ニックスvsウォリアーズ

2021/2/23

オールスターだぜ!ジュリアス・ランドル!

まさかランドルがオールスターになるとはね。シボドーの手腕に乾杯。いろいろと問題もあるけど「名門ニックスなのだから、FAで大物を獲得できる」と考えるならば、1年前に比べたら誰かしらが加入してくる可能性は高まったかな。ネッツみたいにそこから全く違うチームに変わることもあるわけで、未来がわからないなら今を勝つことでFAを狙うのが正解ってか。

懐かしのローズをも求めて、とにかく勝ちに来ているニックス。クイックリーが活躍しているので若手もちゃんと続いてきたし、良い方向には回っているぜ。ランドルとは契約延長するんだろうか。

風邪気味でホーネッツ戦をキャンセルしたカリーですが、コロナではなく無事に復帰。そしてルーニーも戻ってきたと思ったら、ワイズマンも戻ってきたので、なんだか一気に選手がそろってきたよ。ドレイモンドがオールスターに選ばれていた頃が懐かしい。

最近、ちょこちょこ見ているウォリアーズについては、変わった印象を持ち始めています。かつてのクイン・クックやマッキーニー同様に、今シーズンもトスカーノ・アンダーソンやマルダーも活躍させるウォリアーズのシステムは秀逸です。戦力不足でも自分たちの考え方にあった選手を連れてこれれば、何らかの形は作れる。

その一方でキャリア最高のFG%を記録しているわけにはウィギンズはイマイチ。まぁサラリーが高すぎるだけで、そもそもこんなもんじゃん、ってのも事実ですが「活躍しているんだけど、ポテンシャルを発揮しきっているとは言えない」という感じです。

つまり、それがウォリアーズの問題なのかなと。デュラントは変態シュート能力で個人でも活躍していたけど、基本的にはスプラッシュブラザーズ以外に求められる役割は限定的で、その限定から抜け出すのは難しい。みたいな。なんてことを、この試合でも感じることは出来るのか?

◎アシスト

ランドルが鮮やかなパスを通して速攻が決まれば、カリーのワンパスからウィギンズも速攻。ニックスがPGペイトンの時間帯って事もあって、お互いにしっかりと全員が動いて、パスでチャンスを作っていきます。ドレイモンドの3Pが決まったこともあってウォリアーズがリードする展開。

戻ってきたルーニーがスターターなので、早いタイミングでのカバーでニックスのドライブを止めるのですが、その分だけインサイドは手薄くなり、そこにノエルが飛び込んでパスも出ます。ところがゴール下に戻ってくるのも早いぜルーニー。ノエルにイージーシュートを許さず、ここのディフェンスもニックスとウォリアーズの差になっていました。

そんなルーニーからワイズマンに交代すると、ニックスは8-0のランで追い上げます。ワイズマンのディフェンスが悪いわけではなく、普通にゴール下を塞いでいるのですが、ニックスはミドルレンジでプレッシャーがないので、それが正しい判断をする時間を生み出してくれたようで、相変わらず球離れのよいランドルのパスアウトからバレットの3P、ペイトンがチェンジオブペースでのドライブを決めていきました。

しかし、ここからウォリアーズはベイズモアが2つの3Pを決め、ワイズマンはポストアップからダンク。ウィギンズもゴール下でのファールドローとオフェンスで再びリードを奪い返します。カリーはバンク3Pで初めてのFGさ。

1Qは36-31でウォリアーズリードで終わります。鮮やかにパスを散らしたランドルが1Qだけで5アシストと活躍しましたが、ウォリアーズはチームで11アシスト。3Pが決まりまくったこともあってパスゲームが冴えたのでした。

◎パスゲーム

ローズを獲得したとき、クイックリーの出番がなくなるかと思いましたが、2人を同時起用しています。コンボガードの時代なので、当たり前ではあるのですが、シボドーのオフェンスは特定のハンドラーに託し、周囲にハードワーカーを揃えるのが好みであり、ローズはその象徴的な選手でした。

