勝ち始めたウィザーズと役割分担

突如として5連勝したウィザーズ。中にはベルタンスの3Pバカ当たりなんかもあったので、5連勝くらいで騒ぐこともないのですが、ビックリするほど内容が変化していたので追いかけてみましょう。なお、すでにクリッパーズに負けて連勝は止まっていますが、管理人の体調不良により記事作成が遅くなっています。また、この記事はクリッパーズ戦後に8割ぐらい書いたのですが、途中で管理人が再びぶっ倒れまして更に遅くなりました。なので、その後に行われたナゲッツ戦の内容は含まれていません。

ちなみに「八村に興味がない」と言われる管理人ですが、まぁそれはその通り。日本人を追いかけたいならBリーグだってみるさ。しかし、今回は八村の変化も重要になってきます。それは「日本人だから」ではなく「チームのサードオプションだから」大切な変化です。なので、あくまでもウィザーズの話であって、八村がどうのこうの・・・という話じゃないよ。

さて、本来は5連勝となったレイカーズ戦後にまとめる予定だったのですが、そのために4勝した時点でデータを調べ、どんな方向にするか検討した下書き記事を書いたところ、「あれっ、これはレイカーズ戦の内容は、あまり関係ないな」というくらいのレベルに仕上がったので、そこまでの内容は別記事になりました。今回はそこからレイカーズ戦、クリッパーズ戦(前半しか見ていない)を経てのプラスアルファが主軸となります。

とはいえ、印象には殆ど変化はなかったので、特に問題はありません。4連勝までで書いた記事のキーポイントをまとめると

①マシューズやワグナーをスターターにしたことで、ディフェンスのポジショニング、速攻のコース取り、オフェンスのスペーシングなどが良くなった。

②ウエストブルックのディフェンスリバウンドが増え、速攻への切替が良くなった。

③ウエストブルック&ビールのプレーが中心になり、周囲は合わせるプレーが中心と役割分担がはっきりした。

④ハーフコートでコーナーに広がったウイング(八村)が、オフボールで飛び込むタイミングが良くなり、インサイドでの得点力が向上した。

こんな感じです。わからなかったことは、この変化が「選手の自主的な判断」なのか「チームとして戦術整理」なのかってことです。ただ、これまでの経緯を考えても後者ってことは、99%ありえません。残りの1%だったのかを考えるというよりは、なんで前者が発生したのかを考えないといけません。

その時に④の八村はキーポイントです。だってマシューズとワグナーは、新たに起用されるようになっただけですが、八村はプレーを変えているじゃん。その変化が「自主的な判断」というのは難しいよね。

またディフェンス面の改善を称賛されることが増えていますが、それもイマイチよくわからない。普通にぶっ壊されていたシーンも多く、ここも個人の問題だったような気がしていました。この辺りは試合を観ているだけじゃわからないことも多く、バスケット・カウントの記事を参考に想像しながら考えてみましょう。

◎ミドルと合わせのインサイド

管理人がフルで見たのはロケッツ戦とブレイザーズ戦とレイカーズ戦です。ゲームレポートでもロケッツ戦の時点で「あれっ?連動し始めているじゃん」と書いているので、この時には明らかに変化していました。

それがブレイザーズ戦になると、かなり鮮やかに連動していました。特に試合終盤になると、ラス&ビールのパスからだけでなくエクストラパスが繋がって3人目、4人目の動きもありました。そのため、この時点では「チームとして意図している」ような気もしていたわけです。

この辺はディフェンス次第な部分もあって、ブレイザーズはセンターのカンターがルーズかつコンビネーションで守れない選手なので「インサイドに穴が空きやすい」という事情から、合わせのプレーが目立ったともいえます。加えてラス&ビールのミドルレンジが決まりまくっていたので、ディフェンスは前に出るならしっかりと出ないといけませんでした。

〇ブレイザーズ戦のラス&ビール
FG27/44
うちミドルレンジ 11/13

要はブレイザーズ戦はウイングがインサイドに飛び込むプレーもあって、素晴らしい内容だったものの、その前提はあくまでも「ラス&ビールのミドルが決まりまくっていた事」にあったのかもしれません。ディフェンスはミドルにつり出され、前に出たら空いた裏のスペースに飛び込む選手に合わせられた。

