ナゲッツvsホークス

2021/3/28

アーロン・ゴードンを補強したナゲッツとルー・ウィリアムスを補強したホークスの対戦です。前者は優勝を、後者はプレーオフを目指すために必要な戦力補強に動きました。

ナゲッツはトレードの収支としてはマイナス。でも補強ポイントとしては適切で、懸念のウイングディフェンダーとリムプロテクターを手に入れました。マギーに2巡目2つもつけるなら、FAのダミアン・ジョーンズで良かったと思うのですが、どうでしょうか。

あとはアーロン・ゴードンとMPJの関係性ですが、マイク・マローンは2人を並べるスターターにしてきました。そもそもマジックでもゴードンは3番手や4番手だったので、ボールをもらわないと仕事できないタイプではなく、本人もカットプレーを重視しているコメントなので、早目にフィットする予想です。

ルーの方はそもそも個人技だから問題なさそう。必要なのはビッグマンとの連携ですが、コリンズもカペラもいるので、魅力的な関係性が作られることを期待したくなります。ってことで3年後にファイナルで対戦してもおかしくない両チームです。

◎ゴードンを馴染ませろ

早速、速攻に走ったゴードンですが、マレー→バートン→MPJと繋いでダンクなので出番なし。みんなで走るよナゲッツ。ディフェンスでもMPJとスイッチ&ローテをしており、非常にスムーズ。

ミルサップのところに収まっているように、基本はインサイド側で構えるようなゴードン。マレーへのパスアウト、バートンへのスクリーン、そしてヨキッチとのハンドオフからミドルで初得点です。チームメイトと立派に絡めており、これが初登場とは思えないくらいです。

さらにマイク・マローンがプレーをコールすると、コーナーにいるゴードンにマレーがスクリーンに行き、カッティングからのダンク。チームとしても積極的に絡めてあげようとしています。ミルサップよりもシンプルにダンクに行けるので、パスさえ通ればフィニッシュは楽勝だね。

面白かったのはヨキッチ、ゴードン、MPJがアウトサイドにいて、マレーがポストアップするとバートンがカッティングしたプレー。そんなことまでするのか。ミルサップだと成立しない気もするので、ゴードン用にいろいろ仕込んできそうです。

ってなわけで、開始から良い感じのナゲッツオフェンスですが、それ以上にホークスの方がキックアウトパスが通り、コリンズとスネルの3Pでリードします。ナゲッツがインサイドをカバーする気持ちが強いのを見てか、コリンズがアウトサイドにいることが多く、カペラのみがペイント内にいるのが機能しています。

未だに3P56%という恐ろしい確率になっているスネル。オフェンスでは5番手なのにマークを外してはいけない存在もいるので、ローテが間に合わないナゲッツに対して華麗にパスを繋いでいくホークス。ただし、ローテをさせているくらいなので、1つのオフェンスに時間がかかり、ハイスコアゲームにはなりません。良い意味でね。

ナゲッツがベンチメンバーを増やすとミルサップのパスをヤングが読んで速攻に。慣れている選手の方がミスしてどうするんだ。さらにガリナリがサーカスショットを決めて流れはホークスに傾きます。ヤングはカンパッソのディフェンスに苦労していて、スローインをターンオーバーもしているんだけどね。

ナゲッツはヨキッチを下げるとマレーを戻します。ミルサップとジャマイカルを並べたスモールラインナップです。ということは、マレーとヨキッチのどちらかはコートに置き、それ以外はスターターとベンチに分ける考えっぽいです。ホークスも同じく。

ミルサップにセカンドユニットを引っ張らせたい意向がありそうなので、ゴードンとMPJがセットなのかな。というところで1Qが終ります。35-31でホークスがリード。どっちもボールを動かして確率の高いシュートを選んでいましたとさ。

◎ハーターの行方

ホークスはルーが出てこないみたいです。これまでセカンドユニットはボグダノビッチとガリナリの個人技中心の雰囲気でしたが、ボグダノビッチをスターターにもっていったので、ルーが入ればちょうど良さそうなんだけどね。

代わりにプレーメイクしていくのはハーター。スターターから落とされた形ですが、むしろボグダノビッチよりもプレーメイク能力を買われてベンチスタートになった印象もあります。

そういえばヤングとハーターを獲得したとき、「ウォリアーズを目指す」のだと思われましたが、マクミランだと路線が全く違うよね。ハーターはクレイ・トンプソンのようにスクリーンをもらいながらオフボールで動いて打っていくシューターだと思うのですが、ハンドラーとしてもイマジネーションがあるタイプなので、ヤングの代役にされています。

