シクサーズvsラプターズ

2021/2/20

今日は色々ありました。初めはセルツvsペリカンズにしようと思っていたのですが、後半だけリアルタイムでみて興奮する面白さはあったものの、セルツのよくわかんない部分ばかりがクローズアップされそうなのと、もう1回見るのがめんどくさいので辞めました。

ザイオンのパワフルムーブに加えて、ロンゾ、ハート、イングラムと揃ったディフェンスがセルツの3枚看板を上回って24点差を追いついた展開なので、結構ムネアツです。ペリカンズもイーストだったら上位争いしていそうだ。

もう1つの候補はファイナル前哨戦とすらされるクリッパーズvsネッツでしたが、こちらは昼休みに4Q終盤だけ見ていたら、なかなかのレフリー問題だったことと、そもそもネッツに食傷気味なこともあって辞めました。クリッパーズもよくわかんないチームだし、勝敗を競うゲームとしての面白さはあるんだけどね。

そして、もう1つの候補がウルブズvsニックスでした。HCサンダースが試合後にクビになったので、最後の試合を見ておこうかと。ニックスも観たいしね。でも、過去のサンダースよりも未来のフィンチを見ることにしましょう。

ってことで、全く候補ではなかったラプターズvsシクサーズになりました。ほんの2週間前はMVP候補筆頭だったエンビードですが、シクサーズも他のイーストのチーム同様に勝率を落としてきたので、ハーデンに抜かれそうだ。50点ゲームはしたけど、試合を支配できているのかどうか。

なんてことを気にする中で、ボックススコアを見るとなかなかの結果だったみたいなので、選ぶことになりました。それが何かは試合を見ながら確認していきましょう。なお、ワタナビーは出ていません。

◎アヌノビーとエンビード

ノーセンターのスモールラインナップが定常化しているラプターズですが、相手がエンビードではさすがにね。と、思ったら普通のスターターでアヌノビーにマークを担当させます。そろそろリーグNo1かもしれないディフェンダーを当ててきたぜ。

さすがのアヌノビーといえど、サイズの差が大きいエンビードを止めるのは難しいでしょうが、他の選手の30%減くらいの運動量のエンビードに、他の選手の50%増の運動量のアヌノビーだと考えれば

直接のマッチアップは止められなくても、運動量で差が付けられる

という考え方も出来ます。エンビードは止まらなくても他の選手のカバーがしやすいじゃん。ってことですが、これがビックリ。普通にアヌノビーがマンマークでエンビードを止めるスタートです。

正しく言えば「止めた」わけじゃなくて、エンビードが「仕掛けなかった」のですが、単純なポジション争いでペイント内に入れないパワーと密着してしまえるクイックネスを持つアヌノビーなので、エンビード的にはあまり相手をしたくなかった雰囲気です。同時に、今はポストに立ってマークが多ければパスアウトを徹底されているので、密着されたら自然とパスをするよね。

そんなわけで機能していたマッチアップでしたが、逆にシモンズが点を取りに来ました。最近はスコアに興味があるような仙道君タイプのシモンズ。アシストよりもインサイドでの得点に拘ることでチームオフェンスは豊かになるのさ。

これに加えてニック・ナースも早めにべインズを投入します。すると仕掛け始めたエンビード。なかなか面白い現象だよね。本当はアヌノビーにつっかけるのが効果的なんだけど、直接マッチアップしているならべインズの方が攻めやすいっていうね。

ただ、いずれにしてもラプターズはディフェンスゲームに持ち込むことに成功しました。シクサーズもそういうチームだからお互いの狙いが一致しているだけではありますが、軽い展開にしない方がエンビードとシモンズ相手には良いんだよね。

そしてオフェンスはシアカム。こっちはオフェンスでエンビードとのマッチアップなのでスピードで振り回してくれないとダメさ。まぁでも、ダメでした。振り回せなかったし3P打たされて外したよ。ところが、シアカムもシアカムでエンビード相手じゃなくなると見事なスピンムーブを決めます。

ってことで、お互いにミスマッチ利用で攻めるべきポイントはあまり使えず。純粋に同じポジションの相手を攻め込むことで得点していったよ。1Qは互角の展開でしたがヴァンブリードのとんでも3Pが決まったこともあって、ラプターズが4点リードします。

◎走り出すと苦しい

2Q序盤のエンビードがいない時間帯にシモンズはトランジションゲームを仕掛けます。しかし、これが守備範囲の広いアヌノビー&ブシェイのコンビによってブロックされ、テレンス・デイビスのカウンターアタックを食らってしまいます。

ラプターズ最大の武器であるボールを奪うディフェンスからのカウンターにハマってしまったわけですが、シクサーズのトランジションは結構怪しいよね。シモンズの個人能力があるから他のチームに劣るって事はないのですが、チームとしてはイマイチな気が。

そしてシモンズ中心だけどスローダウンし、ローポストから組み立てると自分たちを取り戻します。結局、トランジションでの戦いってゲームトータルでメリットを生み出すものだから、一部の時間だけ走りまくるって難しいんだろうね。ギャンブラーズは、ちょっとずつ負けても、1回の当たりで一気に取り返していた印象もあるし。