これに対して、レイカーズ戦とクリッパーズ戦のミドルの確率を見てみると、違いが出てきます。

〇レイカーズ戦
ミドルレンジ 4/10

〇クリッパーズ戦
ミドルレンジ 3/9

いかにもミドルっぽい確率に留まったため、ディフェンスが過敏に反応することはなく、ウィザーズもチームとして素晴らしいオフェンスにはなりませんでした。ブレイザーズのディフェンス戦術とラス&ビールのシュートタッチによって、たまたま素晴らしく見えただけだったことがわかりました。

とはいえ、ディフェンスの動きによって合わせるプレーをしたわけですから、ウィザーズでは考えられなかった「連動」するようになったことは事実です。ラス&ビールのプレーに「合わせるぞ」という気持ちが強くなったことで生まれた連動です。ただし、その判断は個人に委ねられています。

インサイドで体を張ってスペースを作れるロビン・ロペス、中でも外でもスペースを見つけるのが上手いワグナー、シューターとしてフリーになれるポジショニングをするマシューズという3人が主力になってきたのには、献身的に走り個人として合わせてくれやすい事情が関係していると思われます。

その一方でレイカーズ戦ではウエストブルックのポストアップに対して、4人がボールウォッチャーになることも多く、パスを受けられる角度にポジション調整している感じもなかったので「チームプレーとして意図して連動している」とは思えないのでした。

では「チームとして意図している」になるとどうなるのか。現在リーグで最もうまいのジャズとサンズです。この2チームはパスアングルを変えていくハンドラーとディフェンスの死角に飛び込んでいくビッグマンが秀逸です。ドノバン・ミッチェルもブッカーも自ら得点する選手ですが、この2人のミドル確率とは関係なくゴベアーとエイトンは合わせのプレーを作り上げて、ウイングはセンターのポジショニングに応じてコーナー3Pとカッティングを組み合わせていきます。

ウィザーズは連動し始めたけど、鮮やかなチームオフェンスってわけではない

そもそも「連動」すらなかったので、これだけでも驚くべき変化です。ウィザーズの勝ちパターンってバカみたいにシュートが決まるか、相手が外すくらいしかなかった印象でしたが、ちゃんと連動するので、どこかで崩すことが出来れば、そこを塞ぎに来たディフェンスをみて、他の確率の高いプレーに繋げられるようになり始めてきた・・・ような気がしないでもないぜ。

◎ラス&ビール

ウィザーズが連動し始めたのは「ラス&ビールのプレーに周囲が合わせるようになった」ことにありますが、そんなの初めからやっとけよ!、って話です。でも、これが出来るようになってきたのはスターター変更だけでなく、プレーメイクそのものをラス&ビールにやらせることを徹底したことも関係しています。

〇タッチ数
ラス 86.9回 → 95.4回
ビール 75.0回 → 73.8回
その他 259.1回 → 231.8回

〇パス数
ラス 58.8回 → 67.8回
ビール 42.9回 → 42.4回
その他 195.3回 → 165.6回

5連勝が始まった前と後では、こんな感じでウエストブルックのタッチ数とパス数が増え、ビールは変わらず、そして他のチームメイトは減っています。イシュ・スミスがいないことも含めて、ラス&ビールで攻めていく回数ばかりが増えていき、その結果として2人のFGアテンプトやアシストも増えています。

見事な調整と言いたいところですが「ラス&ビールを徹底した」のは間違いないものの、その内容は単純にウエストブルックに任せる形を増やしただけです。もちろんビールには渡すのですが、他の選手には渡さなくなったって感じ。

この影響を最も受けるのがサードオプションの八村です。これまでは「パスを受けに行く動き」が多く、ボールばかり見ていて、ついついボールマンの方向へ動いてしまう印象でしたが、それが今は「フロアを広く保つポジショニング」を重視しているのでボールに寄っていく事がなく、両サイドにワイドに広がってフロアバランスを保ちながら、ディフェンスを見てスペースに飛び込めています。

これにより自分でアタックする機会が減りましたが、前述の通り、オフボールでの合わせが増えたことで、結果的には良い方向に流れています。これまではパスをもらってから自分で仕掛け、それがイマイチ効率が悪いプレーだったのですが、オフボールの時点でディフェンスを剥がしていることが増えたのでFG成功率が良くなりました。

〇八村のFG成功率
2P 48.4% → 59.5%
3P 33.3% → 28.6%

アテンプトが10.5本→9.3本と減ったので、八村の得点そのものは変わっていませんが、2Pが高確率で決まるようになりました。2Pが50%を下回っているビッグマンは怖くないですが、60%になると話が全く違います。