ただし、ハーターは突破力はないよ。周囲の選手もドライブでレイアップまで行ける選手がいないので、2Qになってからオフェンスが停滞してしまいます。「ルー、早く来てくれー」なクリリン状態なので8-0のランを食らってナゲッツに逆転されてしまいます。

そんなことを言っても仕方がないのでヤング&コリンズを戻すと、ハーターが簡単にドライブを決め、コリンズは&ワンで同点に。そんなわけでセカンドユニット問題があるホークス。まぁレディッシュやハンターもいるからケガ問題なだけですが、2人が戻ってきたらルーよりもロンドが欲しくなりそうな気も・・・。

この後、面白かったのはヤングに対してカンパッソが密着デートを申し込んだら、やっぱりハーターがPGになったこと。ハーターにはコンボガードとして育ってもらいたいマクミランって感じでした。そのハーターが3Pを決めてホークスが再びリードします。ベンチが弱い以外は狙い通りだな。

しかし、ナゲッツのカットプレーを抑えきれず、あっさり逆転されます。ディフェンスに力を入れて成功していたマクミランホークスですが、その特徴はスネルによるエースキラーっぷりと、カペラ&コリンズのリムプロテクトでした。でも、アウトサイドに出てくるヨキッチによってカペラが引き出され、誰が攻めてくるかわからないパッシングオフェンスだからスネルがMPJをマークしても意味なくて。

それにしてもMPJは殆どパスをもらえないのに、パスを受けたら簡単に得点していくから凄いな。コーナーから飛び込んでのオフェンスリバウンド押し込みもあるし、ゴードンまでこれやられたら相手は溜まったもんじゃない。ヨキッチからの横断パスを受けたMPJがドライブを決めて点差が二桁になります。

そんなわけでハーターがハンドラー化しているのに対して、MPJはウイングから超効率的に得点を取っていく。MPJはハンドラーとしては強くないので、これが一番良い活かし方なのでしょう。ウイングが効果的に機能したナゲッツが10点リードで前半が終ります。

〇前半のヨキッチ&マレー
15点 11アシスト

だってさ。ナゲッツのスターターで一番得点が少なかったのがマレーなんだもん。それで65点取ってしまうってヤバいって。どうやって抑えればいいんだよ。

◎心が折れた

後半も飛び込んだゴードンのダンクから始まるナゲッツ。オフボールで動き回るMPJがゴール下からコーナーに移動すると、今度はゴードンがゴール下に飛び込んできた。そこにパスが出るとゴードンはシュートを打たずにMPJへパスアウトし、MPJが4点プレーを決めます。

いやー、ホークスのディフェンス問題ではあるけれど、ゴードン初戦で恐ろしいオフェンス力を発揮していくナゲッツ。これまでハリスが担っていた役割だけど、同じことならサイズとフィジカルのあるゴードンの方が確率高いわな。

完全にナゲッツの勢いに飲まれてしまったホークス。トランジションディフェンスが出来ず、アウトナンバーにしてしまうナゲッツの走り出しに完敗。後半開始3分でさらに10点離されてしまい20点差になります。何がスゴイって、この時点でナゲッツの3Pは6/17と40%も決まっていないのにオフェンスで打ち勝っていることです。

ちょっと心が折れた感じがするホークス。なのでヤングがディープ3Pを連発し、個人技ドライブになります。が、決まるんだなコレが。多分、外していたら試合が終わっていたシュートを決めるからスーパースターだ。チームメイトの動きがなくなったところでエースの個人技だもん。

マクミランはカペラ→ガリナリでスモールラインナップにし、3P連発になります。それしかオフェンスにならないっていう判断ですが、これを使えるのはパターンが多くていいよね。ところがコリンズがルーズボールファールで4つ目となりベンチへ。結局カペラ戻ってくるじゃん。意味ないじゃん。

カペラのインサイドカバーに行ったところでヨキッチが3P。次はスイッチしたので、ヤング相手に押し込むヨキッチ。3Pが外れたと思ったらMPJがプットバック。得点しても簡単に取り返されてしまうホークス。まぁナゲッツの方も20点差に出来ずにヤングやガリナリによって取り返されているともいう。

残り1分、ミルサップがコーナーからドライブ&ワン。ヤングがドライブからタフショットで取り返すも、カンパッソの又抜きパスが通ってジャマイカルがゴール下(外したけどプットバック)によって18点差で3Qが終ります。

FG5/6のヤングで何とか耐えたけど、マジで心を折られて試合終了って感じの展開でした。後半開始からの3分間、ナゲッツオフェンスが恐ろしかった。ゴードン加入初戦は「ナゲッツ強えぇぇぇぇぇぇぇーーーーー」な結果になったのでした。おしまい。

