クリッパーズvsシクサーズ

2021/3/27

本当はブルズのはずでしたが、酷い試合をしてくれた上に、眠すぎて観ていなかったので変更です。こちらもデッドラインで動いた両チームですが、ロンドもヒルも欠場です。

迷将リバーズがスターを使いこなすことが出来ず、プレーオフの惨敗によってHC交代したクリッパーズ。ルーになってフリースローゲット作戦はなくなり、よりスマートにフリーを作って打つ形になりました。面白いことに観ている印象は、むしろタフショット決めているんだけどね。エースはかなり自由に振舞っています。

名将リバースを新たなHCに迎え、イースト首位を走るシクサーズ。エンビードもシモンズも欠場があるのに、そんな時でも関係なく勝利を重ねています。クリッパーズに変わってフリースローアテンプトがリーグ1位ですが、そんな印象とは違って割と鮮やかにパスを繋ぎます。

迷将なのか名将なのか、リバースのよくわからんところが溢れている両チームの対戦です。

◎トバイアスとシモンズ

やっぱり鮮やかに見えるのはシクサーズ。トバイアスが中心となりミドルを決めていけば、ドライブからのキックアウトでコーナーのダニー・グリーンが3P。この両者を同時に止めることは難しく、とでもいうような基本のワンツーパンチですが、トバイアスがしっかりとディフェンスを見て判断出来ています。

本日はエンビードがおらず、デッドラインでトニー・ブラッドリーを手放したのでノーセンターなのですが、そんなシステム変更の影響を全く感じさせない鮮やかさ。ズバッツでインサイドを塞いでくるディフェンスの外から攻めることが出来ています。

一方でシモンズはPGとセンターを両方やっている感じで、セスとのピック&ロールはあまりにも鮮やか。1回のスクリーンではなく、右に左に絡んだ後でハイポストの当たりでパスを受けてリングにアタックします。こちらはエンビードがいないからこその素晴らしいプレーなので、コートにいる選手に応じたプレーって事です。

さらにポストアップからターンフックで&ワンのシモンズ。これはエンビードがいてもやっていたけど、スペースがあるのでいろんな選択肢があった中でシュートを選ぶのはエンビード抜きだからかも。

MVP候補がいないけど、むしろいない方が鮮やかになる良さをみせていくシクサーズが1Qを優勢に進めました。ただし、ディフェンスではズバッツのインサイドに苦しんだというか、全体でカバーしないといけないので苦しそうでした。

◎エースとベンチ

リードを奪ったシクサーズですが、トバイアスもシモンズもベンチに置くセカンドユニットにしたので追いつかれます。しかもこの時間が結構長かった。何故、2人とも下げてしまうのかもわかりませんが、パスを出せる選手がいないのでダニー・グリーンはオフェンスで死んでいました。組み合わせもよくわからん。

本当はルー・ウィリアムスが欲しかったところですがジョージ・ヒルを選んだんだよね。クリッパーズもPG欲しかったから、それしかなかったんだけどさ。ミルトンが個人技で得点したり、ハワードがゴール下で奮闘することで思ったよりも戦えていたセカンドユニットなのですが、かなり不思議な戦い方です。

その間のクリッパーズは変わらず延々とポール・ジョージのアタックを繰り返します。テレンス・マンまで積極的に打つので、エースに頼りっきりってわけではないのですが、面白いことにHC交代してからの方がエースへの依存度は高いよね。良く言えば役割分担が出来ている。

リバースの方がベンチメンバーを信じ、ルーの方がエース中心の構図を好む。この状況でルーがロンドを求めたのも面白いけどね。リバースはセルティックス時代にロンドよりもエイブリー・ブラッドリーを起用していったんだよね。

そんなわけでレナードも戻したところでクリッパーズがリードするのですが、シクサーズからするとセカンドユニットで十分に耐え抜いた構図なので、満を持してトバイアスとシモンズを戻すと互角の展開になります。どちらかといえばトバイアス→シモンズの連携があるシクサーズが優勢。

しかし、残り2分からレナードがミドルと3Pを連続ヒット。これでレナードを警戒したいシクサーズのディフェンスに対し、マンがハーフスピードのドライブでレナードにパスを出しそうな雰囲気を出すとディフェンスがコースを空にしてしまい、イージーレイアップ。しかも後ろから押されたので&ワン。

そしてトドメとばかりにレナードがドライブダンクを決め、クリッパーズが5点リードで前半が終わります。最大10点ビハインドだったけど盛り返した前半でしたが、シクサーズからすると懸念のセカンドユニットが乗り切ったのに、スターターでやられてしまうっていうね。

また、ベンチメンバーを信じるんだけど、スターターが戻ってきたらトバイアスのポストアップ連発なのも気になりました。総じて良い感じのシクサーズなのですが、エンビードのミドル任せになることも多いし、まだまだパターンが足りていない感じ。

クリッパーズというかルーのやり方は「レブロン最強」であり「レナード最強」が前提にあるやり方なので褒められませんが、実際に最強なんだから強いよねって感じでした。もしもポール・ジョージがアービングだったら、もっとオフェンスは良くなるのでしょう。ディフェンスは弱体化するので絶対にポール・ジョージの方がいいですが。

