サンダーvsホークス

2021/3/18

HC交代から好調のホークス。その理由は単純にケガ人が戻ってきたことですが、マクミランらしいディフェンス優先の選手起用により、チーム全体のアプローチが変わってきたことも大きな要因です。普段からオフェンシブな選手起用に否定的な管理人ですが、その予想を上回るディフェンスの重要性を感じさせてくれています。

ちなみに「ディフェンスが重要」ってのは少し異なっていて、特にホークスではヤングがいることで「ディフェンス優先の選手起用でもオフェンスはそこそこなんとかなる」のに対して、「オフェンス優先の選手起用では守れない」という傾向が強く出ています。ヤングがディフェンスの良い選手なら異なるアプローチが必要かもしれませんが、マクミランがホークスに合っていたと捉えておきましょう。

奮闘しているサンダーですが、そういえばジョージ・ヒルって何しているんだろ。試合に出ていなかったアリーザはともかく、シックスマンの主力だったディアロをトレードで放出するという驚きの決断をしましたが、直近の試合ではザ・未熟なポクセフスキーをスターターに入れてきました。本日もスターターですが、ホーフォード、ロビーと並べているのでウイング起用です。

これらの起用法から思うのは「負けに行き始めたな」ということ。そろそろ勝率を落として上位指名権を狙いに行かないとね。そんな不穏な空気を感じているので確認してみましょう。とはいえ、まじめに戦って負ける手法をとる場合は、試合観てもわかんないんだけどね。

あと、サンダーの2WAY契約のセンターが活躍しているらしいので、それも見てみたい。弱くても見どころが多いのは2年前のホークスみたいだ。

◎ポクとケンリッチ

サンダーと言えば「シンプル・イズ・ベスト」と評し、ドライブ&キックアウトオフェンスを作っていましたが、スターターを見るとドライブ担当がSGAだけになっています。そのSGAにはスネルが張り付くので自由にはさせず。ドルトとホーフォードの3Pこそ決まったものの、オフェンス構築に困りまくるスタートです。タンクだな。

特にポク君は何していいのかわからないからウロチョロ。ゴール下でヤングとのマッチアップになってもポジション取れないからアウトサイドに戻るっていうね。そりゃあ、このラインナップだと度するのが正解かわからないよね。その上で純粋に未熟だ。

SGAがドライブしてもスネルとカペラでしっかりとチェイスするので、レイアップが落ちまくり。そこまで外れているならオーバーヘルプもしないので、キックアウトも出ません。タイムアウトを取ったけど、同じようにドライブレイアップが外れただけでした。

ドルトがヤングを狙ってポストアップするのは良いプレーだったけど、高速ヘルプのコリンズがブロック。3P打たないロビーがパスアウト貰っても困るから、SGAにパスしたらミス。

ってことで、ある意味、負けたそうなサンダーのラインナップと、ディフェンスを優先する気持ちが強くなったホークスの狙いが合致してしまったような1Qは開始7分でホークスが13点リードになります。

それでも選手交代しないサンダー。どうしよう。もう見るの辞めようかな。ヤングとボグダノビッチの3Pで点差は広がっていくばかり。やっと選手交代したときには、SGA以外は全員交代です。噂のモーゼス・ブラウンも出てきますが、もう1人知らない選手がいるな。タイ・ジェロームかな。

モーゼスを中心にゾーンにしたサンダーはジェロームとマラドンがかなりの運動量でプレッシャーを強めると、モーゼスも出足良くスティール。走れる超ビッグマンは、このサイズの選手では珍しいほどに俊敏です。それでいて最低限の強さもありそうなので、ボルボルやタコ・フォールよりはバンバっぽい。なお、スキルは低いだろうね。

感覚的にはSGA以外をツープラトンにしているわけですが、ケンリッチとポク君を交換したら色々成立しそうです。わざとやっているのか、単なるお試し期間なのかわかりませんが、スターターに定着していたケンリッチをわざわざベンチに持って行ったんだから、いろいろ含めてコレなのかな。