そのため、個人アタックを中心とした形になって、クイックリーがボールを持つ機会が減ると思っていましたが、むしろパス中心のオフェンスで上手くプレーシェアしているのが目立ちます。バークスも含めた3人がポジションレスで動いてパスを繋ぎ、トッピンやギブソンのインサイドを使っていくよ。

そのトッピンがアリウープを決め、さらにポストアップから押し込んでニックスが3点リードに。セカンドユニットは全員の集中力が高く、ディフェンスでもしっかりと声を掛け合ってインサイドを守り抜くので、完全に上回っていきます。

チームオフェンスがあまり機能しない劣勢の時間帯であるからこそ、ウィギンズにポストアップさせるなど、個人の強みを使うのも1つの手段ですが、あまりやらないのがウォリアーズ。でも、パスカルは個人技で仕掛けることも多いんだよね。よくわかんない。

この辺がポテンシャルを生かしきれない部分なのかな。流れるようなパスワークの一環として活躍する選手は欲しいけど、それ以外のプレーについては、あまり効果的に使えていない感じ。だったらウィギンズクラスじゃなくても同じじゃん。問答無用のシュートを決めるなら話は別だけどさ。

ってことで、かなり一方的な展開に見えるのですが、ニックスもそんなにリードを広げられません。シボドーのイメージにはないパッシングオフェンスをするのだけど、イメージ通り3Pを重視しないので爆発力はイマイチなので。

スターターが戻ってきてもニックスディフェンスがドレイモンドのパスを読んでカットし、カリーはオーバードリブルするなど、ウォリアーズが苦しい雰囲気を出し続けるのですが、高いフィニッシュ力で難しいシュートを決めるカリーの3Pやワイズマンの速攻で同点に。

ペイトンのレイアップをワイズマンがテンディングしてしまってニックスが4点リードで前半が終わります。2QのウォリアーズはFG38%しか決まらず、さらに4つのターンオーバーで苦しく19点しか取れなかったのですが、ニックスは6つのオフェンスリバウンドを奪いながらも28点止まりでした。

全体的にちょっと退屈な前半でした。良い意味で言えば、お互いにディフェンスを固くしていたね。ウォリアーズの方がスイッチやカバーの使い方が統制されていて上手いのですが、フィジカルに強い選手を揃えながらカバーリングを徹底しているニックスの強みも光ったね。

◎軽いカリー

カリーがペイント内から3Pラインの外にバックダッシュで出て来ての3Pにフェイクからのミドルで早々にウォリアーズが逆転します。難しいシュートをこともなげに決めるよね。さらにランドルとシボドーが2人してテクニカル取られてカリーのフリースローさ。

そしてニックスオフェンスは、またもルーニーのカバーディフェンスに困ります。まぁルーニーのカバー以外にも、そもそもニックス自体がペイント内に選手が多過ぎる問題なのですが。ドレイモンドもいるし、インサイドを攻められなくなり、困ってしまうよ。

そんなことをしている間に完全にカリーが調子に乗ってしまいます。軽いプレーでさらっと3Pを打っていくカリー。1on3のトランジションになったら3Pラインに下がって打つさ。ニックスのオフェンスとは全く違う軽サラなオフェンスで、3Qだけで15点のカリー。これで最大13点リードにします。

うん、2Qは優勢だったニックスがリードを得るのに時間がかかり、3Qはウォリアーズが優勢になった途端に一気に二桁リードさ。お互いの考え方の違いが出ています。

ワイズマンになるとニックスもインサイドで得点していきますが、カリーの3Pに引き付けられるディフェンスを見たドレイモンドがワイズマンやウーブレイに見事なアシストパスを通すので点差は変わりません。

しかし、こんな時に取り返すからこそオールスター。ピック&ポップから3Pを決めたランドルはトランジションではバークスの3Pをアシスト。さらに自分でも、もう1本の3Pを決めて追いすがります。他にも良いパスアウトがあったけどチームメイトが決められず、3Qは94-85で終わります。

