キャブスvsセルティックス

2021/3/17

こちらも久しぶりのキャブス。未だに5割をうろうろしているセルツも注目ではありますが、キャブス中心に触れていきましょう。

まずは前情報として、今シーズン好調だったキャブスについては開幕早々にフォロワーの方から「ドラモンドを中心にガード陣が合わせていくようになってキャブスがいいです」と情報を頂き確認してみると、その通りでした。プラスしてビッグラインナップを生かしたゾーンディフェンスと、そこで躍動しまくるラリー・ナンスの活躍は目を見張るものがありました。

その後、ガード陣が全滅という苦しい時期もあり、ナンスがケガで離脱して長所が失われ、そしてトレードでアレンがやってきたら、ドラモンドが試合に出なくなりました。紆余曲折の中で勝率が上がらなかったことは仕方がないのですが、だからこそ見えない事もあるわけです。

シーズン開幕当初に戻ると「ドラモンド中心」ってのがポイントでした。インサイドのプレーメイカーから始まるオフェンスなので、昨シーズンに大問題だったセクストンの個人技一辺倒がなくなり、むしろ得点力が際立ちました。それがアレンになるとドラモンド以上に良さげに見えて、インサイドのプレーメイカーがいなくなった悪さも出ています。そんなことを考えながら観ていきましょう。

◎どっちも酷い

アレンとナンスをスターターにするキャブスに対して、トリスタンとケンバがいないセルツはオジェレイをスターターにしてきました。ジャズ戦の後で「ジャズはオニールをインサイドのプレーメイカー的に使っているから、ブラッド・スティーブンスも思うところあるかも」と書いたら、本当にオジェレイになった。でも、その後トリスタンに戻ったんだよね。

今日はツービッグでもいいのに、ワンビッグにしたことで、キャブスは割と楽にインサイドを攻めこめました。ガーランドが簡単に抜いてレイアップを決めれば、アレンへのアリウープパスも通します。ジェイレン・ブラウンにマークされた選手だけは罰ゲームみたいにブロックされていますが、なんだか動きの悪いセルツディフェンスに対して、楽に展開しているように見えます。

なお、その罰ゲームもあってセクストンはイマイチ。まぁこれは仕方がない。PGとして展開する能力はあまりないし、むしろブラウンをひきつけといてくれれば周囲は行きやすいじゃん。

ただチーム全体として、以前よりもビッグマンを使う意識が薄れています。ハイポストにドラモンドやマギーが出てきていた頃とは全く違い、アレンの役割は合わせ担当。なお、マギーはトップからの1on1していた。ウケる。

そんなわけでこれといって特徴のないオフェンスを展開していきます。やっぱりガード陣の突破だけで構築するのはムズカシイネ。ハイポストを経由するのはディフェンスの視野を奪うことにも繋がるので、ハイスコアが求められるシーズンではヨキッチじゃなくても大切になってきました。

それはそっくりそのままセルティックスにもいえること。しかもセルティックスの場合はインサイドの合わせにも飛び込んでこないので、キャブスよりも酷いオフェンスになりました。よくわからんミスも連発していて、ブラッド・スティーブンスの賞味期限が切れたかのような展開に。

ロースコアの1Qが終わると、セクストンが決め始めます。単純にマークがティーグになって楽だった。一回はミドルにブロックを食らっても、ルーズボールを抑えて再アタックするとイージーレイアップ。いつの間にか、ディフェンスがゆるゆるになっているセルツ。どうしたんだろうね。

それ以上にオフェンスがどうにもならないセルツ。マジでどうしたんだろうね。シンプルに個人が止められ、スクリーンはイリーガル。ブラウンとテイタムがボールを持たない限り得点の匂いがしません。

それでいて前半のテイタムは3Pが0/5で5点しか奪えませんでした。調子悪い時もあるんだから、それくらいは許容しないといけないけど、12分プレーしたタイスはFGアテンプトすらない0点だし、何もなかった感じです。唯一、ロバート・ウィリアムスだけはインサイドへの合わせで6点奪い、9リバウンド、3アシストと頑張りましたが、チームは38点しか取れなかった。

キャブスはオジェレイにマークされたセクストンの得点が止まるも、次はガーランドが連続3Pでリードを広げていきます。ドライブしてアレンへのパスを匂わせての見事なダブルクラッチレイアップも決めて調子よく得点していきました。

〇前半のセクストン
14点 2アシスト

〇前半のガーランド
18点 1アシスト

ガード2人で3アシストだけど、チーム55点のうち32点取ったのでした。せめて2人がアシストしあうならまだしもね。アシストしなくてもドラモンドがいた方が良い感じに見えた理由もわかります。