そんなわけでセカンドユニットで盛り返したサンダーが31-21と10点差に詰め寄って1Qが終ります。セカンドユニットは大切であり、ホークス自慢のぶ厚い戦力がサンダーの若いパワーに押され気味だ。

◎マクミラン色

ポストアップしたガリナリがなかなか攻めないでいると、狙い通りにモーゼスが3秒オーバー。ナイト(誰だ)のダンクに、ロンドがスティール速攻、ガリナリがスピンムーブからのファールドローで取り返すホークス。でもロンドの3Pはすさまじいエアボール。

SGAと交代で新加入のミハイルーを入れてきたサンダーは、インサイドに侵入するケンリッチのパスアウトからジェロームが早くも3本目の3P。うん、全体的にシュータータイプが増えてきたぜ。カルチャーを変えていくサンダー。

でも変わらないのは走る事。ホークスが決めても、直ぐに走り出すので、マジで若きパワーに押されているようなホークスのベテラン陣です。優位には立っているんだよ。でも、とにかく切替されるからメンタルが疲れていそう。

そんなわけで先にタイムアウトはホークス。若いスターターを戻します。サンダーは初めにホーフォードだけ戻し、それから順番にスターターに代わっていきます。1Qは一気に交代したのにね。

スピード感に乗っかれるホークスはヤング、ハーター、コリンズで鮮やかに決めていきます。でもマラドンのスピード突破にスネルが抗えず、そのうえでホーフォードの上手さにやられてしまい、10点差はキープするものの点差を広げるまでにはいきません。

しかしサンダーのスターターが全員戻ってくると1Qのリプレイ。SGAに対してはスネルとマンマークとスイッチされても守れてしまうカペラでミスショット連発に追い込み、ミスマッチが生まれるとオフボールスイッチで解消し、ディフェンスのホークスが機能し始めます。なお、オフボールスイッチは「困ったら守れない選手がポクにいけ」というネガティブスイッチですが、やっぱりヤング相手に押し出されているポク君。

そしてスローインしたコリンズがリターンをもらって3Pという変わったセットプレーを決めると17点リードにまで広がります。そこまではいいのですが、何故か残り3分でカペラとスネルを下げたマクミラン。冒頭に書いたのと逆でオフェンス的な選手起用にします。なんでだろ。

それでもボグダノビッチがSGAを止め、ハーターはパスカットでディフェンスを固くすると、ヤングの狡猾なファールドローや、ヤング&コリンズの合わせで点差を広げていったホークス。前半を61-41と20点差で締めます。

20点差よりも41失点というのがマクミラン・ホークス。考え方が徹底されてきた印象もあります。オフェンスよりもディフェンス。ヤングを狙ってこないサンダーの事情に助けられる面もありつつ、SGAへのディフェンスは完璧でした。

◎本来のスターター

隙間を抜けてサーカスショットを決めたSGA、ドライブからホーフォードにアシストしたポク君。ハーフタイムで2人に強気に行くように指示したように見えるスタートです。さらにドルトもドライブで飛び込むのですが、ファールコールをもらえず。それでもドライブが増えたことでキックアウト3Pも生まれます。得点が伸びたわけではないけど、サンダーらしい形が出始めました。

その間にヤング、ヤング、ハーター、ヤングと決めていくホークス。こう見ると、レディッシュとハンターがいないことで逆に攻守の役割分担がハッキリしていることも大きいかもしれません。2年前のように若手3人でオフェンスを作っているぜ。

でも、今度は6分経たずにヤングとコリンズを残して交代します。なかなか動くねマクミラン。サンダーも今度は2人交代でポクとロビーを下げて、ケンリッチとマラドンです。こっちの方が本来のスターターっぽいな。

