ラプターズvsサンダー

2021/4/18

タンク一直線のサンダー。あまり興味がないけど、ドルトが40点取ったりして、相変わらずの育成力を見せつけています。一方のラプターズもヤル気があるように見えてやる気がないロスターになっていて、シアカム、ラウリー、アヌノビー、ヴァンブリードと休み。

ということで、試合を見る気が起きず、逆襲のシャアを観ていた管理人が、気軽に見やすい上に、似たようなことをしている両チームをまとめて処理してしまいましょう。たまには見ておくと新しい発見(選手)がいるしね。

◎育成中

サンダーのスターターはマラドン、ドルト、ポク、ベイズリー、モーゼス。普通に考えるとベイズリーがオフェンスを引っ張る立場ですが、そうもいかないのが逆に面白い所。基本的にはハンドラーしない選手なので、チームメイトからパスを貰わないと。

だけど、これが珍しくトップで起点になったりします。マラドンと2人でトップを始めているので、こういうのを知るのも面白いよね。これで役に立たなければ来年以降はウイング専門だし、上手くいくならトレードされるかもしれないディアロルートもある。

でも、基本的にベイズリーはイマイチ。HCダグノートもミスに対して「まぁしょうがないかな」みたいな表情しています。サンダーはガード陣の突破を使うので、ベイズリーが起点でトップになると、よりインサイドは空いてガードはドライブしやすいし、トランジションディフェンスも強くなった上で、オフェンスパターンは増えそう。修行だな。

修行といえばポク君。以前は全くできなかったドライブでのフィニッシュが2本出た1Q。かなり怪しいレイアップなので、アヌノビーがいたら叩き落されていそうですが、高さがあるので形になれば止めにくいだろうな。

そしてドルトは3Pの弾道が安定しまくっています。NBAプレイヤーとしては当然ではあるものの、元々がブレブレだったのだから改善具合もわかりやすい。以前よりもハイアーチになった気がするので、直線的に外れるくらいならしっかりと高さを作ることにしたのかな。多分、動きながらだと難しい打ち方だけど、役割はそれじゃないからさ。

そしてスパスパ決めるドルトでサンダーがリードを得ます。決めすぎドルト。ディフェンスのピックアップが悪いラプターズ。

これがサンダーらしさかな。みんな改善ポイントがわかりやすい。チームとしての狙いもわかりやすい。役割が複雑というか、判断力が求められるマラドンだけは「わかりやすい成長」はしていないわけで、役割変えて積極的にアタックし、やるべきことを増やしていく若手たち。

イメージとしては来年のセカンドユニットを育てているんでしょうね。ポクがアシストパスを通していくシーンもあって、1人がスペシャルな事をするわけじゃないけど、このままセカンドユニットになったら面白そうだ。

対してトレントとブシェイがスターターにいるラプターズは、ちょっと難しい。マラカイ・フリンは次のハンドラーとして育てられる位置づけで、ポール・ワトソンも完全に育成枠ですが、新加入のバーチは育成じゃないしな。そんなスターター。

そもそもハンドラーとウイングがハッキリしているラプターズは、ヴァンブリードのプレーが気になっていました。ラウリーと並んでいると強力だけど、単独で勝って行くのは難しいんじゃないかと。そこにトレントが来たのは良いことですが、こんな時でもどうしてもハンドラー中心になってしまう。

バーチがコーナー3Pを打っているくらいなので、ストレッチするのが基本にあるけど、ブシェイも外打ちが中心なので、インサイド合わせが少なすぎです。その割には点が取れてしまうチームなのですが、ワトソンが全く決まらないスタートなので、本当に寂しいオフェンスになっています。

ベンチからベンブリー、スタンリー、渡邊が出てくると、さらにオフェンスが酷くなります。ハンドラーになって困っているベンブリー。

そもそもラプターズは優勝した時も「5人がプレーメイカー」でした。そういうオフェンスをするニック・ナースなので、やり方を否定しても仕方がないのですが、自分でプレーメイクできる選手が少なくなり、形になっていないオフェンス。

ただし、それぞれに判断力を求め、フロアバランスもとれているので、点が取れないってわけではありません。なお、渡邊は割と浮いています。これは次で触れようかな。

1Qは5本の3Pで21点を決めたドルトに対して、3本の3Pで17点を取ったブシェイの活躍もあって、サンダーが3点リードとなりました。

◎ワタナビ

サンダーはミハイルーとタイ・ジェロームが並んで、シューターチームにもなれます。これに対してギリスピーとフッドがいるラプターズのベンチメンバーは、3つくらいパスを回されるとローテが乱れてしまいます。これで10点差に。

渡邊は珍しくこのシューターへのマークマンになっていますが、完全に振り回されています。個人が悪いことよりも、チームが悪いので何とも言えませんが、打たれてしまっているのは事実だ。本来なら、チャンスでもあって、ガード相手にも守れるところを見せたいですが、ボールに手を出したり、相手のコースを阻害するのは、そんなに上手くないよね。丁度、サンダーはケンリッチが出ているけど、嫌がらせしまくっているもんな。

こんな状況になる前から、渡邊はチームディフェンスの時に起用され、個人を止めたいときはスタンリーって感じでした。アヌノビーがいるから、スタンリーの方が使いやすかったのかな。ベンブリーの存在も大きいかも。チームディフェンスしながらでもジェロームを止めているベンブリー。

オフェンスでも渡邊はこれまでになくプレーメイクに絡んでは行くのですが、自分で行き切れないからヘルプが来ていなくてもパスアウトしてしまっていて、良いパスになりません。だからワトソンを育てていきたいんだろうね。

いずれにしてもラプターズはディフェンスではチームディフェンスを出来ない選手が混じっているから機能しきらず、オフェンスではプレーメイクする個人が足りないから形にならず。セカンドユニットになって特に苦しくなりました。そういう個人能力よりも判断力を重視しているチームだから仕方ないか。サンダーとは選手を集めるコンセプトが大きく異なるよね。

スターターが戻ってきた2Q残り5分から、フリンのパスでラプターズはオフボールの意味が出てきます。初めはコーナーにいたバーチがセンターラインを駆け抜けてくるプレーが増えた事もあって、コートを広く使いながら、インサイドも使えている。

ディフェンスもゾーンになったらサンダーが困ってしまいました。パサーが少ない上に、モーゼス・ブラウンがエンドラインで合わせるのが上手くなかったこともあり、ダグノートもトニー・ブラッドリーと交代させます。この交代が成功し、ブラッドリーはバーチをインサイドで待ち構えて止め、さらにしっかりと走ってゴール下でポジションをとってファールドロー。

それにしても開幕はホーフォードとムスカラというストレッチ系のビッグマンだけだったのに、モーゼスが台頭し、ブラッドリーを手に入れて高さとパワーで勝負するファイター型を連れて来ているんだよね。いろんなタイプを連れて来て、それでいて形になるように仕込めるって凄いな。

前半は10点差で終わりそうでしたが、ブシェイがブザービーター3Pを決めて7点差で終わります。なお、オフィシャルミスだったと思うんだ。スローインからディフェンスがボールに触ったんだけど、クロックがスタートしなかったので、ブシェイのシュートが間に合った。

◎微妙

後半のスタートもオフィシャルがクロックをスタートさせずに始まってしまった。ラプターズは動き出したトレントが3Pを連続でヒットします。それぞれオフボールでボールを引き出しての3Pなので、マークのドルトも対応できなかった。

一方のサンダーはポクのミドルミス、モーゼスのダンクミスと若さが出て、フリンの3Pで3点差になります。ドルトは初めて3Pをミスするも、ドライブでブシェイを吹っ飛ばしながらの&ワン。トレントもドライブで返して、ちょっと仮エース同士が決めあっていきます。

両チームに差が出てきたのはインサイド。モーゼス&ベイズリーだとブシェイ&バーチに対抗しきれない。代わりにスモールのオフェンスで取り返せればいいのだけど、その威力は今のサンダーにはない。そうね。やっぱりベイズリーなんだろうね。本来はスピードのミスマッチを生み出してアドバンテージが欲しいけど、ハンドラープレーはちょっとね。

選手交代してもビッグマン2人と渡邊を並べるラプターズ。さすがにベイズリーがドライブダンクで返し、ポクはブロックで対抗しますが、渡邊もドライブを決めてワンポゼッション差で推移します。

ところでラプターズって、あまり意味のなさそうなセンター2枚を並べているわけですが、これって①ブシェイをウイングにする、②シアカムをSF起用する、のどっちに強い狙いがあるのかな?
たまたま選手がいないから、こうしているだけって理論が最有力ではあるものの、ちょっとあり得そうな話だよね。少なくともセカンドユニットは高さで守れるチームにしたいような気がする。

しかし、ブシェイが下がるとあっさりとワンビッグに変更です。フッドも出てこないし、ベンブリー以外はPFもイケるウイング4人みたいな構成。この中でペリメーター守れる選手を探しているのかなんなのか。そして渡邊はまたもジェロームに3P食らってしまった。勿体ない。そして、ラプターズのインサイドはまたもブラッドリーに困り始めてしまった。

ハンドリングの怪しいスタンリーが怪しいドライブを決めて逆転したラプターズ。最後は渡邊を狙ってアイソを仕掛けてきたジェロームを止めて、1点リードで3Qが終わります。サマーリーグみたいな微妙過ぎる内容ですが、まぁ仕方ないか。この試合を選んだのが悪い。

◎負けたいのかな

渡邊はカッティングで合わせてダンクを決めますが、プレーメイクに参加すると、やっぱりパスを出しすぎます。スタンリーみたいに、思い切りよく飛び込んで自分で打っても良いんだぜ。ケンリッチに見切られているぞ。

ムチャクチャにパワーだけで押し込んでフィニッシュするスタンリー。この人ももう少しハンドリングが上手ければね。あとシュートか。シュートはみんな成長しやすい部分だから、試合に出ていれば伸びるのかもしれないけど。

そして渡邊は「パスしかしないだろ」という感じでギャンブルパスカットに来たジェロームに奪われてしまいサンダーが5点リードになります。プレータイムはもらえているので評価はされているんだけど、長く使われるほど、こういうミスが出てきてしまいそう。

戻ってきたフリンはハーフスピードで周囲を見回してのフローター。プレータイムが長くなると引き出しの多さが問われるよね。ルーキーだけど上級生だったフリンは落ち着いています。しっかりとパスを回せば、最後は自分に戻ってきて3Pで再逆転。ドライブからトレントの3Pもアシストします。

サンダーはスターターを戻しますが、モーゼスはいれずに、そこにはケンリッチ。セカンドユニットではPGっぽかったのに、今はセンターです。引き出し多いな。まぁ短時間でモーゼスに変わったけど。

再びバーチ&ブシェイに渡邊もいて大きなラプターズに対して、サンダーはマラドンが渡邊を狙ってのドライブ&ワン。そこを止められるかは大事だけど、スピードに追い付けなかったな。しかし、今度はオフェンスでポク相手に強気に仕掛けてファールドローの渡邊。今日はワトソンがFG10本打って0点という酷い有様なので、終盤でもコートに残っています。

ここでドルトに対して渡邊がボックス&ワンをします。ボールを見ずにドルトだけを追いかけるのですが、オフボールでのワンフェイクで振り切られてしまった。すぐにやめちゃったゾーンに変更。サンダー2点リードで残り3分

ブシェイの3Pに対してムダにファールしたポク君。HC的にはここでポクを起用しておくのはタンクするためには大事なのかな。ポクが3Pを外したのに対して、ブシェイが3Pヒットし、さらに渡邊のドライブからゴール下に飛び込んだブシェイに合わせて、ラプターズが5点リードに。