キャブスは残り3分の時点で50点だったのですが、そこからミスが続いてナンスのプットバックとアレンのフリースローくらいしか決まらず、ハーフコートでセットしなおすとナンスを起点にガーランドとセクストンが動き回るのですが、結局はボールを貰いなおすだけで個人技ドライブに戻っていました。

そんなわけで、どっちもオフェンスがちょっとね。単純に個人技でテイタム&ブラウンを上回ったセクストン&ガーランドによって17点リードした感じでした。っていうか、それで17点もリードしているんだよね。セルツのオフェンスが酷すぎた。

◎ブラウン

さすがにこのままじゃヤバいぜ。ってことで4Qのブレイザーズみたいに3P連打で始まる後半。テイタム、スマート、スマートと決めて追い上げます。ブラウンは決まらない。

そしてディフェンスではガーランドをドライブ警戒で止めるのですが、オコロのドライブやナンスの3Pにはやられていきます。要はスマートかブラウンがマークしている相手は止めるんだけど、他の選手はやられている。特にテイタムはやる気あんのかわからないディフェンスしています。

そしてセルツがジャボンテ・グリーンを投入すると、ガーランドがそこから攻めていきます。ディフェンス要員のはずが面白いくらい抜かれてしまったグリーン。ガーランドは自分でドライブを2つ決めると、パスアウトからオスマンの3Pに繋げて15点差をキープ。3P頼みのセルツオフェンスとは違うね。

ところがテイタムを下げてゾーンにした途端に一気にセルツペースになります。ポストで経由しないキャブスオフェンスなので、シンプルに手厚いカバーに捉まってしまい、マイボールになったら全部ブラウンがコーストtoコーストを仕掛けて連続得点。スーパー個人技じゃねーか。

ハーフコートオフェンスになるとティーグがウェイドにスピードで仕掛けて完璧に止められるのでダメダメですが、ディフェンスではゾーンじゃなくてもロバート・ウィリアムスが運動量ディフェンスでターンオーバーを誘発していき、そしてブラウンの1人特攻です。

3Qだけで13点を奪ったブラウンの活躍と、2スティールに加えてブザービーターのプットバックを決めたロバートによって8点差に縮まって3Qが終わりました。前半が個人技で「セクストン&ガーランドが上回った」なら、3Qはブラウンが上回ったというだけの展開だね。どっちも酷いのは変わらず。

キャブスはエクストラパスも繋ぐし、その点では悪くないのですが、セルツがゾーンにしたことでポストで経由しないマズさが際立ちました。戦術的に対応していないというか、する気がないというか。ゾーンを崩そうとしないのが印象的でした。

◎集中しないね

追い上げたセルツですが、4Q開始30秒で速攻に行ったテイタムがクソパスを出して、アリウープに飛んだロバートが足を痛めます。ナンスがファールコールされたけど何もしていないから可哀そう。

オフェンスでゴール下まで行けないロバートでしたが、空いたインサイドにドライブしたテイタムが繋ぎます。逆にラッキー。でも、ディフェンスはカバーできないから点差は変わらず。フリースローになってやっとロバートは交代。

しかし、ここからテイタムが爆発します。3P連打にドライブねじ込み。タイスになってストレッチしている事情もあって、3Pさえ決まればやりたい放題。パスアウトの3Pをタイスが決めてくれれば、より楽になったでしょうが、ヘルプが分厚いならフェイダウェイミドルです。ノッテきた。

またゾーンっぽくしたセルツに対して、今度はナンスがハイポストに入ると、自分でドライブしてレイアップ。でも、そういうことをチーム全体が意識している感じではなく、やっぱりミスからカウンターも食らいます。テイタムのファールドロー、グラントのダンクで残り6分半で3点差。

ゾーンに対して置物のようになっているのはセクストン。とはいえ、以前のように無謀な特攻はせず、パスを回す役回りです。基本的に賢さがないからオフボールのポジショニングを調整しておらず、どうすれば良いのかわかっていない感じですが、ボールを止めずにパスしてくれるから悪くはない。

キャブスはガード陣の個人突破が多いのですが、それによりウイングは死んでいます。ルーキーのオコロはディフェンダーとして頑張っているけど、このチームに居たらウイングはヤル気なくすだろうなと。ところがゾーンになったら、素早いパス回しもあるから、ナンスやオコロが目立ち始めました。オコロはギャップを突くドライブからのリバースレイアップでリードを守ります。

これでゾーンを辞めたセルツは、ガーランドのドライブから崩されてアレンにダンクを食らいます。よくわかんないのは、ガーランドを担当するのがテイタムで、ブラウンはナンスなんだよね。逆じゃないのか。

セルツはもうスマートがゲームメイクもせず、テイタム&ブラウンの個人技任せ。変わらずクソパス出しているテイタムは、やっぱり集中力が足りない試合だ。それでも3P決めるし、ブラウンはドライブからファールドローで離されることもない。