するとSGAが加速します。わかりやすい。それぞれがパスをもらってから考える時間が短く、動き方も分かっているので連続攻撃がスムーズになり、単純にスネルから解放されたSGAのアタックも決まりやすい。ただ、続いてホーフォードとドルトがベンチに下がったので連動していたのは一瞬だけ。

ホークスもガリナリのローポスト、ボグダノビッチの3Pでリードをキープ。こちらはほぼ個人技なのですが、マクミランになってすぐの変化はフロアバランスだったので、それぞれが特徴を使いやすくしています。特にボグダノビッチについては、オフボールでスクリーンが用意され、パスを受けたところから楽な形でプレーメイクさせようとしています。

ヤングとコリンズが下がると、完全にボグダノビッチ&ガリナリって感じ。マクミランになった直後はロンドがワンパスで崩そうとしていたけど、そうではなくボグダノビッチ&ガリナリのためにオフボールから作っているので、ベンチの構図も分かりやすくしています。

そんなわけで3Qも終わってみればホークスが優勢で91-67と24点差になりました。サンダーは「本来のスターター」っぽくしたら機能していたので、やっぱり勝利優先ではない戦い方にしており、そりゃあ弱いさ。って感じです。

逆にホークスは戦いやすいユニット構成を見つけ始めた感じ。この点についてはマクミランの功績ではあるけど、そもそもケガ人だらけだったからロイド・ピアース時代には試すことすら出来なかったので、何とも言えません。

◎GMに答えたHC

ということで試合は決まったので、あとはモーゼスでも楽しみましょう。3Qは早々にカペラを下げたホークスですが、ひょっとしてモーゼス対応も考えての事だったのかな。カペラが相手では分が悪いモーゼス。ドライブに来る選手の逆サイドエンドラインに構えて飛び込むプレーをするのですが、高さごとカペラに封じられてしまいます。

リバウンドへの反応も良く、本当にこの高さの選手としては驚異的に反応力や俊敏性が高いのですが、カペラのポジション取りに対して押し込めないから、どうしても活躍できません。オコングと対戦させてみたかったね。しかも運の悪い(?)ことにゴール下でハーターとのマッチアップになったからリバウンドが取れそうになったら、チームメイトの3Pが決まってしまった。

その3Pを決めたのがタイ・ジェローム。さらに連発。この試合バカみたいに決めまくっています。こりゃあファーガソン要らないわ。それどころかミハイルーはプレッシャーを感じてそう。そういえばピストンズでミハイルーはPGもどきのこともやっていたけど、加入してすぐってのもあり、コーナー選任状態です。なぜかケンリッチがPGでドライブアタックしている。

〇タイ・ジェローム
18点 3P6/8

2月26日に初めてサンダーで試合に出てから、シューターっぽい3Pアテンプトで頭角を現してきたのか。19年ドラフト24位なので、2WAYから這い上がるサンダークオリティとは違いますが、これだとミハイルーは残す前提の獲得じゃなかったかもね。競争相手だ。

まぁでも今日のサンダーで良かったのは他に5アシストのマラドンと少しだけケンリッチくらい。ホーフォードもシュート決まらないし、ポクは言うまでもないし、SGAはスネルに止められたし。チームで40%に満たないFGでした。

「選手はフルパワーで頑張りながら、しっかり負ける」というミッションを実行しているように見えるダグノート。ちゃんと面白い選手を新たに生み出しながら、チームとしては惨敗。GMからは信頼されそうだ。

そんなサンダーを抑え込んだホークスディフェンス。ケガ人とのかみ合わせとか、いろいろあっての現状ではありますが、HC交代は良い方向に進んでいます。流れるようなパスワークとかは減ったけど、堅実な選択をしながら戦力層を生かしています。

これでHC交代から7連勝。相手に恵まれた感じはありますが、そもそもHC交代そのものが「勝ち始める前に交代させよう」に思えたので、タイミング的にもここだったのかもしれません。ラプターズの選手不足とかラッキーもあるんだけどね。GMの判断が正しいと示したマクミランです。

いずれにしても役割分担の中でディフェンスを気にしているのは良いこと。カウンターを食らうことが減ったのはオフェンスの終わり方でもあるので、ヤングのプレーも堅実な方向に代わってきました。今日は9アシストでターンオーバーは2つだけ。プルアップ3Pは増えてきましたが、ちゃんと戻ればドライブよりは安心かな。

これで本当にコリンズのトレードに動くつもりなのかな?