4Qはそもそも問題のあったホークスのセカンドユニットだし、かといってスターターを引き延ばして戦うような点差じゃないしってことで、徐々に点差が離れて残り2分には33点差になっていましたとさ。

◎強豪相手にして

ナゲッツのスターターは全員が二桁得点も、リーディングスコアラーは20点のジャマイカルでした。なんというバランスアタック。ゴードンがすんなりとチームに溶け込めていますが、本当の仕事はディフェンスだと思うので、強豪相手にどこまで守れるか。MPJが弱点にならないことも含めてね。

クラークは出場していませんが、そもそもナジなんかもいるし、ウイングの層が厚いこと。それもボールを持たずに仕事できる選手ばかりを集めています。後はマレーとヨキッチ次第。主役以外のポジションを厚くしているのは、正しい選手構成です。主役がケガしたら勝てないのは当然だもんね。

ちょっとジャマイカルがもったいないくらい活躍しているので、悩ましい部分もありますが、あとはウイングの組み合わせを柔軟にしていけるかどうか。今日はMPJとゴードンでしたが、ひょっとしたら変えていくかもね。

ホークスはHC交代のショック療法が切れ、オフェンスの迷いが生まれ始めています。マクミランあるある。ヤングが自分で行きすぎないことでバランスよくなったのがショック療法でしたが、結局はヤングが自分で行かないとオフェンスが苦しくなってきました。

コリンズとのホットラインはあるのでコンビプレーは生まれるものの、その他のウイングの絡ませ方が定まらない今シーズン。スネルはコーナー担当で明確なんだけど、やっぱりボグダノビッチの使い方は曖昧な感じです。個人技やらせる方が無難だけど、それじゃあナゲッツディフェンスには通用しなかった。

イーストなので何とかなると思いますが、ウエストだと苦しい。ホークスの立ち位置はそれくらいかな。9連勝のあとはクリッパーズ、キングス、ナゲッツに負けて1勝3敗。相手が強くなると苦しいってことを示し始めているので、もう少し観察してみましょう。

ナゲッツvsホークス” への6件のフィードバック

  1. ハリスはここ2年くらいで急激にオフェンスの効率が落ちていたのでおさらばでしたね。
    ゴードンはディフェンスの個人スタッツは相当いいのでナゲッツとしてはPOで泥試合に持ち込まれた時、つまりシューターに走られた時にどうすんねんというのが課題なんでしょうけども。
    まぁミルサップの代わりっぽくもなりフィジカルなウイングキラーともなるので総合してプラスって事なんでしょうかね。

    1. ハリス問題はマイナスなのに、それ以上のプラスを生み出しているディフェンスってのはすごいものがありました。
      ゴードンもケガが多い選手なので、どうなることか。

  2. ナゲッツのレポありがとうございます
    ナゲッツが褒められててうれしい
    いや~今シーズンで一番楽しかった試合かもしれません
    Aゴードンはウェイドとダンコンで揉めてた脳筋ってイメージだったんですけど、一試合だけですが、かなり合いそう
    これまでゴール下にパスが入っても、パワーとサイズ不足なのかフィニッシュが決まらなくてイライラしてたんですが、Aゴードンなら全部ダンクしてくれそうw
    トレード後はハリスがいなくなってディフェンスのマイナスばかりが不安になったんですけど、オフェンスは伸びしろがありそうだし、コメにもAゴードンはディフェンスの能力も良いとのことなので(エリートディフェンダーだといいな)、かなり期待値上がってます
    ハリスがやってたガードのエース潰しはカンパッソに任すんですかね
    他のチームがバイアウトドーピングしてるから(;’∀’)、移籍市場で人気無し勢代表として頑張って欲しい
    またナゲッツお願いします!

    1. フィニッシュは楽になりましたね。ゴードンは脳筋ではありますが、マジックでは4THオプションくらいだったので、この立ち位置でのプレーをするのはお手の物。
      ナゲッツはプレーオフの楽しみにとっておくのです。

  3. ゴードンはハリスよりオールマイティなDF能力は少し劣るかもとは思いますが、
    対レブロン、レナードに滅法強いのでLA2チームにとってはかなり厄介な補強だと思ってます
    オフェンスは外は少し弱いですが何気にオフボール良いしボール欲しがらないイメージなので良いと思います
    あとはスペなので怪我しない事を祈るのみ

    1. ウイングには強いですからね。

      あとはドノバン・ミッチェルと対戦しないことを祈るのみ

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