ピストンズvsスパーズ

2021/3/15

頑張っているピストンズ。マジで。成績はアレだけど、チーム状況を考えれば前向きにトライできています。でも、若手を育てては売るという伝統はフロントが変わっても同じで、ケナードとブルースに続いてミハイルーの放出を決めました。ディアロを得たので収支はプラスですが、シューター放出ってのが正しいのかどうか。グリフィンのサラリー負担を持ち続ける点も含めて、プランとしてはイマイチよくわかりませんが。

ジェレミはもちろん、ルーキーのヘイズとベイ、デロン・ライトにマグルーダー、そしてジョシュ・ジャクソンとドゥンブーヤがロスターにいるので、シューターのミハイルーの方が役割としてはわかりやすかったです。まぁ今シーズンだけで考えても仕方がないのか。なお、それを検証したかったけどディアロは欠場です。

スパーズはとっても頑張っているよね。オルドリッジとの決別も表明したのは驚きですが、最近の流れだと指名権や若手に変えておくのは重要なんだよね。シーズン終って戦力がゼロになること以上に、手元に伸ばしたい選手がいなくなる方が苦しい。

でも、スパーズがオルドリッジと決別する少し前からサマニッチが活躍し始めたのもキーだよね。別に何も手に入れられなくても伸ばすべき選手はいるぜ。今日はケルドンとホワイトがスターターに戻りましたが、どこかでサマニッチのスタートも試すのかどうか。

◎惜しい

プラムリーを中心にパスと合わせで、そこそこ鮮やかにチームオフェンスしていくピストンズ。プラムリーがヨキッチならガンガン得点になりそうですが、パスもシュートも少しずつずれるよね。惜しいな。

ただマグルーダーが3Pを決めて広げてくれます。ライトとセンターでインサイドに攻め込み、ジョシュもドライブで続く。そこにマグルーダーの3Pが加わって、序盤はジェレミの1on1が少なくなります。

ただ、これらのプレーはシステムで動きているかといえば、そうではないような。ベンチから出てきたサべン・リーが見事なリバースレイアップを決めたけど、それは1人でダムダムしてからのドライブだったし、全体的に個人の判断にゆだねられているような。惜しい。

例えばスパーズだと、ユーバンクスがボールを持った時に、まずシューターのミルズがハンドオフでもらうように動きます。ここに渡らないとみるや、ユーバーンクスがドリブルで移動すると、今度はウイングからゲイがハンドオフを受け取りに行きました。1つのプレーに続く2つ目が用意されている。そしてボールをもらったゲイはそのままインサイドアタックだけど、逆サイドでヴァッセルがコーナーに移動しキックアウト3Pでした。3人目の合わせも明確さ。

ピストンズの場合は基本的にはハンドラーのアタックであり、そこにコンビでビッグマンが合わせるくらい。スタートだと意外と器用なプラムリーだからコンビプレー強めでしたが、スチュワートと交代してからはハンドラーアタックばかりが目立ちます。スチュワートはオフェンスリバウンド飛び込みまくりだけどね。

そんなわけでウイングにはマルチナ役割を求めていそうなので、シューターじゃなくてディアロなのかな。でも、単調になりがちだからこそ特徴の違う選手が欲しいような。もしくはインサイドのプレーメイカーを置くことでポジションレスアタックを実現するかです。「インサイドのプレーメイカー」・・・それってグリフィン?

チームつくりって難しいな。そんなことを感じさせるピストンズの1Qでした。どうせ今シーズンに完成することはないのだから、一喜一憂する必要もないけど、求め始めるとあれもこれも欲しくなる。今のピストンズにはキーになるプレーメイカーが足りないのだけど、それはヘイズが長期離脱しているから仕方ないのかなあ。

ピストンズにはラメロを進めていたのですが、エドワーズでもいいから、ルーキー3人よりも1人のプレーメイカーを指名するべきだったような。もっとも、3人を育てつつ、次のドラフトでエース候補を狙うのかもしれませんが。

◎ファールすらさせない

試合開始時に気が付かなかったデローザン不在。チームとしての連動性があるスパーズですが、大黒柱不在で決めきれないシーンが多く、その一方でディフェンスが良くなった気もするのでロースコアで1Qが終ります。

そして2Qになると、コンビプレーからのドライブが非常に効果的に決まっていきます。ドライブなんだけど個人技ではなく、ギブ&ゴーでディフェンスの死角を作ったり、サイドの合わせがあるからヘルプを減らしたり。ハンドラーはディフェンスを抑えながら、楽に打てる方法を探しているよ。