そして今シーズンは落ち着いてハーフコートを組み立てることが出来るし、ルーキーのジョーがパウエルからチャージドローするなど、守ってもペイント内を固く抑えます。インサイドに飛び込んだのはアヌノビーくらいだったね。

スターターが戻ってくると、トバイアスにマークされたシアカムがドライブし、まんまとカバーのエンビードにブロックされてしまいます。コーナーでべインズがフリーだったのにな。固くなったディフェンスはスティールも生み出し、シモンズやトバイアスの速攻で逆転するシクサーズ。

そしてエンビードとセスの3Pも決まってハーフコートオフェンスは順調さ。ってところまでは良かったのですが、どうもインサイドに人数を増やしているラプターズに対して、あまり飛び込めなくなっていきます。今シーズンのシクサーズは3Pをあまり使わないので、飛び込めないとリズムが生まれないようにも見えます。

そんなわけで、リード出来そうで出来なかったシクサーズ。お互いにスティールからの速攻が一番のチャンスになるような形で55-52とシクサーズのリードは3点でした。

◎打たれ過ぎの3P

後半になると、この傾向が強くなり、ラプターズは「ちょっと打たれ過ぎだろ」ってくらい3Pを打たれていきます。もちろん、ほぼワイドオープン。トバイアス、セス、ダニー、セスと決めてシクサーズのリードは10点に広がります。マジ打たれ過ぎだって。

シクサーズ目線で見れば、しっかりとボールムーブしてフリーを作っているので問題ありません。変な個人技ゴネゴネをしなくなったからこそ生まれたワイドオープン。ラプターズ目戦で見るとローテが悪いって事になりますが、その理由はシーズン序盤に悩まされていたべインズなのかもしれません。エンビード対策でコートにいるべインズがエンビードにはやられないけど、チームとしてはやられてしまう。

この状況にニック・ナースは意外な選択をします。3-2のゾーンにするのですが、2をべインズとブシェイを並べることにしました。ローテが間に合っていないと思ったらセンター増やすっていうね。例によって3の真ん中(シアカム)に異常な範囲をカバーさせる作戦です。

やっぱりローテが間に合わずミルトンにコーナーから決められるシーンはあるものの、このゾーンに対してシクサーズは「攻め方がわからない」ような雰囲気になってしまいます。普通にローポストのエンビードからで良いのですが、マンツーじゃないからスクリーンつかわないのかな。

実際、ローポストにボールがはいるとエンビードの得点が生まれるのですが、ちょっと奇妙なのはダブルチームされてターンオーバーになるとカウンターの速攻を食らってしまう事。ローポストアタックって失敗しても速攻になりにくいんだけどね。ラプターズの連携の良さもあって、エンビードがミスすると△2点になっています。

3Pを多く打たれていたことも含めて、どうもラプターズの狙いはエンビードからボールを奪うことにあった気がします。だから速攻への移行も早い。べインズでフィジカルを止めておいて、周囲がボールを奪いに行く。そんな作戦にハーフコートオフェンスがハマり始めてしまいました。

ブシェイが2つの3Pを決めた3Q終盤。一旦は14点差まで開いたのに1点差になって終わります。シクサーズは「3Pを打たされた」気がしましたが、打っている間はリードを得て、自分たちのハーフコートにしたら追いつかれてしまいました。

センター並べたり、ゾーンにしたり、ニック・ナースのワナが機能し始めた印象なのでした。そして、これがエンビードを苛立たせるのにも繋がるしね。

〇プレータイム
べインズ 29.5分
ブシェイ 25.3分

これが気になった数字①です。スモールのラプターズなのにセンター2人の合計が48分を超えているというね。相手がシクサーズって事で想像は出来たものの、さすがに2人並べて成功してしまうとは驚き。ワタナビーの出番がなかったわけですが、戦術的にシクサーズ対策があったわけだ。

〇シクサーズの3P 37本
セス 7本
ダニー 6本
トバイアス 9本

平均28.5本のシクサーズが37本打ちました。ちょっと多いね。しかもエンビードと同時に出ているスターターが多いのが気になったわけです。3Pを打たせているというか、そうなってしまうような守り方だったわけだ。なお、トバイアスは1本しか決めませんでした。

◎ブシェイが止まらない

4Qになってもブシェイが止まりません。シクサーズディフェンスは3Pで攻略しやすいってのは既にバレてきていると思いますが、ベンブリーとのピック&ロールで崩せているのは初めて見たかな。ハワードの守り方が悪いのですが、それ以外もカバーが悪くてオープンショットが増えていきました。

〇ブシェイの3P 5/6

そういえば3Pだけじゃなく、ピック&ロールではべインズやアヌノビーのダンクも生まれました。シクサーズの弱点なのかね。ヴァンブリードのパスが上手すぎたので、他のチームが再現できるのかわからん。

