バックスvsペリカンズ

2021/2/25

最近はザイオンをハンドラーにして良い感じになってきたペリカンズ。結構な驚きの判断でしたが、モンスターっぷりを見せつけているし、そもそもザイオンが持たなくても大丈夫なチームなので、オフェンスの多彩さを生み出してくれています。

簡単に言えばペリカンズのオフェンスは「ザイオンが持たなくてもオプションが多い」のですが、1つひとつのオプションに強度が足りなかった。そこに強力なオプションのザイオンを加えた感じなのですが、強力でもそればかりにすると上手くいかない。バランスをとるお時間です。

それってどこかで聞いたようなお話。モンスター・ヤニスの個人技ばかりを増やした今シーズンのバックスは明らかに失敗。そこから形を変えていきましたが、ホリデー離脱によって5連敗するなど苦しんでいます。

それでもイースト全体の低調さにも助けられ3位だよ。オプションを増やしていくことが出来るのか、それともミドルトンがもっと頑張れなのか。そういえばバックスを見るのは久しぶりな気がする。

◎同じような対策と

バックスはポーティスがスターターに。ペリカンズ対策もあって、ザイオンのマークをブルックがするのだけど、イングラムを止めないといけないからそこはヤニスが担当。結果的にアダムスをポーティスが観ています。ただ、ゾーン気味でのスイッチ連発もするから両方の意味でビッグマンを増やしたのかな。

ポーティスはオフェンスでもコーナー3Pにオフェンスリバウンドをプットバックと、このポジションの役割を問題なくこなし、イングラムのドライブをヘルプでブロックしました。ブレッドソーをも手なづけたブーデンフォルツァーはポーティスをも手なづけるのか。

一方のペリカンズはヤニスをアダムスが観る形も。お互いのエースが3Pが決まらないとみて同じ形になるとは珍しい。こういう選手が増えたからゾーンの重要性も高まるわな。

ただ違いがあるのはブルックの3P。1Qは決まらなかったけど、センターがアウトサイドに出れるバックスの方が、この形でのオフェンスは楽になります。まぁガードが弱いので困るのですが、逆にそこのディフェンスが強みのペリカンズは空かされている気もするし。

パスを繋いで3Pを狙いながら、ディフェンスのギャップにドライブしていくバックス。ヤニスのアタックだけでなく、スペースが出来てからのディヴィチェンゾのドライブも決まってリードを得ていきます。繋いでからドライブ、ドライブからパスアウトという流れがバックスの基本。

一方のペリカンズはザイオンのアタックはあるけど、むしろ基本はアウトサイドからインサイドを狙うパスにあります。インサイドに選手が多いので、ドライブはあまり効果的ではなく、しかしロンゾを中心にワンパスで打開してしまう。ザイオンもアダムスもパワープレーにはめっぽう強く、困り顔のブルック

かといってディフェンスが下がるなら3Pを決めたロンゾ。1Qだけで4本の3Pを沈めます。3Pしか打っていません。パス&3Pのオフェンスが欲しいチームはどこなんだろうね。バックスの気もするけどね。

1Qはお互いにインサイドディフェンスの対策をしたけど、ペリカンズ側はそもそもの戦略が上手くいかず、バックス側は3Pで突破されてしまいました。35-31とバックスが4点リード。さすがにロンゾの3P4/5は決めすぎなので、それさえなければバックスの狙いが上回ったのにね。

◎原初のザイオン

セカンドユニットの時間になるとヤニスはザイオンを直接守ることになります。ここでスクリーナーが来ない左右を見回している間にザイオンにぶち抜かれたヤニス。ハイライトを生み出してしまった。

さらにポーティスがヘルプに出て一瞬マークがいなくなったとみると、即座にアリウープパスをもらってダンクのザイオン。みんなザイオンを見過ぎなじゃないのか、ってくらい瞬間でパスが出るよね。

一方のヤニスはエルナンゴメスが相手で、そんなに大変ではないのですが、いろんなスキルを身に着けた結果として、ザイオンのようにドライブアタックを繰り返すことはしなくなったよね。つまり3P打って外しています。

そうか、同じモンスターでも原初のザイオンと進化したヤニス。強いのは原初って感じの展開になっていきます。次々にアリウープをぶち込んでいくザイオンに対して、そういう合わせが圧倒的に少ないヤニス。もっと「使われる」ようにならないと・・・もとい、戻らないと怖さは半減って感じです。

そんなわけでペリカンズが追いつきます。ハイライトプレーだけならペリカンズが圧倒していますが、それで同点だからバックスの方が強いチームであることは間違いなんだけどね。