◎ディフェンス勝負

前半はニックスが優位に立ったセカンドユニットの時間。同じような展開に持って行きたいところでしたが、ウォリアーズの早いヘルプとローテの対応に自分たちからミスをしてしまいます。

ローズに2人来ると、ペイント内のギブソンへ。ここにディフェンスが間に合うとギブソンはパスアウトや飛び込んできたトッピンへのパスを出します。しかし、それぞれのパスが全て微妙にズレるので、ニックスはシュートにたどり着けません。

プレーの形としては悪くないのですが、正確性を欠いてしまうと、次第にローズ起点ばかりになってしまい、さらにパッシングオフェンスにはならなくなってしまいます。見慣れた光景だ。

しかし、しっかりと足が動いていたニックスは、オフェンスのミスから失点することはあれど、ディフェンスはウォリアーズをシャットアウトします。4Q開始7分でウォリアーズの得点は3点のみ。見事なディフェンスは追い上げムードを作ってくれました。そして、ここでウィギンズは3P打っては外していた。デュラントなら決めるけど・・・。

とはいえ、ニックスも7分で7点しかとれていないので、ビハインドのままスターター同士の勝負になります。スターター同士っていうけど、ニックスはローズとギブソンが残っているよ。ブルズを目指しているのか。

戻ってきたペイトンとランドルのアタックで同点になるも、カリーが3Pで再びリードを得ると、ローズは連続でシュートミス。試合終盤なので個人技の戦いになってきた感じです。

ここでニックスはまたもルーニーのディフェンスに悩まされます。スイッチさせて1on1にしても抜けないし、カバーでインサイドを塞がれるし。ドレイモンドとウーブレイのローテが早いこともあって、有効なオフェンスが出来ない。

一方のウォリアーズはワイドオープンを作ることもあるけど、ルーニーとドレイモンドに3P打たせるわけにもいかないので、最終的にはそこを空けられてしまい、ニックスのディフェンスが間に合います。タフショットばかりになってしまうよ。

そのタフショットでギブソンのファールを引き出しながらハイポストからのフローターを決めるのがカリー。3点プレーにして残り1分半で5点差にします。この時間帯にギブソンを使わないといけないのか・・・。

さらにウォリアーズはオフェンスになるとルーニー→ベイズモア。ワンポゼッションオフェンスのために選手交代すると、パスでディフェンスをずらしてからウーブレイのドライブでファールドローになります。まさに、さっきまで無視して良かったアウトサイドのルーニー分のところでしたね。ニックスはファールコールにチャレンジするけど失敗。

で、ディフェンスだからベイズモア→ルーニー。でも、ここはペイトンが強引に頭から突っ込んでルーニーからファールドローします。ファールには見えませんが、もうチャレンジは使ってしまっていたウォリアーズ。

この攻防って、結局はファールで終わるので、そのたびにルーニーとベイズモアが交代します。地味に損しているニックス。そしてカリーのドライブに対してコーナーから飛びこんできたウーブレイがダンクで勝負を決めたのでした。

〇ディフェンスレーティング
ルーニー
オンコート 73
オフコート 125

20分プレーしたルーニーは偶然の要素もあるとはいえ、明らかに効きまくっていました。わかっていたこととはいえ、ルーニーを起用したほうがドレイモンドの高速ヘルプの意味も出てきてウォリアーズは強いぜ。

ただ、走り方を見てもルーニーはコンディションに問題がありそう。前半は6分しか出なかったことも含めて、使いどころを見極めたいようなスティーブ・カーです。スターターに混ぜて勝負所に勝つか、セカンドユニットに混ぜて厳しい時間を助けてもらうか。