ラス&ビールを止めに行ったときに
「サードオプションが自分で仕掛けて50%以下」
なのと
「サードオプションがエースと連動して60%」
では、オフェンス効率は大きく違います。ラス&ビールにばかり意識を向けるわけにはいかなくなりました。つまり、ウィザーズが勝てるようになったことと、八村の貢献度には高い親密性があるわけです。同じ得点数でも今の八村の方がディフェンスは嫌だよね。あとは3P決めようね。

まぁ6試合の話なので偶然かもしれませんが、ここでの八村の責任って結構大きいよ。なんせ、HCブルックスは意地でも3P選任のベルタンスを起用するから、他にインサイドで合わせに行く選手がいないんだ。

◎ウエストブルック始動

6試合で平均得失点差が+7.7のビールと、0.7のウエストブルックではビールの方が遥かに効果的に決めています。特に今シーズンのビールは2年前とは別人のような点の取り方をしており、ビールだけで特集にしたいくらい。これは5割に到達するか、得点王にでもなったら書きましょう。

そんなビールには気を使っていたようなプレーを開幕からしていたウエストブルックですが、ちょっと様相が変わってきました。「ラス&ビールを徹底した」といえばHCの指示っぽいですが、「ウエストブルックが自分でやりたがるようになった」ならば、個人の判断かもしれません。もちろんミスも多いし、いいことばかりではない。

実際、2勝目のロケッツ戦だと、好き勝手やっているだけに見えました。あの試合の問題はトランジションでミドルを打っていることでしたが、3Pを打たなくなったことも含めて、いくつかのプレーを制限したうえで、あとはご自由にどうぞ、というブルックスの指示なのかもしれません。

3Pアテンプト 4.4本 → 1.7本

何はともあれ3Pを打たなくなったことで、ウィザーズオフェンス最低の武器は削除され、その強引さがもたらすメリットの方が大きくなってきています。ちなみに6試合で3Pは1本も決まっていません。

得点 19.9 → 20.0
アシスト 8.9 → 11.7
リバウンド 9.0 → 11.5
ターンオーバー 4.9 → 4.7

一番大事なのは最後です。明らかに自分で行くプレーを増やしたのに、ターンオーバーは減りました。無駄なプレーをそぎ落とした対価なのかもしれませんし、ブルックスがミスのたびにウエストブルックの腕を絞り上げた成果なのかもしれません。

ビールとウエストブルックの違いは、得点力はビールの方が上回るものの、パス能力には雲泥の差がある事。ビールに渡せば得点は出来ますが、ディフェンスがビールに集中したときに打開する能力は(かなり良くなってきたけど)イマイチです。そしてビール最大の課題は今シーズンも継続中

※ナゲッツ戦の前に書いていますよ。

〇今シーズンのビール
FG 48.0%
3P 33.2%

〇うち、4Q
FG 39.8%
3P 22.2%

一言で形容すれば「勝負弱い」ですが、実際にはそれだけではなく、チームオフェンスに乏しいウィザーズなので、勝負所になるとビールの個人技に丸投げし、ディフェンスもそれをわかっているから、追い込むのが楽で、ビールのタフショットが増えていくことに問題がありました。そりゃあ決まらないさ。特にインサイドを固められるからプルアップ3P打って外す傾向があります。

もともと2勝8敗でスタートしたシーズン序盤でも、オフェンス力はあったので、8試合が1桁点差と接戦にはなるのですが、ネッツに1点差で勝った以外の7試合すべてに負けました。

終盤での勝負弱さはビールが弱いことだけでなく、単調すぎるオフェンスに問題があった

今回の連勝中もビールの4QのFG成功率はイマイチ。それでも、4QだけならFG54%になるウエストブルックが仕掛けることが増えた上に、ビール以外にもパスが出てくるので、ディフェンスがビールに集中するほど、チームメイトは楽に点を取れました。

八村はここ6試合で4Qだけなら2P5/5、3P1/3です。つまり、前述の良くなったFG成功率は4Qほど如実に出ています。エースのビールに集めすぎないウエストブルックのゲームメイクが勝ち切れるチーム力に繋がっています。

特にレイカーズ戦は4Q終盤はウエストブルックのドライブキックアウトで八村とアブディヤの3Pをアシストしたのが印象的でした。そして延長ではビールが決めまくったわけなので、ウィザーズとしては理想的な形で勝てたといえます。

えっ?
ウエストブルックへのファールゲームをさせなければ延長にならなかったって?
そうね。だからウィザーズは確かに「変わって」「良くなった」けど、未だに「信用できない」チームであり続けています。