サンダーvsホークス” への6件のフィードバック

  1. 分厚い戦力という意味でもマクミランはやり易そうなホークス 上に上がっていくにはDFにも注力しなくはいけないためチームとしていい感じだと思います

    これ以降の3月の日程が中々キツいものになってますがね…

    1. この連勝で方針が定まったのも大きいですね。
      誰もマクミランのやり方に反抗しないでしょうし。

      マクミランの弱点であるオフェンスのアイデア不足は、ヤングのイマジネーションで解決するかもしれませんし、良い組み合わせなのかも。

  2. 以前おっしゃっていたようにケンリッチがOKCに欠かせない存在になっていて見ていて頼もしいです。チームの強い弱いに関わらず見ていて応援したくなる選手が推しチームにいるっていいですよね!話が変わってしまいますがOKCはハードワークカルチャーのせいもあってかGMの予想より勝ってしまい、管理人さんのいう様にタンキングの手を探している様に見えます。今年はCunninghamを筆頭にドラフトが豊作なこともあるのでタンクは長期で見れば一番の良策に思えます。そこで今管理人さん目線でOKCに必要な選手はどんなタイプの選手ですか?現役選手や今年のドラフトクラスに思いつく選手がいればお聞きしたいです。長文失礼しました。これからも戦術分析楽しみにしてます!

    1. サンダーはSGAが良い感じなので、出来れば他のポジションの相棒エースが欲しい所です。ガードコンビがエースだと、柔軟なユニット変更がやりにくいことがあるので。ドルトは勝負所でこそ継続して使いたいですし。

      で、やっぱり理想はデュラント。シュートで打開でき、時にはポストアップなんかも出来るし、スモールのPFにもなれるから、相手に応じたユニットが組みやすい。

      ドラフトはわかりませんが、現役で狙うならMPJですね。ちょっとプレーメイク能力に欠けますが、そこは他の選手でカバーしよう。

  3. 主力がお休みの日が多すぎて、少なくともデッドラインまでは記事来ないかなと思っていたので、嬉しい誤算でした。
    ポク君がスターターになったのはドート、ベイズリー、ホーフォード、マレドン、SGAお休み!みたいな日が続いていたので、その流れですね。その間ポク、ケンリッチはもちろんロビーまでドライブアタックとかしてました。
    ジェローム、ポク、モーゼスブラウンのGリーグバブル組は戻ってきてから大分活躍していますね。ジェロームはマレドンと2ndユニットで組むといい感じでした。モーゼスはアジリティのおかげでサイズの割に粗さがない印象です。ポクは段々やりたいことからやるべきことに意識が向いてきた印象です(できるかは別)。
    この前ロビー、ポク、モーゼスを並べたビッグラインナップがあり、ビッグがハンドルできるといいなあと少し興奮しましたが、全員残る可能性はどのくらいあるのだろうとも思いました(笑)
    最近のお休みも含めてタンクに向かってるのは間違いないと思うのですが、SGAとダグノートHCがいる限り、一番下までいける気がしません。ジェラミとディアロはもちろん、ウッドとエドワーズを全力で応援したいと思います。

    1. ドラフトロッタリーのルール変わっているので、30位でも28位でも1位指名権~4位指名権を得る確率は同じです。26位でもそんなに変わらない。そしてロケッツとは指名順位の交換権利を持っているので、このまま適当に順位を落とせばOKです。ライバルはマジックかな。
      1位指名権を得る確率は1/4くらいあるので、どこよりも有利だとは思います。

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