セルツは足を痛めていたロバートを戻し、両ウィリアムスがハードワークで支える構図にします。戦術を捨てたブラッド・スティーブンス。グラントがオフェンスリバウンドでファールを貰い、残り3分4点差。

ムチャクチャな1人ダムダムでフェイダウェイをテイタムが外すと、ガーランドがフローター。そしてブラウンの3Pが外れたらロングリバウンドからの速攻で、ガーランド→オコロのダンク&ワンの決まって残り2分半で9点差に広げます。

そしてセクストンのパスからナンスが決めると、さらにセクストンがフローター&ワン。必要ないのに後ろから押してしまったブラウンってのもあって、最後まで締まらないセルツでした。

なお、ここからフルコートプレッシャーなんかがあって試合が終わるまで時間がかかりました。マジでそこで頑張るくらいなら、もっと早く手を打てよ。「時間を使われたら負け」になってからしか出来ないのかいっっ。集中するところが違うだろ。

◎アレン、お前もか

キャブスはナンスだけが良心のように、クレバーなプレーでディフェンスの弱い所を使っていきました。でも、それくらいでセクストンとガーランドはパスを出すのだけど、「ディフェンスを崩す」というイマジネーションが足りません。足りないっていうかチームの問題なんだけどね。

その結果、当初は合わせ担当として輝いていたアレンへのパスは雑というか、無理やりになっており、3月になってからは平均得点が10点を下回っています。ドラモンドがいた頃の戦術は時間と共に失われている空気感。

試合には出ているアレンまでこうなると、アトキンソン・ネッツの選手たちは解体後は不遇すぎ。試合に出ないクルッツ、契約すらないRHJとクラブ、ケガしているディアンジェロとディンウィディはちょっと違うけどさ。何がいいたいかといえば、戦術と個人の輝きってのはリンクするし、戦術が足りなくっても個人の判断力でカバーできるほどには完成されていない選手達だったってことだ。

まぁキャブスの場合は、そんなに高値で売れる気もしないドラモンドをわざわざ試合に出さないわけで、意図的に負けたい気がします。だから、今のやり方でも特に問題ないのでしょう。個人が頑張ってくださいってね。

昨シーズンは「ファンでもみているのがツラそう」に見えていましたが、今はそこまで酷くはありません。それぞれが頑張っているし、パスを回す意識もある。ただディフェンスを攻略する気はない。

〇キャブスのFG
セクストン 10/20
ガーランド 9/16
ほか 21/38

ただ、やっぱりもう少しプレーシェアは考えないと。オコロがディフェンダーの立ち位置で頑張れる選手だから助かっているけど、やっぱり不満は溜まりそう。どんなチームにしていきたいのか、まだ方針も決めていない段階に見えますが、ガード中心で行くならインサイドのプレーメイカーが欲しいってのは変わらないので、アレンでいいのかどうかは悩みどころです。

〇セルツのFG
テイタム 11/24
ブラウン 11/26
ほか 18/38

そんなキャブスの比じゃなく酷かったのがセルティックス。スマートが戻ってきたけど関係なかった。なんでこうなっちゃうんだろうね。ある意味、相手が強い方が必然的にパスを出すことが増えて上手くいく気さえします。キャブスくらいが相手だと2人の特攻でシュートに行けてしまうから逆に良くない。

今日の敗因は2人で3P5/23と決まらなかったことです。決まっていれば勝てました。ただそれだけ。シュートの好不調に左右されまくるチームになってしまいましたとさ。なのでウォリアーズに次いで勝ち試合と負け試合でオフェンスの差が激しいらしい。

本来はディフェンスチームだったのに、どうも集中力を欠いたディフェンスです。ブラウンだけはちゃんと守っていたけど、さすがに攻守に負担がデカすぎます。そしてスマートは守れてはいるけど、やけにフェイクに引っかかっていたし、本調子じゃないっぽい。

いやー、本当にどうするんでしょうね。デッドラインに向けて、何が足りないと考えているのか。やっぱりドラモンドが欲しい気がするのですが、現状を見るとハチャメチャなので、今シーズンはファイナルは諦めるっていう決断もあるかもしれません。

キャブスvsセルティックス” への1件のフィードバック

  1. 今日のセルツ戦みましたが、ほんとにこの時のままでしたねー
    テイタムがいなかったが、クラッチタイムには響いたのかもしれませんが、チーム全体では、3P50%以上決まって、決してシュートの調子がよかったわけではない、いつも通りのグリズリーズに接戦で負けるという・・・
    セルツはなかなか重症ですね
    どこに手をつけるのか・・・やはりインサイドでプレーメイクできないと苦しそうですね

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