◎ディフェンス

最近、「素晴らしいディフェンスをする」と評判の八村ですが、そんなことはないです。普通にぶち抜かれています。

えっ?レブロンを困らせていたって?
いや、別にレブロンは困っていなかったよ。っていうか、レブロンって割と日常的にあんな感じで、抜けそうな相手でも正対していたら仕掛けないことが多いよ。スキが出来たら好き勝手に突破するけど、ウエストブルックみたいに何もないところから仕掛けるのは好みじゃない。

それ以上にADとシュルーダーのいないレイカーズのチーム状態は極めて悪いので、あれでもかなり良かった方の試合でした。ジャズにはボロ負け。元々オフェンス担当の選手は少なめにしていて、ディフェンス主体なのに、クズマが後半になると沈黙することが多いから非常に苦しいんだよね。

まぁそんなことは置いといて、八村に関して言うと、レブロンのようなオールラウンドタイプは割と得意な方だと思います。苦手なのはクイックネスでぶん回してくる選手で、平面で止められない上に追いかけてのブロックが出来ないので苦しい。同様に高さがないのでパワー&高さタイプも苦手です。

とはいえリーグ全体を見ても、そんな様々なタイプの選手を止められるディフェンダーの方が珍しく、彼らのような選手を「ディフェンスの良い選手」と評するにすぎません。以前の八村はどのタイプでも守れない印象でしたが、今はオールラウンドタイプが相手なら通用するようになってきました。そして苦手なタイプが相手でも、100%負けるなんてことはなく、その点で大きく成長しているのは事実です。

「ディフェンスの良い選手」ではないけど「普通に守れる選手」になってきたよ。ベルタンスなんか酷いもんね。何やっても抜かれる気がするし、オフボールの連携も悪いし。

そんなベルタンスですが、スパーズ時代ってここまでひどくなかった気がします。それはスパーズというチームのシステムと考え方が明確だったため、ウィザーズのように混乱していないからだったともいえます。当時のスパーズは3Pラインまで深くチェイスし、抜かれることは許容してもペイント近辺で厚いカバーをして止める考え方が浸透しており、ベルタンスも何を守るかがわかりやすくなっていました。

一方でウィザーズは、あまりにも簡単にスイッチしてしまうことが多く、それでいてスイッチのタイミングも悪い。ピックアップミスも含めて、根本的に「徹底する」マインドが足りません。相手の誰を止めて、どこをぶ厚く守るのかが決まっていない。

これらのことを前提に置き、その上でウエストブルックが八村に送った言葉と、ブレイザーズ戦後のブルックスのインタビューを見ると、推測したくなる事実があります。

ウエストブルック
「うちのチームでPGからセンターまで守れるのはお前しかいない、やれ」


ブルックス
「リーグ最高のシュート力を持ち、多彩なプレーができるガード(リラード)と何回もマッチアップしたが、よく抑えてくれた。スイッチして相手の1番から4番まで守らなきゃいけないのだから大変だが、塁には大きな信頼を寄せている」

ブルックスのコメントから日本メディアに流れた時に「ディフェンスが称賛された」と表現されるわけですが、その前にウエストブルックが本人に送ったメッセージも含めると、単にディフェンスが良いのではなく「スイッチして全ポジションを守る」ことに重きが置かれていることがわかります。つまり、ウィザーズは明確にチームとして

「八村はディフェンスの便利屋になれ」という戦略を打ち出した

ということがわかります。前述の通り、このチームのディフェンスは連携が悪く、スイッチのタイミングやカバーも微妙です。そこで八村をキーマンに指名して、ディフェンス面で色んな部分を塞ぐ役割を与えました。イメージとしてはセルティックスのスマートを思い起こせばわかりやすく、全ポジションを守れるからミスマッチが発生したところはスマートがスイッチしまくっていましたね。便利屋。

ポジティブに言えばオールラウンドタイプなので決定的なミスマッチになりにくい能力を評価され、ネガティブにいえば他に誰も担当できないというロスター構成の大問題です。なお、アブディヤは気が利きまくっているので、この役割に向いていそうなんですけどね。

これで各マッチアップで止めまくればスマートのようなスーパーディフェンダーになるわけですが、そこまで行かなくても便利屋としての価値は高まります。

さて、試合を観ていて「八村のディフェンスが効いている」と感じた方もいるかもしれません。でも、それは正しくは「八村がディフェンスで目立っている」ってことかもしれません。かつては、ディフェンスのシーンでボールマンと応対することが少なかったのですが、今はディフェンスになったら必ずと言っていいほどに八村が出てきます。

〇被FGアテンプト
10.2本 → 15.7本

これはすさまじい変化です。シュートを打たれる本数が1.5倍になりました。ちなみに被FG成功率は47,3%でDIFF0なので「ディフェンスの良い選手」ってわけではありません。普通レベルに決められているわけです。これが八村のディフェンスってことだ。

マークしていた選手がハンドラーにスクリーンに行ったら、八村は迷うことなくハンドラーに襲い掛かるようになりました。それでいてヘルプについてもゴール下で待つのではなく、前へ前へ出て行ってダブルチームに行くのも厭わなくなりました。

とにかくディフェンスに意欲的でアグレッシブ。何度も画面に登場に、迷いのないプレーを繰り返し、決められようが抜かれようが何度も相手に襲い掛かっていく。

チームとして連携のとれたディフェンスを出来るチームではないので、ハンドラーにアタックしていく八村をキーマンにして役割分担を明確にし、逆にチームメイトはインサイドを塞ぐことを重視しているように見えます。戦術が整備されていないのを気持ちで補っていくような感じ。

・・・効率的なプレーをしているわけじゃないけど、とにかく意欲的でアグレッシブな気持ちが成功を生み出している・・・ウエストブルックっぽいなぁ・・・

◎攻守トータル

オフェンスはラス&ビールのアタック徹底で周囲は連動することを重視し、ディフェンスは八村がボールへのアタックをして、周囲はカバーリングを重視する。

見方を変えるとサードオプションである八村に対して、オフェンス面での負担は減らし、ディフェンス面での貢献を求めるようになったことがウィザーズにおける最大の変化なのかもしれません。いろんな変化があったように見えて、実は攻守トータルで八村の貢献バランスを調整したことに過ぎなかったのかも。

個人技でプレーメイクし続けながら、1試合を通して持ってしまうラス&ビール2人の異様なスタミナが可能にした戦略変更ではありますが、その分だけ他の選手はオフェンスの負担が減ったのでディフェンスにパワーを注げているイメージもあります。それが劣勢でも耐え抜けるマインドにも繋がってきていて、ガマン強く戦えるようになってきました。

以前は相手に流れがあっても、バカみたいにトランジションアタックを続けてはカウンターで突き放されていたけど、基本的に1回ラス&ビールにボールが渡るので同じトランジションでも確率が高いことと、ディフェンスが警戒しているからスローダウンする事も含めて、オフェンスの集約とディフェンスへのエネルギーアップは簡単に崩れる試合展開を防止してくれるようにもなっています。

突如として変化してきたウィザーズ。きっかけは攻守それぞれでキーマンを決めたことで、それが攻守トータルで大きな意味を生み出しているのかもしれません。

とはいえ、まだまだ上は遠い。勝ち越しが3チームしかないイーストなので、突き抜ければあっという間にプレーオフですが、超団子状態の激戦に巻き込まれていくのかもしれません。

ちなみにウィザーズはネッツに次いでウエスト相手に勝てているチームです。ウエストに勝てるならイーストのチームには無双しないとね。

勝ち始めたウィザーズと役割分担” への15件のフィードバック

  1. 八村がディフェンス上手いっていうのは自分も疑問に思ってました。
    明確なデータは無いですけど、速い相手にはほぼ歯が立ってないと思います。
    高さとパワーのある相手にも押し込まれますし。(ゴンザガ時代でもパワーのある相手は苦手でした)
    レナードに例える人多いですけど、彼が現実的になりそうなのはレナードではないと思いますね。
    うまくいってジェフおじさんですかね。
    彼ほど身体能力高くないと思いますが。

    1. 八村がディフェンスに意欲的になってきて思うのは、割と腕の長さや手の大きさがあるんじゃないかと。そういう部分を活用できてはいないので、せめてハンドチェックが上手くなっていくと止める手段も増えると思います。
      そういう特徴を活かせるとレナードっぽくなるのは事実なのねすが、まぁそんなに都合よく活かせるなら、みんな苦労しないんですけどね。

  2. 八村は確かにDFにエネルギーを割く割合を大きく増やしましたが、良いDFをすれば、そこからトランジションで楽に、自分らしく得点も稼げることで気持ち良さそうですね。普通の若い選手なら、オフェンスの役割を減らされたら腐りそうですが、ラスがいることで最後尾からでも全力でウイングを走れば面白いようにパスが出てきますし。こんな形でラスも八村も、いい相棒を見つけ出すとは思いませんでした。