そんなザイオンとヤニスがベンチに下がると、パワープレーが減り、3Pの打ち合いみたいになっていきます。特にインサイドを固めるバックスディフェンスってこともあって、ペリカンズはパスアウト3Pばかりに。これをブレッドソーが決めていきます。1Qはロンゾが、2Qはブレッドソーが。オプション多いな。しかし、ブレッドソー以外は全て外してしまった2Q。

対してバックスはディヴィチェンゾが3本決めます。ポーティスとカナートンも決めて、リードを保って行きます。ヤニスいなくても、別に問題ないんだよね。

そしてザイオンとヤニスが戻ってくる2Q終盤。ヤニス、ヤニスなバックスはドライブこそ得点になるものの、ミドルをエアボールしちゃうヤニス。これに対してザイオンはインサイドで合わせまくる仕様であり、さらにオフェンスリバウンドも押し込んでくれる形のペリカンズ。

残り30秒でロンゾのパスからザイオンが押し込んでペリカンズが逆転します。どうもヤニス一辺倒になって失敗することが多いバックス。もっとヤニスを「使え」ってザイオンに教え込まれるような展開でした。まぁ最後はヤニスを一時的にベンチに下げるとディヴィチェンゾがファールドローして1点リードに戻して終わりました。

うーん、マジでヤニスをザイオンのような形に戻さないとダメじゃん。そのためにはプレーメイク担当が足りないか。ちなみに本日はDJオーガスティンもいません。ノーPGだと考えればこんなもんか。

◎地球防衛軍

ブルックがザイオンをブロックすると、アダムスはヤニスをブロックします。お互いのエースが同じように止められるってね。

するとバックスはミドルトンとブルックで3P。さらにミドルトンはポストアップからターンシュート。ブルックはザイオンから&ワン。

だったらペリカンズはイングラム。ディフェンスを振り回すドライブをしていくと、アダムスはゴール下押し込みで、ロンゾはコーナー3P。ブレッドソーもトップから3P。そしてイングラムがミドル&ワンで同点になります。

暴れまわる怪獣を地球防衛軍が倒していくような3Qになってきました。いろんな選手が活躍していくぞ。そしてヤニスとザイオンは止められることが多くなってきたぞ。

3QのザイオンはFG1/5で2点とストップしました。しかし、チームはイングラムの8点が最高ながら35点とバランスアタックを実現。ペリカンズ本来の持ち味はこっちなので、強力な武器で撒き餌をしといて、強みを発揮し始めたね。

一方でヤニスはFG4/6で11点。あれっザイオンほど止められなかったね。でも印象的にはハート相手にポストアップも守り切られているし、そんなに良くなかったよ。ただし、タイムアウトあけのプレーではヤニスはインサイドにおいて合わせのプレーでノーマークのゴール下にするなど、ヤニスを「使う」プレーを混ぜました。あとトランジションね。ここは止められないやーつ。

3QのFG
ペリカンズ 57%
バックス 61%

お互いにバランスアタックになって気持ちよく決めていった3Qでした。怪獣の強さでビビらせながら、本当は地球防衛軍のいろんな武器を使えるのがベストってね。

オフェンスリバウンドの数も、ターンオーバーの数も同じで超互角な展開でした。こんなにいろんな選手が活躍していくと楽しいよね。書き始めると終わりがないから書きませんが、それぞれが持ち味を発揮していった形だったよ。103-103と試合も同点で4Q勝負です。

◎シーソーゲーム

ヤニスをベンチに置くバックスは好調のディヴィチェンゾが3Pを決め、さらにミドルレンジにディフェンスを引き出すとカッティングしてきたミドルトンに合わせて先手を取ります。

久々に見るから知らないだけかもしれませんが、バックスは4Q序盤にしてヤニス以外のスターター4人が出ています。従来はヤニスだけが出る形だったので戦略変更なのか、ヤニスが背中を痛めたからなのか。ただ、この試合に関して言えば、ブルックとポーティスを並べるのでザイオン対策にも見えます。

基本的にザイオンはブルックが止めることが多く、ただザイオンはシュートを外してもセカンドチャンスを押し込んできます。それをポーティスとミドルトンで防いでいる感じのバックス。

一方でザイオンに託すような形のユニット構成になっているペリカンズなので、ザイオンが止められる形に苦しみます。レディックがよくわかんないプレーをしたり、シュートを外しているのも大きく8点差になってタイムアウト。ロンゾやイングラムを戻します。

するとイングラム中心のオフェンスに変わり、ドライブでディフェンスをずらしていくので、崩れた後にボールを受けたザイオンもドライブダンク。イングラムのドライブが外れても戻ってきたアダムスが押し込み、アダムスのパスアウトからレディックも3Pで2点差に。

バックスはヤニスアタックでファールドロー。そしてミドルトンが個人技で取り返していきます。うーん、いいのか、これ。例によってエースアタックが増えていくね。

タイムアウトのバックスでしたが、個人のドライブに任せるオフェンスが連続ミスになり、イングラムが3Pで逆転。ただペリカンズもこのまま続けたかったところでワイドオープンの3Pを連続ミスしてしまい、シーソーゲームになっていきます。