こうしてリードを奪っていったラプターズ。しかも、シクサーズはダニー周辺でミスが連発され、取り返しに行ってはファールしてしまったダニー・グリーンでした。

ダニー・グリーンのファール 6

2018年11月以来の退場となったよ。ちなみに、その時はラプターズにいたわけですが、優勝から初めてラプターズのホームに来たらしい。ホームっていうけどタンパベイ。

ブシェイの3Pから一気に崩れたシクサーズは、何故かオフェンスもミスばかりになり10点ビハインドになります。苦しいぜ。こういう時のためのベテランのはずが、そこから崩れた。

ってことでエンビードが戻ってくるのですが、ラプターズはべインズ、ブシェイ、シアカム、アヌノビーの豪華ラインナップで迎え撃ちます。すげーな。こんなラインナップがみれるとは思いもしなかった。

そしてエンビードがシュートをポロポロ落とします。シュート関係ない所でシアカムやべインズがファールしたのでフリースローで得点は稼げるのですが、次第にゴール下に侵入するのはシモンズばかりになってきます。

ただ、ディフェンスではペイント内を塞ぎ、ラプターズの得点をシャットアウトしたので、フリースローで徐々に追い上げたシクサーズが残り1分半で7点差にもっていきます。

時間を使って攻めるラプターズはショットクロックギリギリになってアヌノビーがタフ3Pを打ちに行くと、これにファールしてしまったシモンズ。ってことで、何事もなく逃げ切ったラプターズでした。意外と終盤が盛り上がらなかったな。他の試合観た方がよかったかな。

〇エンビード
25点
FG6/20
FT12/14

うーん、なんとも言えないスタッツだったので気になりましたが、べインズにペイント内を抑え込まれたね。ただファールドローは出来ていたのかと思ったら、オンボールプレーじゃないフリースローがも多かったので何とも言えません。いずれにしても、ラプターズが通常とは違う選手起用でエンビード対策をしたのが印象的な試合です。

なんせ今シーズンは戦力を相手に応じて使い分けることが出来ないから上手くいっていなかったのに、遂にそれまで出来るようになってしまうのか。フィンチはいなくなるけど、ラプターズは上がってこれるのかな。

〇ミルトン
3P 4/7
得失点差 △24

〇サイブル
得失点差 △23

スタッツで不思議だったのは、この2人。7点差で負けた試合ですが、この2人だけ異常に得失点差が悪かったです。しかもミルトンは3Pを高確率で決めたのにさ。その理由を知りたかったのですが、特にこれと言ってなかったです。ちょっとずつやられて、トータルが酷くなっただけ。

〇ブシェイ
得失点差 32

〇デイビス
得失点差 32

〇パウエル
得失点差 △26

一方でラプターズはベンチの2人が稼ぎまくり、パウエルが負けまくっていました。1試合でこんなに差がつくなんて、考えにくいわけで、大量リードと大量ビハインドがあったのかと思いきや、そんなことはなく、こちらも少しずつ稼いだだけでした。もちろんブシェイの3Pがあるから、そこは稼ぎまくったけど。

そんなわけでスタッツを見て興味を持った試合でしたが、普通に良い試合ってだけで個人の得失点差には大きな意味はなかったね。ただラプターズはこういう選手起用でも成立するようになるなら、昨シーズン同様に波に乗れそう。

一方のシクサーズはこれで20勝11敗となり、0.5ゲーム差でネッツが追いかけてきました。そもそも、この勝率でイースト首位にいるのが変なので、他にもあがってくるチームがあれば首位争いも白熱しそうです。が、ネッツ以外だとラプターズくらいしか上向いているチームがないんだよね。

攻略法がバレてきた中で次にどんな手を打ってくるのかリバース。またトレード話が持ち上がらないといいね。それともロンゾでも狙ってみるかい。トランジションを強める補強をするか、もっと堅実なハーフコートを増やすのか。

シクサーズvsラプターズ” への2件のフィードバック

  1. もともとPHIのベンチは弱いですがここ最近ミルトンの離脱のせいで更に目立ってきてトバイアスが混ざらないとどうしようもない感じでした。それもありモーレーがトレードの問い合わせを頻繁にしているとwojが言ってたので誰がいるだろうと調べていてちょうど私も昨日ロンゾ思い当たりましたが実際のところどう思いますか?やはりシモンズ以外のプレーメイカーがいない状態ですし、モーレーはDFでも活躍できる選手を探しているらしいので中々良い気がしました。しかし現在好調のロンゾをペリカンズは手放すでしょうか。トレード可能とするならアセットとして何を求めると思いますか?

    1. ロンゾはトランジションでは良いですが、ハーフコートのプレーメイク力は足りません。
      でもエンビードに渡すプレーを前提にするなら悪くない選択肢ですよね。
      3Pが決まるようになっている事もあって、シモンズよりもコンビプレーを組み立ててくれそうなので、ディフェンス面も含めて狙ってもよい選手です。

      サイブル+指名権くらいでトレードできそうな気がしますが。
      他のチームがよっぽどロンゾを欲しがらない限りあ。

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