    インサイドで高確率で点を稼いでくれる選手も、安定して3Pを決めてくれる選手もいないし、チームとしてもそんなことできていませんが、守れさえすればビールがある程度の確率で難しいシュートを決め続けてくれるので、そりゃ勝ちますよね。このままDFが崩れることさえなければ、5割でシーズンフィニッシュは堅そうです。エース2人以外を、とにかく守れるかハッスルする選手で固めるって昔ながらなパターンですが、やはり手堅い勝ち方だなと。

    1. ウォールはやっぱり凄くって、何もない所からスーパースピードスターっぷりを発揮し、速攻を使っていましたが、逆にディフェンスからじゃなくても速攻になってましたね。当時はゴータットのアウトレットパスが激ウマでした。

      そういうカルチャーがディフェンス強化に繋がらなかったのかもしれません。ウエストブルックはディフェンスの良いチームで過ごしてきたので、ガマンならなかったのかもしれません。

  3. ウィザーズがウォール獲得してからずっと悩まされていたウイング・サードスコアラーが八村で埋まりそうですね。ピークを過ぎたピアースから始まり、ハマったと思ったオットポータージュニアはネッツ砲の餌食に会い、ウーブレは一皮剥ききれなかったような感じでした。そんな過去があるから、どこでも守れる八村を獲得した翌年もサイズがあって気が利くアブディヤを獲ったような気もしてきました。

    1. ポジション的にはウイング揃えるのは正しいですからね。ドラフト時はウォールだった事も含めてオフェンス志向が問題でしたが、ウエストブルックが来たのでリバウンドなんかもカバーしてもらえるし、予想外にアブディヤ本人もディフェンスを頑張るので、結果的には良かったです。

      まぁその他でディフェンダーを集めなかったので、やっぱり問題なのですが。

  4. アブディヤさんをもっと見たいよーな、ルイ君を応援したいよーな複雑な気分ですw

    混沌としてるシーズンなので、なんとか紛らわしいながら、Playoff経験出来たらいいんですけどねぇ…(ビールの機嫌も少しは良くなるだろし……)

    1. 行けそうですけどね。プレーインで勝てるように熟成させられるかどうか?ってなると、いろいろ怪しいです。

  5. 初めてコメントさせていただきます。
    読みごたえの有る内容で楽しかったです。
    一つ質問を
    今、ウィザーズが補強するならどのポジションを補強した方が良いと思われますか?
    具体的な選手がいましたら是非とも教えていただきたいのですが。

    1. 取り敢えずはロバーソンで。エースキラーを連れてきましょう。

      あとは普通にセンターをバージョンアップしたいです。ロビンはシュート外しすぎるのと、スクリーンからの動きが怪しいので。
      このタイプで優れているのはアダムス。ロバーソンとアダムス。。。

      それはムリにしても、エネルギッシュなセンター兼PFはいっぱいいるので、候補は多いです。センターじゃないけどRHJ連れてきて八村と同じことやらせても面白いかも。

  6. なるほど、八村のディフェンスが良くなったという実感はなかったのですが、良くなった気がするという何となくの雰囲気はありましたが、ボールマンに積極的に当たっていたからなんですね。
    ラスの「やれ」からの発奮はかなり効いたみたいで、気持ちでここまで変わるのはTheAthleteなのかもですね。
    物静かだけど負けず嫌いで信頼されると力を発揮するThe日本人(笑)

    でもこの変化にHC初めコーチ陣はどこまで関わっているんでしょうね(^^;

    1. 3P打たなくなったウエストブルックの変化にはブルックスが関わっているっぽいのですが、その他の変化は「ウエストブルックとしては、こうして欲しい」という要素が多いので、どっちなんでしょうね。

  7. 役割分担の明確化を今になってやることに驚いています(笑)
    とりあえず、ラスとビールがいて、イーストでプレイオフにもいけないってことは、普通に考えてあり得ないことだと思うので、八村含めて頑張ってほしいです!!

    まぁプレイオフいって、いつまでもコーチ変わらないとかになったら、いつまでも面白くないチームのままだと思いますが・・・
    GMやオーナーは現状をどう考えているのか気になる・・・

    1. オーナーがいい人らしいので、簡単にはクビにならないのだとか。
      GMは何考えているか不明ですね。本当はラプターズの社長を連れてきたかったので、オーナーとしては大きく組織を変えたいのだと思います。

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