50点に到達した時点でフリースローでの得点はゼロ。ファールしないピストンズってのもありますが、ディフェンスを鮮やかに崩しに行っているスパーズ。強引さの欠片もないオフェンスが成立して、2Q残り4分には11点リードになります。

さすがに引くくらい鮮やかなスパーズオフェンス。ということはディフェンスが悪いね。うん。個人を守る気持ちはあっても、連携しては守れないから困っているピストンズ。マグルーダーとかジョシュとか、結構頑張って守っているんだけどね。簡単にスクリーンをかけさせちゃうからスパーズがやりたいことを出来ているのでした。

ただ、そのスクリーンを使う意識が高いからこそイリーガルスクリーンのコールも多くされました。4ガード1ビッグのスパーズはいろんな選手がスクリナーになるので、ムービングが多かったってことかな。

〇前半のFG
スパーズ 59%
ピストンズ 48%

3P6/13も決まっており、スクリーン時のオフェンスファールでターンオーバーした以外はほぼ完ぺきだった前半のスパーズオフェンス。デローザンいないけど、いないからこそチームオフェンス徹底みたいな。普通はそれだけじゃ突破できないけどね。

でも、ピストンズはターンオーバー2でしのぎ、なんとか10点差で食らいつきました。しっかり守れていたスパーズですが、ボールを奪い取るディフェンスは出来なかったわけです。これも特定の役割の選手がいないからプレッシャーの少ない選手が攻めた成果なのかなぁ。

◎一気に崩れる

後半になるとパートルのフリースローが決まったスパーズ。さすがに下がりすぎているディフェンスを修正してきたピストンズなので、連続でシュートファールが生まれます。そしてスパーズのディフェンスはジェレミのキックアウトをスティール。お互いに前半に消えていたディフェンスの要素が出てきました。

ファールコールには苦しくなったピストンズですが、ハードになったディフェンスでスパーズのターンオーバー、ジェレミのブロック。ロニー・ウォーカーがレイアップをミスと修正が効いていきます。

スパーズ的にはデローザンの出番って感じですが、代わりにゲイを出してジェレミとマッチアップさせます。そこを止めれば何とかなるぜ。でも、突っ込んでくるジェレミに対してヘルプに来たホワイトが連続でファールしちゃったりして、思い描くようにはならないね。ジェレミがフリースローミスするから点差は縮まらない。

そんな中、キックアウトを受け取ったジェレミがオープン3Pを躊躇ってしまい、ドライブするとユーバンクスとゲイが2人で止めにきます。スピードに乗ったドライブを2人がかりでボールに手をかけて止めたので、叩きつけられるように背中から落ちたジェレミ。でもノーコールだったので、カウンターが決まったスパーズ。そして起き上がれないジェレミでタイムアウト。

大事には至らないもののベンチに下がったジェレミ。でもピストンズは同じような形でサボン・リーがブロックされて、またもカウンターを食らいます。ディフェンスを修正したピストンズだけど、速攻を食らってしまうとどうしようもない。

その上、ゲイとミルズの3Pで19点差まで広がります。時折、ジョシュやベイが良いドライブで得点するし、スチュワートはブロックで救ってくれるのですが、ちょっとボールを持ちすぎなリーでスパーズは守りやすくなってしまい、3Q終盤になって点差が広がってしまいました。

さらにマレーのブザービーター3Pが決まって95-75となって3Q終了です。ジェレミのトラブルまでは10点差だったのに、そこから一気に崩れてしまったピストンズ。仕方ないといえば仕方ないけど、チームオフェンスが固まっていないからエース離脱で一気に崩れた印象です。

せめてミスしなければ前半みたいになっていただろうに。サべン・リーは積極性の良さがありつつ、組み立てられないのは致命的なPGっていう難しい状況でした。でも、その積極性が評価されてフランク・ジャクソンよりも重用されているわけだしな。

◎定点観測

4Qは他の作業をしていてみていなかったのですが、気が付いたらサマニッチが出ているじゃん。今日は休みなのかと思っていたら、単なるローテ外でした。ビッグマンが強烈なチームが相手の時だけ出番があるのか。

すっかり4ガードが定番化したスパーズですが、PFだけは相手に応じて変更している様子。それよりはサマニッチを使ってあげた方が良い気がしますが、プレーオフ争いしているし、そういうわけにもいかないのか。

今日は初めから最後まで面白くないほどに安定していました。ってことでスパーズに触れても仕方がないので、切り上げましょう。FG57%も決まったら楽に勝てるさ。フリースローは5本しかアテンプトがなかったので、総じてストレスフリーなシュートチャンスを構築していましたとさ。

さて、本日はピストンズの定期点検が目的でした。開幕からジェレミの個人技ばかりという意味不明なチームつくりをしていたのですが、2月以降のジェレミは平均23点を奪っているものの、FG42%、3P30%とエースとしてはダメな数字になっています。さすがにジェレミがシーズン通してハイアベレージになるとは考えにくいので、落ち着くところに戻ってきたかな。

その後、グリフィンとの決別やローズのトレードがあった上、キリアン・ヘイズが1月からずっと離脱しているので、チームの核は延々と決まらず過ごしています。ただ、ルーキーのサディック・ベイは2月に週MVPを獲得するなど、2月以降は3P40%で12.6点を稼いでいます。シューターっぽく決めているので、ミハイルーの放出はベイの存在もあるのでしょう。でも獲得したのが同じポジションのディアロなんだけどな。

同じくルーキーのスチュワートは20分のプレータイムでFG67%にくわえて、6.3リバウンド、1.2ブロックとディフェンシブセンターとして頭角を現しています。ベイもスチュワートもエースキャラではなく、ロールプレイヤーに近いですが、ディフェンス強化を考えると、もっと中心にしても良い感じです。

そこで今日の試合を観た感想として、やっぱりスチュワートはスターターにすべきかと。そろそろ強い相手に当てて修行させようぜ。特に今日はパートルだから、やられまくる事も無いだろうに。一方でベイはパス待ちなのでPGがしょぼいと存在感がありません。それは仕方ないけどさ。

ピストンズのアシスト数はデロン・ライトの次はプラムリーが多いという状況なので、当面はベイとプラムリーがセットなのかもしれません。そうするとスチュワートをスターターにするのも難しいか。

そんなわけでインサイドのプレーメイカーと同時にパッシングタイプのPGが欲しいです。ヘイズが復帰しても、それは作られないでしょ。デニス・スミスも違うしさ。ルビオとは言わないけど、ベンチからボールムーブを滑らかにしてくれる選手が加われば、ウイングのチャンスは増える気がします。

そんなウイングではジョシュ・ジャクソンがディフェンスキャラとして奮闘しているのは印象的。17年ドラフト4位だからね。全然足りないけどさ。一方でドゥンブーヤはプレータイムを減らしており、ピストンズがどうしていきたいのか、よくわかりませんでした。試合に出てきたけど、これといったインパクトもなく終わったな。

【若手】
ヘイズ(離脱)
デニス・スミス(?)
サベイ・リー(ルーキー)
ジョシュ・ジャクソン(ディフェンダー)
ディアロ(新加入)
ベイ(3&D)
スチュワート(ディフェンシブセンター)
ドゥンブーヤ(ポテンシャル採用)

そういえばデニス・スミスとジョシュ・ジャクソンは同期だったね。こう見ると若手の人数は増えてきましたが、逆に渋滞している気がします。主力がデロン・ライト、ジェレミ、プラムリーでさらにマグルーダーとエリントンがいます。大渋滞じゃん。

アタッカータイプの選手ばかりなのも気になるところで、サンダー路線に見えて、あっちはホーフォードやケンリッチなどでバランスとっているもんな。ピストンズにはそういう選手が足りません。それはドラフトで連れてくるタイプでもないし。そんなわけで定点観測の結論は

若手と中堅を増やして期待できる選手もいるけど、チームつくりとしては遅々として進んでいないし、選手がダボついててチャンスが与えられていない

というネガティブな要素が多めでした。ポジティブなのはスチュワートとベイだけだったので。あとジョシュ・ジャクソンはポジティブなんだけど、やらかしそうな匂いがプンプンしていてチームのプランに入れていいのかどうかわからん。

ベイを手に入れたからケナードの放出はいいんだけど、やっぱりブルースがいた方が良かったじゃん。そういえばムサは気が付いたらトルコに移籍しているじゃん。ってことで、しばらく見なくてもいい気がしたピストンズでした。

ピストンズvsスパーズ” への2件のフィードバック

  1. DSJは割とパスを散らして、コントロールしていましたよ。マンディフェンスもライトに比べれば断然良いですし。

    1. DSJは安定性が課題なので、ピストンズで落ち着けるといいですね。でもジョシュ・ジャクソンとのコンビはヤラカス匂いが・・・

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