンクも決める。一気に試合が決まりそうになった3Qです。ところが、ヤニスがオフェンスファールしちゃってベンチに下がったから圧倒の時間は終わり。試合を決められなかった。

しかしエンビードもお疲れ。ヤニスがいなくなったのに、もたもた歩いていてボールも貰えない。ここでトバイアスが行きます。見事なフェイダウェイで加点していき点差を一桁に。ウォリアーズ戦でトバイアスがいれば勝っていただろうね。

3Qだけで12点のトバイアス。やっぱりエースキャラが増えると強いわな。そこまでは良かったけど、ヤニスが戻ってくるとドライブファールドロー。そしてキックアウトからポーティスがコーナー3Pを決めると、同じ位置からポーティスが3連発。

結局108-87と逆に21点差になって3Qが終わりました。ヤニスの3Pで一気に均衡が崩れ、エンビードの心が疲弊してしまったね。

◎プレーオフ

点差が開いたのでプレーオフの事を考えながら観ていきましょう。1試合だけの話ではあるものの、直接対決で重要になりそうなポイントがいくつかありました。

①ヤニスの3P
これは前述の通り。ついでにいうとブルックの3Pが決まるから、ヤニスにはエンビードになり、そのヤニスが3P決めたら一気にエンビードが崩れました。果たしてプレーオフでも毎試合決まるかな?

②シモンズとサイブル
しかし、サイブルがマークしている方がヤニスは困っているように見えました。本日欠場のシモンズもいるので、この2人が守り切れるかは大事です。ただ、今度はトバイアスが誰をマークするのか困りそうなのですが、幸いにもバックスもPFだらけなので問題なさそう。

③ホリデー
1Qのバックスはホリデースタートのオフェンスばかりで、気が狂ったのかと思うほどにチームオフェンスを展開しました。でも3Qはヤニスの3Pがキーになるくらいだから、とたんに個人技に戻っていた。なお、4Qはシクサーズがトラップディフェンスしているので普通にパスで崩しています。

さてもしも②が通用したら、ヤニスの個人技ではなくホリデーとのコンビプレーは有効です。インサイドで蹂躙するであろうヤニス。でもドライブさせていたら、止められてしまいます。だからバックスの1Qが何だったのか、プレーオフでもやるのかは興味があります。やらなそー

④エンビードのファールドロー
バックスの勝因の1つはブルックがエンビードにファールしなかったこと。フリースローを7本に抑えました。半分はタッカーだった気がするし。これを続けることが出来るかどうかも大切です。エンビード側からするとミドルの確率も大切になりますが、決まるならタッカーが出てくるんだろうね。

⑤マキシー&ミルトン
やっぱりガードのディフェンス力に課題がある気がしたバックス。スターターにはホリデーがいるからいいけど、ベンチになると弱いね。そこをマキシー&ミルトンが31点9アシストしたことで、一方的にならない程度に保てました。果たしてプレーオフでも積極的にこの2人を起用するのかどうか。シモンズもいるしね。

こんなところかな。本日はポーティスが3P5/5ってこともあり、20点差になりましたが、さすがにここまで離れることはないでしょう。ただ、それぞれベンチメンバーの重要性も高そうなので、シクサーズのスピードか、バックスの高さか、ってことにもなりそうです。

今シーズン調子の良いシクサーズと、いまいちなバックスという対戦でしたが、バックスの方が良い状態になってプレーオフに向かっているように見えた試合でした。

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