ディヴィチェンゾがフローターを決めれば、ロンゾのドライブからザイオンのダンク。イングラムがドライブレイアップで、ヤニスはミドルトンの裏パスからダンク。ミドルトンがミドルを決めたら、ブレッドソーとザイオンのピック&ロールで取り返す。

延々と続く1点リードの入れ替えでしたが、残り2分切ってヤニスがゴール下を決めると、ザイオンのアタックをブルックがブロック。そこからトランジションに走ったヤニスが2人を抜きながらのダンクで、残り1分でバックスが3点リードに。この試合、ブルックはザイオンを3ブロックでした。

イングラム、ディヴィチェンゾと3Pを外すも、ディヴィチェンゾが自分でオフェンスリバウンドをとったことで時間を使えたバックス。急ぐペリカンズはボールを運んだイングラムからパスを受けたブレッドソーがvsブルックで空いたため3Pを打つも決まらず。

これでバックスが逃げ切りました。ザイオンの脅威が強かった試合でしたが、最後はチームでしっかりと守った上で、モンスター・ヤニスのトランジションアタックで試合を決めた感じなので、進化した怪獣の方が強かったということで。

〇ザイオン
34点
FG15/26
6アシスト
5ターンオーバー

十分に立派な大活躍なのですが、これで苦しくなってしまうのがペリカンズのつらいところ。FG70%くらい決めてくれることを期待しているような・・・。そしてこの試合は後半になると10点、FG4/11でした。決めたのは「合わせのプレー」ばかりになったので、良い部分もありつつも。後半はバックスの対策がほぼ完ぺきに上回ったことになります。

イングラムが3P1/10と急ブレーキだったのが敗因ではありますが、逆に10本も打たないといけないのかな。ってのもあるので、戦術的な事情も含めて、もう少しバランスを考えていく必要がありそうですね。

〇ヤニス
38点
FG14/27
4アシスト

31点のミドルトンと共にエースの役割を果たして勝利をもたらしたヤニス。うーん、これで勝ててしまうほどのモンスターってのが、バックスの進化を妨げているのかとすら思えてしまうけどね。もうちょっとザイオン的なプレーを増やしてくれると、助かるのですがパスを出してくれるロンゾがいないからな。

〇ディヴィチェンゾ
24点
FG9/14
9アシスト

とはいえディヴィチェンゾがキャリアハイの24点に9アシストと大活躍でした。バックスでは貴重な伸びしろなので、このまま頼っていくのがいいのかもしれません。

結果論として、あくまでも結果論としてだけど、ケガで試合に出ていないボグダノビッチとのトレードが実行されていなくて良かったね。トレードデッドラインに向けてバックスは動くのか。動くならディヴィチェンゾを評価しているチームが獲得を目指すのか。

バックスvsペリカンズ” への4件のフィードバック

  1. 本来気にするべきはDFなんですがペリカンズのオフェンスの方向性が気になります。今のスタイルを続けるのも十分ありえますが正直ロンゾとブレッドソーの3Pの確率がずっと続くとは思えませんし2人の3Pが入らない試合が悲惨なことになっちゃうので、去年のようにホリデーみたいなある程度クリエイトしてくれるガードがいた方が安定するのかなと。あとは単純にイングラムとザイオンにもっとDFに集中させないとまずそうです。
    DFの問題が大きい以上センターにもリソースを割かなきゃいけないと思うのですがどういうロスターにしたらいいと思いますか?

    1. でも、今の形にホリデーがいても、やっぱりドライブで点を取るのは簡単ではないと思います。ドライブを中心に組み立てるチームはほぼワンビッグです。ホーネッツだとノービッグですし。

      ザイオンが驚異的に決めてるのは本人がモンスターってだけではなく、ザイオンがドライブする場合は必然的にワンビッグになっているので、スペースがありますが、他の選手にとってはツービッグです。

      なので3Pに頼らないなら、ミドルが上手いガードを連れてこないと難しいですね。だからこそビールの話題が上がるのかと。

      あとはセンターをストレッチタイプにするか。アダムス、ヘイズ、エルナンゴメスだと同じタイプばかりで。。。

  2. イングラムがつければいいんでしょうけどペリカンはミドルトンのサイズに困ってそうでしたね。あと地味にガブリエル楽しみにしてるんですがなかなか試せてないみたいでもどかしい。

    1. ミドルトンは良いディフェンスしてもシュートを決めてくるし、何もしなくても外す事もあるし、守るの難しいんですよね。

      ガブリエルはエネルギッシュですが、フィジカル系のセンターを起用するペリカンズだと、使い所がわかんないです。

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