〇4Qのランドル
2点
FG1/4

試合を通して25点、10リバウンド、7アシストと活躍したランドルですが、4Qに存在感を発揮できず。おいおい、頼むぜオールスター。

とツッコミたいところなのですが、この問題が「ランドルが情けない」で終わらないんです。1Qに5アシストを記録したように、少なくともランドルを経由したほうがオフェンスとしては良い感じなのですが、ニックスは勝負所で「ランドルを使わない」ケースが多発しました。

ミスが多かったローズ+ギブソンをクラッチタイムでも使いまくっていたし、ペイトンもランドルを使えなかった。こっちは守り切られた感もありますが、いずれにしても本来はランドルを中心に組み立てて然るべきなのに、ローズ色を強めてしまったのでした。

◎変わるのかな

3Pが少ないニックスですが、18ものオフェンスリバウンドを奪ってしまうので、フィジカルを生かした戦い方はワンビッグの時代に逆行して成功している部分もあります。3Pが少ないことが逆に武器になるってね。とはいえ、3Pも決めないと勝てないのは事実だよ。

かるーく打っていくウォリアーズとは対照的な形ですが、それが爆発力と安定感の違いになるので、粘り強く戦えればOKさ。

ただ、そんな戦いをした中で終盤に3Pを決めていたのがクイックリーだったけど、ローズになってしまったから戦い方は変わっていくのかもしれません。

〇ウィギンズ
16点
3P1/6
5リバウンド
1アシスト

悪いプレーをしているわけではなく、3Pさえ決めれば20点になるウィギンズ。でも、3P決めなきゃダメなウォリアーズ流って感じです。他のプレーで代用できていないのが気になるよ。そのポテンシャルは使いどころが少ない。

でも、本当はリビングストンなんかを活用していたのもウォリアーズなので、今のチームで起きている現象でもあるよね。こういう部分がどう変化していくのかは気になるところです。

ニックスvsウォリアーズ” への3件のフィードバック

  1. 最近は開幕の頃よりだいぶ整理整頓されてきましたね。正直、自分の予想よりチームが結果を出している事に驚いてもいます。

    ワイズマンのディフェンスはまぁールーキーって事で目をつむりたいですw代わりにオフェンスでのバックカットや、する前の動き方&タイミング、リングダイブする強弱や回数等、細かいとこは少し良くなったかな。ウーブレもその辺、アジャストしてくれてるのが有り難い。頼りになりそうでならなさそうで、でも居てくれて良かったのかも?なベイズモアさんをどう評価して良いのやら

    やはり気になるのはウィギンス君

    仰られるとおり、ドラ1や高級取りなのはウルブス都合でもありますが、『ウィギンスでないとイケナイ理由』がウォリアーズにはあんまり無いんですよね。トレードの都合上ウィギンスとゆうか。サラリーがもう少し低くても『ウィギンスでないと』と、なりそうも無いのがこの1年の感想ですかねぇ…

    とはいって、チームはそんなに悪い訳でもないから、余計に悩みどころ…もう少し戦術の外側で活躍してくれると商売(トレード)もしやすかもしれませんが、うーん

    ルーニーは脚の怪我が治んないでしょうねぇ…メディカルスタッフさん、なんとかしたげてぇ〜(てかフロント、そこだぞ!!元気が勝つんだぞ!!!!)

    パスカルとウィギンスをどうするのか 毎回言ってますが、こればっか気にしてる今シーズンです

    1. ウィギンズじゃなくても良いなら、どんな選手になるかっていうとウーブレなんです。3&Dで優れた運動能力を持つ選手なので、ウォリアーズ向きの選手です。でも、そのウーブレが大きな価値を見出されていないのであると、もうイグダラタイプしかいないっていうね。

      そんなに限定した選手しか活躍できないってのは、チームとしては大きな問題なので、やっぱり色んな選手を有効活用していかないと常に無い物ねだりになってしまいます。

      ってことで、今ある戦力をもっと生かさないと!って思ってます。

      1. そーですねぇー 『あるもんでやらんとね』ですよね

        ウーブレは来年以降もいてて欲しと切に願っておりますm(_ _)m

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA