マジックvsウォリアーズ

2021/2/19

あんまり見ないよマジック。なんせアイザックが今シーズンは出てこれないという状況から、シーズンになるとフルツもケガで離脱。代わりにスターターになったルーキーのコール・アンソニーが劇的なブザービーターで勝利を掴む活躍をしたと思ったら、こちらも大ケガで離脱。ゴードンもいません。

タフスケジュールでいろいろ大変ですが、最も苦しいのがマジックであり、未来に向けた選手が誰もいないじゃん。デッドラインが迫ってきている中で、フォーニエのトレードが候補になっていましたが、マジでタンクしても怒られないレベルです。

昨シーズンそんな状況になったのはウォリアーズ。これでワイズマンを獲得したわけですが、現在は離脱中。ルーニーもいなくて、前戦のヒート戦ではドレイモンドもいないからマイクロボールもビックリのスーパースモールラインナップになりました。でも3P50本打って勝ったぜ!

ってことで、どちらも苦しいケガ人事情の試合です。マジックの試合を観るときに相手がフルメンバーだと「可哀そう」しか出てこないので、ウォリアーズにしておきました。でも、ドレイモンドが戻ってきてしまったよ。

◎ヒート戦が良かった

ブセビッチとフォーニエの3Pが決まっていき、快調なシューティングで先に飛び出したのはマジック。トランジションでもためらわず打っていくウォリアーズの事情もあって、テンポの速い試合になっています。マジックにしては珍しい。

その上でウォリアーズのディフェンスが変。ピックアップミスを連発して、簡単なギブ&ゴーで崩せちゃって、インサイドに飛び込むし、パス1つでドフリーが出来るし。なんだこれ。

タイムアウトあけのウォリアーズですが、ここからウィギンズとドレイモンドでターンオーバーを連発し、カウンターからテレンス・ロスが難しめのレイアップを確実に決めて15点差に広がります。前のタイムアウトから1分で再タイムアウト。集中力を欠いた試合の入り方をしてしまったウォリアーズと、確実にシュートを決めたマジック。

ドレイモンドを下げたウォリアーズは、ここからPGカリーのプレーメイクに託します。スモール気味のラインナップになったことで、どこからでもシュートが打てるので、カリーのシンプルなピック&ロールからのパスアウト、そしてエクストラパスと繋いでいって連続で3Pが打てます。カリーを気にしてフリーを作ってしまったマジック。らしくないね。

マジックがフォーニエとブセビッチを下げたこともあって、ディフェンスも機能します。ピックアップミスがなく、スイッチ&ローテもしっかりするからフリーが生まれないし、逆にスティール速攻も出てきます。マジックは攻守にバンバのミスが目立っていたね。

ってことで、メンバーが揃っていないヒート戦の方が良かったウォリアーズのスターター。ドレイモンド問題なのか何なのかわかりませんが、ディフェンスではマークのズレが多く、オフェンスではカリーに打たせるためのパターンに拘り過ぎたのかな。

残り1分まで無得点だったカリーですが、アシストでチームを構築していきました。そして残り1分から連打。3P、ドライブ、そして&ワンと8点の荒稼ぎ。マジックが15点リードまで持って行った1Qでしたが、37-34と3点差に縮めて終わります。

◎バンバとブセビッチ

ウィギンズとパスカル中心になる2Q序盤。試合開始からオフェンスリバウンドに飛び込んでインサイドの中心になっていたウィギンズと、トップにポジショニングしてからインサイドに飛び込むパスカル。どちらも動きながらのプレーでマジックディフェンスを困らせています。

そしてバンバが早くも3つめのファール。規格外の高さとスピードを持つバンバも3年目。そろそろ「こういうプレーをする選手」というバンバなりのスタイルが欲しいのですが、能動的ではなく受け身なプレーが多くて、伸び悩んでいるというか、どんな方向に伸ばしていきたいのか見えてきません。どうして行きたいんだろうね。バンバを欲しがるチームがあれば放出してあげた方が良い気がするけどな。

そしてバンバと交代でブセビッチがはいってくると、ポストアップでボールをもらい、そこからパスアウトでさばいていきます。ぐるっとボールが動いて、再びブセビッチに戻ってきたところでターンシュート。単にシュートが上手いのではなく、こうして「起点役のセンター」ってのがわかりやすいよね。でも身体能力の高いバンバにそれをやらせたらもったいないし。

理想はヤニスなんだけど、あれはバックスが時間をかけて様々プレーを身につけさせて今があるので、普通にセンターやっているバンバには難しいよね。

さて、試合はそんなブセビッチによりマジックオフェンスはウォリアーズを振り回していきます。ターンシュートを決めれば、豪快なダンクにもいくぜブセビッチ。ただ「ブセビッチにボールが戻ってくる」っていうのは、ウイングの力不足な面もあって、ギャップに飛び込むような効果的なドライブが決まらない。ゴードンもアイザックもフルツもいないわけじゃん。

ただアミヌが戻ってきて、新たにオキキもプレータイムを得ているので、ディフェンスはなかなか。ウォリアーズは殆どドライブできず、たまに空いてダンクに行ったらオキキがブロックで叩き落しました。アウトサイド次第になってしまうウォリアーズ。

ドレイモンドあるあるで、苦しくなるとカリーしか見ていない。カリーが起点だと、カリー自身は全体を見ているけど、ドレイモンド起点だと初めがカリー狙いばかり。ウーブレイもウィギンズも消えてしまった2Q。トランジションでボールをもらったので、久しぶりに自分でアタックしたらオフェンスファールするウィギンズってのもあって、2Qは17点しかとれませんでした。

前半は64-51とマジックが大きくリードを広げたのでした。ブセビッチが格の違いを見せたようなインサイドと、FG9/13でフォーニエが続いてくれたので得点が伸びたマジックですが、それは他の選手はパスを回してばかりなのに、中心となるエースを「ウォリアーズが止められなかった」って空気も強かったです。

ウォリアーズはカリーに頼りすぎ。ヒート戦は20本の3Pを打ったとはいえ、ウィギンズのポストアップとか、いろんなプレーが混ざっていたけど、ドレイモンド復帰によって逆にプレーが狭くなった気がするのでした。

◎ウイング

そんな反省もあってか、カリーとウィギンズの絡みを増やしてきた後半のウォリアーズ。2人がスクリーンを掛け合えば、パスを出すドレイモンドはカリーもウィギンズも両方を見ている。ってことで、ウィギンズが抜け出してのダンクが決まります。

さらにウィギンズ→カリー→ウィギンズで3Pもヒット。グッと2人で崩す形が増えたことで、マジックのディフェンスに捕まらなくなっていきます。

一方でマジックオフェンスは、MCWがドライブしてコーナーのバーチにキックアウトなんていう苦しいプレーが出てしまいます。それはいろいろと違うじゃん。ウイング不足の空気が強く漂ってきました。さらにタイムアウト明けのプレーでウィギンズにスティールされるとウーブレイが速攻。

アウトサイドからは打てるのでエニスが3Pを決めるのですが、このスローインからまさかのカウンターを食らうし、リスクマネジメントが出来ていないマジック。そしてまたもウィギンズにドライブで切り裂かれて&ワンをくらい、5分で7点差にされてしまいます。

ブセビッチと3Pで得点していくマジック。ドライブが足りない。
それに対して、ウィギンズとウーブレイが次々にドライブしていくウォリアーズ。それもほぼトランジションなので、ファーストディフェンスが機能していないマジックです。展開が早くなり、早くなるほどに止められない。

一気に逆転しそうなウォリアーズでしたが、MCWがコーナー3Pを決めたり、やっとアミヌがドライブを決めたり。ガードのランドルがドライブ&ワンを決めたり。なお、ドライブを決められたのは全部カリーです。そしてウィギンズがベンチに下がったので、ディフェンスは・・・トスカーノ・アンダーソンにドライブ食らったぜ。

耐え抜いていたマジックですが、残り2分でカリーに変態フローターを決められると1点差。ブセビッチの3Pが外れると、リバウンドからウーブレイが速攻を決めて逆転。ディフェンスの方が人数多いのに止められないマジック。

ロスが3Pとドライブで取り返してくれたものの、最後にカリーのドライブキックアウトからドレイモンドの3Pが決まって、ウォリアーズが1点リードになって終わります。3Qは43-29と、とにかく点を取りまくることで逆転に成功したウォリアーズ。

前半に消えていたウィギンズを復活させ、そのうえでトランジションアタックのウーブレイも機能しました。やっとウイングが活かされたわけだ。うーん、考えようによってはウォリアーズはポテンシャルを引き出せないまま戦っているのかもしれません。この3Qみたいな形を意図的に出すことが出来ないことが多いよね。

◎オキキ

リーの3Pとパスカルのポストアップに合わせたワナメイカーの&ワン、そしてベイズモアの3Pで10点リードにしたウォリアーズ。日常的には、このベンチメンバーで困るのは理解できるけど、結構頑張っているんだよね。まぁ今日はマジックのセカンドユニットのオフェンスが酷いってのもあります。

苦しいのでフォーニエを戻すものの、MCWはレイアップが外れるとノーコールにクレームしてテクニカル。どうにもならなくて13点差まで広がってしまい、ブセビッチも戻すことに。バンバ・・・

するとブセビッチのパスアウトからMCWのコーナー3P。パスカルのドライブにはブセビッチが最後まで手を出して外させ、逆にフォーニエはドライブでファールドローと一気に反撃します。まぁウォリアーズのセカンドユニットがマジックのスターターに勝てないってだけですが、マジックとしてはブセビッチの有無でオフェンスシステムが180度変わってしまう問題かもね。

ちょっと放置しすぎたスティーブ・カー。ベイズモアのミドルをオキキがブロックし、ブセビッチのジャンプシュート、さらにブセビッチに合わせたオキキのゴール下で4点差になってしまいます。

せっかく13点までリードを広げたのに、2分20秒間で4点差に。マジックのスターターにやられるベンチメンバーを助けなかったよ。タイムアウトでよかったのに、もったいなかった。スローダウンしてウィギンズのアイソでもよかったか・・・決まりそうにないけどさ。

カリー、ウーブレイ、ドレイモンドを戻すと、ウーブレイがオフェンスリバウンドを頑張ってファールドロー。さらにカリー→ドレイモンド→リーで3Pと流れを断ち切ります。守ってもロスにミドルは食らうもののインサイドに侵入させず。フォーニエのドライブも最後までついていったウーブレイでミスに。

しかし、ここでオキキ。カリーのドライブをブロックすると、ブセビッチのパスアウトを受けて3P。ドレイモンドのドライブも手を出して外させます。

〇オキキ
11点
3P3/4
5リバウンド
3ブロック

3P30%くらいしか決まらないオキキですが、本日はブロックに3Pと見事な3&Dっぷりで救いました。若手が離脱しまくっている中で19年ドラフト16位のルーキーが活躍してくれたぜ。ウォリアーズに傾いた流れを止めたオキキ。

そしてブセビッチがミドルで逆転します。これをカリーがドライブで返す。残り3分から1点差の攻防が続きますが、オキキの3Pに続いてロスも3Pでマジックが残り1分50秒で5点リードに。

マジックは選手がいない中でバーチをスターターにしていましたが、オフェンスでは何の意味もなかったし、セカンドユニットがバンバになって苦しかったです。それが終盤はオキキを起用することで攻守に効いています。オキキをスターターにするか、バンバを開始6分だけ使うスターターにした方がよさげ。

タイムアウトから反撃したいウォリアーズでしたが、カリーに対してブリッツ気味にダブルチームで仕掛けると、カリーのパスをMCWが触り、オキキが奪うと同時にワンパスでMCWの速攻に。これをドレイモンドがテクニカルファール。

これで7点差になるも、カリーが3Pを決めて試合を終わらせません。ブセビッチのミドルが外れると、再びカリーがターン3Pを決めて残り20秒1点差に。今日も試合を決めるのかカリー。

ファールゲームのフリースローをブセビッチが2本決めて3点差。ウォリアーズの狙いはもちろんカリーの3Pですが、MCWとブセビッチが2人で止めに行きます。代わりにドレイモンドはドフリー。が、打たないし、カリーに戻すのがドレイモンド。

ってことでカリーはまともに打てるわけもなく、マジックが逃げ切ったのでした。せめてそこはウィギンズにしておけばよかったんじゃないのか?

〇カリー
29点
3P6/16
11アシスト

ダブルダブルのカリーのプレーには文句のつけようもなかったし、ウーブレイは速攻出しまくりの上、3P3/6で26点でした。ウィギンズは16点ってのが寂しいけど、FG7/15で割と効率的ではあったよ。

ただ、最後もやっぱり変にカリーばかりになってしまった。3P決めまくったから、頼りたいのはわかるのだけど、もうカリーしか見ていないじゃん。デュラントとはいわないけど、イグダラがファイナルで3P決めたのを思い出せ!ってね。

チームが強いかどうか、でいえばクレイ・トンプソンがいないことが苦しいわけですが、チームが持つポテンシャルを考えると2人目の司令塔になっていたイグダラ役がいないのが苦しいのかもね。ウィギンズは物足りないかもしれませんが、ここでウインガーにドライブさせていかないとダメじゃん。

強い部分をみせつつも、プレーチョイスという問題も感じさせたウォリアーズでした。ヒートに勝っておきながら・・・って感じですが、そこにはわかりやすい理由もあったよ。

〇ブセビッチ
30点
FG13/23
16リバウンド
10アシスト

一方でフィニッシャーとして以上に、起点役としてチーム全体にパスを供給していったブセビッチ。その上で自分に戻ってきても決めきってくれ、トリプルダブルの大活躍でした。こちらもブセビッチには何の不満もなく、3P5/9で26点のフォーニエと、3P4/9で24点のロスが続いて、相変わらずのシューターっぷりを発揮したので、良い部分がちゃんと出ていたぜ。

しかし、センターとシューターの3人がこれだけ得点したのはドライブ担当のウイング不足だから。まぁケガ人だらけで仕方がないさ。オキキが成長してくれることを願うだけさ。そこはいい。

問題はブセビッチからバンバになるとプレーが全く違うものになってしまうこと。かといってバンバの良さが活かされるわけでもない。もっとシンプルなピック&ロールからフィニッシュさせるとかでいいと思いますが、同じシステムで出来るはずがないブセビッチ役になっている感じです。

ケガ人だらけで仕方がないさ。でも、そんな時だからこそ、やっておくべきこともある。両チームのエースキャラはちゃんと活躍したけど、それ以外の部分には不満も残った試合でした。

でも、総じて言えばこんなにケガ人がいたのに、面白い試合だったね。満足できる内容でした。

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