◎ファールするゲーム

後半になってもスターター同士の戦いではクリッパーズに分があり、早々に12点差まで広がります。苦しいシクサーズですが、シモンズがハッスルプレーでズバッツに食らいつくと、オフェンスファールにルーズボールファールでズバッツは4ファールに。

ズバッツが下がるとハワードを投入するリバース。ゴール下での強みを出しに行くとクリッパーズはファールで止めていきます。あと例によってモリスがハードファールしてフレグラント1。これって意図的だから普通の1とは違う気がするけど。

次々にファールしていくクリッパーズ。さて思い出してみよう。ルーに変わってから「ファールをしない・させない」ような形になったクリッパーズ。ここ6試合は被フリースローが一番少ないらしいです。これに対して「ファールをする・させる」のがリバース流。ってことで、良くも悪くもファールが増えたって事はリバースの戦い方に巻き込み始めているわけです。

3Q6分が経つ前にシクサーズはボーナススローに突入します。ベンチメンバーを信じるリバースですが、多少オフェンスが悪くてもフリースローで繋げるなら瓦解しないんだから、積極的に仕掛けようぜ。

スクリーン時に明らかに動いていたモリス。ファールコールされるとクリッパーズがチャレンジし、これが覆ります。マジで!?ファールが増えたことが必ずしもプラスになるとは限らないシクサーズ。フリースローは増えるけど10点差から動かない。試合時間が長くて嫌になる昨シーズンのクリッパーズっぽいな。

すると展開は変わらないものの、フリースローを外したシクサーズに対して、パスを繋いでマンやパターソンが3Pを決めたクリッパーズで逆に点差が広がってしまいます。しかもシクサーズディフェンスはショットクロック残り2秒まで追い込んでも、ファールによって失点してしまうしさ。

3Qのフリースロー
シクサーズ 12/16
クリッパーズ 7/8

ここ6試合のクリッパーズは被フリースローアテンプトが15.5本だったらしいです。3Qだけでその平均を上回ったシクサーズ。ハワードが7/10決めたので確率が悪かったわけではないけど、結果的には裏目に出てしまいました。そういうこともあるさ。

ハワード投入から動いた3Qはリバースが自分たちの流れに引き込むことを狙い、その通りに推移し、クリッパーズが13点にリードを広げるという皮肉な結果。まぁ少なくともクリッパーズの方がイライラしているのは事実だ。ここにファールドローの達人であるルー・ウィリアムスがいれば結果も違っただろうね。

◎退場

今度はトバイアスをコートに残しておくシクサーズ。引き続きゴール下でファールを取りに行くハワードで点差が一けたに・・・なると思いきやフリースローを2本ともミスしちゃった。そして今度は逆にリバウンド争いでハワードがファールコールされると、シクサーズがウダウダしている間にスローインしたクリッパーズは、マンが抜け出してレイアップ。

このプレーに対してクレームしてテクニカル。さらにクレームしてハワードは退場します。自分たちから仕掛けたようなファールゲームなので、そこで負けたら話にならないわ。センターがいなくなったゴール下でズバッツがプットバックして16点差に広がります。

シモンズも戻して追い上げ態勢にするシクサーズ。ところがセンター役のシモンズがスクリーンに行くとオフェンスファールをコールされ6つ目になって退場。その前にはマンのドライブにファールしていたし、リバース流の戦い方の悪い面が出てしまったのでした。

ってことで、この後マンがコーナーからドライブダンクを決めて試合が決まったような雰囲気です。まとめましょう・・・まとめることもないか。

リバース流のフリースローの多い戦いに持ち込んだわけですが、それは言い換えればファールコールが多く、ストレスを溜めあう戦い方でもあります。メンタルゲームのようになって反撃していくのがシクサーズの得意技になっているのかもしれませんが、それは昨シーズンまではクリッパーズの得意技だったから、今日は相手が悪かったのかも。

結局、ハワード投入以降は両エースよりもテレンス・マンの方が目立ったくらいなので、主役以外も強気にアタックしやすい環境作りが裏目に出ました。確かにナゲッツもストレスに強いタイプのチームだったしな。プレーオフを考えるとネッツだけでなく、ヒートもストレスに強そうなので、プレーオフに弱いリバース流がどこまで通じるのか。

まぁエンビードで押し込むプレーがあれば、違いも大きいので、この試合で判断なんてできませんが、ものすごーくハッキリとHCの特徴が出た面白さがありました。そして試合時間が長いから、あまり見たくないな。

〇シクサーズ
FG 39/77(51%)
3P 10/26(39%)
FT 24/33(73%)

このスタッツで負けるか、って感じのスタッツですが、負けた理由が自分たちも27個のファールして2人が退場している事なんだからね。FGアテンプトの少なさが裏目に出た試合でした。

そしてクリッパーズはシクサーズの流れの中で戦ったから、これといってないぜ。マンが大活躍したのは非常に喜ばしいことであり、ドライブの良さが光ったから、いかにもリバースっぽいです。

〇テレンス・マン
23点 FG10/12

ところでマンはロンドのファンらしく、加入をとても喜んでいましたが、こんなに活躍したのにプレータイム減らすかもしれないんだよね。皮肉なもんだ。今日のような戦いだと試合を作るロンドよりも、点を取りに行けるマンの方が優秀です。ヴォーゲルはロンドを必要に応じて使いましたが、ティロン・ルーにそれが出来るのかも注目です。

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