前半の事を考えると、サンダーはゾーンを突破できませんでした。モーゼスをブラッドリーにでもしないとさ。でもしない。まぁそういうことなんだろう。

一方でニック・ナースはトレントがスティールした時にサイドラインの外にいたとしたレフリーの判定に対してチャレンジ。これは勝つ気があるね。失敗したけど。

しかし、やり直しのディフェンスでドルトのドライブをトレントがまたもスティール。速攻にはならなかったけど止めきるトレント。ポクがワイドオープンで打った3Pはまたも決まらず。フリンのジャンプシュートも決まらず。

ドルトがフリースローで3点差にした残り33秒。ドルトの激しいプレッシャーに耐えたトレントはバーチのスクリーンを使ってドライブすると、2人のヘルプを寄せてからパスアウトでブシェイへ。この試合6本目の3Pで答えたブシェイによってラプターズが勝利したのでした。

◎前半だけで良かったな

感想はそんな感じです。渡邊がいるから、まだよかったけど、基本的には前半にいろんな選手の事を知れたら十分だった感じです。サンダーは勝ち負けではないところで試合をしているので、捉えようによってはポクなんかは「普通に考えたら、絶対に起用されない場面」をコートで経験できているんだから、大事な期間なんでしょう。

ところでポクってオフに何キロくらい増量してこれるかな?
まだ若いから、かなりの筋肉をつけてきてもおかしくないし、ヨキッチみたいに太ってきてもOKな気がする。ヨキッチはシーズンの中で痩せていくんだけど。

サンダーは新しい発見はこれといってなかったな。タイ・ジェロームが一番大きな分岐点にいる気がして、シュート力以外の部分で結果を残せるのかどうかでした。マハイルーはかなり厳しかった。

ラプターズはブシェイのポジションはセンターではないことにして、どうなるのかテストされている気も。これで得点を伸ばせるのだから、シアカム戻ってきてもいけそうじゃん。アヌノビーの代役みたいになるのが、まさかのブシェイだったりして。

まぁ感想はそれくらいでいいか。結果がわかるのは来シーズン以降ってことで。

渡邊については、途中に書いているように、ラプターズというチームでは評価される部分は発揮できているんだけど、一般的に評価される部分ではアピールが足りなかった。便利屋であり、ハードワークなんかは良い部分だけど、もっと個人の強引さが欲しいオフェンスと、トレントみたいに明確に止めるプレーが欲しいディフェンスでした。

まぁサンダーの若手同様に、この機会をチャンスと捉えて色んなチャレンジが出来るかどうかだと思います。

ラプターズvsサンダー” への4件のフィードバック

  1. うまく言えないのですが、最近のサンダーは大敗するときも惜敗するときも、うまく負けているなーと感じます。ちゃんと相手の良さを出して負けているというか。それにともなってケンリッチも少し元気がなくなっているから、たぶんそういうことなんだと思います。でも、選手からもHCからも前向きで生産的なコメントが出てくる。どうやったんだプレスティ。
    OKCはSGA以外のヤングコアが安いうちに勝ちにいきたいと思うので、今年トレードアップも含めて三枚くらいロッタリー取りに行ったりするのかなあと。そうするとジェロームが当落線上、というのはよくわかる気がします。
    渡邊はあとちょっとあればな…というのを強く感じる試合でした。テレパシーD時代のラプターズにいたらどうなっていたんだろうかと少し想像したりしています。

    1. でも指名権をトレードしてルーキーよりも、計算できる選手を探す気がします。
      下位でも良い選手を指名するのが得意技ですし。もちろん、1位2位両方狙いとかはアリですけど。

      渡邊は周囲が上手い方が輝きますからね。

  2. ワタナベの採点厳しいですね。本契約獲りましたね。スタンリーみたいなプレイを今シーズンしてたら本契約はもらえなかったと思います。まだまだ伸びしろありますか?

    1. ペイント内でのフィニッシュ力が低いので、そこさえ改善すれば使いどころが増える選手だと思います。
      長く生き残るには、スピードのあるガード相手に守れるようになって欲しいところです。

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